メリークリスマス!
ライターの鬼谷こと、サンタクロースです。
皆さんは農林水産省の公式サイトを見ていますか?
農林水産省の公式サイトには、小中学生から寄せられた農林水産業や食べものについての質問に回答するページがあります。私も元小中学生としてこのページを閲覧していたら、次のような質問を見つけました。
「シャンメリーって何ですか。アルコールが入っているのですか?」
シャンメリーとは何か。皆さんは答えられますか?
答えられなくても大丈夫! 我々が支払う税金によって運営されている農林水産省の皆さんが答えてくれています! いわば知識のサブスクですね。
こたえ
シャンメリーとは、クリスマスパーティなどのパーティ用のアルコールの入っていない炭酸(たんさん)飲料のことをいいます。
明快な答えでした。炭酸という漢字も確実に読めるようになっています。
あれれ? でも、どうして『シャンメリー』っていう名前になったんだろう?
そんな疑問にも答えてくれています。
昭和22年に誕生(たんじょう)し、当時は、「ソフトシャンパン」の名前でしたが、フランス政府(せいふ)からシャンパンの名称(めいしょう)の使用禁止(きんし)を求められ、「シャンパンでメリークリスマス」から、昭和48年に現在(げんざい)の「シャンメリー」に変えられました。
すいません、ふりがなが多すぎるので削ります。
昭和22年に誕生し、当時は「ソフトシャンパン」の名前でしたが、フランス政府からシャンパンの名称の使用禁止を求められ、「シャンパンでメリークリスマス」から、昭和48年に現在の「シャンメリー」に変えられました。
なるほど! [Alexandros]と同じ理由で改名していたんですね。とにかくクリスマス向けのノンアルコール炭酸飲料だということが分かりました。
そのいちばんの特徴は、栓を開けたときのポン!という素敵な音。思わず“わぁ”という歓声とともに笑顔がこぼれます。
最大の特徴を「音」とする飲料だったとは恐れ入りました。音モクで開栓して、あとは惰性で飲んでいるシャンメリー狂も世界のどこかにいるのでしょうか。
「う〜ん。でも僕(ぼく)、ちゃんと安全(あんぜん)にシャンメリーを飲めるか分からないよ……」
そんな不安があっても大丈夫! 農林水産省を舐めるな! ちゃんと正しいシャンメリーの飲み方を紹介してくれています。
いきおいよく栓がとぶので、
1.絶対に栓を人や蛍光灯に向けない。
なるほど! 栓が人や蛍光灯に当たったら危ないもんね!
2.ナプキンや布で栓をおおい、ゆっくり栓を抜く。
ふむふむ、瞬間的なエネルギーを布で抑えるわけだ!
3.よく冷やす。
今!?!?
もう開けちゃったっつーの!!!
4.びんを振らない。
だからもう開けてるっつーの!!!
ふう、農林水産省公式サイトたのしすぐる。
おかげでシャンメリーとはなんたるかを学ぶことができました。
……でも皆さんが知りたいのはこういうことじゃないですよね。
実際どんなシャンメリーが売られていて、どんな特徴があるのかを知りたいわけですよね?
分かってます。皆さんの消費者魂、しかと理解しております。
そんな情報ジャンキーの皆さんに向けて、わたくしサンタクロース、シャンメリーをたくさん用意しました。これらを実際に飲んで分かったことをお伝えしましょう。農林水産省が発信できない領域は、私がカバーします。
国と私の二人三脚で頑張るぞ!
シャンメリーを飲む前に忘れちゃいけないのは、部屋をパーティームードにすること。シャンメリーは「パーティー用飲料」なので、葬式で飲んでもそれはシャンメリーじゃありません。パソコン部が作るちゃんこ鍋みたいなものです。
しっかり冷やすことも忘れず、準備は万端!
今回用意したシャンメリーのメーカーは、ハタ鉱泉、トレボン食品、トンボ飲料、齋藤飲料工業、小原、シードルリー・デュ・カルヴァドス・ラ・フェルミエール、スタッセンの7社。7はラッキーセブンとも言われる縁起のいい数字です。
記念すべき1本目は、ハタ鉱泉の「シャンメリー」。
ギラついたメタリックなパッケージに対して、素朴な瓶がギャップ萌えでキュンです。ピーチ味とマスカット味がありましたが、今回はピーチ味を開けてみます。
農水省の教えどおり、布で押さえながら開栓します。
ボフ!!!
……本当は「ポン!」と素敵な音が鳴るはずだったのですが、万一事故があってはいけないと思って全力で押さえながら開けたら、快音ごと打ち消してしまいました。布があれば意図せぬ方へ飛んでいくことはなさそうなので、音を楽しむにはある程度力を抜きながら栓を回すのがよさそうです。こういうあいまいなことは農林水産省には言えないでしょう。
味は、桃の香りとともにほのかな酸味を感じられておいしかったです。かつて売られていた限定ファンタのすもも味が想起されます。
続いて、トレボン食品の「シャンメリー」。今回買ったのはゴールドで、ほかにシルバーとロゼも売られていました。
本体の色味の少なさに若干ビビりますが、第一の個性は音ですから、とりあえず開けましょう。
ポン!!!
1本目の反省を生かした見事な快音が響きました。やはり反省をうまく生かせると嬉しいです。中学生の頃、部活の顧問に「お前は一を知って十を知るなあ」と褒められた経験があり、その記憶を今まで大切に擦り続けて生きてきたので、こういう体験にはいつまでも気持ちよさを感じてしまいます。反省サイコー!
こちらはハタ鉱泉のものよりお菓子っぽい味で、分かりやすく舌に残るシロップのような甘さがあります。
1本目からうすうす感じていたのですが、シャンメリーは開栓音とパッケージのビジュアルに注力して作られているので、味をどうこう言うのは野暮なのかもしれません。野暮というか、種類ごとに明確な味の違いを表現できる自信がなくなってきました。
でも負けねえ。
続いて、トンボ飲料の「ポケットモンスターシャンメリー」(マスカット味)。パッケージにポケモンがたくさんいてかわいいです。
しかも「袋を開けると瓶にポケモンラベルが!」との表記が。
一体どんなラベルが出るんだ!?
うおーーーー!!!!!!
ポケモンラベルキタ━━━(゚∀゚)━━━!!
ポォン!!!
音も反発も強く、これまでで最も勢いのいい開栓具合でした。
栓の形も丸々とした弾丸のようで、いかにも飛ばしたくなる形です。農水省の指導を無視して派手にいくなら、トンボ飲料がおすすめかもしれません。
香りは芳醇なぶどう味のガムのよう。口当たりは硬い感じで、味はねるねるねるねに似ていました。
続いて、齋藤飲料工業の「ちいかわシャンメリー」(グレープ味)。
キャラクター商品といえば無視できない存在、ちいかわ氏。当然シャンメリーにも幅を利かせています。
中身はすごくシンプルでした。
正直シャンメリーを開けるたび「あ、外袋の割に中身はシンプルなんだ」という気持ちがなくはなくて、それはここまで読んでくださった皆さんもすでに感じられていたかもしれませんが、それをパーティーの現場でいきなり痛感してしまうより、こうして事前に把握しておくことで余計な引っかかりがなくなると思うので、今回の記事はそういう意味で価値があるのかなと思います。
そういう意味で価値があると思ったらRT!
いざ開栓。
……いや。なんか違うな。
いくら国が推奨しているとはいえ、最後まで一度も栓を飛ばさずに終わるのはどうなんだろう。
せっかくのクリスマスを、ルールに縛られて過ごしていいのか?
都合のいい国民でいるのは、もう飽きた。
ごめんなさい、農林水産省さん。
今日だけは、私のわがままを許してください。
メリークリスマス。
続いて、小原の「大人のシャンメリー」。
ラグジュアリーな薄衣に身を包み、見えるようで見えないラベルがアダルトな雰囲気を演出します。店員さんはバーコードを読み取るのにめちゃくちゃ苦戦していました。
ポン!!!
大人っぽく落ち着いた感じなのかと思ったら、開栓の勢いはしっかり強かったです。でもこれって結構その時々のコンディションによるのかもしれません。例えば冷蔵庫から取り出して少し時間が経ったものは温度が上がって気圧も高くなっているでしょうし。まあだからこそ、安全に開けるには事前によく冷やしておく必要があるわけですね。余計なこと言ってすみませんでした。
風貌のとおり、味も香りもこれまでのものとは全く違いました。白はシャルドネ果汁を10%使用、ロゼはルビーロマン果汁を1%使用とあり、飲み物としてちゃんとおいしく味わえるものを作ろうというこだわりが窺えます。
はっきりとしたぶどう香ながら甘さは控えめで、むしろ上品な苦味を感じ、お酒の代わりとして飲んでいても恥ずかしくない味わいです。これはたしかに大人向きで、逆に言えば子供は素直に喜べないでしょう。まあなんでもかんでも子供を喜ばせる必要はありませんし、「自分には喜べないものがある」と知ることも勉強だと思います。
続いては、フランスのシードルリー・デュ・カルヴァドス・ラ・フェルミエール社が製造し、重松貿易が輸入販売する「ケロー」というぶどう味のノンアルコール炭酸飲料なのですが、これは厳密にはシャンメリーではありませんでした。
そもそも「シャンメリー」という名称は商標登録されており、シャンメリーと名を冠した飲料を製造・販売できるのは全国シャンメリー協同組合に属している企業だけらしいのです。
しかしこのケローはスーパーの「特設シャンメリー売り場」みたいなエリアに置かれており、上記の事情を知らなかった私は「珍しいシャンメリーもあるメリねえ」などと思いながらカゴに入れていました。こんなバカサンタを笑いたければ笑ってください。
栓もコルクだし、なんかマジで全然違いますね。すいません。
キュポッ!
衝撃は強かったのですが、音は存外おしとやかな印象でした。これはすなわち、今まで飲んできたシャンメリーという商品がそれだけ派手な音が出るように作られているということでしょう。
改めて全シャン協の実力を思い知りました。楽しい開栓音でクリスマスを盛り上げてくれてありがとう!
クリがとう!
肝心のケローの味ですが、ぶどう果汁100%で作られているとのことで、香りが本物すぎてニシシと笑ってしまいました。色も、良いぶどうジュースすぎて逆に茶色く見えるような感じです(意味分かりますか?)
結論、めちゃくちゃうまい! サンタの太鼓判!
最後に紹介するのは、ベルギーのスタッセン社が作る「デュック・ド・モンターニュ ロゼ」です。これもケローと同様シャンメリーではないのですが、売り場にあったので買ってしまいました。小売店のテクニックにまんまと乗せられています。
ケローはぶどうの炭酸ジュースといった感じでしたが、こちらは「ノンアルコール・スパークリングワイン」を標榜しており、よりお酒に近いテイストで作られているようです。
ここで例によって開栓の様子を動画で撮影していたのですが、ちょうどその最中にカメラの充電が切れたようで、データが保存されていませんでした。最後の最後にこういうことがあるんですね。サンタ、一生の不覚。
いま考えれば撮れていなくても問題ないデータだし、実際ここまでのGIF画像は「もしかしたら要らないのかも」と思いながら作っていたんですが、撮影していたときは「取り返しのつかないことをしてしまった」と感じて心臓がバクバクしていました。
でも幸せならOKです!
飲みますた。
完全にワインだ。
お酒のことは詳しくないのでもうこれ以上の表現はできないのですが、本当にスパークリングワインの味がしました。言われなければノンアルコールとは思えないかも。「ワインの味を楽しみたいけどアルコールを飲んではいけない場面」で輝くと思います。
これをシャンメリーとして紹介するのは双方に失礼でしょう。敬老会のゲートボール大会に室伏広治を参戦させるようなものです。
しかしマジでお酒の味すぎる……。
こんなにお酒すぎたら、つまみが欲しくなっちまうよ……!
クリスマスならではのつまみがよ……!
そこで登場♪ ドラえもんのブーツです。
中身はこんな感じ。たこやきスナックやたまごボーロなど、選りすぐりのクリスマスつまみがセットになって1320円でした。
どれも本当においしそうです。
早速いただいちゃいましょう。
このキャベツ太郎みたいな味のスナックを食べてから、
デュック・ド・モンターニュを流し込むと……
熱盛ィ!!!
失礼しました、熱盛と出てしまいました。
以上、サンタクロースによるシャンメリーレポートでした!
気になる商品があったらぜひ毎年必ず飲んでみてくださいね!
さようなら〜!
よいお年を。