四文屋が大好き!

四文屋、ご存知でしょうか。関東を中心に北は北海道、南は福岡まで勢力を拡大している焼きとんを中心としたグループです。チェーン店と思われがちですが全て直営店。店名は創業当初やきとんを一本100円で提供していたことに由来していて、とにかく安い。そしてうまい。

ガツキムチをつまんでビールで喉を潤し、炭火に落ちた脂の煙を纏いながらじっくり焼かれた肉と野菜を噛み締め、キャベツや長芋漬けでさっぱりしつつ、よく煮込まれたとろとろのもつ煮込みを口に放り込み、梅シロップを垂らしたキンミヤ焼酎・通称梅割りをクピッ…とね。たまりませんな。

そんで焼きおにぎり。食べたことありますか?四文屋の焼きおにぎり。

わたしは一時期ほぼ毎日四文屋に通っておりまして、来る日も来る日も四文屋のカウンターに通い続け、あらゆる焼き物を食べ、そういえば食べたことないなと何気なく注文した焼きおにぎり。これがうめえんだ。タレが塗り重ねられた表面はパリッと香ばしく、なんならこの塩気で酒が飲めちゃう。付け合わせのたくあんの甘さも泣かせますわ。半分くらい食べたら、セットのスープで焼きおにぎり茶漬けにしちゃったりして。

四文屋はセントラルキッチンでして、基本的に串物や煮込みはどのお店に行っても同じ品質のものが提供されるようになっております(一部店舗を除く)。つまりお店によって違うのは焼きの技術。そして焼きおにぎり。そう、焼きおにぎりはどこでも完全に店舗調理で個性があるんですよ。

これに気付いたとき、思いました。

食べ比べてみたい。全部。

北海道や福岡はちょっと難しいですが、とりあえず都内のお店は全店舗食べに行ったので紹介させてください。

 

そして焼きおにぎりを食べまくっていたら、あらゆるメディアの取材を断っている四文屋の創業者・大森会長、そして同じく創業に携わり今もなお四文屋全店舗のクオリティコントロールを司っている四文屋の裏ボス的存在・宮川専務にお話を聞くことができてしまいました。これはマジですごいこと。飲食業界震撼&四文屋ファン垂涎のインタビュー!必見!

 

【目次】

四文屋・焼きおにぎりレポート

・四文屋

・どすこい四文屋

・魚の四文屋

・牛の四文屋

・広義の四文屋の焼きおにぎり

・特殊メニュー 焼きおにぎり茶漬け(温・冷)

大森会長インタビュー

宮川さんインタビュー

 

四文屋・焼きおにぎりレポート

四文屋

鷺ノ宮

最もよく食べた四文屋の焼きおにぎり。安定してうまい。外側パリッ、中ふっくら、最高!

セットでついてくるスープが非常にいい仕事をしてくれるんですよね。鶏ガラスープにゴマ油とネギが浮いたなんてことないスープなんですが、このシンプルさがいい。ずっと片手でいけるから。焼きとん食べる時ってできるだけ箸を使いたくないじゃないですか?おれだけ?

そのまま焼きおにぎりと交互にいくのはもちろん相性抜群ですし、焼きおにぎりの味が濃すぎると思ったらスープにドボンしちゃえば香ばしい焼きおにぎり茶漬けに早替わり。逆にスープの味が濃かったら、それはふつうにお店の人に言えばいい感じに薄めてくれます。

 

阿佐ヶ谷(現在閉店)

惜しまれつつ閉店した阿佐ヶ谷の四文屋。ここもめちゃくちゃ行ってました。焼き場を任されていた外国人店員さんが妙に焼きがうまかった。阿佐ヶ谷には他にぼてふりの四文屋があり、魚やおでんが楽しめますが、そちらには焼きおにぎりはありません。炭がないからね。

 

渋谷

いつ行っても混雑している渋谷店。地下にお店があって、ごく稀にビールケースとか置いてるザ・地下みたいな席に通されるとちょっとラッキーな気持ちになります。めちゃくちゃ注文しづらいけど。なにげにホワイトボードのメニューが充実していていいですよね。

 

沼袋

沼袋ってマジで行く機会ないよな〜。ザ・住むための街。そこに差す一筋の赤ちょうちんの光こと四文屋沼袋店。鷺ノ宮もそうですが、こういう地域完全密着型の四文屋は接客がスーパー丁寧かつ100%美味いです。

 

野方

 

秋元屋、野方屋など焼きとんの名店がひしめく野方で、すべてを出し抜いて昼11時半から営業している野方店。駅からなんと徒歩ゼロ分。野方駅で降りたら即・昼からベロベロ!四文屋は結構どこも16時くらいオープンで早めなんですけど、ここは群を抜いて早い。なんでこんな時間から営業してるのかというと、ここは西武鉄道が持っている物件で、駅前のお店が閉まっていると街の活気がなく見えるから、昼から営業してほしいというテナント契約だそうです。そういうのがあるんだ。街の活気を四文屋が担ってる。

 

ランチメニューもあります。これは焼鳥重アタマ大盛り、ごはんちょい多め。ごはんは大盛り無料!これで飲んじゃってもいいんじゃないですか?

この満遍なく塗り込められた醤油とこんがりした焼き色を見よ。間違いなく名人。当然串もうまいです。そして野方だけスープが鶏白湯。うまい!出汁に使った手羽先が入っててうれしい!あと基本的に四文屋にはホッピーがないのですが、ここは珍しいホッピーあり店舗です。色々とスペシャル仕様な四文屋。

 

中野

四文屋の本社と、セントラルキッチンがある四文屋のお膝元・中野。中野には他に牛の四文屋、魚の四文屋、串揚げの四文屋、そしてガチンコの寿司が食べられる「鮨 せいざん」があります。せいざんはもちろんですが、串揚げの四文屋にも焼きおにぎりはありません。 炭火がないからです。

炙られて醤油とごはんが馴染んだ焼きおにぎりもいいけど、あと塗りされた醤油がガツンとパンチがあって、これはこれでいいですね。この焼きおにぎりで黒ビール(小瓶)いける。

 

新宿

醤油をしっかり塗り込む派とサッと塗り派があると思います。新宿店はガッチリ塗り込む派ですね。塗りすぎると崩れちゃうだろうから、味を染ませるほうが難易度が高い気がします。

 

新宿・思い出横丁

つまりこれはかなり失敗を恐れたパターン。でも大丈夫、みんなここから始めるから。

 

吉祥寺

かなり焦がしてるし、にぎり過ぎてる状態。外国人店員さんはおにぎりを強くにぎりがち。こんなこと言ってると「外国人店員が焼き場にいる時に焼きおにぎりは注文しないほうがいいのでは…?」とか思われちゃうかもしれない。

 

秋葉原

 

しかし四文屋で社内含めて評価の高い店舗はダントツで秋葉原店だそうです。ほぼ100%外国人店員さん。接客も焼きも、とにかく全てが丁寧。おにぎりをにぎりすぎてるだけで、焼きはかなりうまいことがこんがりした焼き色から分かっていただけると思います。ここもいずれパーフェクト焼きおにぎりを作れるようになるでしょう。

 

西荻窪

西荻窪にはその域に到達した外国人店員さんがいますね。

 

大塚

これは何が起きた?!なんかすごい形してますけど?!これでにぎりはふっくらしていて焼き加減もうまいからわからんもんですね。焼きおにぎりを見た目で判断してはいけない。

 

池尻大橋

逆にすっげ〜きれいな三角の焼きおにぎり。これはなんかそういう型とか使ってたりするんでしょうか。「ぼんご」みたいなやつ。よく見ると奥のやつはちょっと形がいびつだし。

 

高田馬場

学生とサラリーマンがひしめく激戦区・高田馬場の焼きおにぎり。見返してみるとここも同じような三角してますね。たぶん一部でこういう型を使うスタイルが流行してるな。

 

高円寺

外国人店員さんが握るとおにぎりが団子になりがちみたいなこと言いましたけど、当然ですが日本人がにぎってもみたらし状態になることありますからね。完全店舗調理ってそういうこと。このブレを含めてお店の味わいなんだって。

 

東高円寺

でもやっぱりめっちゃうまいやつが出てくるとテンション上がっちゃうよね!すごい上手!おいしい焼きおにぎりを頬張った時の感動って何物にも変え難いんだよな。

 

新井薬師本店

全てはここから始まった!!!四文屋の一号店。行くとわかるんですけど、ほんとにここが本店?ってくらい小さいお店なんですよ。そんで独特な細長さ。ここから始まったんだなあ…としみじみ食べる焼きおにぎり、思い入れ込みでうまい。握り加減も焼き加減もすばらしい。やわらかい炊き加減のごはんがこんなほろりと握れてパリッと焼けるって逆にレベル高いのでは?

店内には創業当初のメニューが飾られております。この独特なフォントのメニューを見ると、ああ四文屋に来たな〜という気持ちになりますよね。