「動物園に来た人は、必ず動物を見るに違いない」という、動物園側の思い上がり。

 

または、「中華街に来た人は、必ず中華料理を食べるに違いない」という、中華街側の思い上がり。

 

 

そういった思い上がりを戒めるために、わたしは上野動物園では動物を一切見ずに帰ってきたし、

 

横浜中華街では中華料理を一切食べずに帰ってきました。

 

(※関連リンク : 『 動物園で動物を見ない 』 『 中華街で中華を食べない 』) 

 

 

今回はその「思い上がったやつらを懲らしめる」活動をさらに一歩前へと推し進めるべく

 

よみうりランドに行ってきました。

 

 

「京王線よみうりランド駅で降りて、ゴンドラに乗ってよみうりランド入場口まで来た人は

 

必ずよみうりランドに入園するに違いない」という、よみうりランド側の思い上がり。

 

その思い上がりを、「ネジが気になる鼻コレクター」こと私ニシベが、戒めてやろうではないかと、

 

張り切って、よみうりランドに行って入場しないで帰ってきました。

 

 

 


 

 

 

 

京王線よみうりランド駅を降りて、すぐのところにゴンドラの乗車口があります。

 

よみうりランドへは、このゴンドラに乗って行けるようになっています。

 

乗車チケットは200円。よみうりランド本体の入園料とは別に支払う必要があります。

 

 

 

 

 

ゴンドラ内部から見える遊園地の様子。ああ楽しそう。

 

ジェットコースターのレールの間を縫うようにしてゴンドラは進む。

 

そういえば長いこと遊園地なんて行ってない。久しぶりに行ってみたいなあ。

 

でも私は入場しません。絶対に。

 

 

 

 

 

ゴンドラを降りると、いよいよ、よみうりランドの入場口です。家族連れや、カップルなどが券売機の前に並び、駆け出したい気持ちを抑えるみたいにして順番を待っています。わたしは当然、入場しませんが。

 

 

でも、せっかくここまで来たのだから、と思い、外側から読売ランドを眺めてみることに。

 

 

 


 

▲駐車場から見る「大観覧車」。標高170mの高さから、天気のいい日には富士山や都心の高層ビル群まで一望できる。 ▲ガードレール越しに見る「ホワイトキャニオン」。全長1,100m、世界最大級の横Gを誇る巨大木造コースター。

 

 

▲駐車場の向こう側にジェットコースター。 ▲木立の向こう側にジェットコースター。

 

 

▲フェンス(茶色)越しのジェットコースター。 ▲フェンス(緑色)越しのジェットコースター。

 

あれ、なんだろう?なんか、急に泣きたくなってきた。

 

自ら進んでやったことなのに、なんでこんなに寂しいんだろう。

 

 

フェンスの向こう側から楽しそうな歓声が聞こえてきます。

 

 


 

 

 

フェンスの内側の楽しい世界と、フェンスの外側の寂しい世界。

 

 

 

 

 

 

勝ち組と、負け組。

 

 

 

 

 

 

持つものと、持たざるもの。

 

 

 

 

 

 

格差社会!

 

 

 

 

 

 

 

低賃金。リストラ。増税。ストレス社会。家庭内暴力。キレる若者。

 

少年犯罪。宗教問題。リストカット。パイプカット…。

 

 

頭をかすめるのはネガティブなキーワードばかり。

 


 

ふと目に付く看板も、フェンスの外側の世界のものはネガティブなものばかり。

 

 

▲犬なんて連れてきてないのに、

 

犬の糞を強制的に持ち帰らせるシステム。

▲懲役5年か罰金1000万円かの選択を迫られる。

 

 

 

 

▲僕、ねらってないです!ねらってないっていうか僕は痴漢じゃないんです信じてください… ▲止まれ。動くな、息を吸うな、吐くな。

 

基本的な生命活動すらも禁じられる始末。

 

 

 

 

▲読売ジャイアンツのマスコットキャラクター、「ジャビットくん」も

 

フェンス越しに見れば、「目線」を入れられた犯罪者のようにしか見えないから不思議です。

 


 

『よみうりランドの思い上がりを戒める』という、よく分からない目的のために、わざわざゴールデンウィーク中に、ひとり電車を乗り継いで、読売ランドまでやって来たわけですが、そんなこんなで、遊園地を楽しむこともなく、それどころかなぜか敗北感にまみれ、最後には犯罪者になったような気分さえ味わうことになろうとは、予想もしていませんでした。

 

 

そんな悲惨な感じになってしまった今回の企画でしたが、実はこのあと、ほんの少しだけいいことがありました。

 

 

 

 

 

 

 

よみうりランドに併設されている「ジャイアンツ球場」。

 

 

しかし、どの道フェンスの外の人間である私には関係ないことだ。

 

 

フェンスの外側には楽しいことなんて何ひとつないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

と思ってましたが、なんと、フェンスの外からでも見えたんです。

 

 

スコアボードが。

 

 

 

 

 

 

 

 

別の場所から見たら、もっと良く見えました!

 

 

ずっと見たかった夢のカード、巨人VSロッテ(2軍の試合)が!部分的に!

 

 

 

 

 

 

 

折りしも試合は2対2の同点で迎えた九回表、2ストライク3ボール。

 

手に汗握る展開。ロッテ(の2軍)のバッターは3番・青野(知らない)。

 

守る巨人のピッチャーは、(たぶん)抑えの切り札(であろうと思われる)加登脇(知らない)。

 

 

投げる加登脇(知らない)。打つ青野(知らない)。響く快音。

 

センター頭上を越えていく白球(木が邪魔でよく見えない)。

 

(見えないけど多分)さっきまで険しい顔で試合を眺めていたジャイアンツ(の2軍)の監督も、

 

ベンチから立ち上がり(多分)、力いっぱいに叫ぶ(別の人が叫んだのかも)。

 

 

勝利を掴むのは、どっち(の2軍)だ!?

 

 

 

 


 

■あとがき

 

 

 

 

 

フェンスの外から2軍の試合(の一部)を観戦するというのは、お金も全然かからないし、けっこう面白い趣味なんじゃないかと思います。皆様も一度試してみてはいかがでしょうか。

 

 

あと、私以外にも、同じようにフェンスの外から(2軍の)試合を(部分的に)観戦するおじさんやおばさんがけっこう沢山いたのが面白かったです。先を越された気分です。