とにかくなんかブッ刺さりかけた話。

 

 小学生中学年くらいの出来事。
 体育後に教室で椅子に座った状態で着替えていたら、早くに着替え終わったらしい同じクラスの男子が消しゴムを投げて遊びはじめた。

 その消しゴムがあるタイミングで私の方に飛んできて、太ももの間に挟まった。(その時の私は上は体操服、下パンツ)幼いゆえに特に羞恥心とかなかったので、太ももの間に挟まった消しゴムを拾って私の席にまで取りに来た男子に渡そうとしたら、その男子が明らかに私から目を背けた状態で受け取っていたとき、オ?となった。

 恋とかではなかったが、思い返すと自分の赤面フェチ困惑フェチの原点ってここかもと思う。

コインパーキング

 趣旨とはちょっと違ってしまうかもしれないけど、明らかに感情が動いたぞという瞬間の話は面白いな。

 

 学校で仲が良かった同期の女子とLINEで他愛のない会話をしている時、急に犬派か猫派の話になり、
「俺は猫派かな〜」
と答えたら、それに対する返信が
「にゃ〜ん」
だった時、マジで恋するかと思った
返信に30分くらい要した

あさぼらけ

 30分悶え苦しんだ末になんて返信したのか気になる。

 

 高校のとき男友達と海岸を散歩してたら「やべぇ!母さんおる!」と塀の裏に隠れた。お母さんと犬が散歩してるらしかった。
 私は面識もないし気にせず横に立って「いいじゃん、彼女ですって紹介しなよ(笑)」とからかった。

 返事がないので横顔を見ると顔も耳も真っ赤だった。可愛すぎてキュンとしたけど、自分より背が低かったので恋には落ちなかった。

163cm

 恋愛対象外の相手に「彼女ですって紹介しなよ」なんて言っちゃうの怖いな!!

 

 参加していたプロジェクトが炎上してしばらく残業が続いたときに、そのプロジェクト担当のすごく弱そうな上司に「ほんとにお疲れですよね…」と振ったら、疲れ果てた状態で「それはあなたもでしょう…」と言われ、意味が分からないくらい動揺してしまった。

 男性からあなたと呼ばれるのに弱いのだとその時気づいたが、上司があまりにも弱そうだったので正気に戻った。

充実大豆

 弱そうって2回も書いてるのが良いな。本当に弱そうなんだろうな。

 

 僕が通ってた高校の体育祭はクラス対抗で、各クラス「衣装」「パネル(デカい看板)」「バナー(横断幕のようなもの)」を作成し、競技の得点の他に、この3つも投票数で順位付けするという体育祭でした。
 僕は当時美術キャラで通していたので、パネル係のリーダーに任命され、結果ありがたいことに全クラスの中で2位に選ばれました。
 また、衣装も3位に選ばれ、僕と衣装係のリーダーが表彰される中、バナーだけは3位以内に入ることができず、表彰はされませんでした。

 体育祭、表彰式が終わり、各々教室で帰りの支度をしている中、バナー係のリーダーをしていた女の子が静かに泣いているのに気がつきました。
 自分だけ表彰されなかったのが悔しくて泣いてるのか、責任感で泣いているのか分かりませんでしたが、何か、何か声をかけてあげた方がいいんじゃないか…そんなことを考えているうちに、気づいたらその子は教室から消えていました。

 帰るために玄関に向かったんだと思った僕は廊下を走って階段を駆け降りて、玄関のほんの手前でその子の後ろ姿を見つけました。
 なんて声をかければいいかよく分からなかったので 「あの…僕は、◯◯さんのバナーが1番だったと思います!」 と反射的に言うと、その子は振り返り、泣きながら少し笑って、帰っていきました。

 その子とはその後も特に話すことはなく、今もどこで何をしているのかも分かりませんが、あの時の笑顔は今でも忘れることができず、当時の自分に恋しとけや!!!!!!!という怒りの気持ちでいっぱいです。

当時は高校生

 これに限っては恋心などではない感情から出た言葉だから良いというのはあるかもしれない。

 

 もうすぐ卒業する先輩とたまたま部室で2人になり、そこまで親しいわけでもなかったのでそれぞれに作業をしていました。

 そんな中先輩が「春の匂いって卵焼きの匂いだよね」と言い出し、「え?笑」「本当だって!」なんて言い合いながら2人で窓から乗り出して春の匂いを確かめたときのことを忘れられません。

 生ぬるい風とのどかな時間の流れ方も相まって、恋はしませんでしたが春が来る度この人のことを思い出してしまうんだろうなと思った瞬間でした。

無記名

 全部の会話がこんなだったら良いのに。

 

 JKだった時、電車やバスでゆったり座って学校に行けるからという理由でかなり早く教室に着いて、一人で自販機で買ったコーヒーを飲みながらゆったりする時間が好きだった。

 最初はそんな感じで過ごしてたけど、ある時クラスの中心に居る様な元気な男の子が「あれ!?俺が一番だと思ったのに!」と言いながらやってきて、当時の私はドのつく陰キャだったので最悪だ…静かな最高の時間が消えた……と思っていた。

 けど、その男の子は明るく私に話しかけてきて、たまたま私もその子もオタクだったから話に花が咲いて、ポツポツとクラスメイトが来始めた時に自然と解散した。

 まあ、この子いつも遅刻ギリギリタイプの子だし、これっきりだろうなと思っていたら、週に三回とか、多くて毎日のように話す日が出来た。
 毎朝その子とどうでもいい話を数分話しては、誰かが来たら自然と解散するような事を卒業までして、卒業後は他の友達と含めて数年に1度遊ぶくらいの関係に。

 今思うと凄く青春だったなぁと思うし、私もよく彼のことを好きにならなかったなぁと思う。いい子だなぁとは今でも思う。

瓜野

 強烈な出来事があって恋しかける話もいいけど、こういう長い時間をかけてうっすら恋しかけたけど別にしませんでしたという話も良いな。

 

サークルの先輩と飲んでいた時、横浜アリーナが好きではないという話で盛り上がることができてなんとなくときめいた

かもしかくん

 全然ピンとこないけど、ピンとこないからこそ分かり合えた時のときめきがすごいのだろうな。

 

 大学生です。
 授業の流れで図書館に行くことになり、それぞれ分けられたグループごとに一冊の本を囲んで眺めていました。

 その時はプロアマ問わず色々な人が描いた絵の画集をグループでわいわい見ていたのですが、私が何となく「この作者は家のドアノブにかわいい布のカバーを付けていそうな作風だなあ」と言ったところ、それまで全く話したことのなかった男子が「わかる 得意料理はちょっと甘めの肉じゃが」といった風に私のノリを返してくれました。

 その後もメンバーとやいのやいの言いながら本を眺めたのですが、真面目で大人しい人という印象を抱いていただけにこういうノリに乗ってくれるんだ…となんだかキュンと来ました。
 これで恋に落ちていたらチョロすぎるなと思ってグッと堪えたので多分恋には落ちていません。

モチモチ餠

 これも変な感性が噛み合って恋しかけた話。良いなあ変な感性の噛み合い。

 

 幼稚園の頃からの異性の幼馴染みがいたのですが、中学のときに一気に仲良くなりました。
 その子は所謂いじられキャラで、ちょっと小突いたりいたずらをするとちょっと大げさに怒ってくれるのが楽しくてよくちょっかいを出していました。

 ある日の休み時間に、いつも通りその子が小説を読んでいるところにちょっかいをかけようと近づいて、無意識に後ろから抱きしめていました。
 あっコレ周りから見たらやばいなと思ったので速やかに4の字固めに移行したことで事なきを得ましたが、自分がなんであんな風に抱きしめてしまったのかとか、彼の体が思っていたより大きかったこととか、色々考えて少しのあいだソワソワしていました。

 大好きな友達の領域は出ませんでしたし、相手も私に好意を抱かれたら困ってしまったと思います。
 その子は若というあだ名でした。あんときはごめんな若。

オタク3号

 中学という自意識がバリバリ芽生えてくる時期だからこその照れ隠し4の字固め、めちゃめちゃ可愛い。ただ周りから見たら4の字固めでも十分ヤバかったと思う。

 

 中学生のころ、その時はまだ誰も読んでいなかったような分厚いラノベを読んでるのがクラスで2人だけだった時。
 中2から中3の卒業まで本の貸し借りをしてたし、休み時間の度に感想言い合ってたし、夏休み一緒にご飯食べにも行ったけど当時の私はアホアホだったので「すごく仲良い‼️‼️‼️‼️」以上の感情にならなかった。

 高校は別々だったのでそれ以来会っていない。 もし相手から告白されてたら感情表現の上限が解放されて恋してたんだろうな〜!と思う。薄氷の上の日常だった。

切り餅

 良いな〜〜〜〜アホアホすぎて恋なんて思いつきもしなかったやつが「今思えば恋してたかもしれんな」と思ってる現状が良いな。

 

 高校の時、帰るタイミングで急に土砂降りになり、咄嗟のことで傘も合羽も持っていなかったので、一人で悲鳴をあげたり文句を言ったりしながらずぶ濡れでチャリを漕いでいたら、横から顔見知り程度の同学年の人が同じくずぶ濡れでチャリを漕いできて、信号待ちのところで言葉は交わさないものの顔を見合わせてちょっと笑った。

無記名

 本当にちょっと一瞬良いと思った程度なのが良い。

 

 少し口下手なサークルの後輩が、みんなと話せるようにイベント前にお酒を1缶飲んでから来たという話を聞き、以降会うたびに「今日も飲んできたの?」と聞いてイジっていました。

 ある日のイベントでたまたまその話をしなかったら、後輩に「イジられると思って今日は1缶飲んでから来たのになんで聞いてくれないんですか」と言われて心がギュンッッッとなりました。

 私はOBとして参加しており歳がかなり離れていたのでなんとか踏みとどまりました。

 こういうのを言える可愛さはめちゃめちゃ強いな……。

 

 中学のころ自分と一つ上の女の先輩だけ部活の集合時間が1時間遅れることになったことを顧問の通達ミスで知らされず、2人きりになった時にお互い家の方向が逆なのを知っているのに「暇になっちゃったからついてきてよ」と言われ、先輩の家のある見知らぬ住宅街の薄暗い路地を並んで歩いた夏の午前8時は未だに心の片隅に残っています。

さーもん

 送ってくれるわけでもなく「ついてきてよ」とやや高圧的なのがまた良いな〜〜〜〜。

 

 小学5年生の時、給食を貰おうと列に並んで待ってたら 仲良かった女子が後ろに並んできて、背中に手を当てながら「君の身長を目標にしてたのに気づいたら追いつけなくなっちゃった」って急に言ってきたので狂いそうになった。
 友達がその女子のことが好きなのを知らなかったら致命傷だった。耐えれて偉い。

 因みにその日精通した。

デスウンティモス

 精通することで狂いエネルギーが抜けて命拾いしたんだろうな……。

 

 高校生の時余り仲の良い人が居ないクラスでしたが、体育大会?の後に疲れて着替えて帰るのを面倒くさがっている時間にその場にいた人で人狼ゲームをしました。
 数回目で人狼になったのですが、最後の4人にもう1人の人狼の男子と残ってしまいました。

 普段関わりがある人じゃなかったんですが、最終勝った時にハイタッチしたのが高校唯一の異性との身体接触(フォークダンスは除く)だったので変に覚えてます。

 ちらっと目を合わせたあとに白々しく「ええーほんとに人狼誰??」なんて言ったのが本当に楽しかったです。
 以降特に何もなかったですし、学年変わってから選択コースが違ったので話してもないと思います。

なかみち

 ゲームの性質上嘘つかなきゃいけないから共犯関係みたいな不健全な仲間意識できるのが良いよね。

 

 宮沢賢治作品の何かをネタにして喋っていた時、「こんなこと言ったら宮沢賢治の子孫に怒られるわw」と言った私に「あの人子孫いなくない?」と返した友達、かなり良かった。

クラムボン

 これはかなり良い。

 

 同僚と雑談していたとき、ふとしたことで自分と同年代(アラサー)だと判明したのですが、その瞬間に「あのさ、犬夜叉→コナン→世界まる見えだよね」と言われました。

 同年代という話からノータイムであの頃の月曜のゴールデンタイムの話を……!?おもしれー奴……と、かなり強く惹かれてしまいましたが、恋には至らずに済みました。

松田

 同世代ってだけでこれが通るか賭けられるのはかっこいいな……俺も完全にこうだった。

 

 高校生の頃、帰り道で一つ上の先輩と歩いていると突然、「私カラスのマネ得意なんだよね」といいめちゃくちゃ上手いカラスの鳴き声を披露してくれました。

 よくわからないけどなんかかわいいなぁ、となり危なかったです。

ベーコンビート

 人生の中で一番良い時間のうちの一つじゃんこんなの。

 

 中学2年生の時、プリントを回していた際に、前の人がそのプリントを落としてしまったのですが、地面に接したプリントを自分のものにして、綺麗なのを後ろに回したら、学年で1番頭がいい隣の席の女の子に「優しいね、すごい」と言われて、何かすごく暖色的な、キュンって感じの気持ちになりました その後普通に疎遠になりました

ささ

「暖色的な」という表現が大変良いな。この企画で集めているものは色でいうとたしかに暖色だ。

 

 小学生4年生だった頃の話です。
 前の席の女の子と仲が良く結構話していたのですが、ある日その子が「手の平の付け根の部分を押すと点々が何個か見えるでしょ?その点々の数が将来できる子供の数なんだって」と教えてくれて一緒にやったところ、彼女は2個僕は5個出ました。

 僕の手の腕に5個の点が浮かび上がると彼女に「頑張り屋さんなんだね」と小さい声で言われ、何か胸の中で恥ずかしいような感情が浮かんだことだけ覚えています。

みたけぽん

 国語の教科書に載せたい文。授業で読むでもなく、なんとなくパラパラ教科書をめくった時に目に入って、ずっと頭の中で反芻したい文。そんな味わい深さがある。

 

 皆から教えていただいた「あっぶねえ〜! もうちょっとで恋するところだったぜ!」みたいな話今回はここまで。今回もキュンキュンして不整脈になるところだったな。出版関係者の方、書籍化の話を待っています。

 あらためて、送ってくれた皆さんありがとうございました。いっぱい恋をためらってくれてありがとう。

 次があるかは未定だが、一応5回へ向けた応募フォームを貼り付けておく。ギリ恋しなかった出来事があったらここから教えてね。今回送ってくれた人もまた送れるぞ。注意書きはよく読んでね。よろしくね。

 心の一時停止の標識を見逃さないように! 適宜立ち止まっていこうぜ!!!!