全国駄々こね選手権大会 公式ルール

・選手は中央のサークル(スタンプフィールド)内で1人づつ駄々をこねること

・お母さん役によりサークル外に出された時点で終了

・退場までの時間と駄々の芸術性を評価軸とし、審査員から点数が発表される

撮影協力:本庄道場(格闘技ジム アカデミア・アーザ本庄支部)

 

 

さあ、公式ユニフォームを身にまとった駄々こね選手達の入場です!

いずれも全国から集まった強豪揃いとなっております!

 

 

審判を務めるのは、社内に居たなんとなく審判っぽい人(ギャラクシー)。

なんとなくで赤と白の旗を、大いに意味なく上げ下げしてほしいところです。

 

 

大人の本気の駄々をしっかりと止めてくれそうなママ役(永田)が、選手達の駄々を制止します。

普段は二児の父として、子どもの駄々と日々リアルファイトしている猛者です。

 

 

そして、審査員長(ダ・ヴィンチ・恐山)が選手達の駄々を評価します。

小説家としても活動している彼なら、それっぽいことをたくさん言ってくれるのではないでしょうか。

 

 

 

なお、本大会は花王の提供でお送り致します。

優勝者には新発売の花王「サクセス24」シャンプー&コンディショナーが贈られます。この会場において、この商品だけが架空ではありません。

 

 

 

 

エントリーNO.1 かんち

最初の駄々こねプレイヤーはかんち!

誰にも止められないパワー型の変態という様相ですが、まぎれもなく今回の優勝候補です。

 

「我が家には5才と2才の男児がいます。『幼稚園に行きたくない!』『お風呂に入りたくない!』『まだ寝ない!』…子どもたちはいろんな理由で一日中駄々をこねます。そんな完璧なお手本と日々暮らしているので、負ける理由が見つかりません!」

 

 

 

スポーツマンシップに則り、互いに一礼してスタートします。

 

 

ピッ!!!!!

 

 

 

試合開始!

 

 

 

やだ……、まだ帰りたくないよォ………

 

かんち選手、オーソドックスなスタートで入りました。

 

「もう充分遊んだでしょ! 帰るよ!」

「う~~~……」

 

駄々に向けての助走をしっかりと取っていく、かんち選手。

こういった間合いの取り方が非常に上手い選手です。

 

 

「ほら、もう帰るよ!!! 早く!!!!」

 

痺れを切らしたママが実力行使に出ました!

さあ、かんち選手、引きつけて引きつけて………

 

 

 

 

あ!!

 

 

 

 

 

 

 

決まった!! 駄々こね一本!!!

 

非常に美しいフォームです。

お手本のような背面着地から、かんち選手の基礎能力の高さが伺えます。

 

 

 

「帰んない~~~!!」

 

さあ、しっかりと肩がグラウンドについているぞ。

これはママ、引き起こしに苦労しそうです。

 

「くっ…、アンタはもう………」

 

 

「おもちゃ捨てちゃうよ!!」

 

強引に行った!

 

「やだやだやだやだやだやだやだっ!!!」

 

しかしこれは火に油か?!

関係ないおもちゃを引き合いに出されて、烈火の如く反応するかんち選手!

 

 

 

ママもヒステリーゾーンに入った!

かんち選手のヒートアップをあえて引き起こし、自らもボルテージを高めた! 高度な心理戦です!

 

 

「やだ~~~~~~~~っ!! まだ遊ぶ~~~!!」

 

ママのパワープレイにかんち選手、耐えられるか…?!

 

 

 

「せいっ!!」

 

 

ピィィィィィ!!!!(試合終了)

 

 

 

 

かんち選手、素晴らしい試合を見せてくれました。

王道でオーソドックス、それだけに力強く重厚な演技です。

 

 

 

 

あとは、審査員長からの点数発表を待つのみです。

 

 

 

かんち選手、最初は直立状態から始めるスタンディングスタイル。そしてテーマは「帰宅拒否」という、オーソドックスながら実力が大きく出る構成で勝負をかけてきました。

開幕で地団駄を踏み鳴らしながら、徐々に感情の高ぶりを表現。初期興奮状態を高めに設定することで、物語性と爆発力を両立しているのが見事。

駄々こねにおいては、言葉で攻防を繰り広げるネゴシエーションフェーズ(交渉状態)から肉体の攻防であるグラップリングフェーズ(取り組み状態)に移行するのが基本スタイルです。

かんち選手の場合、しゃがみこみからのバックターンでスキを作り、ごく自然にグラップリングを誘発しているのが見事。そこから流れるように仰向け接地へつなげており、非常に安定感があります。

退場前の発声ワードは「助けて」でした。声の伸び、悲壮感ともに十分です。
さすがの貫禄といったところでしょう。

 

耐久タイム:3.91 芸術点:4.28 総合計:8.19

 

 

これは大変な高得点です!!!

かんち選手も思わず、喜びの咆哮を上げる!

 

 

後に続く選手にとっては厳しい展開となりました。

プレッシャーでナーバスになるのも頷けます。

 

 

 

エントリーNO.2 モンゴルナイフ

続いては、モンゴルナイフ選手の登場です!

全国大会で唯一の女性選手となりましたが、プレッシャーを跳ね返せるか?!

 

「身近に子どもが全然いないのですが、週末の駅の改札前で大人には大人の駄々こねがあると気づきました。自分の信じる道を進みます」

 

 

 

 

 

試合開始!!

 

 

スッ

 

 

ファサ…

 

「…?」

 

おっと、これはどうしたことだ?

モンゴルナイフ選手、突然ユニフォームの帽子を外してしまいました。

 

 

髪を下ろして、バッグを開き始めました。これはいけません。

駄々に繋がらない行動が続く場合、審判から厳重注意が入ってしまいます。

 

 

化粧を始めた…?

これは思春期の娘でしょうか…? 駄々の兆候が見えたか?

 

「ちょっと、アンタ!」

 

さすが歴戦のママです。駄々の初動を見逃しません。

 

 

「え…? 今なんて言ったの…?」

 

 

 

 

 

おっと、これは素晴らしいチェンジオブペース!

どうやら別れ話を切り出された恋人という設定のようです。

 

 

「!?」

想定していた駄々を外されたママは主導権を握られてしまいました!

そのままモンゴルナイフ選手が一気に畳み掛ける!

 

 

「絶対別れない~~~~!!」

「ちょ……!」

 

 

 

 

「絶対絶対絶対絶対離さない~~~!!!」

 

駄々の勢いを利用して、ママをロックしたモンゴルナイフ選手!

巧みなグラウンド技術です。

 

 

 

「お前とはもう終わったんだよ!!」

 

しかし、ママも黙ってはいません!

選手自ら攻め込むスタイルは、守備力の低さが弱点となってしまいます。

 

 

 

 

「イヤ~~~~~~~~~~~~!!!」

 

選手の上体が起きてしまった隙を見逃さないママ!

足をしっかりとグリップ&ロックし……

 

 

 

 

そのままフィニッシュ!!

 

 

 

 

トリッキーな駄々を見せましたモンゴルナイフ選手。

テクニカルな演技で耐久タイムを稼ぎましたが、芸術点がどう評価されるでしょうか?

 

 

 

 

モンゴルナイフ選手、独特の世界観を展開してきました。

駄々こねでは小道具の持ち込みが許可されていますが、最初にポシェットから取り出したのは意外にも手鏡と化粧品。そしてふてくされた顔で化粧を整えはじめました。これにより、「絶対に別れたくない女」という背景が浮かび上がりました。

子どもになりきったプレイスタイルが一般的な駄々こねにおいて別の設定を演じきるのは難しいといえるのですが、半ば強引ともいえるネゴシエーションで審判を自らの世界観に引きずり込むことに成功しています。見事の一言です。

グラップリングに移ると、設定の強みがより活かされました。化粧品などをかなぐり捨てることで、子どもにはない大人のタチの悪さ、幼児性が表現されています。接地と同時に悲鳴のギアが上がっているのも高評価です。

退場前の発声ワードは「愛してる」でした。危うさを秘めた演技でしたが、勢いでねじ伏せましたね。

 

耐久タイム:4.31 芸術点:3.76 総合計:8.07

 

 

高得点ではありますが、モンゴルナイフ選手惜しくもかんち選手に届かず…!

役に入り込み過ぎたのか、このまま動かなくなってしまいました。

 

 

 

「ふぅん…。全国大会と聞いてちょっと期待したが、こんなもんかぁ…。退屈しちまうなぁ」

 

不敵に微笑むこの男は一体…?

 

 

 

 

ここで一旦CMです

 

日中の頭のニオイ・ベタつきが気になる方に!

 

「俺はすでに頭皮の匂いを香りでマスキングしているから、汗なんか怖くないぜ。だだをこねまくってやる…」

 

 

 

 

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