ただいま。ジョン・レノンだよ。
▼前回までのレノン(インディーズ盤)▼
「自分探し」で海まで行った。
みんな、自宅での1人酒は飲(や)っているかい?
レノンは日毎夜毎に酒を飲んでいるね。レノンのような人間に酒は欠かせない存在なのさ(社会で生きるのは辛いからね)。
ただ、最近はこんなことに悩んでいるよ…
1年前のジョン・レノン
レノンが購入する酒はワンパターンなのさ。スーパーで買うのは安い発泡酒ばかり。
レノンも今年で28歳。
そろそろ、レノンという人間の幅を広げたい……そう、考えているんだ(これは決して発泡酒を“悪し”と下げているわけではないよ。レノンのホームは“ここ”だ。分かるよね?)
そんな折、レーベルから「日本酒 飲み比べギフト」が送られて来た。全く、ジョークさ。
酒の世界は、深い。
未だ知らぬ酒の世界を訪れ、レノンの脳を拡張させるべく、飲んでみようじゃないか。
▼今晩の“愛(酒)”がコチラ▼
新潟銘酒 飲み比べギフト(越乃寒梅、久保田 千寿、八海山 普通)
▼今晩の“平和(おつまみ)”がコチラ▼
・100円ローソン いか明太(110円)
・セブンイレブン から揚げ棒(138円)
・なとり いかフライ(110円)
・白菜にもずくをかけたやつ(自家製)
久保田 千寿
まずは「久保田 千寿」を飲んでみるよ。
新潟の蔵元・朝日酒造から発売される「久保田シリーズ」の原点ともいえる「千寿」。
「食事と楽しむ吟醸酒」と銘打たれた地酒、お手並み拝見と行きましょうか…
ツゥ
おっ、コイツはぁ…。
思ってたよりも辛口な味わいだ。
口に入れた瞬間、フルーティーな酸味が口内を駆け巡る…って言うのかな。
美味い。
あっさりながらもまろやかな「優しさ」がある。そんな想像がイマジンできたよ。
白菜にもずくをぶっかけたヤツも食べるよ
もずくに含まれるフコイダンは、二日酔い防止効果もあるんだ。
日本酒には「からあげ棒」こそコスパがいい!
「久保田 千寿」のような淡麗であっさりとした日本酒には、白身魚の刺身が合うと言われている。ただ、レノンはそう簡単に刺身なんて買えないんだ。
なればこその、からあげ棒!
鶏肉と白身魚は味が似ている。いや、もちろん同じではない。でも、そんなときこそ想像<イマジン>さ。
想像<イマジン>は無限の可能性を秘めている。
───想像しよう
愛と平和に包まれた世界を。
平和に必要なものは、愛。
そして愛を育てるものは、想像なのさ。
ズズォッ
レノンはこれまで一発目に日本酒をいくことはなかった。
ただ、この「久保田 千寿」が持つさわやかさは、開幕の口火を切るにふさわしい酒だね。
日本酒界のマジカル・ミステリー・ツアー。ようこそ、これがレノンの名酒探訪。ようこそ、これが招待状さ。
越乃寒梅
さて、続いては「越乃寒梅」を飲むよ。日本酒に明るくないレノンでも、このお酒の名前は以前から知っていた。
「こち亀」で大原部長が越乃寒梅を美味しそうに飲むシーンがあってね。その回を読んだ小学時代、子どもながらに「日本酒は越乃寒梅」と印象が残っていたんだ。
まさか自分が越乃寒梅を飲める日が来るなんてね……。
ポゴポゴ……
越乃寒梅は熱燗でイッたほうがいいらしい
トゥトゥトゥトゥトゥ……
チュ
んっ……
ッあ~~~~~
ホッ。これが越乃寒梅か。
……美味いね。正直、美味い。
辛口ながらも、ほのかな甘みが心地よい。
喉に流し込んだあと、ポワポワとこみ上げてくる熱さ。
奥行きのある味わいだ。高級感があるよ。美味い、高級感がね、美味いんだ。
「余韻」この酒を表すならその2文字に尽きる。
っあ~~、気分がいいね!
100円ローソンのいか明太を食べるよ
越乃寒梅はいかの刺身が合うらしい。
でも、繰り返すけど刺身なんてそう易々と買えない。そんなときに重宝するのが「100円ローソンのいか明太」さ。
この商品は、僕の盟友リンゴ・スターが教えてくれたんだ。
☝リンゴ・スターが書いた記事だよ☝
彼は毎回、満足度の高い食の情報を僕に教えてくれる。
彼のグルメへの探求心は底が知れないよ。彼は、色男さ。彼はジェットコースターにいるからね。
もぐ
越乃寒梅といか明太。この組み合わせ、正しいに決まってる。互いが互いの良さを高める相乗効果。僕とリンゴのセッション。
日本酒特有の“濃さ”もありながら、熱燗にしたことによりスルスルと飲めてしまうね。
越乃寒梅、ヤバいね。
八海山
さぁ、いよいよ三本目。八海山だ。
名前は聞いたことがある…。ただ、一度も飲んだことのない酒さ。
レノンの中で、どう歌ってくれるか楽しみだね。
ツ~~~~~~
……。
美味い。
笑っちゃうね。美味すぎて笑っちゃう。
コイツはかなり主張の強い酒だね。
まるで…口、のど、胸の奥を、雷で打たれた感覚さ。
かと言って、前面に出ずっぱりでも無い。他を邪魔をしない慎ましさも兼ね備えている。
いきなりボディーブローを打ってきて、すぐ舞台袖に引っ込む暴れ馬!
バリバリバリバリ
こういう主張の強い酒には、いかフライがよく合う。いかフライの程よい酸味と塩加減が、酒本来の味を、美しく引き立たせてくれる。
今日飲んだ3本に優劣はつけられない。ただ、レノンの好みに合うのは「八海山」かもしれない。それほどまでに、良い酒だ。サンキュー。サンキューだよ…。
深まる
大分酔いが回って来たね
今回飲み比べした3本…。名酒の名に恥じない格別な味だった。どれもが、一日の終わりに、あるいは特別な日の一杯にしても良い。
あぁ、だから酒は止められない。
酒は、良い。
酩酊状態は、自分の“現在”をクリアに見つめ直させてくれる。
レノンも今年で28歳さ。
「27クラブ」には乗り損ねた。
最近ではお腹が出てきた。
お尻も垂れてきた。
最近では、音楽の仕事もそこそこ増えてきた(とは言え、あくまでそこそこさ。0.2が0.5になった感じさ)。
1年前のジョン・レノン
昔は、いくつになっても頭のなかでバトル漫画が連載されていた。
レノンの漫画で、レノンは“風の能力者”だった。
偶像消費(キャラビジネス)には辟易だ。
ブルーチーズのような付加価値に意味はあるか?
レノンはレノンじゃないんだ。
レノンはレノンだからね。
昔のレノンは、“風の能力者”だったのさ。
皮肉な話さ。
なにかを持った今より、空っぽだったあの頃のほうが、無敵だったのさ。
………おっと、レノンらしい話をしてしまったね。忘れてくれ。ただの、音楽さ。
しかしながら、ミュージシャンは先の見えない不安定な存在だ。
トリップのような快楽と、絶望の未来の狭間にいる。
今はただ、酔いの力を借りて、この瞬間を楽しみたい。
ツツ~~~
ググイッ
「酒を飲む瞬間は、生き続けたその人の到達したある一点である」
武田泰淳(日本の小説家)
探してる───
ジョン・レノンはいくつになっても“何か”を探す人間だ───
酒を、人生を、幸福を、仲間を、居場所を───
貧乏で退屈で不満に満ちた生活の中にも────
小さな幸せを見つけ出すことをできる人間が、ジョン・レノンだ───
さぁ─────
君も、この酔っぱらった世界を、一緒に探訪しよう?
Come together
(さぁ、一緒に)
<おわり>