3~4杯目「ご飯が飲み物になるカレー」
PM12:00過ぎ。公園へ散歩に出掛け、満腹になったお腹を一休みさせる。
あらあら。公園のベンチの下に、けしからんものがポイ捨てされてますね。
ドライカレーペーストをこんな風に扱うなんていただけませんなあ……。だって、カレーは無限に米が食える奇跡のおかずですよ。
――そうなんですか……?
そうですよ!だから、僕なんてここ2ヶ月くらいずーっとカレー。誇張なしに、マジで毎食カレーライス食ってますよ。
なので今日はカレーを食べる予定じゃなかったんですが……。
3杯目は安定のカレーで、いっちゃいますかね。
――飽きないんですか、カレーばかりの食生活で。
んー……。水気があると米が飲み物みたいに食えるから、カレーを食べてるだけですね。味には興味ないです。
――なんなんだよ、こいつ。
キショ松がご飯を飲み下すには、このカレールー程度の水気があればよいらしい。
1~2杯目と比べるとペースはかなり低下したが、カレーを使って2.5合ほどの白メシを平らげたキショ松であった。
【残りのご飯】
一升まで、残り5合と少し
そして時刻は昼下がりの14時。
2日分の食事を、たった3時間で胃に収めたキショ松の体に異変が起こりはじめていた――。
異変
短時間で大量に食べたせいでお腹パンパンなうえに、食後の眠気がいつもの5倍くらいの威力で襲ってきて……やる気がまったく出ない……。
――ちょっと! まだ1升食べてませんよ! ダラダラしてないで、ご飯よそらないと!
……も~、分かりましたよ!
じゃあ、かつて僕が編み出した胃の中の食べ物を腸に送りこんで、お腹を空かせる瞑想をやりましょうか。
手を組んで静かに滝を思い浮かべながら、まずは体をリラックス。胃をしっかり落ち着かせます。
そして、こんな風に頭の中をケーキだらけにすると……
「別腹スイッチ」が入り、「もっと食べたいよ~!」と胃袋くんが開いて、内容物を腸に移動させるのです。
――何を言ってるの?
僕はこの瞑想をしながら、約1キロの丼物を30分で食べきったことがあるんですよ。
~~20分後~~
すいません、まったく効きませんでした。
――殺すぞ。
~~さらに約1時間後~~
なんだかんだで、キショ松は15時半まで何もしなかった。しかし、その体内ではとんでもない異変が起こっていたのだ。
自分でも不思議なんですけど、なんか満腹感が消えちゃいました。
――えーと、瞑想は効かなかったんですよね?
ええ、瞑想はまったくのムダでした。でも、不思議なことに、いつの間にかいくらでも食えるような感覚が現れていたんです。
――……いったい何を言ってるんですか?
推測なんですが、「ダイエットで食べる量を減らすと少食になる」「入院中ずっと食べないと、逆にお腹が空かなくなる」みたいな話あるじゃないですか。僕には、その反対の現象が起こったんだと思います。つまり、「ずっと食べていたから、逆にお腹がいっぱいにならなくなった」というわけです。大食いしているうちに、体が順応したんですよ。
……フフフ、この勝負、もらいましたよ。
無限ピーマンっぽいヤツ
15時半、キショ松は、以前ネットで話題になった「無限ピーマン」を作りはじめた。
これ、わりと本当に「無限(に米が食える)ピーマン」なんで、次のおかずにしようと思います。……えーと、たしかピーマン、シーチキンをレンジでチンして、塩かなにかをかけたら完成だったかな…?
――あのー、よく自炊してる人のわりに、さっきからレシピが適当すぎませんか?
なにふざけたこと言ってるんですか! 僕はむしろ、自炊レシピを覚えるほうがアウトだと思いますね。
キショ松のお米哲学(4)
自炊レシピは死んでも覚えるな
――なんで?
いちいち「コレは大さじ○杯、アレは小さじ○杯半。ソレは……」なんて暗記してたら、レパートリーは増やせません。普通の料理で使われる調味料、食材のパターンはだいたい決まってますから、頭で覚えることは最低限にして、舌の記憶を頼りに再現したほうが効率的だと思いますね。
……というわけで、僕の舌を頼りに作ったのが、こちらの無限ピーマンです。
――あんまりおいしくなさそうですね。
料理がうまい人しかできないことを、味覚音痴がマネするとこうなります。でも、僕は味なんてどうでもいいんですから、オールOKなのです。
あー、もう! 失敗してるはずなのに、おいしく感じちゃう!
舌がバカで良かったー!
――もうウンコでも食っててくれ。
【残りのご飯】
一升まで、残りおよそ3合
6~7杯目「食いすぎると死ぬヤツ」
――おえっ、なんですかこれ。
僕がよく食べている、アンチョビにフライドオニオンをかけたヤツですね。おかずを食べ尽くしたとき専用メニューでして、「限界からもう一杯食べられる丼!」と呼んでいます。強烈な塩気が強制的にご飯をすすませるんですよねえ。
17時50分ごろ。キショ松は1時間ちょっとかけて、アンチョビフライドオニオン丼を完食。すぐ7杯目に取り掛かった。
次のおかずはコレです。
――なんで肥溜めがここに?
ノン、ノン、ノン。きっと明日にはウンコになってますけど、これはひき肉を味噌やら醤油やらで煮詰めた肉味噌ですよ。おかずを食べ尽くしたとき専用メニュー第2弾ですよ。本当は、主力にしたいくらい超ウマいです。
――さっきのアンチョビのヤツといい、肉味噌といい、塩分過多であっという間に死ねそうですね。
ええ。だからこそ、「おかずが無いとき」しか使わない切り札なんです。こいつらは自炊界のジョーカーなんですよ。本当は「塩おむすび」ならぬ「塩どんぶり飯」ってカードもあるんですが、今回は読者の皆様に自炊レシピを紹介したかったので、あえて封印させていただきました。ご了承くださいませ。
――もういいから、さっさと食え。
PM19:00 米一升、完食
19時8分、キショ松は肉味噌を使い、7杯目のご飯を胃袋におさめた
【残りのご飯】
完食
――やりましたね、キショ松さん! たった8時間で一升飯食べきりましたよ!すげえわ!
無理だなと思う瞬間もありましたが、何とかいけましたね。
――まさに奇跡ですね!
まあ、でも、こうなる気がしてたんですよ。「満腹なんて主観的な認識に過ぎない」ってのが僕の持論ですから。
キショ松のお米哲学(5)
満腹は、ただの主観
満腹感と僕自身はどこかで切り離されている。そう思うと、まだまだ食える気がするんですよね。
せっかくおかずの食材も余ってるわけですし。
一升飯チャレンジ、もう一周いっちゃいますか。
――え、え~……。
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