ダ・ヴィンチ・恐山
オタクの性質を知り尽くした頭脳派、ダ・ヴィンチ・恐山。「まったく新しいコンテンツの『仕組み』を提案する」と意気込んでいましたが…?
さて、プレゼンさせていただく前にひとつ確認しておきたいことがあります。
美少女コンテンツの問題点です。
おお、いきなり踏み込んだ話ですね。
これはもう端的に言い切ってしまいましょう。
種類多すぎ!!!
たしかにそれは大きいですね。人気ゆえに膨大な量のコンテンツが作られ続けていますから。
そうなんですよ。しかもテーマがどんどん細分化され、どんどんニッチになる傾向にあります。
さっきの「バイオチャクラ」ひとつ例にとっても、もういくとこまでいっちゃってるんですよ。
たしかにアレはいくとこまでいっちゃってましたね。
そして差別化をしようとするあまり、コンテンツが増え続け…
その結果、飽きられてしまうのも早いんです。コンテンツの寿命がかつてないほど短命な時代になってしまっているのではないでしょうか。
さて、ここで私は発想を転換させようと思います。飽きられない作品ではなく、飽きられてもリカバー可能な構造にすればよいのでは…?
「ダメならやり直せばいいじゃない」と。
やり直す?
ダメならやり直せばいいじゃない!!世の中やり直せないことなんてないんだから!
元ヤンの熱血教師?
さあ、そんなコンセプトを落とし込んだのが、今回提案する作品…
「ブランチタイム」です。
おお、かなり王道の美少女ものっぽいタイトルロゴですね
内容も見ていただきましょう。
ほう。「貯水ダム部」という設定なんですね
でも、これかなりニッチじゃないですか?さっきの話だとニッチは避けるものかと…
そうですね。この展開自体はかなりニッチ方面です。もちろんこれだけでは従来のものと変わりがありませんが…
それを説明するためにまず作品の形式からお話させてください。
「ブランチタイム」はTwitterを基本として連載をします。
たしかに今、WEBサイトでなくSNSをメインに作品を展開させる人も結構多いですよね。
で、これをリプライ形式、いわゆる「ぶら下げる」形式でストーリーを展開させていきます。
ただ、リツイートやいいねの数が減少してしまうケースも往々にしてあるでしょう。
そして、世間的には「日常モノ」よりも「怪奇モノ」のほうが流行していたとします。であれば、こうしましょう。
こうです。
え?
どういうことですか?
窓の外が地獄だったんです。
この人もバイオチャクラのタイプだったか……。
つまりですね、ストーリーを「分岐」させるんです。再びリプライを枝分かれさせて別の話をつなげていけば、どんなストーリーにも展開できる。
彼女たちが何部に所属しているかも自由自在。RTが伸びたやつの連載を継続すればいいのです。
ちなみにこの女の子たちに設定はあるんですか?
設定すると可能性が「収束」してしまいますから最初はありません。この時点では便宜的に「量子複合体」と呼ばれます。
どういう読者層なんだ。
このように「様々なジャンルに分岐していく」という構造自体をコンテンツとして確立させることができるのではないでしょうか。
例えばさっきのは日常系路線でしたが……。
ホラー路線や青春ラブストーリー路線、スタイリッシュアクション路線や特撮路線、SF路線も人気が出そうですね。
このように、あらゆるジャンルを、この「ブランチタイム」に内包できるんです。先ほどプレゼンした設定だって「ブランチタイム」の分岐ルートのひとつとして展開していくことも可能…。ちなみに「ブランチ(branch)」とは「枝分かれ」を意味します。
つまり「バイオチャクラ」ルートも可能ということですか?
すみません、「バイオチャクラ」ルートはいらないです。
これの良いところはTwitterを基本として連載をするので、読者も参加可能という点です。
ある種のパブリックドメイン化することによって、最初のコマから発展させたストーリーを読者も作ることができるんです。
ひとつの出発点からあらゆる方向に分岐していき、ウケが良かったら正史になっていく。
そして、例えば同作品内でのクロスオーバーもありえますね。
このSFの世界から来た人物がラブストーリー路線の人物をぶっ殺しにくる、という越境を描くこともできます。私はそういう二次創作が好き。
なるほど。どんな展開になっても「そういう世界のひとつ」と許容しやすいですね。
面白いですね!ゲームなどではルートが複雑に分岐する作品もありますが、漫画作品がこういう形態で連載されることって見たことないかも。
公式が二次創作を推奨して発展するコンテンツもありますが、それが正式なストーリーになるのは新しいです。
オタクって…
こういうのが好きなんです。
そして、私もこういうのが好きです。
すがすがしいな。
Twitterの仕様を利用してジャンルごと分岐させ、飽きさせないコンセプトを打ち出したダ・ヴィンチ・恐山。自らがオタクであることを武器に、オタクの心理を反映させた作品を提案しました。
長島
ラストは、美少女コンテンツには全く触れてこなかった長島。それにも関わらず、なぜかこの企画に参加してきました。
よろしくお願いします。長島と申します。本題の前にはじめましてなのでちょっと場を和ませる芸をしようかなと思います。
長島の鉄板ギャグ「心臓が飛び出ちゃうやつ」
……
……
そして僕、代表取締役をやらせてもらってます。会社では一番偉いです。
急に役職を誇示してきましたね。
さて、先ほども前のプレゼンでもありましたが、いまや膨大な「美少女×〇〇」フォーマットのコンテンツがあふれています。
正直僕はこういったコンテンツの門外漢ではあるのですが、そんな僕ですらそのことは理解してます。
そんな中、この世の中で唯一無二ものってなんだろうかと考えたら、ひとつだけありました。
それが…
僕です。
「美少女×長島」!これがコンセプトですね。
かなり言葉を選んで言いますが、気味の悪いコンセプトですね。
ではコンセプトイメージをご覧いただきましょう。
これは僕、長島を美少女化したものです。
これは僕の愛猫。相棒的なポジションのカワイイキャラクターも外せないかなと思います。
いかがでしょうか?
絶望ですね。
イラストレーターさんに頼まなかったんですか?
理由は分からないんですけど、依頼したら断られてしまって…
普通に恐怖だったんでしょうね。
そして手前味噌ですが、かなり多趣味なほうでして、それを反映したストーリーを考えております。
すみません。ずっと怖いんですけど。
何か気になるタイトルはありますか?
「脳髄デッドボール」というのはどういう話なのでしょうか?
僕、野球をやっていたんですが、以前頭にデッドボールしたことがあるんですよ。
そこからどうなるか…という話です。
ケガするだけだろ。
これはどういう…?
僕、以前交通事故にあって、記憶の一部がないんですよね。
だとしたら絶対「Show」にしちゃダメです
そしてなんと弊社社員の「ダ・ヴィンチ・恐山」、「ARuFa」にも登場してもらいます!
ダ・ヴィンチ・恐山の美少女版「Vinちゃん」です!
この子はなぜ洞窟から出てきてるんですか?
これは髪です。
そしてこちらはARuFaの美少女版、「A-ちゃん」です!
肩にポップコーンがついてるのはなぜですか?
これは手です。
いかがだったでしょうか?
…
…
恐怖の一言だったようです。
結果発表
こうして、計5名の「美少女×〇〇」が出揃いました。いい大人が集まって美少女コンテンツについて語ったため、冬なのに部屋に異様な熱気に包まれました(本当に汗だくになってました)。
正直「何?」と困惑したものもありましたが、みなさん熱意はあることは確かでした!
プレゼン自体も私の業界と全然違うもので、新鮮で楽しかったです。
ひとつだけ決めるのは困難だったので、私たちそれぞれがそれぞれの専門である「ゲーム」、「アニメ」の2部門に分けて優勝を決めることにしました。
迷いましたが、僕がひとつ選んだのは…
「ブランチタイム」です!
SNSが作品に影響を与え作品のルートが枝分かれしていくという構造は、ある種の社会実験的なコンテンツともいえるかもしれません。もしかしたら失敗する可能性は大いにありますが、ソーシャルという物自体がまだまだ発展途上なので、今後の期待が大きいという点が評価できました。
ゲームという観点では大事なのはお客さんが「プレイする」こと、その体験を重要視しています。どれも魅力的ではありましたが、もしバイオチャクラをコントローラー装着できたら…誰も体験したことのない未知のゲームになるのではないでしょうか。なので…
「元・美少女バイオチャクラおばさんは今日も健在です!」です。
特に特典はありませんが、彼らには名誉のみが与えられます。
美少女コンテンツを愛し続けた彼らの気高さをたたえてあげてください。
さて…
皆さんは、アプリゲーム「荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!」を知っていますか?
美少女×戦闘機だって!? ッかぁ〜!その手があったか!!
我々オモコロライターの残念な想像力では到底思いつかないでしょう。なんですかバイオチャクラって。いい加減にしてください。
大空を舞台に凄腕パイロットの女の子たちが空戦を繰り広げる!
オートプレイなので、ながら作業でもプレイ可能。スキップチケットを使うことでスキマ時間でも気軽に楽しめます!
こりゃあダウンロードするしかない!
タロジロウもオススメ!!
です!!
イラスト協力
はん×はんカットガールズ:東385
民営老人ホームちゃん&公営老人ホームちゃん:縮こま里
バイオチャクラおばさん:金井秀雄
ブランチタイム漫画:こかむも
ブランチタイムロゴ:PopP
©荒野のコトブキ飛行隊製作委員会
©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.