四文屋(つづき)
あんまり焼きおにぎりのことばっかりなのもアレなんで、おれが必ず注文する串なども紹介させてください。
左から手羽ネギ、アゴ、アスパラです。すべて一本120円(2024年7月現在)。
手羽ネギはぶつ切りにされた手羽先にネギが挟まれたもの。コリコリした軟骨、味の濃い手羽肉、肉汁が染み込んで炭火で軽く焦げるまで焼かれたネギが甘い!
アスパラはどの店舗でも鮮度を保つために立てた状態で根元を炭酸水に浸されており、水を吸い上げたぶっといアスパラはめちゃくちゃジューシー。
そしてアゴ。
聞き慣れない部位だと思いますが、ほかだと「タン下」とか「タンカルビ」と呼ばれる希少部位です。これも一本120円。この肉と肉の間に挟まれたニンニクの芽、気が利きすぎてる。ふつうのニンニクの芽串もあるんですけど、それよりこんがり焼かれていて香ばしい!噛むたびにじゅわっと滲み出てくるアゴの脂とニンニクの風味が合わさってたまらんです。
最初はレバごま塩とか肉刺しみたいな、肉をいかにレアで食うかみたいなことをキャッキャやってたんですけど、焼き手によって肉の味わいがめちゃくちゃ違うことに気付いてからはよく焼かれた噛み締め系の串こそ至高と思うようになりました。レバもよく焼きで。あとナンコツとかハラミとか。
アゴとアスパラは100%注文して、手羽ネギもベンチに入れつつ、ホワイトボードのメニューを気分でいくのがおれの四文屋ルーティン。
箸休めの大根酢醤油。その名の通り、薄切りの大根に酢醤油がぶっかけられたもの。これを最初に注文して、放置。後半に酢醤油が染みていい色に染まったところを食べる。これですわ。集団で来て一皿だけ注文して寄ってたかって食ってるのは素人。何の???
豪徳寺
#四文屋の焼きおにぎり 豪徳寺 なんか他のお店よりすげー香ばしいかも!どうして?!ごはんの炊き加減はやわめ pic.twitter.com/pWgP7oG6xQ
— 増田薫 (@masudakaoru_) July 12, 2024
めちゃくちゃ香ばしかった。開店してすぐ注文したから、店内に全然焼きとんの匂いがしてなかったのも要因かも。環境によって味って結構変わりますよね。
下北沢
若者の街・下北沢の四文屋はなんでか知らないけどここだけ名前が「なん八」となっております。そしてここの焼きおにぎり…
立つ。サイドまでかなりきっちり焼き込まれてる。
中井
こんがりパリッと丁寧に焼き込まれた焼きおにぎり。
ここの焼きおにぎりも立つ。醤油の染み込み具合も申し分なし。
それはそれとして、最近四文屋各店で勢力を拡大しつつあるポテトサラダ。280円。
そのままちびちびつまむのもいいですが、パワー強めのマヨネーズとして料理と組み合わせるとめちゃくちゃおいしい。これはかぐら南蛮(南魚沼の伝統野菜)に詰め込んだ状態。
三軒茶屋
形よし、焼き目よし、にぎり具合よし。非常に優秀な焼きおにぎりですね。
突然ですが、大根酢醤油にネギとししとう串をあらかじめ漬け込んでセルフ焼き浸しにしていたものです。
こいつをつまみつつ焼きおにぎりを片手に冷酒をクッ…とね。〆以外の焼きおにぎりの提案です。ご検討ください。
そんで全然関係ないけど三軒茶屋の四文屋だけ文字が独特。
自由が丘
意外と焼き鳥・焼きとんのお店がある自由が丘店の焼きおにぎり。こちらも味の染み具合、焼き加減、非常にレベルが高い!スープもネギがたっぷりで嬉しい!たぶん他にない3階まで席がある四文屋。基本ひとりで行くことが多いので一階のカウンター席しか行ったことがないし、上の階は行く機会がありません。一階を見て「カウンター席しかないのかな…?」と思っていた自由が丘駅ユーザーの皆様、全然席あるので大丈夫ですよ。
国分寺
実直に作られた、非常にオーソドックスな焼きおにぎり。お店の構造が新井薬師本店と近くて、かなりアットホームな雰囲気。カウンター席の客が多い四文屋はいい四文屋(個人の見解です)。隣の人は焼きおにぎりの匂いの誘惑に負けることなく、煮込みライスで〆てました。ちなみに焼きおにぎりと煮込みライスでは、圧倒的に焼きおにぎりの方が出るそうです。そりゃね。
椎名町
ころんとしたシルエットがかわいい!!全体に醤油の色が薄い感じですが、サイドまで醤油が塗り込まれている&焼かれているので薄味な感じはしません。このシルエットでよくサイドまで焼けたな。
練馬
いかつい雰囲気の店員さんが多い印象がある練馬店さん。焼きおにぎりの焼き色も「押忍!!!」という感じがします。このテカり、最後にちょっと醤油をひと塗りしてくれるタイプですね。
江古田
四文屋焼きおにぎり界の異端児、江古田店の焼きおにぎりです。ご覧ください。
お分かりになるでしょうか?
三角錐なんですよ。当然立って出てくる。この形の何がすごいって、全面こんがりパリパリ。ふつうの形のおにぎりでサイドを焼いてもこうはならない。あと単純にふつうの焼きおにぎりだと全面焼こうとしたら5面焼く必要がありますが、これなら4面で済む。これ焼きおにぎりとしては革命なんじゃないですか???
どうしてこんな形になったのか店長さんに聞いてみたら、「この形しか握れなかったから」というまさかの回答が返ってきました。いまはふつうの形のおにぎりも握れるようになったそうです。
たくあんじゃなくてきゅうりの浅漬けがついてきた。たまたまたくあんを切らしていたのかもしれません。もうけ。
荻窪(2024年12月27日追記)
2024年12月20日にオープンした四文屋荻窪店。四文屋のオープンに立ち会うことなんてなかなかない機会なので行ってきました。
開店30分前に来たらさすがにまだ中でバタバタと準備などしていて、そのへんをうろうろ散歩して戻ってきたら同じく開店を楽しみにしていた人たちが行列を作っていました。
この日はオープン記念で生ビールが一杯110円。飲み干すと「おかわりいかがっすか!」と声をかけられるわんこビール状態。お祭りだ!他店のベテランスタッフさんが応援に来てたり、専務の宮川さんが様子を見に来たりしていました。これが四文屋の立ち上げか。
お祭り状態でも焼きおにぎりは完璧な仕上がり。にぎり加減も焼き加減も絶妙です。この店舗は末長く繁盛することでしょう。
そんな新店舗でひっそりと追加されていた新商品、牛あかみ串。めちゃくちゃうまい!ランプ肉でしょうか。柔らかくてジューシーなんですけど脂っこくなく、噛み締めるたびに滲み出る旨みと甘いタレの相性が抜群です。
川崎
ここだけ都内ではないですね。神奈川唯一の四文屋。オフィス街にあるからかランチをやっていて、平日・数量限定で焼きおにぎり茶漬けを出していることがあります。そちらはまた別にまとめましたのでご覧ください。
一見あっさりだけどしっかり醤油が中まで染みておる。
こちらの川崎店の店長さんは江古田店の店長さんの元で働いていたことがあるらしく、あの三角錐のおにぎりも握れるそうです。たまにヒマ〜なときにそれで握ることもあるとのこと。川崎で三角錐の焼きおにぎりに出会えたらラッキー!