(ご報告)
「惑星のさみだれ」
2022年夏・アニメ化決定!
詳細は公式HPにて順次。#惑星のさみだれhttps://t.co/YNogJdqj01 pic.twitter.com/ie0rbqtFuK— 水上悟志 (@nekogaeru) January 24, 2022
やったね!
なにが?
<この記事でしゃべっている人>
オモコロブロス編集長。漫画「惑星のさみだれ」並びに、その作者水上悟志の漫画が好き。
その友人。たまたまその辺にいたのでかまどに捕まった。漫画は人並みに好き。
「この漫画いつアニメ化するの?」ランキング1位の「惑星のさみだれ」のアニメ化が発表されたんだよ。大ニュースだよね!
へ〜。そんなランキングがあるんだ?
いや、俺が勝手に言ってるだけ
なんだよ
失礼ながら、俺はこの漫画知らないんだけど…。結構有名な作品なの?
インターネットでは「惑星のさみだれ」ファンをよく見かけるね。10年以上前の作品だけど、「人生を通して何度も振り返りたくなる大切な漫画」に位置付けている人も多い気がする
へ〜。そんなに熱烈なファンを抱えた作品なんだ
というわけで、今日は惑星のさみだれアニメ化を勝手に記念して、その作者「水上悟志」先生の漫画を紹介する時間をお届けします
長くなりそう〜
※編集部注:長くなります
<目次>
・『惑星のさみだれ(全10巻)』
・『戦国妖狐(全17巻)』
・『スピリットサークル(全6巻)』
・『プラネット・ウィズ(既刊7巻)』
・『最果てのソルテ(既刊2巻)』
惑星のさみだれ(全10巻)
まずは、今回アニメ化が発表された「惑星のさみだれ」ね
全部で10巻なんだ。結構短いな
例えば、みくのしんがツイッターで「10巻以内で完結する漫画でオススメってありませんか?」と質問したら、絶対にこれを挙げてくる人がいる。それくらい完成度の高い漫画です
一言で言うと、どういうところが面白いの?
一言で言うと、か〜。難しいな……
例えば「惑星のさみだれ」ファンは、とりあえずで「伏線回収がすごい作品だよ!」みたいなオススメの仕方をしちゃいがちなんだけど…。でも、それだけじゃないしな〜
いいじゃん。わかりやすくて読みたくなる一言だと思うよ
たしかに、これも凄いんだよ。5chで「伏線回収がすごい漫画を教えれ」みたいなスレを立てたら確実に20レス以内にはこれが挙がってくる。それくらいすごい
かまどの価値基準、全部インターネットだな
あらすじを簡単に説明すると、何者かの手によって地球がぶっ壊されそうになっているので、主人公たちがそれを阻止する…というストーリーです
一言で説明できてんじゃん
ざっくり言うとね。他にも地球を守るための仲間たちも次々と現れるから、骨格としては「戦隊ヒーローもの」みたいなイメージが近いかも
ただ、この主人公には別の目的があって。この二人が地球破壊を阻止しようとしているのは……
自分が地球をぶっ壊したいから
面白そう〜
素直な子だな
そうやって生きていきたいからね
要するに主人公たちはヒーローのふりをした魔王という立ち位置。そんな感じの物語が「惑星のさみだれ」です
絵柄はかわいいけど、思ったよりダークな話なんだね
いや、設定にヒネリが効いてるだけでお話としては清々しいくらい王道です
え〜? 主人公が魔王なのに王道なわけなくない?
不思議よね。でも実際、心の中の中学二年生が刺激されるような青春劇だったり、こちらが恥ずかしくなるくらいド直球のボーイミーツガールだから、お話としては全然ブラックじゃないよ
この「主人公=魔王」みたいな王道からズラした設定があるからこそ、作品メッセージの王道っぷりが映えるんだと思う。伏線とかお話の練られ方も本当にすごいんだけど、個人的にはココがすごく好きなところ
想像がつかないけど、そういうストレートな部分が熱烈なファンを産んでいる理由なのかもね
真正面から「青春です!」ってお話を持ち出されても素直に読めない俺みたいなひねくれ者にはめちゃくちゃブッ刺さるんだよな〜
なるほど。そういうひねくれ者ってみんな伏線回収とか大好きだもんな
悲しいけど何も言い返せない
面白そうだけど、せっかくアニメ化するんだからそれまで内容は知りたくないな……
その気持ちも分からなくもない。今の時点で「原作の最後までアニメ化する」って明言されてるし、アニメでも十分に楽しみ切れるはず
じゃあ「惑星のさみだれ」の他にも、好きな漫画があるからそれらも紹介しようか
全部で何作品あるんだ…?
戦国妖狐(全17巻)
次は「戦国妖狐」。これは水上悟志先生が戦国ものに挑戦した漫画です
全部で17巻か。さっきの「惑星のさみだれ」と比べると長編だね
あらすじはこんな感じ
人間好きの妖狐と人間嫌いの人間が旅をしていて、道中で出会ったわる〜い奴らをやっつける…というストーリーです
水戸黄門じゃん
これだけだとそうなっちゃうよな。ネタバレを避けてあらすじを説明するとこうならざるを得ないんだけど……
実際はここから……
『大長編RPG2本分』くらいの容量がある極太の物語が展開します。読み応えがすごい
漫画なのにRPG…? いまいちイメージ湧かないな
何ならシリーズ2本分に近いから『戦国妖狐1&2(Switch版)』みたいな感じだね
より一層イメージが湧かない
作中でも2巻の時点でこんなこと言ってるし。本当に長い旅でした
そんなボリュームが17巻で収まるの?
これは水上作品に共通した特徴なんだけど、物語をキレイに畳むのが本当に上手いんだよ。この戦国妖狐は「行き当たりばったりで描いた」って作者が言ってるけど、それもいまだに信じられない。照れ隠しで嘘ついてるんじゃないかと疑ってる
あとこれも水上作品に共通する大きな魅力なんだけど……
最終回がすごい
どの漫画でもそうだろ
それはそうなんだけど、水上作品らしい緻密に織り込まれた物語が大団円を迎えた時の感動って本当にすごいんだから! 特にこの「戦国妖狐」は水上作品の中でも最長の物語なだけあって、その最終回がマジで最高!
コイツ最後まで読んでみようって気にさせるのうめえ〜
最後まで読み終えたら長編RPGゲームを全クリした時と同じ気持ちになるし、「読んだ〜」じゃなくて「クリアした〜」って言うと思うよ!
それは言わないだろうけど
あと、水上作品はとにかく「優しい」んだよ。物語を通してキャラクターが成長していくんだけど、その成長を見守る目線とそれを包む世界観が温かくて……
まあなんとなく絵柄からもシビアな世界観ではなさそうな気はしてた
戦国妖狐の中で、敵が家族を人質にして主人公を脅すシーンがあるんだけど、その時のセリフが……
難しく考えるな。脅しとは卑怯だぞ…とでも言っていればいいのだ。若者はな
こういう「子供のためにちょっとだけカッコつけてくれる大人」の優しさに溢れてる。ストーリーに何の関わりもない1シーンなんだけど、水上作品を象徴するセリフとしてすごく印象に残ってるな〜
こいつ敵なんだよね? 悪党のくせにこんなこと言ってくれるんだ
こんな感じで「お決まりの型」を軽やかに外してくるところもカッコいいんだよ
あ。あと、めちゃくちゃ好きなキャラいるからそれだけ紹介してもいい?
これ。山の神。めっちゃカッケーの。すごい好き。強いし
読んだことない人にこれだけ見せても分かんないって
好きなんだもん
スピリットサークル(全6巻)
あと、今日一番紹介したかった漫画がこれ!
「スピリットサークル」ね。かまどがよくオススメしてる漫画だ
6巻完結で読みやすいし、オススメしやすいんだよな〜。うちの会社にも気に入ってる人多いし、みくのしんにも是非読んでほしい
みんな記憶が欠落してない?
記憶を消してもう一回楽しむために、本当に記憶処理したのかもね
オタクの夢じゃん
この話は、主人公の学校に転校生の女の子がやってくるところから始まるんだけど……
主人公は女の子のことがちょっと好きなんだ。ありがちな恋愛ものって感じだ
一方、女の子は主人公に対して──
なんでだよ
この二人には「前世」で強烈な因縁があるから。いくつもの人生を通して殺し合いの輪廻を重ねてきた魂が現代で出会ったというお話です
なんて逆ロマンチックな話だ
「スピリットサークル」という不思議な道具を使って前世を遡りながら、二人の運命を紐解いていく……というのが大まかなあらすじだね
ふぅ〜ん? なんか複雑そうでよくわかんないな
あらすじだけ聞くと面白そうには感じないかもね。ただこれ信じてほしいんだけど……
めっっっっっっっっちゃくちゃ面白い
そんなフォントサイズだけで力説されても
この面白さをどう例えればいいのか本当に分かんない。他で見たことなさすぎるから説明が追いつかない
とりあえず言えるとしたら、やっぱり『伏線回収がすごい』になっちゃうんだけど……
これも!? 本当に構成力が高い漫画家なんだな〜
スピリットサークルはいくつもの人生を遡る話だから「あの時の●●がここにきてつながった!」とか「え!? あれってそういう意味だったの!?」の密度が規格外なの。数多の伏線が織り込まれててもはや布みたいになってる
伏線フェチにはたまらないんだろうね
ただそんなに伏線が多いと話が複雑になってよく分かんなそう。漫画を読む時ってそんなに集中できてないから……
全然そんなことはないんだけど、確かにこんなに「伏線、伏線」って言われるとそう思っちゃうよね
ちなみに、みくのしんって、バラバラのコントが実は繋がっていて、最後にそのストーリーが30分くらいの長尺コントに集約されて終わる……っていう単独ライブ好き?
好きに決まってるだろ
じゃあ、スピリットサークルはそれのレベル100だと思って
かまどって俺限定のプレゼン能力が高すぎるんだよ
水上漫画の大トロである理屈の通ったSF、最終回が映える壮大な物語、伏線回収の快感、爽やかな青春劇などなどがたった6巻にぎゅっと詰まってる作品です。個人的に水上漫画の決定版だと思う
いつも、「これだけはとりあえず読んでくれ」って言ってるもんね
ただ、これでも全然伝えきれてないと思う。だからめっっっっっっっっちゃくちゃ面白いって言い続けるしかないんだよ
じゃあここからは今連載中の作品を紹介しますね
一回水飲んだら?
プラネット・ウィズ(既刊7巻)
この「プラネットウィズ」は、有り体に言うと「ロボットもの」だね
いろんなジャンルを手がけてるなあ
地球を侵略する敵 vs 戦隊ロボットという分かりやすい構図なんだけど……
主人公はそのヒーローを倒さないといけないというお話
また捻ってきてる。この人の漫画ってツカミが面白いね
「プラネットウィズ」は無料でアニメ1話が観れるから、俺なんかがごちゃごちゃ説明するより観てもらった方が早いと思う。観てくれ。もしくは原作を読んでくれ
もうアニメ化してるんだ
元々アニメのために書き下ろされたオリジナルストーリーだからね
最果てのソルテ(既刊2巻)
最後に水上作品の中で最若手の漫画「最果てのソルテ」を紹介します。刊行ペースは遅いけど、今のところまだ2巻しか出てないから一番手を出しやすいと思う
これはジャンルでいうと、どんな漫画なの?
「魔法少女もの」とか「魔法ファンタジー」かな? 魔法世界の描写もワクワクするし、子供の頃にハリーポッターを読んでたときを思い出すよ
魔法がテーマの漫画か〜
「魔法少女」とか「魔法ファンタジー」ってジャンル自体をそんなに読まないんだよな……
俺はもう水上悟志の作風自体が好きだからこういう言い方しちゃうけど、「水上悟志が描く魔法ファンタジー」で読む気にならない?
まだ一作品も読んでないのに酷なこと言わないでよ
「ヒーローものなのにヒーロー打倒が目標」とか「世界を救うお話なのに主人公が魔王」みたいに、ベタなジャンルのお話でも水上フィルターを通すとツイストの効いたお話に化けるからすげーワクワクするんだよね
例えば最果てのソルテでは、第1話から「ループ2周目だから無双するぞ!」とか言い出してめっちゃ興奮しました
2周目から始まるループものってアリなの???
こんな感じで「お決まりの展開」から的確にズラしてくるような飄々とした作風だから、水上悟志がそのジャンルをどう解釈してどんな物語にするのかを味わう時点でもう楽しいんだよ
みくのしんは「庵野秀明がセーラームーンの映画を撮る」って聞いたら、絶対観たくなるでしょ?
そりゃ絶対観たいよ
俺にとって「水上悟志が魔法ファンタジーの漫画を描く」って大体同じ意味です
そんな存在が庵野の他にもいるの羨ましいな
あと最後に! これ本当に最後! 水上悟志の短編集もあるから「いきなり何冊も買うのはちょっとな〜」という人はそっちを読んでみて!
めちゃくちゃPRするじゃん。金もらってんの?
一銭ももらっておりません
ちなみにこの短編集については以前オモコロブロスで紹介したので、詳しくはそっちを読んでみてください
俺、今日1日で読まなきゃいけないものが多すぎるって
じゃあ、オモコロブロスは読まなくていいので「スピリットサークル」だけでも読んでください
編集長が言うセリフじゃない
今日は以上です。いかがでしたか?
かまどが楽しそうで何よりでした
俺も気持ちよく喋れて何よりでした。水上悟志作品はこの他にもあるので、気になったらチェックしてみてね!
広報でもやってんの?
以上です。
好きな漫画の話をするって気持ちがいいですね。
みんなもオモコロブロスなんかじゃなくて、水上悟志の漫画を読もう!! そっちの方が絶対面白いよ!!