うさぎを飼い始めた

 

うさぎと数か月ほど暮らして思ったことがある

 

最近は心を許してくれたのか、飼い主が近付くとうさぎの方からすり寄ってくるようになった。

しかし、うさぎにとって人間との長時間のふれあいはストレスという説がある。調子に乗ってスキンシップしすぎて病気にさせちゃったらと思うと怖すぎる。俺は今年の健康診断で「自覚症状は無いでしょうけど肝臓にストレスをかけすぎです」と言われたばかりなので、物言えぬ相手に対するハラスメントをめちゃくちゃ恐れている。

 

また、うさぎは草食動物なので狩猟本能がない。犬や猫のように獲物に飛びつく習性がなく、むしろ動くものを見ると逃げてしまう。ボールや猫じゃらしのようなおもちゃで一緒に遊ぶのがそもそも難しいのだ。

うさぎが喜ぶ遊びとなると、おやつをあげたり木をかじらせたりが中心になって、「これって遊びじゃなくて食事じゃん」という子供の頃の友達と大人になってから久々に遊ぶ時みたいな切なさを抱えることになる。俺は昔みたいにゲームとかしたいのに。

 

ん?

 

ゲーム?

 



 

というわけで、うさぎと一緒にゲームを操作できる専用コントローラーを作ってみました。

 

うさぎと協力して高難易度アクションゲーム『エルデンリング ナイトレイン』のクリアを目指します。

 

先にプレイ動画全編を見たい方はこちら

 

うさぎ専用コントローラーができるまで

うさぎと一緒にゲームで遊びたいと考えたとき、まず頭に浮かんだのは「むてきまるちゃんねる」さんの魚がポケモンをクリアする生配信でした。

めちゃくちゃ有名なのでご存知の方も多いと思いますが、むてきまるちゃんねるさんはコロナ禍に彗星のごとく現れたYouTubeチャンネルです。ペットの魚が泳いでいる映像を解析し、コントローラーの信号に変換することで、魚がポケモンをプレイする様子をライブ配信します。

育てたポケモンを一気に逃がしてしまったり、ニンテンドーストアを開いてクレカで勝手に買い物したりと、予測できない魚たちの振る舞いに視聴者は釘付けになりました。

 

むてきまるちゃんねるさんの素敵なところは、魚の普段の生活環境をそのままコントローラー化した設計思想です

この生き物ファーストな姿勢を見習いうさぎにとって快適な環境をコントローラーに落とし込むことで、うさぎに負担をかけずにゲームを遊べるのではないかと思いました。

 

ただし、うさぎとお魚の生態の違いから、映像解析を用いたボタン入力の仕組みまでそのまま参考にするのは難しそうです。

 

例えば、映像解析を行うには明るさなどの撮影環境を一定に揃える必要があります。しかし、我が家のうさぎは窓から入る自然光で生活リズムを整えているので、撮影のために一日中カーテンを閉め切るのは厳しい。そこで、ボタン入力は映像ではなく物理的なセンサーで行うことにしました。

 

また、私の場合はうさぎと人間が一緒にゲームをプレイしたいので、どうにかして「うさぎ用」と「人間用」の2台のコントローラーを合体させる必要があります。

 

というわけで、ここからは制作した「うさぎ専用コントローラー」の仕組みをざっくり解説していきます(なぜざっくりなのかというと、初めての電子工作なので詳しく説明すると間違った情報を書きそうで怖いから)。

 

うさぎ専用コントローラーの仕組み

あらためまして、こちらがコントローラーを上から撮影した写真です。

お気に入りのエサ箱・トイレ・給水機・おもちゃをセッティングし、いつもの生活環境に近付けました。

一辺の長さは70cm。めちゃくちゃ広いとは言えませんが、市販の一般的なサイズのうさぎ小屋と比べれば大きく、小柄なネザーランドドワーフウサギが走り回れるだけの余裕はあります。

 

そして、うさぎがこのコントローラーの中で過ごしていると、4つの重量センサー(体重計)がうさぎの位置を測定し、その位置に対応したボタンが自動で押される仕組みになっています。

 

図にするとこんな感じ。正方形の板の頂点に体重計を取り付けています。

うさぎに近い体重計ほどかかる重さが大きくなり、逆にうさぎから遠い体重計ほどかかる重さが小さくなるので、体重計の数値から逆算してうさぎのいる位置を割り出せるわけです

 

そして、体重計の役割を果たすのがこちらの「ロードセル」と呼ばれる重量センサー。素人目にはそうめんが生えた文鎮にしか見えませんが、精密機器です。

 

取り付け方はこう。この雑な画像だけで原理が分かったあなたは天才。

水泳の飛び込み台をイメージすると分かりやすいかもしれません。飛び込み台に人が乗ると体重で板がしなるように、この金属パーツも重さがかかるとわずかに曲がります。その曲がり具合を検知して重さを測定しているらしいです。力技すぎる

普段何気なく使っているハイテクな機械も、突き詰めればこんな風に物理的なパワーで動いているんですね。おもしれ~。それが分かったことが、電子工作に挑戦した一番の収穫だったかもしれません。

 

ちなみに、数あるセンサーの中からなぜ重量センサーを選んだのかというと、うさぎが電子機器に触れるリスクを無くしたかったからです。

重量センサーはうさぎが乗っている板の下にあるので、写真のように仕切りで囲んであげればうさぎはセンサーに触れられません。うさぎは何でもかじってしまう習性があるので、安全性を考慮してこのような設計にしました。

 

ハード面の説明は以上です。さも順調に進んだかのように書きましたが、実際は設計ミスで材料が足りなくなり、一駅先のホームセンターまで徒歩で3往復しています。

猛暑の中でデカい板を運ぶとき、日陰を求めてファルネーゼのアトラス(宇宙を肩に乗せてるでっかいおじさん)と同じ体勢になりがち。

画像の説明 画像の説明

左:ファルネーゼのアトラス(Lalupa, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)
右:板を日除けにしている人間

 

プログラムを組む

『エルデンリング ナイトレイン』オンラインマニュアル より

 

工作が終わったら、あとはプログラミングで「うさぎがどこにいる時に」「どのボタンが押されるか」を設定していきます。

今回うさぎと遊ぶゲーム『エルデンリング ナイトレイン』16個のボタンと2本のアナログスティックで操作するのですが、その全てをうさぎ用コントローラーで入力するのはさすがに難しい。

そこで、視覚的なわかりやすさも考慮し、うさぎには特に重要な9つの操作だけを担当してもらうことにしました。

 

ちなみにボタン配置はプログラムで簡単に書き換えられるので、キャラクターに応じて「戦技」を「魔術」に変えたり、「回避」を「ガード」に変えたりできます。

 

そして、飼い主の手元のコントローラーと同時に操作する方法ですが、『reWASD』という複数のコントローラーやキーボードをPC上で合体させられるソフトを使うことにしました。

これを使えば簡単に2台のコントローラーを1つにでき……

 

でき……

 

ない!!!!!

うさぎの操作はサポート対象外と言われてしまいました。

 

このソフト、どうやら自作コントローラー(ArduinoのJoystickライブラリ)には対応していない模様。完全に当てが外れました。えらいこっちゃ。

 

本当にえらいこっちゃ・・・!!!

 

 

めちゃくちゃ焦りながら試行錯誤した結果、自作コントローラーではなく自作キーボードであれば認識してくれることが分かりました。

『エルデンリング ナイトレイン』はキーボード操作にも対応しているので、プログラムを修正し、うさぎの操作で送られる信号を「コントローラーのボタンを押す」から「キーボードのキーを押す」に書き換えることで問題解決。

 

なのでこの装置、正確には「うさぎ専用コントローラー」ではなく「うさぎ専用キーボード」です。せっかくキーボードになったので、うさぎに読者の皆さん宛のメッセージを書いてもらいました。

 

読者の皆さんへ

由布ぬス千怒にぬ似ぬに縫う域さあんはまっや幽遊湯mhmhンkkkっ茎生き生き生き生き生き生き生き生き生き生き生き生き生き生き生き生き加算はまみいうみゅう弓hなんな

だそうです。なんだか寿命が増えそうでありがたいですね。写経して神棚に飾ってください。

 

うさぎと一緒に『エルデンリング ナイトレイン』を攻略する

さて、コントローラーが完成したので、いよいよゲームを攻略していきます。

『エルデンリング ナイトレイン』とは

神ゲー。

制限時間内にフィールドを探索してキャラクターを強化し、最後に待ち受けるボスを倒すローグライクアクションゲーム。

1プレイ45分くらいでめちゃくちゃ濃密な体験ができる。

あと、毎週のようにアップデートでどえらいコンテンツが追加されるので、このゲームを買うだけで一週間の中で最も地味な木曜日日祝に並ぶTop tierになる。

▼『エルデンリング』については以前書いた記事を読んでね▼

 

このゲーム、普通にプレイしても結構難しいです。まして今回はうさぎの操作に振り回されるわけで、どう考えても苦戦は必至・・・

 

 

と思ったら一発で勝ててしまいました。もっと紆余曲折を経ろし。

 

敵が全滅した後も攻撃を止めてくれなかったり

 

見えてる炎に自分から突っ込んだり

 

技を使うためのFPをボス部屋前で使い切ったりと、最初から最後まで様々なトラブルに見舞われたものの・・・

 

うさぎの操作でショートカットに成功したり

 

敵の攻撃をジャスト回避してくれたり

 

隙をついてボスを煽りまくったりと、しっかり協力プレイっぽい体験ができてめちゃくちゃ楽しかった!

もちろん、うさぎ本人に「ゲームを操作しよう」という意志がないのはわかっているけれど、それでもキャラクターの動きを通じてうさぎと対話ができた気がして、ボスに勝てた瞬間はかなり感動しました。

 

 

また、うさぎに負担をかけないという条件についても、体を投げ出してくつろいる姿や、耳を閉じて寝ている姿を確認できたので、リラックスして過ごしてくれていたのではないかと思っています。

 

反省点としては、もっとうさぎが落ち着けるようにトンネルで暗がりを作ってあげればよかった(↑こういうの)。改善の余地は多そうです。

 

さて、当初は1回ボスを倒したら終わりにするつもりでしたが、あまりに楽しかったのですぐに2本目の動画も作ってしまいました。

 

これからも(うさぎが嫌がらなければ)全ボス倒せるまで動画投稿を続けたいですし、いつか生配信でオンラインマルチにも挑戦してみたい。ぜひ我が家のうさぎと一緒にゲームで遊びましょう。

というわけで、よろしければチャンネル登録とXのフォローをよろしくお願いします。

また、うさぎの快適性や安全性に関して何かお気づきの点があれば、ぜひDMや動画のコメントで教えていただけるとありがたいです。

 

YouTubeチャンネル

X(@Watamaro_gg)

 

おまけ:画像ギャラリーにうさぎとナイトレインを遊ぶ際のテクニック集を載せておきました。お役立てください。