シャニマスシナリオ読書会!

バンダイナムコエンターテインメントさんのゲーム『アイドルマスター シャイニーカラーズ』……通称「シャニマス」のシナリオについて、アイマス経験者と未経験者を交えて語り合おうという読書会企画です。

 

登壇者紹介

ダ・ヴィンチ・恐山
ライター/小説家
シャニマス歴は3年ほどのプロデューサー。白瀬咲耶P。

鎧坂

ライター/大学生
シャニマスは4年前のサービス開始当初から続けているプロデューサー。福丸小糸P。

姫乃たま

ライター/元・地下アイドル
シャニマスは未経験。著書に『職業としての地下アイドル』などがある。

木下龍也
歌人
シャニマスは未経験。著書に『あなたのための短歌集』などがある。

原宿
オモコロ編集長
シャニマスは未経験。中学時代に『魔導刑事ヴァイス』という小説を書いていた。

 

今回みなさんには、アイドルユニット「SHHis(シーズ)」のメンバー個別シナリオと、イベントシナリオ『OO-ct. ノー・カラット』を事前に読んできていただきました。

 

SHHis(シーズ)

七草 にちか(ななくさ・にちか)

16歳の高校1年生。アイドルに憧れて、なかば無理やり283プロダクションに所属した。美琴を尊敬しており、必死でついていこうとする。

緋田 美琴(あけた・みこと)

24歳。14歳でアイドルを志して以来、生活の全てをレッスンに注いでいる。以前は別のユニットを組んでいたが解散し、283プロに移籍した。

 

 

イベントシナリオ
『OO-ct. ノー・カラット』あらすじ

デビュー以来、順調に知名度を上げるSHHisのふたり。だが、にちかは自らの実力不足を痛感していた。
完璧なライブのために妥協を許さない美琴と、焦りで追い詰められるにちか。

ふたりの視線は合わないまま、夏の大型ライブが迫る――

 

 

シャニマス初体験のみなさんは、シナリオ読んでどう思われました?

「ツラいな~」……って……。

私も正直「ここまで書くんだ」と驚きました。もっとキラキラしたお話を想像してたから「リアルだな」って。

誤解を招かないように言っておくと、これはシャニマス全体の中でも特に重いシナリオなので、楽しいエピソードもいっぱいあります!

その中でなぜこれを……。

癖(へき)です。

癖(へき)で選んでいいのかよ。

 

七草 にちかの「真理を突いたセリフ」

では本題に入りたいと思います。シナリオを読んで「ここが刺さった」というポイントをぜひ教えて下さい。まずは元アイドルでもあった姫乃たまさんから。

私はこれですね。七草 にちかちゃんの「特別じゃなくていいなら、誰だってアイドルですよ」

 

あー……

最初にちかちゃんのこと「やる気だけはめっちゃある普通の女子高生」だと思ってたんですけど、ここで「急にめっちゃ真理突いてくるじゃん……」って。これを分かっていてもアイドルをやろうって思えるのはすごく強いと思います。

でも、自分が特別じゃないと気づいても、いつか「私は特別じゃないけど、私はアイドルをやれてる」ってもう一回思い直せるときが来るんですよ! 実際にアイドルをやっていると!

へぇー!!

だから、にちかちゃんにもそこまで辿り着いてほしい……!

外向きの目線がちゃんとある子ですよね。

ずっとアイドルを見てきた側だからですね。

スポーツ選手と違って、アイドルは「技術が高ければいい」というわけじゃない。アイドルの難しさってそこに尽きますね……。

 

七草 にちかの気持ちが完全にわかった

鎧坂さんの「ここが刺さった」ポイントはどこでしょう?

これは自分の話にもなるんですけど「緊張してるんですよ私……!」ですね。にちかさんが初めてテレビ出演するときのシーン。

 

最初に見たときは「大変そうだな」くらいにしか思ってなかったんですけど、改めて読み返したら全然見え方が変わりました。なぜなら自分も、ネットの動画に出るのがこの読書会が初めてだから。

しかもバンダイナムコエンターテインメントの案件動画。

にちかさんが「どうしよう」って右往左往したり、プロデューサーに八つ当たりしたりする気持ちを今、この場で完全に理解しました。

にちかさんって「普通ちゃん」みたいに言われがちなんですけど、高校生でパフォーマンスもしてテレビも出れて、普通にスゴい才能ですよね。

にちかさんが「ダサいこと言って絶っっ対足引っ張れない」ってなってた気持ち、今になって痛いほどわかる……。

私はこのシーン、別のところで共感しました。お昼の情報番組に出たにちかちゃんが「テレビは嬉しいけどこんな時間帯じゃ……」って不満に思ってたじゃないですか。

ありましたね。

私も以前、お昼の帯番組に1時間半くらいぶっ続けで出演させていただいたことがあるんですけど、あとでエゴサしたら感想が1件もなかったです。

えー!

テレビに映ってても目に映ってないってことがあるんだ……。

だから鎧坂さんもそんなに緊張しなくて大丈夫!

はい!

ちなみに衛星放送の心霊番組に出たときはメチャクチャ反響があったので需要と供給を感じました。

 

 

走馬灯に映るレッスン室の壁

歌人の木下龍也さんの「刺さったポイント」はどこでしょう?

僕は……美琴さんの「走馬灯がレッスン室」です。

あー、コンテストで優勝した美琴さんがその瞬間に見た走馬灯の風景が、ほとんどレッスン室だったという……。

 

走馬灯にはいろいろな思い出が出てくるはずなのに、全部がレッスン室で、自分の姿が映っている。悲しくもあるけれど、それが緋田さんという人なのかな。

10年アイドルやってるならファンの応援を受けたこともあるはずなのに、そういう風景は走馬灯に出てこないんですよね。

美琴さんは「人を感動させるアイドルになりたい」と言うんだけど、美琴さん自身が何に感動しているのかがなかなか見えてこないから、それを知りたい。

ストイックなのはいいことだけど、プラスアルファがないと感動は引き出せないのかも。

 

 

アイドルをやめて気づいた「あっ、まだあるんだ人生」

原宿さんの「刺さったポイント」はどこでしたか?

にちかちゃんの姉で、283プロの事務員でもあるはづきさん。彼女のセリフが刺さりました。これです。

「ずっと生きていかなきゃいけないんですよ。もし……夢が終わったとしても」

 

これ、話の深いところに踏み込んでると思ってて。アイドルでいられるのは長い人生においてほんの一瞬の輝きで、それが終わってもずっと「生きる」ってことは続いていくんですよね。

 

だから、いつかアイドルの先の「自分という人間」にならなきゃいけないんだってことに、はづきさんは気づいているのかもしれない。お姉ちゃんとして「その先」を見てほしいのかも。

めっちゃわかります。私がアイドルを引退したときも「あっ、まだあるんだ人生」って思いました。16歳から26歳までアイドルだったんですけど「あれ? 私女子高生だったのに、急に26歳になってる」みたいな。

浦島太郎状態……。そのギャップをどうやって埋めていったんですか?

「生活をちゃんとしないと」と思って、オクラを塩で揉んだり、豆苗を育てたりしました。

そう! アイドルが終わっても豆苗を育てなきゃいけないんですよ!

 

逆に美琴さんは「理想のアイドルになれるなら死んでもいい」と言うんですよね。

あれ、怖かったな……。

美琴の中には「その先」がない。

にちかさんは一回美琴さんにキレたほうがいいんじゃないかと思う。

「もっと私を頼ってよ!」とか、そういうやりとりが行われないと「SHHis」の先はなかなか見えない気がする。

だんだん考え方がプロデューサーっぽくなってきましたね。

 

 

鏡のように対照的なふたり

私の「刺さったポイント」はこちらです。……「鏡」

鏡……?

SHHisのシナリオを読んでいると「鏡」が対照的に使われているなと思ったんです。美琴さんはずっとレッスン室にいて、鏡の中の自分だけを見ている。この鏡はある意味で美琴さんの閉じた心象風景なのかなと。

 

ただ、美琴さんの世界は完全に閉じているわけではなくて、ときどき通じ合う瞬間がある。この鏡にどれだけ他のものが映せるか、というのが大事になってきそう。

レッスン室の鏡に向こうから来る人のことは受け入れられるけど、自分から他者を受け入れにいく余裕はまだなさそうですよね。

対照的に、にちかさんは自分自身を直接見つめるのが苦手で、常に周りの評価を気にしている。

 

にちかさんが追い詰められてる時期、バイト先の先輩に「顔洗えば」って言われるシーンがあったんですよ。あれは自分の顔を直接見られなくなってるってことなのかなと。

なるほど!

 

 

乱反射がダイヤモンドを作る

でも「周りを気にする」っていうのは悪いことだけじゃなくて、いい面でもあると思います。

 

私が「ノー・カラット」で一番好きなのは、にちかさんと美琴さんがタクシーで移動するシーンなんですよ。にちかさんが窓の外を眺めて「ここって、こんなところだったんだ」と思える……これもにちかさんの特性だと思うんです。それと美琴さんの特性が噛み合えば、SHHisは真っすぐ進めるんじゃないかなと。

それを見抜いていたから、プロデューサーはふたりを組ませたのかもしれないですね。

作家の中島らもさんがこういうことを書いてるんですよ。

 

お互いの無知で傷つけあって、それでもお互いを許しあって、いやし合いながら苛酷な時の流れにいっしょにたちむかっていくのが愛というもので、無傷なツルンとした愛などは「愛」の名に値しないと思います。

中島らも『恋は底ぢから』(集英社文庫)より引用

これがまさに「ノー・カラット」なんですよ! 刺し合わないと!

まさかの中島らも!

ダイヤモンドが輝いて見えるのは、屈折率が高く中で乱反射が起きてるからだそうです。宝石になるには視線の反射が必要なのかも。

 

ダイヤモンドといえばこのシナリオのロゴなんですけど、最初は宝石だと思ってたんですよ。でも周りの人が「これ、回ってるコマの形にも見える」って言われて「あっ!」って……。

ああ! 作中で出てたコマ回し大会の話!

女子高生3人が作った手作りのコマと、工学部チームが作った精密なコマが戦い、工学部チームが勝つけど、カメラは高校生のほうを映すという……。ダイヤモンドとコマのモチーフが最初から重ねてあったんですよ。

シャニマスすご……。

その2人が一緒に回ったときに何が起こるのかって話ですか!? これは!?

 

 

「俺は美琴の魅力を分かっている」みたいな男

あとこれ「刺さったポイント」というか「なんだコイツ」なんですけど……「知人男性2」

なんだっけ?

美琴さんが業界人の知り合いとクラブに行くシーンがあったじゃないですか。そこで喋ってた知人の一人なんですけど……こんなことを言ってるんですよね。

 

「……いいヴァイブス聴こえるよ。ほんと、変わんないな、美琴」……なんだお前は!

なんかイヤですね。

でも美琴さんってこういう男性を量産してる気がします。表舞台ではあまり評価されないけど同業者には凄さが伝わるから「俺は美琴の魅力を分かっている」みたいなのが出てくる。

知人男性2以外にもたくさんいるんですね。

モブキャラクターでいうとお笑い芸人も印象に残りますよね。

 

「お笑い」ね。

そう。「お笑い芸人」じゃなくて「お笑い」。

周りの描写がリアルだと、ディテールが際立ってアイドルを近くに感じられるから良いですね!

たまにリアルすぎて胃がキュってなります。

 

「ディレクターにハマってない感じ」とか胃キュってなります。

もう呼ばれないやつ。

 

 

SHHisをイメージした短歌を発表!

ここでなんと木下龍也さんが、SHHisをイメージした短歌を作ってきてくださったそうです。

はい。まずは、七草 にちかさんをイメージした短歌です。

 

 

 

きみは花なのに翼の真似をして葉を揺らすたび折れそうになる

 

 

 

クッ……。

ウー。

にちかさんが上を見ながらがんばっている姿が、花が鳥に憧れているようなイメージに重なりました。羽ばたこうとして葉が折れそうになるけど「あなた自身も花なんだよ」と……。

歌人……スゲ~。

もうひとつは、緋田 美琴さんをイメージした短歌です。

 

 

 

固結びばかりの日々にあなたからリボン結びを教えてもらう

 

 

 

固結び……!

緋田さんは日々ストイックにひとりで練習を重ねていて、その様子に固結びのようなイメージを持ちました。でもプロデューサーとの交流の中で、緋田さん自身も柔らかくなっていく印象を覚えて、それはリボン結びのやり方を学ぶのに似ているなと。

リボン結びってキレイで可愛いけど、簡単に解けてしまう危うさもありますよね。美琴さんがレッスンばかりしているのは「練習を重ねれば成果になる」という一種の盲信というか、不安の裏返しなのかもしれない。固く結ぶだけじゃなくて、あえて人前に立っても解けないリボン結びがアイドルには必要なのかも……。

グッときますね……。

短歌を通じて視点が増えた感じがします。

 

 

SHHisをプロデュースするなら?

これからSHHisがアイドルとしてやっていくなら、どうやってプロデュースしていくのがいいと思いますか?

プライベートで仲が良すぎるとトラブルが発生しやすいんですよ。だからあんまりプライベートで仲良くしなくてもいいんじゃないかな。

そうなんだ!

にちかちゃんはトークが上手いのでテレビは向いてると思います。美琴さんはスタイルが良いから美容系の動画配信をやるとファンが付きそう。にちかちゃんが男性ファン、美琴さんは女性ファン、みたいな分担で幅広い層をライブに呼ぶ方向性でプロデュースしていきたいです。

地に足のついた戦略……。

お互いの強みを出せる機会を作ってあげたいですよね。

 

 

ということで読書会も終わりが近いんですが、いきなり案件動画に駆り出された鎧坂さんはどうでしたか?

えー、他の人の意見を共有する機会はなかなかなかったので、とてもおもしろかったです。もし周囲にシャニマスをやっている人がいたら、ストーリーの解釈について話し合ってみるのもいいのではと思いました。本日は貴重な時間をありがとうございました。

学会?

緊張してるな~。

 

 

 

シャニマス 4周年キャンペーン開催中!

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』は4月24日に4周年を迎えます!

4周年を記念して、ゲーム内では様々なキャンペーンを実施中!

 

1日1回10連無料ガシャ開催中

キャンペーン期間中、1日1回 10連ガシャを無料で引くことができます。期間中毎日10連無料ガシャを引くと、最大210連無料!

 

期間限定プロデュースSSRアイドル『大崎 甜花』と、期間限定サポートSSRアイドル『福丸 小糸』が登場するガシャが開催中! 期間中はSSRアイドル排出率が2倍になっています。

 

さらに、期間中にログインすると、過去にゲーム内で開催されたイベントコミュをアンロックして観ることができる「アルバムの鍵」を283個プレゼント

読書会の題材になったSHHisのイベント『OO-ct. ノー・カラット』も読めます!

 

この機会にぜひシャニマスをプレイしてみてくださいね。

 

 

今回の読書会は動画でもご覧いただけます。

ぜひこちらもご覧ください!

 

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