あんま読まないタイプのマンガを読みたい!

 

マンガ大好きなんですけど、感性の赴くままに手を伸ばしているとつい「自分が好きそう」な作品ばかり手にとってしまいがちです。せっかくなら普段あまり読まなそうなタイプのマンガにも手を伸ばして見識を広げたい!

 

 

ということで、質問投稿サイト「コロモー」に挙げられていた100件以上の「一巻完結のマンガ作品」から3作品を選び読んでみました。どの作品もそのままだったら私が手に取らなそうなものばかりです。

 

 

幼馴染の遺骨を盗んで走る。『マイ・ブロークン・マリコ』(平庫ワカ)

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読んでなかった理由…重そう

単行本が発売されてすぐ各所で話題になっていることは知っていたのですが「表紙が『人間の情念!』って感じで重そう。体力的に読み通せないのではないか」と思って読めずにいました。人間の内面を深く深く掘り下げていくようなタイプの作品にあまり慣れていないのもあって、敬遠していたんですね。

もしかしたら合わないかもなーと思いつつ読み始めたのですが、すごく印象的で面白い作品でした。

物語はOLのシイノが幼馴染・マリコの訃報を知るところから始まります。彼女はマリコの遺骨を強引に盗み出し、旅に出る。

「重い」話ではあったんですけれど、主人公のシイノがとにかくコミカルなほど動きまくって「親友の死」という動かしがたい現実と対峙するため、不思議な爽快感のある作品でした。

全てをほっぽりだして遺骨を盗むなんて荒唐無稽ではありますが、読み進むほどこれは「本当のこと」なんじゃないか、誰かの実体験をマンガに描いているのではないかと思ってしまいました。たぶん現実の人々のほうがよほどウソっぽい向き合い方で他人の死を処理しているからでしょう。

誰かの死に際して、人はある程度きまったやり方でその事実を処理し、記憶の中にとどめて「終わらせ」ます。ですがそれはたかが物質的な死にすぎなくて、ほんとうは何一つ終わっていない。まだ生きている体を駆使して、マリコのために全力の駄々をこねるシイノが、情けなくて正直でかっこよかった。

 

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演劇部のマリア様は、男なのか?『ボーイミーツマリア』(PEYO)

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読んでなかった理由…BL知らん

BL(ボーイズラブ)レーベルの作品には完全に疎いので、そもそも存在すら知らなかった作品ですが「BLの枠に収めておくにはもったいない良作」という触れ込みに興味をひかれて読みました。

ヒーローに憧れる単純バカな男子高生・大河(たいが)が演劇部のマドンナに一目惚れするが、通称・マリア様こと優(ゆう)は男だった……! というところから始まるお話。

めちゃ面白かったです。絵も構成も抜群に上手くてていねいで親しみやすくて、最後まですいすい読んでしまいました。ジャンプのベテラン作家の作品を読んでいるような安心感でした。フランス書院発行なんだ……!

扱っているテーマは広く重いです。「男/女」という性別への違和感、アイデンティティ確立の問題、友達との向き合い方に関する葛藤などが絡み合ってます。でも、ちゃんと王道をまっすぐ進むから最後までブレない。作品全体の拗ねなさ、真っ直ぐさが主人公の大河の性格に重なる気もして印象的でした。めちゃくちゃいいやつなんだよなー大河。

「性別を超えた愛」みたいな言葉もありますが、性は心と強く結びついているし、そもそも人を理解することに超えがたい壁があるし、気軽に掲げられるほど単純な理想ではないと思います。そういうめんどくさい実情に向き合ってひとつひとつ解きほぐしていくことと、しっかり理想を描くために王道を走ることの両方を短いページ数で最大限やりきっていて感動しました。かなりアツいマンガですね……。

普遍的に楽しめるマンガでありつつ、BLレーベルから出ている意味もしっかりあって良かったです。

 

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マンションから落ちる5秒間のミステリー『5秒童話』(第年秒)

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読んでなかった理由…翻訳ものが苦手

 

中国の漫画家が少年ジャンプ+で掲載していた作品。海外作品の翻訳ってとっつきづらいイメージがあってなんとなく読んでなかったです。

マンションの屋上から落下した少年・童(ドウ)が落ちるまでの話という斬新な設定。時間感覚がゆっくりになった童が落ちながら下の階の人々の生活を覗き見するのですが、地面に近づくにつれて徐々に驚きの真相が明らかになっていく異色ミステリー少年マンガです。

これも面白かった! ただ最初だけ「ちょっととっつきづらい」というのはありました。翻訳はかなり自然で読みやすいんですけど、ユーモア感覚とか全体的に日本のマンガのノリと若干違う感があります。でも案外すぐ慣れます。落ちてすぐ「才子短命だ!」って四字熟語言ってたの、あ~中国っぽいな~と思っておもしろかったです。

まずこの「落ちるまでの5秒」という設定がめちゃくちゃ良い。上の階から順番に住民の窓を覗くと、次第に自分が死に追いやられた理由が明らかになっていくんです。伏線も第1話からそこかしこに張られていて「あのシーンってそういう意味だったの!?」となる。細かいギミックに気づく楽しみが満載です。

特に中盤にしかけられたとあるギミックは「あ~~! やられた~!」となりました。奇想天外な設定ながら、ちゃんとミステリーしてる。

作品としては荒削りな部分もあるのですが、アイデアの新奇性と構成の巧みさ、加えて「マンガ描くの楽しい~!」という素朴な初期衝動が伝わってくるライブ感があって楽しめました。

 

試し読みはこちら

 

ほかにも面白い1巻完結マンガがたくさん!

ふだんあまり読まないタイプのマンガ3作品でしたが、どれも面白かったです。食わず嫌いってしないほうがいいですね。

 

 

コロモーでは他にも『外天楼』『われらコンタクティ』『ひきだしにテラリウム』などなど、1巻完結の作品がたくさん載ってます。よかったら見てみてください!

 

 

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