ごきげんよう、JUNERAYです。
今日はインスタントカメラ(フレンドリーな解説:撮ったその場で写真が現像される、いわゆるチェキみたいなカメラ)のご紹介です。
まずは現物をご覧ください。
Pixtoss(ピックトス)。
インスタントカメラならぬ、インスタント“トイ”カメラ。
誰しも一度はお世話になっているであろう玩具メーカー・タカラトミーから発売されています。
トイ(おもちゃの)カメラといいつつも、性能としてはしっかりとしたインスタントカメラ。
「トイカメラ」というカメラのジャンル自体が、10〜15年ほど前に流行していたもので、手にしたことがある方もいらっしゃるはずです。
箱を開けると中身はこんな感じ。シンプルなフォルムで、大人が持っていてもオシャレに見えそうですね。
ところで、このカメラのデザインで何か気になるところはありませんか?
察しの良い読者の皆さまならお気付きのはず。
え?よくわからないって?
これよ。これ。
この銀色の円盤。
人類が硬貨以外で銀色の円盤を目にすることは通常ないはずなので、さぞ驚いたでしょう。動悸・息切れを感じている方は、一度横になるなど、じゅうぶんな休憩を挟みながら読み進めてくださいね。
この円盤部分は何に使うかというと、なんと自撮りの際に、鏡がわりになるのです。
たとえば、かわいいワオキツネザルさんが自撮りをしようとすると…
ここにワオキツネザルさんが映るわけですね。位置の調整ができる上、かわいくてお得だということです。
ちなみに、使用フィルムはチェキシリーズと同じinstax mini。家電量販店や雑貨屋さんでも扱っていることが多く、出先ですぐに調達できるのが魅力です。
気になるポイントとして、「チェキとの写りはどう違うのか」。試しに同じ被写体を写してみましょう。
まず晴れてる日に撮ると、写りはこんな感じ。
同じ場所に立って撮影した写真ですが、Pixtossの方が広い範囲を写せています。レンズの特徴と、白飛びカットフィルターについてはまた後で詳しく説明しますね。
Pixtossの写りは淡くぼかしがかかったようで、コントラストが強めです。「雰囲気のいい写真」というか、オシャレっぽいフィルターがかかったような印象。
ちなみにチェキもPixtossも暗いシーンが苦手です。曇りの夕方に外で撮影すると、こんな感じ。
暗澹
(完全に余談なんですけど、10年くらい前のインターネットでこういう写真を良しとする文化ありましたよね。Tumblrあたりで。つまりこれはこれで良し。)
#ファインダー越しの私の世界 もぼやけて輪郭が曖昧です。こんなポエムみたいなことを言わせないで。
タカラトミー公式によると、Pixtossのテーマは「きまぐれエモい、インスタントカメラ」。
トイカメラの名機・HOLGAなんかも「思ったように写らない」という気まぐれさで愛されていたので、きっとこういうところもPixtossのかわいいポイントの1つなのでしょうね。
Pixtossのレンズのはなし
さて、Pixtossの性能についてもう少しお話します。
公式の仕様書によると、pixtossの適正な撮影距離は、0.5〜1.0m。
筆者の片腕の長さを測ったら65cmくらいだったので、手の届く範囲のものであればきれいに撮影が可能です。
と、これだけ聞くと狭い範囲のものしか撮れなさそうですが、pixtossのレンズは広角レンズで、カメラ初心者の筆者でも気軽に撮影することができました。
広角レンズとは何かざっくり言うと「広い範囲を写せるレンズ」のこと。
ちょっと分かりづらいので、写真で例を挙げて説明します。
NOT広角レンズのイメージ
画角の狭いレンズでは、このように写ってしまいます。これではなんの動物かの判別もしづらいですよね。
とはいえ、日頃からインターネットでかわいい動物画像ばかり見ている皆さんなら、すぐにお分かりのはずですが…
そう、ハクビシンです。
広角レンズなら、このように被写体の全体像を写し出すことが可能です。
画角の狭いレンズで自撮りをしようとすると、顔の一部がアップになった状態で撮れて落ち込むことになるので、Pixtossが広角レンズを搭載していることに深い感謝を抱くべきでしょう。
しかし、場合によってはレンズの特性がネックになってしまうことが……。
例えば、こちらの写真。と〜〜〜っても可愛い猫ちゃんが写っているのですが、レンズの画角の広さが災いして知らない人の家の庭が写り込んでしまったので、皆さまにお見せすることができません。
こんなに可愛い猫ちゃんの姿が見られないなんて、本当に残念…。
街中なんかで撮る際も、後ろの人や人でないものが写り込んでしまう可能性があるので、場所どりには十分気をつけたいですね。
さらにオシャレな写真を撮りたいという方に朗報。
Pixtossには別売りでカラーフィルターセットがあります。
ミントグリーン、ショコラオレンジ、ベリーピンクの3種類。名付けのルールがほぼプリキュア。
こちらのフィルターをレンズに装着することで、雰囲気の異なる写真を撮ることができるそうです。実際に試してみた写真は記事の後半で。
散歩のお供にカメラがあると楽しい
さて、さっそく外に撮影しに行ってみましょう。何が撮れるか楽しみです。
pixtoss付属のレンズキャップはクリアグレーで、明るすぎる場所で撮影するときはキャップをつけたままにすると、白飛びを防止することができます。
街路樹のサルスベリ。
これ実は失敗してる写真なのですが、それっぽく写ってくれていて助かりました。
「偶然いい写真が撮れる」「しかもすぐに確認できる」のが、インスタントトイカメラの長所といえるでしょう。
筆者の日頃の行いがいいため、偶然とおりがかった超ラブリーな子猫ちゃんが撮影させてくれました。
そんなにかわいくてどうするんだ。一生甘やかされて育ってくれ。
動物を撮るときはフラッシュを焚けないので、晴れた日の屋外でこのくらい接近しなければなりません。それでも上記の写り方なので、光量の調整には慣れが必要そうです。
見た目と写りのかわいさ、フィルターでのカラーチェンジと、Pixtossはもうじゅうぶん魅力的なように思われますが、実はまだ秘められた能力があるのです。
ここからが本領発揮。
↑蚊に刺された
Pixtossのフィルム送りは、こうやって手でハンドルを回す必要があります。
ということは、フィルムを出さずに何回もシャッターを切ると、風景が重なった写真が撮れるということです。
例えば、こんな感じで沼なのか池なのかよくわからんところを撮影して…
フィルムを送らないまま人物を撮ると…
重なった!!
「知らない人の遠い思い出」みたいな写真が撮れましたね。
このテクニックを「多重露光」と呼ぶそうなので、ぜひ会社の面接で好きな四字熟語を訊かれた際は多重露光とお答えください。
ただこのテクニック、光の量の調節が難しく…
暗すぎると沼の怨霊になり
明るすぎると瀕死の勇者が見る故郷のまぼろしになります。
どんな写真が撮れているかわからないガチャ感が楽しく、フィルムが湯水のごとく溶けることうけあい。
こんなことをしていたら、送り出し中のフィルムの上でトンボが交尾をし始めて最悪だったので、この日は静かに帰宅しました。
まぐわうな。人の像の上で。
Pixtossでオシャレなポートレートを撮ってみよう
このあと、何回Pixtossを持って外出してもトンボの影に怯えることになったので、被写体を人間に変えることにしました。
他の記事の撮影の際に、抜け目なくPixtossを持参し…
オモコロのオフィスで暇そうにしてた方々に撮影をお願いします。
しっかりカラーフィルターも持参。
ペンを渡したらサインまでしてくれました。これがヌクモリティ……
左からベリーピンク長島、ノンフィルター山口、ミントグリーンギャラクシー、ショコラオレンジかまど。
トイカメラっぽい写りとフィルターのおかげで、普通に撮るだけでオシャレなポートレートに仕上がります。
多重露光であそぶマンスーン
最初は撮られることを恥ずかしがっていた方々も、だんだんと「遊び感覚で撮れるカメラ」として面白がってくれるようになりました。
撮って楽しい、つい撮られたくなるインスタントカメラ。
秋のお散歩のお供にいかがでしょうか。
ほかほかおにぎりクラブ限定 読者プレゼントのおしらせ
せっかくポートレートが撮れたので、ブロス編集長のかまどさんにお願いして読者プレゼントにしていただくことにしました(※猫ちゃんの写真は家宝にしたので差し上げられません)。
オモコロにはなんと有料会員の方がいらっしゃるそうで、どうしてそんなに徳を積んでいらっしゃるのかと感銘を受けましたので、今回はそのほかほかおにぎりクラブの会員さま限定企画となります。
これからしばらく他の記事の撮影の際に持参して、遭遇したオモコロライターさん達のポートレートを撮ることにしたので、上記の写真に追加でもう何種類かが増えるはず。つまりJUNERAYのフィルムが尽きるまでに入会しておくと、応募に間に合うかもしれません。
読者プレゼント企画の概要についてはこちらからご確認くださいませ。
それではまた今度、JUNERAYでした。