まだまだ暑い日が続く昨今、ホラーを求めてしまうのが我々、ホモサピエンス。
ホラーのなかでも、筆者が特に好きなのが「心霊調査」もの。
カメラやマイクなどの機材を駆使して超常現象の正体に迫る様子は、謎解き的な楽しさもあってワクワクしますよね。
というわけで、今日はオススメの「心霊調査」ホラー作品を紹介します。
映画『死霊館』
あらすじ:
著名な超常現象研究家であるウォーレン夫妻の、実話をもとに描かれたホラー映画。
夫婦と5人の娘(多い)からなるペロン一家が、田舎の一軒家に移り住んでから怪奇現象に襲われるようになり……。
この作品の最大の推しポイントは、構成の妙。
前半:ペロン一家が凶悪な怪異に襲われるパート。めちゃくちゃ怖い。
後半:頼もしすぎるウォーレン夫妻が出てくる反撃パート。ワクワクする。
この前半と後半でテイストががらりと変わる、鮮やかな展開が最高です。
ちなみに、昼間に母親と末っ子だけで家の中で「ある遊び」をするシーンは個人的にトラウマ級でした。
続編の『死霊館 エンフィールド事件』もオススメです。
小説『ゴーストハント』シリーズ
あらすじ:
『十二国記』や『屍鬼』でお馴染みの小野不由美先生、初期の名作。
主人公の高校生・麻衣は、ひょんなことから謎多き美少年・ナルのもとで超常現象調査を行うことになり……。
全7巻あって、毎回異なる超常現象と対決するのですが、主人公サイドの協力者たちが粒ぞろい。
・バンドマンの僧侶!
・派手好きの巫女!
・金髪碧眼のエクソシスト!
・和装の霊媒師少女!
まさにお祓いアベンジャーズ。そんなメンバーが徐々に集結するとかではなく、1巻から全員登場します。大盤振る舞い。
ただ、霊能者がたくさん出てくるものの、超常現象調査への姿勢は至ってロジカル。「まずは本当に超常現象か確定させるために、科学的原因の可能性を潰そう」というスタンスが面白いです。
もとがティーン向け小説なので序盤は読みづらさを感じる人もいるかもしれませんが、特に5~6巻がめちゃくちゃ怖いのでそこまで読んでほしい!
小説『事故物件7日間監視リポート』
あらすじ:
住人が壮絶な自殺を遂げたのち、なぜか1フロアまるっと人が寄り付かなくなったとあるマンション。
リサーチ会社を営む主人公は、依頼を受けてその部屋で何が起きているかを調査することに……。
つるっと読めてしっかり怖い、ネット怪談やYouTube心霊ドキュメンタリーのような手触りも感じられる小説。
問題の部屋にはバイトの兄ちゃんを泊まらせて、主人公はマンションの管理人室からカメラ越しに見張る、という空間設定がユニークで、その配置を活かした恐怖演出の数々に唸らされます。
岩城裕明さんの小説は、登場人物たちのちょっと間の抜けたコミカルなやり取りも魅力の一つ。
そうやって我々読者にキャラを好きにさせておいて、彼らをとんでもない目に遭わせます。凶悪。
ビデオ『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズ
あらすじ:
フェイクドキュメンタリーの大家・白石晃士監督が仕掛けるオリジナルビデオシリーズ。
零細制作会社のディレクターが、アシスタントとカメラマンを振り回しながら怪奇現象に突撃取材していく。
みんな大好き「コワすぎ」シリーズ。
超常現象に対して、金属バット片手に突っ込んでいくサイコパス気味な主人公・工藤が最高です。
シリーズ自体が”工藤が作っている実録ホラービデオ”という体のフェイクドキュメンタリーなのですが、彼が本作を作る理由も「衝撃映像を撮って儲けたいから」という清々しさ。
1作目:口裂け女
2作目:幽霊
3作目:河童
4作目:トイレの花子さん
と対峙する怪異もバラエティー豊かで飽きさせません。
シリーズは長いですが、とりあえず4作目まで観てほしい!
Amazonプライム、Hulu、U-NEXTあたりで観られます(2024年8月現在)
ドラマ『28デイズ・ホーンテッド 超常現象を探れ』
あらすじ:
Netflixオリジナルの、ドキュメンタリーシリーズ。
3組の超常現象調査のプロフェッショナルが、アメリカの呪われた幽霊屋敷で28日間の調査を行う。
これは薦めるか迷ったんですが……
先述の『死霊館』シリーズのモデルになったウォーレン夫妻が提唱したという、「超常現象を記録するには28日間必要」というセオリーを実証すべく、
アメリカの呪われた施設3か所にゴーストハンターたちが派遣されて、28日間心霊スポットで生活しながら調査する、という実録モノです。
展開としては結構大味で、「こいつら普段何で生計立ててるんだ?」と思ってしまうような風体の中年男女出てきて、彼らがケンカしてるシーンが内容の大半を占めているのですが、実際の心霊調査ってこうやってやるんだーと新鮮な学びもたくさん得られます。
40分×6話でサクッと観られるのもオススメポイントです。
ドラマ『トゥルース・シーカーズ ~俺たち、パラノーマル解決隊~』
あらすじ:
Amazon Prime オリジナルシリーズ。
大手携帯電話会社に勤めるガスは、空き時間で同僚と超常現象調査を行っていた。調査隊は次第に大きな陰謀に巻き込まれていき……。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『ホット・ファズ』でお馴染みのニック・フロストとサイモン・ペッグが制作、出演するイギリスのドラマ。
と言った時点でだいたい察しが付くと思いますが、思いっきりコメディです。
イギリスならではの歴史を感じるホテルや廃病院を舞台に、ニック・フロスト演じる主人公が新入社員(名前がエルトン・ジョンというのが最高!)とともに超常現象に立ち向かいます。
軽いノリのドラマかと思いきや、終盤どんどんスケールが大きくなっていく展開も楽しいです。
疲れた平日の夜に、スナック菓子片手にダラダラ観たい感じの頭を使わないドラマ。こちらも30分×8話でサクッと観れます。
と、ここまで全6作品を紹介してきましたが、最後に紹介したいのがこちら。
小説『深淵のテレパス』
この記事を書いている私、加味條こと上條一輝が上梓した小説です。
すみません、ここからは宣伝です。
あらすじ:
「変な怪談」を聞いたことから、会社員・高山カレンの日常は超常現象に蝕まれていく。
彼女は藁にも縋る思いでYouTuber「あしや超常現象調査」の2人に頼るが……。
大学生の怪談会に行ったことから始まる謎の怪現象……
それに対抗すべく集まったチームがこちら。
幽霊の存在を全肯定も全否定もしないYouTuberコンビ、芦屋晴子と越野草太
オカルト全否定、元警察庁勤務の探偵、倉元
オカルト全肯定、しょぼい超能力者、犬井
彼らが東京都の実在の場所を駆け回りながら超常的な謎に挑戦するホラーエンターテインメント小説です。
上に挙げた作品群が好きなら楽しめること間違いなし!
ぜひ手に取ってみてください!
心霊調査系ホラーで、残暑を乗り切ろう!!!