
私野台詞(わたしのせりふ)と申します。

今から『ときめきメモリアルGirl’s Side4』の話をします。
『ときめきメモリアルGirl’s Side』とは?
出典:ときめきメモリアル Girl’s Side ポータルサイト
ときめきメモリアルGirl’s Side(以下『ときメモGS』という)は、KONAMIより発売された恋愛シミュレーションゲーム。
プレイヤーがはばたき市のはばたき学園で様々なキャラクターと交流し、誰かと恋に落ちて結ばれるまでを体験できるゲームとなっております。

以前私は記事の企画でオリジナル乙女ゲーを作ることになったのですが、その前に参考になるだろうとときメモGS4(シリーズ4作目)をプレイしてみました。
つまり当初はゲームを楽しもうというより、ちょっとしたお勉強のつもりでときメモに触れてみたのです。

さて。プレイしました。

衝撃を受けました。こんな素晴らしいゲームが存在したとは!
そこで今回は、“初心者&自分で乙女ゲーを作ってみた経験がある”という私の目線から、ときメモGSの魅力を語らせてください!
①人生をやらせてくれる
一番衝撃を受けたのはこの点です。
どうか怖がらずに聞いていただきたいのですが、ときメモは人生なのです。

これは自論ですが、私はゲームの主な構成要素をゲーム性と物語性と人生性の3つだと考えています。
この3つの要素が占めるバランスはゲームによって異なってくるのです。
まず、私の言うゲーム性はそのゲームの遊びの要素のことです。

例えば、シンプルなパズルゲームなどはゲーム性が強く他2つの要素が無いゲームだと言えます。
私はこのような特にゲーム性が強いタイプのゲームを「ゲームのゲーム」と呼んでいます。ややこしい。
次に、物語性とはそのままの意味でそのゲームに物語があるかどうかを指しています。

選択肢が存在せずひたすらテキストを送るタイプのノベルゲームは、物語性が強く他2つの要素がありません。
つまり特に物語性の強い「物語のゲーム」だと言えます。
これらに対して、ときメモGS4は「人生のゲーム」でした。

人生性とは「自分(プレイヤー)の分身としてある程度自由にゲーム内での人生を体験できる度合い」のことをそう呼んでいます。
(※ちなみに他2つの要素が0の人生性のみのゲームは、おそらく我々が生きる現実以外には存在しません。)

このように自分の名前を入力するように求められるゲームのことだと思っていただければ分かりやすいかもしれません。

したがって、例えばこういう勇者が魔王を倒しに行くRPGは、ゲーム性・物語性・人生性全てが揃ったゲームだと言えましょう。
(※これらはあくまでゲームの特性を示すものであり『3つの要素が全て高くないとダメ』という指標ではございません)

さて。ときメモGS4はこの3つの要素を全て持つゲームではありますが、特に人生性が強いゲームなのです!

なぜならこの作品は、高校3年間の人生を一日もスキップされることなく体験します。
一日も、です。
スキップされない代わりにイベントが起きない日は一日が一秒で過ぎ去るのですが、まぁ現実の人生だってそういうところありますからね。
出典:ときめきメモリアル Girl’s Side 4th Heart
3年分の行動をプレイヤーが逐一選択する仕様になっているため、“自分が”はばたき学園に通って生活しているんだ!という感覚がとても強いです。
これのおかげで「やばっ来週花火大会だ!?早く誘わなきゃ~!」みたいな焦る気持ちを実感を伴って得ることができます。最高でしょう?
出典:ときめきメモリアル Girl’s Side 4th Heart
また、ゲーム性を担うミニゲームの要素でも全く横道に逸れません。
バレンタインデーに向けてチョコレートを作ったり…
出典:ときめきメモリアル Girl’s Side 4th Heart
体育祭の競技を行なったりなどなど…
ゲーム内の恋多き高校生活を築く全てを体験することができますし、逆に言うとそこから一切逸れることがないのです。
私の所感ですが、「ゲームのゲーム」「物語のゲーム」に比べると「人生のゲーム」は数が少ないです。
愚直なほど日々の生活を歩む体験ができるこのようなゲームはそうありふれていないと思います。
この積み重ねのおかげでキャラクターへの愛着をより深められることを強く感じました。

ときメモGSの魅力は他にもございます!
②気合が入っている
ときメモGS4をプレイしていて、常に感じたのが「制作陣の気合」でした。
この世のどの作品も凄まじい気力が注がれていることは大前提ですが、ときメモGS4にはそのシナリオ量に圧倒されました。

だって冷静になるとヤバいですよ。ときメモGS4の攻略対象キャラクターは全部で11人(※DLCキャラも含む)。

当然それぞれのキャラ特有のシナリオが用意されていますし…

なんならキャラクターによっては4、5種類ほどのエンディングが用意されていて…

〈ごちゃごちゃごちゃ…〉
しかもプレイヤーによって選択肢が変わるイベントも含めるととんでもない道筋を用意しなければならず…
〈?????〉
え、しかもいろんなキャラと同時に関わるプレイスタイルの人もいるわけで…?
クラクラしてしまいますね。
私が以前企画で作った乙女ゲームの攻略対象はたった3人でしたが、それでも大変過ぎて「絶対作り終われない…」と絶望していました。
もちろんときメモGSの方は圧倒的に多くの人が携わったはずですが、
「じゃ!11人分のシナリオを考えよう~~!!」
を平然とやっていることがとても恐ろしいです。
③無難じゃないキャラ造形
私はこのゲームをプレイする前まで「攻略対象は無難に好印象を抱かれやすいキャラに仕上がっているのだろう」と想像していました。

ときメモGS4に登場する皆さんは全く無難じゃありません。
というかそもそも、キャラだけではなくときメモGS4の世界観自体がどこかトンチキさを漂わせています。
・リッチという通貨に支配された日本社会
・イケメンの幼馴染が近づいてくると異様に晴れ渡る空
・キャラたちの好感度を可視化した仮想空間の庭がある
・↑その庭を可視化する能力を持つ友人がいる
このように、はばたき市は不思議な事象にあふれています。
先ほど述べたように、キャラクターたちも個性豊かです。

何人かのキャラクターの肩書きを並べてみました。
王道にかっこいいキャラが揃っているかのように思えますが、実際に交流すると彼らはトンチキな世界観に負けない独特なキャラ造形をしています。

↑例えば彼。
出典:ときめきメモリアル Girl’s Side ポータルサイト
↑一番左の人
彼はメインの攻略対象である風真玲太(かざまりょうた)氏。
主人公(プレイヤー)の幼馴染で、優秀でちょっとカッコつけな帰国子女です。
これだけ聞くと、よく二次元コンテンツに触れる方なら「あ~そういう系のキャラね?」と把握し切った気分になるかもしれません。
しかし、彼は皆様が想像している枠に収まらない大変面白い人です。
私は彼を攻略している時本当にずっと笑っていました。私をツボにはめるなんて中々なものです。

例えば、風真くんはこの2つのフレーズを用いることが多いです。口癖なのでしょうね。

ですから、てっきり私は「天然な主人公に対して『ったく』と笑う『俺たちらしい』関係が好きなんだろうな」と思っていたのですが…

なぜか遅刻をした際に自分自身に対して「ったく」を行使したり。

デートが失敗したらいつも「俺たちらしくなかったな…」としょぼくれるくせに、
後から電話を寄こして「逆に俺たちらしかったよな!」みたいなことを言ったり。何なんだキミは。
ネタバレになるのでこれ以上は控えますが、他にもこんなもんじゃない面白い行動をたくさん見せてくれます。

「ハイハイちょっとキザな幼馴染キャラね〜」と最初は思っていたのに、蓋を開けてみるとこの世で彼しかやってないカッコつけ道を歩んでいたのです。

このように、ときメモGS4のキャラクターは先ほど挙げた王道な属性を持っていますが…

全て頭に「ときメモ印の」が入るような、他にはいない独特の空気を持つ方々ばかりです。
そして、みんな完璧ではありません。
笑っちゃうような場面もあればかわいらしい弱点もありますが、本当に人として未熟な側面も描写されます。

きっと、もっと分かりやすく、誰も文句をつけられない欠点無しのキャラを作る方が簡単だと思います。
それでも無難にとどまらないキャラ造形になっていることに私は嬉しさを感じました。
「恋に落ちるためだけに作られた完璧なキャラがいる」ではなく「先にキャラが存在して、その人と恋をしていく」という形なのが素敵ですね。
終わりに

私のときメモGS4語りは終了です。ご清聴ありがとうございました。
ときメモGSは知り合いに勧めていただき興味を持ったため、こんな素晴らしいゲームに出会わせていただき感謝感激です。
何が嬉しいって、GS4の他にあと3作品もシリーズがあることですね(ギャルゲー版ときメモも合わせるともっとある)。
さっさと億万長者になって、全てのシリーズを購入して遊びたいと思いました。
それでは!
ぜひ読者の皆様も、はばたき学園で最高の青春を過ごしてみてくださいね!
<おまけ>

https://omocoro.jp/kiji/518002/
記事内で述べた「企画で乙女ゲームを作った話」は、↑のURLから見ることができます!

私野台詞













