ICC | イン・ア・ゲームスケープ ヴィデオ・ゲームの風景,リアリティ,物語,自我
http://www.ntticc.or.jp/ja/exhibitions/2018/in-a-gamescape/#works

 

京王新線「初台駅」近くのICC(NTTインターコミュニケーション・センター)にて開催中の展示『イン・ア・ゲームスケープ ヴィデオ・ゲームの風景,リアリティ,物語,自我』を見てきました。

 

「テレビゲーム(ヴィデオ・ゲーム)」から見た風景を通し、世界のリアリティや自我を問い直すアート作品が集結しています。

 

 

 

一見して異様さがわかる会場の様子。最高。作品の全てが「ゲーム」に関連しています。

 

 

 

こちらの作品「ストリート・リーガル」は、車がぐるぐる回転して道路に軌跡を描きながら暴れる様子を淡々と映したもの。

「え!? だから何!??」という絵面ですが、私もボーッとマリオカートしながら永遠に逆走してジュゲムに注意され続けていたりするので、そういう無目的な遊びを意識的に作品化してみたものとして見るとなかなか面白いです。

 

 

 

こちらは、頭がコンセント・プラグになっているキャラクターが不思議な挙動を繰り返すゲーム『PLUG&PLAY』の設定画。

 

ちなみにこのゲームはPC版のほかアプリ版などもリリースされているので、買って遊べます。20分くらいで不思議な気持ちになれるのでおすすめです。

 

 

 

VR体験ができるコーナーも。もちろんただのゲームではありません。これは『ZONE EATER』という作品。ゴーグルをかけると、実写からスキャンして取り込んだガビガビポリゴンの3D空間に放り出されます。

プレイヤーはコントローラー操作で任意の人物(ポリゴンがガビガビ)に「憑依」することができ、室内のあらゆる人物やモノそのものに「なる」という体験ができるのです。

 

 

 

『マイエクササイズ』は実際に遊べる作品。といっても使うのはボタンひとつだけ。押し込むことで画面中央の人物が腹筋をするのですが、回数や押し込み方によってさまざまな変化が起こり「次はどうなるんだろう」とずっと繰り返しボタンを押したくなります。

 

 

 

こちらは『スーパーマリオ・スリーピング』。

ニンテンドー64『スーパーマリオ64』のマリオは、一定時間放置されることで寝始めるのですが、ただその寝ている様子を映しただけ、という作品です。……何なの!?

 

 

 

『イタリアからの絵葉書』は、額縁に飾られたポートレート。一見すると暖かそうな観光地の記念写真ですが……。

 

 

 

近づくとゲーム画面のスクショであることがわかります。遠目に見ると写真にしか見えないので、3Dモデルだと気づいたときは変な寒気が背筋を走って面白かった。

 

 

 

 

『Untitled–Game』は、モニター上にグチャグチャの走査線が表示されているゲーム。どうやら実際に遊べるようなのですが、何がなんだかわかりません。

しかし、コントローラーのボタンを押すと線の形状が変化したり「ギャー!」という男の叫び声や銃撃音が聞こえたりして「ともかく、何かゲームであるらしい」ということだけはわかり、プレイを続けてしまいます。

既存のゲームを改造して極限までぶっ壊すことで生まれた作品らしいですが、それによって「ゲームの最小単位」とでも言えそうな、不思議な感覚を味わえます。ゲームだけどゲームじゃない……。

 

 

 

開催期間は2019年3月10日まで!

会期:2018年12月15日(土)—2019年3月10日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーA
開館時間:午前11時—午後6時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(月曜が,祝日もしくは振替休日の場合翌日.ただし2/11[月]は休館,2/12[火]は開館),年末年始(12/28–1/4),保守点検日(2/10)
* 諸事情により開館時間の変更および休館の可能性がございます.最新情報はホームページなどでお知らせいたします.
入場料:一般・大学生 500円(400円)/ 高校生以下無料
*( )内は15名様以上の団体料金
* 身体障害者手帳をお持ちの方および付添1名,65歳以上の方と高校生以下は無料

主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

 

このほか、前衛的で独創的なゲーム展示が盛りだくさん。犯罪アクションゲーム『グランド・セフト・オート』をシカ視点で見たゲームや、何も起こらないゲーム、様々なゲームの「端っこ」に迫る映像作品などなど……どれもひねくれた視点でゲームを解剖しています。バグってぐちゃぐちゃになったゲーム画面にときめきを覚える人は気にいるはず。

 

 

 

ちなみに、同じくICCで開催されている『オープン・スペース 2018 イン・トランジション』は、入場無料な上にユニークな作品がたくさんあり、2つの展示を見ているだけで一日を潰せてしまいます。部屋を満たすストロボが見せる巨大立体アニメーション『ジャグラー』は凄すぎるので一見の価値あり。

 

 

 

 

 

 

 

 

リアリティの狭間を問うような作品に触れまくったせいで、会場を出ても現実感がありません。

 

なんか、そのへんの植木鉢も3Dモデルに見える。

 

 

 

 

え……?