■クリリンのほうがグルメ
山岡さんがめっちゃ頑張って料理したけど・・・
クリリンの口には合わない・・・
それもそのはず・・・
クリリン鼻ないから・・・
匂いわからんから・・・
あんま味わからんし・・・
満足させるのは至難の業・・・
海原雄山でも無理・・・
結論:クリリンの勝ち
「食え!」
「食わん。」
「食えーーっ!!!!」
「食わんっ!!!!」
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「ちぇっ。おれだって・・・おれだって匂いさえわかれば
おいしくメシが食えるのによ・・・」
「何をくさってるんだクワァ?」
「!」
「カ・・・カモノハシくん?!」
「実はおれ・・・鼻がないから匂いがわからないんだ・・・」
「そうだったのかクワァ・・・」
「でもオレたちカモノハシだって、水中では目も鼻も閉じてるんだクワァ。
ただ単にこのクチバシがセンサーになっていて、水の中の獲物の動きを
感知しているだけなんだクワァ。だからオレの鼻も、水の中では
な~んも役にたってないんだクワァ。」
「そういう意味では、カモノハシだってクリリンと一緒だクワァ。
だからあんまり気を落とすなクワァ。」
「・・・。」
「・・・だよな。なんだか気を使わしちまって悪かったな。」
「そのクチバシ、ステキだぜ!」
「クリリン・・・」
クリリンは前を向いて歩き出した・・・。
その背中はどこか頼もしく、だがどこか寂しそうでもあった。
酸いも甘いも背負い込んで、クリリンはまた
この道を進んでいくのであった・・・。
その夜、クリリンは夢を見た・・・。
-完-