3店舗目:山内農場

ここ数年で見かけることが多くなった農場系居酒屋。入るのは初めてだ。

まだ先は長い。なるべく薄くて量の少ないお酒を選びたい。
普段は手っ取り早く酔うために、濃くて量の多いお酒ほど良しとしているので、不思議な感覚だ。

でかくて新鮮な野菜を盛ったお通しがきた。
手づかみでボリボリ食べていると自然とテンションも上がる。

人気一位の地どり炭火焼を注文。
私は入口の看板に「鹿児島 伝承地鶏専門」と記されているのを見逃さなかった。
地どり炭火焼、完全に当たりだ。

じゅうじゅうと凶暴な音を立てながら地どり炭火焼がやって来た。期待通りの美味しさ!

まぁまぁ酔ってきた。70%くらいの酔いだろうか。
備え付けのテレビで「リタイアからが人生!」という番組を放送していた。
これもモンテローザによる精神攻撃なのかもしれない。
私たちがリタイアするとでも思うのだろうか。するわけないだろう。
だって70%の酔いって一番気持ち良い時だから!

※顔色は酔っ払い度を示しています。
4店舗目:鶏のジョージ

何せ「鶏のジョージ」を名乗っているのだ。鶏に対して絶対の自信がうかがえる。
同じく鶏推しだった山内農場との違いにも注目したい。
あの暴力的に美味しかった地どり炭火焼を超えてくるかもしれない。自然と期待も高まる。

あ、1位、湯葉なんだね…!

湯葉を数枚お箸でつまんで、お刺身のようにお醤油にちょいと付けて食べる。1番人気も納得の料理だった。美味しくて上品。
あえての湯葉か。鶏のジョージ、なんだか余裕の感じがする。

この辺りからこういう写真が異常に増えてきた。私は酔うと高速移動するらしい。

お通しが小鉢で3種類も! これまでにない丁寧な構成のお通しだ。
私たち、完璧にもてなされている。
鶏のジョージは大人のお店のようだ。こちらとしても鶏のジョージさんとお呼びするべきか。

ここで友人がぽつりと言った。
「人生と一緒だ。人生も意味のないことの積み重ね。今日のハシゴもそう。人生だ。」
それはもう穏やかな顔で。しかもよく見ると目が座っている。
私はゾッとした。

完全攻略まであと3店舗!
5店舗目:笑笑

笑笑はすごくバルっぽかった。
オシャレな英単語が躍るメニューで「笑笑」という漢字が妙な存在感を放っている。

1位は牛肉のタリアータ。薄切りのステーキをタリアータというらしい。

焼き色のグラデーションが芸術的だ。

おしゃれな英字のテーブルクロス。でもお通しは枝豆。このコントラストが笑笑のやり方。

友人が点滅しだした。
6店舗目:白木屋

メニューの先頭は、ナスとキュウリの浅漬け。ちょうどさっぱり系を欲していたので嬉しい。

え……?! 大丈夫?!
隣に見たことのない角度の友人がいた。ちょうど90度の。
首の皮1枚で繋がってる人を実際に表現したらこういう感じだろう。

友人はここでギブアップ。
お疲れ様。どうかホットウーロン茶で体を休めてほしい。

お通しは2連続で枝豆。

1人でナスとキュウリの浅漬けをつまみに梅酒を飲み進めた。
友人は90度のままウーロン茶をすすっている。妖怪ウーロンすすりだ。

…ここで私のお箸がピタリと止まった。
浅漬けをお箸でつまんでも、まるで鉄の塊のように重く、口元まで持ち上がらない。
梅酒もあとほんの数センチで飲みきれるのに、右手が動かない。
ああ、もうだめ…! 顔面が点滅しちゃう…!

ギブアップです。
もう浅漬け1枚たりとも食べられない。おなかいっぱい。
惜しくもラスト1店舗を残して降参となった。悔しい…!

白木屋を出ると、月の宴の怪しい光が目に入った。
ラスボスの月の宴はどんな様子だったのだろうか。弱そうな強いおじいちゃんは待ち受けていたのだろうか。
近い内にリベンジしなくてはいけない。
私は帰りのエレベーターの中で「今度はエレベーターに乗って普通に入店するぞ」と強く誓って千鳥足で帰った。
ハシゴの記録まとめ

※今回の攻略は、時間をかけた無理のない飲酒です。
みなさんは行きたいお店をきちんと選んで、節度ある適度な飲酒をお心がけくださいね。
(おしまい)

かとみ





松岡
たかや
梨
めいと

私野台詞

雨穴






