みなさんは「カスタム君」という税関のイメージキャラクターをご存じだろうか。

 

出展:「税関イメージキャラクター『カスタム君』|税関」

ご覧のとおり、かわいらしいワンちゃんなのだが、彼はインターネットやテレビで度々話題になる人気者である。

みんながカスタム君に注目せずにいられない理由は、こちらを見ていただきたい。

 

↑ 沖縄のカスタム君

 

↑ 長崎のカスタム君

 

 

カスタム君、個体差が激しくて、すごい。

 

一度は生で着ぐるみのカスタム君に会うのが夢だ。(「着ぐるみ」だとロマンがないので、以下「生カスタム君」と書きます。)

そしたら今まさに税関150周年のイベントが各地で開催されているとの情報をつかんだ。

イベント会場なら生カスタム君に会う絶好のチャンス……!

 

ということで、みんなに声をかけて横浜税関のイベントに行くことにした。

全員カスタム君が気になってしょうがない、カスタム君を愛する者たちだ。

と言いつつも、まだ誰も生カスタム君に会ったことがないので、姿形をみんなで予想してみることにした。

「カスタム君がどんな姿であってほしいか」をテーマに、見本を見ずに自分の中のイマジナリーカスタム君(横浜税関バージョン)を描いてきてもらった。

順番に紹介していこう。

 

 

かとみのカスタム君予想

「私は全体的に丸いフォルムと予想しました。なので、頭と胴体がくっついた一体化タイプではないでしょうか」

 

みんなから「尻尾あったっけ?」という声が上がった。確かに言われてみれば尻尾は無いような気もしてきた。

 

 

たばねのカスタム君予想

「とにかくカスタム君は大きくあってほしいという願いを込めて、サイズの比較に人のスケールを添えてみました」

 

たばねさんは巨体をご所望とのことだ。全体的にやわらかそうで、優しい巨人という感じがする。足首の余り具合の描写が細かい。

 

 

マンスーンのカスタム君予想

「実はカスタム君の人形を6体ぐらい持ってるので、この予想当たっちゃうと思います」

 

おまめっぽくてかわいい。ご本人は「みんなのカスタム君を見たら、足が茶色のような気がしてきた」と言いつつも、さすがグッズを持っているだけあって自信いっぱいの様子だ。

 

 

神田のカスタム君予想

「フォルムはずんぐりむっくりだと思います。あとはやっぱり言葉ですよね、許さないワン」

 

ひと目見て「許してくれないだろうな」と思った。同時に「怒られたい」とも思わせる空気もある。

誰の予想よりも眉毛の角度は鋭く、正義感があふれて止まらないカスタム君だ。

 

 

山下ラジ男のカスタム君予想

「僕はイラストが苦手なので、立体で作って予想しました」

 

驚きの目の青さでみんなに衝撃を与えたカスタム君。「さんまのまんま」の「まんまちゃん」の青いまぶたのイメージに引っ張られたのかもしれない。

唯一、帽子をかぶったスタイルを予想したところに注目したい。

 

 

個性的なイマジナリーカスタム君が出揃った。

 

果たして横浜税関の生カスタム君はどんな姿をしているのか、みんなの予想は当たるのか。

 

 

 

横浜税関前に到着

 

今回は税関庁舎の一般公開日で、イベントも盛りだくさんの予定だ。

人形やイラストなど様々なカスタム君を見られるはずなので、イマジナリーカスタム君とどれだけ似ているかも比べてみたいと思う。

 

 

さっそく出会ったのは、資料展示室前にいるシンボル的な存在のカスタム君。鮮やかな山吹色がまぶしい。

 

 

カスタム君の正面に立つなり、たばねさんがハッとして駆け寄った。

 

 

とにかく大きくあってほしいという願い、叶ったかもしれません」

早くもたばねさんのイマジナリーカスタム君の予想が当たった。しかもこのカスタム君のオブジェは180cmあるそうなので、身長予想まで的中している。

 

オブジェの顔を見ていたら、今度は私がピンときた。

 

アーチを描く眉毛、私のイマジナリーカスタム君とそっくりかも……

 

 

「すいません、 僕もいいですか?」

続いて声を上げたのはマンスーンさんだ。

 

「下半身が激似です」

なんとマンスーンさんが唯一不安を見せていた黒の革靴が一致。おなかの下あたりもトレースしたのかと思うぐらい同じラインを描いている。

 

早くもみんなのイマジナリーカスタム君の予想が的中し、私たちの予想レースは波乱の幕開けとなった。

 

 

 

税関パトロールカーにて

 

庁舎前に税関のパトロールカーが停まっていた。運転席にカスタム君を見つけてみんな大興奮だ。

 

前から見るとみちみちでかわいい。

 

「あの、見てください!」

ここで誰よりも早く声を上げたのは山下ラジ男氏だ。

 

 

「同じ帽子かぶってます!」

 

誰も予想しなかった帽子スタイルを見事に当てた。

おそらく実際に職務で使っている帽子だと思うが、カスタム君にジャストフィット。職務をまっとうするカスタム君は凛々しくてかっこよかった。

 

 

 

税関庁舎の中にて

 

続いて庁舎の中を見学させていただくことに。

入口ですぐ目に飛び込んできたのは、中サイズのぬいぐるみのカスタム君。

車に乗っていたカスタム君はまん丸だったが、こちらは頭と胴体の境界線があり、下半身がしっかりしている。

表情は小動物のようなあどけなさがある。

 

 

…………あれ、この顔の感じって……

 

 

似ている……控え目なパーツ配置が、たばねさんのカスタム君と……

 

みんなの予想的中が止まらない。

 

 

今回のイベントの中でも密かに楽しみにしていたのがスタンプラリー。なんとくじ引きでカスタム君グッズが当たるらしい。我々は何が何でもスタンプを集めなくてはいけない。

 

 

あれ? いや、ちょっとこれってもしかして……

 

 

似ている……体の色喋る感じが、神田君のカスタム君と……!

 

 

ふと、私は思った。

本当に似ているのか?

私たちのイマジナリーカスタム君が、本物のカスタム君に「似ている」といって良いのだろうか。

 

「受け止められている」というべきではないか。

カスタム君のバラエティー豊かな描写が、私たちのイマジナリーカスタム君のどんな特徴も受け止めているのではないか。

私たちはカスタム君の懐の深さに感謝するべきなのかもしれない。

 

惜しげもなく様々な顔を見せてくれるカスタム君。

ますます生カスタム君がどんな姿なのか気になってきた。

 

 

 

税関庁舎をくまなく楽しむ

 

庁舎内が見学できる貴重な機会なので、みんなでありがたく見て回った。

 

 

7階テラスからの眺め。目の前には横浜港と赤レンガ倉庫が見えた。横浜の景色ってどこを切り取っても端正で美しい。

 

 

豪華絢爛な旧特別会議室。ちょっと見たことない長さのテーブルで始まるこじんまりとした座談会。

 

 

階段の踊り場でなにかの案内板を発見。

 

 

撮影スポット「ポスターが主張する風景」が!?

 

 

撮らせていただいた。税関のお堅いイメージを覆す手作りのフォトスポットで心が和んだ。税関、マジメで優しい場所だ。

 

 

庁舎をくまなく巡ってスタンプラリーも完走。景品のカスタム君の缶バッジ、どれもかわいい。

 

私が選んだ缶バッジは頭にベトナムのフォーを乗せたカスタム君。なんと「フォー」している。けっこう体当たりな感じでやってくれるのうれしいね。

 

 

 

資料展示室はアトラクションがいっぱい

 

カスタム君の大きなオブジェが目印の横浜税関資料展示室。こちらはイベントに関係なくいつでも見学できるありがたいスポットだ。

税関の歴史や業務を学んだり、税関職員の疑似体験などができるのだが、もちろん様々なカスタム君と出会える最高の場所でもある。

 

 

我々の間で「フェルメールの牛乳を注ぐ女」と話題沸騰だったカスタム君。

窓からの光を浴びるカスタム君、美しい。

 

 

横浜の風景写真の中からカスタム君を探せ! というゲーム

 

見つけられるかな?

 

 

緊迫感のある展示もある

 

 

 

喋ってるカスタム君を見ると、どうしても許してくれないカスタム君がフラッシュバックしてしまう。

 

 

みんなで資料展示室を隅々まで楽しんだ。

ここで思い出した。楽しさで頭からすっぽり抜けていたが、今回の目的は生カスタム君だ。生カスタム君はどこにいるんだろう。

そんな時に、山下ラジ男が1枚のチラシを持ってきた。

 

今回のイベントのチラシ……?

 

我々は目を疑った。

 

 

生カスタム君、出張中で不在

 

みんなで会いにきたが、いなかった。

ショックで腰が砕け散り膝が崩れ落ちへたり込み号泣しそうになったが、なんとか持ちこたえた。

今日はたくさんのカスタム君と出会えたから。ここで過ごした時間はかけがえないものだったから。

 

 

またみんなで来るね!

 

 

>>でもどうしても会いたい<<