夏だ! 海だ!
テトラポッドだ!
こんにちは。テトラポッド研究家・テトラポッダーS級ライセンス所有者の てらにしま です。
夏の風物詩と言えるテトラポッド、みなさまもご存知かと思います。
浅瀬を中心に生息、海岸に沿ってちょうどいい数繁殖し、うまい具合に積み重なって、海岸線が波により侵食されるのを防いでくれている、すこぶる善良な生き物です。
コンクリートのような質感の皮膚を持ち、微動だにしないのが特徴です。とにかく微動だにしません。
「テトラポッド」という呼び名がすっかり一般的になっていますが、学名はヨンキャクナミケシイシと言い、波消石(ナミケシイシ)科の無脊椎硬体動物です。
海面に浸している「脚」部分から必要な水分や塩分、海中のプランクトンや海藻から栄養分を摂取し、積み重なっている仲間たちに皮膚づたいでそれを送り、群れ全体の生命を繋いでいます。
個体それぞれの大きさは0.2㎥~最大35㎥とさまざまですが、今回の特集では愛おしみやすい 1㎥大のテトラポッドについてご紹介したいと思います。
読み終わるころには、あなたもテトラポッドちゃんの魅力に夢中になっていることでしょう。
テトラポッドは生きている
非常に物体感が強く、無機質な印象を与えるテトラポッド。一目見ただけでは生き物だとわかりませんよね。
サーモグラフィーで見てみると…どうでしょう?
ほうら、体温があります。生きています。
からだの中心部分がぼんやりハート型に熱を帯びています。
コンクリート質の皮膚がぶ厚すぎて外見からはわかりませんが、中身はこんなにもハートウォーミングだったのです。
さらにはテトラポッドには「すごく重い」というイメージがあると思いますが、実は1㎥で44kg程度しかありません。
大きさの近い哺乳類で言うとカピバラくらいの重さです。カピバラ、かわいいですよね?
44kgしか体重がないにもかかわらず、波に流されないよう地面に付いている3本の脚で一生懸命踏ん張ることにより、2t近い重量を出していたのです。健気でしょう?
その一生懸命な踏ん張りを1ポッド1ポッドが決してサボることなく、あれだけの数が積み重なり一丸となってやっているわけですから、ちょっとやそっとの波に流されるわけがありません。
その結果、海岸線が侵食されずに保たれているのです。 感謝しかないですよね。
―― どうでしょう? なんだか親近感が湧いてきたんじゃないでしょうか?
彼らは非常にシンプルながら感情も持っています。
続いてはテトラポッドの喜ぶこと、嫌がることについてご紹介していきましょう。
テトラポッドの喜ぶこと・嫌がること
彼らを理解するための最初の一歩として、テトラポッドが喜ぶこと、嫌がることをよく知っておく必要があります。
まずはテトラポッダーのあいだでは基本のきと言われているのがこの2つ。
わた菓子で皮膚をなぞると喜びます。気持ちがよいのでしょうね。
喜ぶと少しだけ皮膚が柔らかくなります。これが「う・れ・し・い」のサイン。
すだちを搾ると嫌がります。酸っぱいんでしょうね。
嫌がると皮膚のザラザラ感が増します。これが「い・や・だ」のサイン。
ほかには、なんこつ入りのつくねでなぞられたり、プチプチを体に当ててつぶすと喜びます。
おが屑や猫砂の上に置かれたり、山形のだしをかけられると嫌がります。
このあたりがテトラポッダーとしての基本のきです。
なんとなーく、わかってきたでしょうか?
では、これらを参考にクイズ形式で「これをすると、テトラポッドちゃんは?」と問いかけてみますので、みなさんも 喜ぶ or 嫌がる を考えてみてください。
Q1: ウォシュレットつき洋式便器の上に置くと?
喜びます。「ビデ」「温水」「強め」での行水がお気に入り。
Q2:「犬」シールを貼ると?
嫌がります。住宅扱いされるのも嫌いますし、ワンワンうるさいので犬のことも嫌いです。
Q3: くっつき虫を(接着剤で)くっつけると?
喜びます。自分に本来つくはずのないものがくっつくのが嬉しいようです。
Q4: 周りに発泡スチロールを置くと?
嫌がります。発泡スチロールの形状、摩擦音、白さ、軽さ、どれも気に入らないようです。
Q5: パチンコ玉の雨あられを浴びせると?
喜びます。フィーバーしてるみたいですごく嬉しいようです。
さあ、何問正解できましたか?
テトラポッドちゃんへの理解を深め、彼らが喜ぶことをたくさんしてあげたいですね。