皆さんに、夢はありますか。

いっぱしの人物になるために寝る間を惜しんで夢を追いかけたあの頃…。思い当たる節がある方も多いのではないでしょうか?

 

役者、芸人、マンガ、etc…

ありとあらゆる「夢」に例外なく共通してみんなが思うこと。

それは……

 

売れたい

 

これ以外ない。売れて売れて売れまくりたい。誰だってそう思う

 

それをバネにみんな頑張ってるんじゃないですか。ちなみに次点は「そもそもそれ自体がめちゃ好き」だそうです、なんて素敵なんだ

 

というわけで今回は、マンガでバズって一山当てたいマンガ家のお二人と、『こぐまのケーキ屋さん』で大ヒットしたカメントツさんを交えて、『マンガで売れる為にはどうしたらいいのか?』について語り合おうと思います!

 

▼参加者の人物紹介!

超・マンガ家として活動。代表作は『こぐまのケーキ屋さん』

真・マンガ家として活動。早く売れて大好きなペットと豪邸に住みたいと思っている。

 極・マンガ家として活動。早く売れて全て楽になりたいと思っている。

 

やるぞ!

 

そもそも『売れる』とは?

さっそくですが、カメントツさんに聞きたいことがあります

私もあります

なになに? 偉そうなこと言えないけど僕でよかったら何でも聞くよ〜!

 

売れるには何したらいいんですか?

教えて下さい

お願いします

直球だなぁ〜

売れている人の話を聞きたい。それだけなんです……

あ! 大前提として言っておくと──

 

僕自身はまだ『売れた』と思ってないです

またまた。ご冗談を(笑)

だって、こぐまのケーキ屋さんがTwitterに上がったときは、勢いがすごかったじゃないですか?

う〜ん。たしかにそうだったけど……

 


カメントツさんの代表作『こぐまのケーキ屋さん』

カメントツさんの代表作『こぐまのケーキ屋さん』

Twitterで公開した第一話が大きな話題になり、公開直後から約15件の連載・単行本化の誘いが来たらしい。まさにインターネットドリーム。

この業界って、活躍しているマンガ家さん同士でコミュニティが形成されてることがあるんだけど……

え〜! 楽しそう!

でも、その中に『メチャクチャ売れてる週刊少年雑誌』に現役で連載してて、しかも数千万部売ってる人もいたりするんだよ。だから『売れた』の基準がインフレしていくんだよね

ドラゴンボールみたいにどんどん強い敵が出てくるのか……

 

そして恐ろしいのが、その中にいるトップの人でさえ「まだ自分は売れてない」と思ってるということ……

ヒェッ!

なので、最初に言っておくと、マンガ家が『売れる』という実感を持つことはありません。「煉獄」です。

 


あ然

ちなみに野田せいぞは売れるってどういうことだと思う?

やっぱり書店に本が並ぶことですかね。それを夢見て頑張っていますし

じゃあ野田せいぞが本出すとしたらどんな本がいいか考えてみようか

 

野田せいぞのTwitterより引用

※ ちなみに、野田せいぞのマンガは作者本人が実写で登場することが特徴です。また、それには収まらず、本人を中心とした世界の物語を産み出し続けている事で有名。狂気の沙汰でございます。

う〜ん。君の場合は、読者から見られる『野田せいぞ』の解像度をちょっとあげるのがいいかもね〜……

 

 

あ……でも、出版社に『野田せいぞ』の価値を認めてもらわないといけないから……

 

まずは! 『野田せいぞ』が本になったとき、誰が喜んで手に取ってるか……とか、自分だけじゃなくて出版社が『野田せいぞ』でどう稼いでるか……とか、イメージをもうちょっと具体的に考えて──

 

それに応じて『野田せいぞ』のキャラクターを分厚くすれば、割とうまくいくんじゃ……

 

やべ、なんかちょっと『野田せいぞ』言いすぎて頭おかしくなってきた

ありがとございます。僕は嬉しいです

 

印税はどれくらい入るの?

「単行本を出して1~2年続いてます」っていう人は『めちゃくちゃ稼げてるんじゃないか!?』って思っちゃうんですよね

確かに『単行本が世に出てる=売れた』というイメージは少なからずありますよね

全然そんなことないよ

 

そんな……

それじゃあ尾田栄一郎先生も都内1Kの木造アパートでこたつで腰痛めながらマンガ書いてるってことですか!?

もちろん売れれば儲かるけど、本を出しただけじゃ『売れた』にはならないんです

怖い話してません?

かなりシンプルに説明すると……。単行本を出したときにマンガ家がもらえるお金(印税)っておおむね10%なんだよね

10%……

つまり、500円の単行本なら、だいたい一冊50円がもらえるってこと

 

めちゃくちゃざっくりだけど、出版社に初版1万部刷ってもらったら、50円×1万部で50万円がマンガ家の取り分になるってわけ

お客さんが買った分だけじゃなくて、刷った本数でお金が入ってくるんですね

同人誌と全然計算が違う……

 

例えば年間300万円稼ぐためには、だいたい6万部くらい刷られないといけない

 

 

そして、税金や経費で色々消えるから、利益で出そうとするなら10万部くらいかな

 

コレが煉獄」の世界です

あの、10万部ってよくある数字なんですか?

10万部はなかなか出ない数字だね〜! たぶん多くのマンガ家さんが届かない壁として設定していると思うよ!

だから、本屋さんに本が並んでも『売れた』という訳じゃないんですね……

うん。そう思うには一冊辺り5万部は売れないとちょっと厳しいかもねぇ

 


現実を前に歯ぎしりする逆襲

アドバイスできることとしては、Twitterでマンガを上げたりWeb上でアップするのは間違ってないと思うよ

確かにカメントツさんもその方法でヒットしましたもんね……。 あ。 いや、何でもないです

え? 何? 何でも聞いてよ!

……えーと。

 

印税

え?

 

カメントツさんの、印税が知りたい

確かに! そこにドリームを感じたいです!

あ、そんなことだったらいいよ! もしかしたらと思って持ってきてたから!

(もしかしたらと思ってたんだ……)

 

はい、これ!

 

 

税金が僕の年収だ

こんなの来たら頭バグっちゃいますよ

いや、実際バグったよ。銀行から「何が起こったんですか?」って電話がきたし

 

でも、この大当たりみたいなことが、僕の人生でもう二度とないのかと思うとめちゃくちゃ怖いんだよね……

それでも人生で一番嬉しかったんじゃないですか?

もちろん「ドキッ!」として嬉しかったよ。でも、一番はオモコロでマンガが乗ったときかも

めっちゃいい話じゃないですか

階段に登る最初の一歩がやっぱりいちばん嬉しいよね

 

売れるためには『毎日投稿』するべきなのか?

SNSのマンガってやっぱり毎日投稿したほうが良いんですかね?

そこは人それぞれかな! 毎日つぶやかなくても気にならない人はそれでもいいと思う

そうなんだ。毎日やるのが正義かと思ってました

もちろん毎日連載をすれば体力はつくよ。でも、やり続けるとなるとかなり辛いからね

 

カメントツさんにそう言ってもらえると心が楽になる……

ちなみに、毎日投稿するならストーリー性みたいな物が自分や作品にあると良いと思うよ!

ストーリー性…。例えばどういう感じですか?

 

「なぜ毎日投稿するのか」ということに対してのスタンスやキャラクター的なことかな。そういう軸が通ってるマンガは面白いし、描く側も熱が入りやすいんだよね

なるほど!

人によっては練り上げて描く方が得意な人もいるし、それは自分の中で調整してベストを尽くしたほうがいいんじゃないかな! 僕もSNSのマンガは結構ボツにしたりするし!

 

そうなんだ…。私は出したモン勝ちだと思ってたので、描いたらすぐにアップするようにしてました

カメントツさんくらい自分に厳しくないとダメなのかな?

厳しさとは違うかなぁ。「あ、このマンガ。今自分は楽しいけど、誰かの評価が発生したらつまらなくなるかも」って思ってボツにすることがあるんだよね

描いてる時は楽しいけど、いざアップしようと思うと怖くなるときはありますよね

ボツといってもそこで終わりとは限らないからね。そのネタもあとで効いてくることは全然あるし

そうなんですか?

 

半年後とかに見返したら「このセリフ面白いじゃん!」って発展したりするんだよ。だから、無理して毎日更新にこだわったり、焦ってつるべ打ちしたりしなくても良いと思う!

なんでもかんでもネットにあげなきゃダメ。ってわけじゃないんですね

そうそう。『こぐまのケーキ屋さん』だって、最初はTwitterに上げるつもりじゃなかったからね

え? そうなんですか?

 

もともとは友達に向けて遊びで描いたマンガだったんだよ。それが友達にウケたから、「じゃあネットに上げるか〜」って思ったのが始まりだったからね

それじゃあ、最初のお客さんはお友達だったんですね!

そう!今でもその感覚はあるよ。僕は基本的に『隣の席の友達』にマンガに見せるイメージで描いているので

かっこいいなあ。ネットに公開するからには、なるだけ世の中の大勢の人にウケなきゃいけないと思ってました

 

難しく考えないで大丈夫だよ!その「隣の友達」と同じ感性の人間は世の中に大勢いるはずだから

プロはそうやって計算して描いてるんですね

いや、狙ってるとかじゃないかな。そうじゃないと描けないってだけ

大勢の人にウケようと思って描いたことはないんですか?

う〜ん。実は一回魔が差した時があってね。「バズるぞぉ〜」と息巻いて、バズりそうなマンガだけ描いてた時期があったんだけど……

 

そのマンガはまるでウケませんでした

インターネットって難しい……

隣の席の友達に見せるぐらいが、邪念も無いし、結果いいマンガになるってことですかね?

そうそう! 結局、大好きな友達を笑わせようと思うのが一番の近道だと僕は思うかな〜。友達には「バズるぞぉ〜!」という下心は通じないもんね

 

SNSマンガでは個性を出したほうが良い?

せっかくなので、カメントツさんに僕のTwitterマンガを見てもらってもいいですか?

うん。いいよ

 


野田せいぞのTwitterより引用

フフッ。あるある。面白いね

このマンガは『ファボ』も多めについて、まぁまぁウケたんですよ

ファボて

そしてもう一つ見てほしいのがこちらです。

 


野田せいぞのTwitterより引用

せいぞにしか描けないマンガだね。どのマンガも面白いけど、何が気になってるの?

この2つですが、結果的に最初に見せたラーメンのマンガの方がウケたんですよ

ウケたならいいじゃないですか

でも一つ目のマンガは個性が無いと思ってたらウケて、二つ目のマンガは個性を出せたと思ってたのにあまりウケなかったんですよ

なるほど……

 

個性は出したいけど、ウケるのは個性を出してないマンガなので……。自分の中でどっちに進んでいいかグラグラしちゃってるんですよね

個性か……。うん

これは誰かが言ってたけど……。個性って……

 

『見つける物』じゃなくて『見つかる物』らしいよ

カメントツ△

ひゅ〜↑↑

ぼ、僕の言葉じゃないけどね! でも「自分はこういう人です!」と無理してキャラクターを作るより、自然とやっていく内に「なんかそれ面白いね」って言われたほうが良いと思わない?

たしかにそれはそうかも……

 

あと、こっちのマンガも十分個性的だと思うよ。これはこれでせいぞにしか描けないマンガなんだから自信持っていいと思うけどな

そうなんだ…。「見せたい自分」にこだわらずに、色んな自分を探ってみてもいいのかも

そうそう! SNSってそういう場所だからさ。自分のどこに需要があるのか……なんて自分で決める必要はないよ!

 

私もそういう気持ちでTwitterにマンガ上げてみようかな

SNSは試行回数が無限×無料だから、気軽にぽんぽん上げてこっ!

 

もし今からマンガ家を目指すとしたら?

もしもカメントツさんが、今からマンガ家を目指すとしたらどんな内容のマンガを描きますか?

迷うな〜! いろいろ描きたい事はあるけど強烈なノスタルジー』を感じるマンガを描くかな〜

強烈なノスタルジー』?

個人的に今の時代ってノスタルジーの時代だと思ってて、僕らの世代が懐かしいと思う物がまた一周してる気がするんだよね

 

こないだ「まんだらけ」に行った時、女子高生が鉄人28号を見て「懐かしー」って言ってたのがびっくりしてさ

世代が違い過ぎませんか?

そもそも産まれていない頃の作品では?

その光景を見て、みんな『ノスタルジー』を感じる『ニュアンス』を求めているような気がしたんだよね

 

実際に子供の頃に遊んだわけじゃないのに懐かしく感じる。そんな『強烈なノスタルジー』が出せる物を描けたらいいなぁと思ってるかな

それってどんなマンガを描けばいいんですかね……?

それはわからないけど、こないだ試しに強烈なノスタルジー』に寄せたマンガ描いてみたのよ

 

 


カメントツさんのTwitterより引用

イラストのタッチが懐かしい〜!
このマンガも個人的には強烈なノスタルジー』を入れ込もうと思って描いたんだけど……。あんまり届かなかったんだよね

ウケそうなのに

いやいや、それでも「2000いいね」ついてるじゃないですか

 

ネタの見つけ方

最後に聞きたいんですけど、カメントツさんってマンガのネタ探しってどうしてますか?

ネタ探しか〜! 何かをインプットしようと思って外に出る時はあるんだけど、そういう時って何も頭に残らないんだよね〜

カメントツさんも僕たちと同じ人間なんですね

だから僕はインプットを他人、人間から得ています

 

人類は、いつでも目の前で演技をしてくれる『映画』を発明したけど、実際はリアルを体験したいはずなんだよね。だから僕は人間からネタを仕入れてるかな

生身の人から着想を得るって大事ですよね。やっぱり人との会話って大事なのかも

となると、人付き合いが苦手な人は結構なハンデじゃないですか? そうなるとネタも思い浮かばなくなっちゃうのかな

人付き合いについては心配しなくていいよ。マンガを描いてたり、そういう仲間たちと過ごしてると世界が漫研になるから

世界が漫研!

 

あと、辞めなければいつか売れる。二人は自分で思ってるよりしっかり積み上げてきてるから、安心していいと思うけどな〜

でも、不安ではあるんですよね。ずっと……

うん。今はとても不安な時期だと思うけど、安心して不安をやったほうが良いと思うよ

安心して不安をやる?

例えば、初めて一人で小学校に行く時ってすごく不安だったと思うんだけど、大人になって思い返すと、自分かわいいなって思うことあるじゃん?

ありますね。なんであんなことで悩んでたんだろって思います

 

それと同じでさ、10年後になったら今の自分ってめちゃくちゃ可愛いと思えるはずなんだよね。だから積極的に行動した方がいいよ。そして安心して不安でいてね

安心できるかな……

マンガは個人で出来る最強の総合芸術だと思ってるんだけどそんなマンガを描けるだけで二人は天才なんだから! 安心して自分はすごいって思っていいよ!

ぼくは……天才……!

 

マンガをWEBにアップするなら…?

この後も一時間ほど座談会は続いた

ということで、今回はSNSマンガで売れたい座談会の様子をお送りしました。

どうすれば売れるかについては明確な答えはありません。しかし、「やり続けること」「とにかく人に読んでもらうこと」が大事なのはたしかなようです。

野田せいぞも逆襲も「こんなマンガをアップしてみたらどうだろう?」とアイデアを出し合っていました。ひょっとすると、その中に未来のヒット作があるかもしれませんね。

 

 

さて!

SNSマンガでウケるには、まずは誰かにマンガを読まれないといけませんよね?

マンガをアップしようにも、どんなプラットフォームを利用すればいいか迷ってしまう人もいるんじゃないでしょうか?

そんなあなたにぴったりのサービスをブックリスタさんがスタートしました!

 

 

 

それが「YOMcoma(ヨムコマ)」です。

 

YOMcomaとは、SNSより読みやすいショートマンガサービス!

 

投稿者は、過去にTwitterに投稿した作品を一括投稿取り込みすることが可能!

シリーズごとにまとめて公開することもできるので、わかりやすく管理ができ、読者も見やすい仕様となっています。

 

Twitterへの同時投稿もかんたんにできるためTwitterの読者もキープしつつYOMcomaで新しい読者を獲得することもできるかもしれません!

ちょっとした空き時間にサクッとショートマンガを読みたい方、ショートマンガを投稿したい方などはぜひチェックしてみてください!

 

以上です

SNSより読みやすいショートマンガサービスYOMcoma(ヨムコマ)

クリエイターの方やマンガを読みたいだけの方も含めてご利用してみてはいかがでしょうか?

 

あ!チョット待って!これじゃ「文字」が入らないから横にずれて……

 

はい!これでOK!

イェ〜イ!

 

というわけで、皆さん。よろしくお願いします。