ブロス編集部です。編集部メンバーがここ最近読んで面白かった漫画を紹介するコーナーのお時間、題して「今月の読良漫(よよまん)」です。今回は藤子・F・不二雄の「ノスタル爺」が無料公開され話題になったことにあやかって、新旧問わず「スーパーおもろ短編集」を聞いてみました。
それでは早速編集部メンバーの「読良漫(よよまん)」をご紹介しましょう。
ARuFaのオススメ短編集「ひきだしにテラリウム」
【オススメ人:ARuFa】
『ダンジョン飯』でおなじみの九井諒子先生の短編集なのですが、マジでアイデアの宝庫で純粋に「はあ、面白……」となれるのでオススメです。
ほんわかシリアスほろりメタ……全部そろった幕の内弁当みたいな作品集だと思います。
他の2冊の短編集もぜ~んぶ面白いし、『ダンジョン飯』もメ~~~ッチャ最高だし本当にすごい。マ~~~~~~~ジですごい。なので僕が死ぬときは九井諒子先生に走馬灯を描いてほしいです。
Bookliveで試し読みが出来ます。最初の1話(4P)ですでに面白い
ギャラクシーのオススメ短編集「彼女のやり方」
【オススメ人:ギャラクシー】
さまざまな会社で働く女性の、「ちょっとエッチな冒険」を描いた一話完結のオムニバス。
「ちょっとエッチな」といってもまったく性的なものではなくて、“誰も居ないオフィスで水着で仕事してみる”とか、“会議中に隣のビルの工事音に紛れてAVのタイトルを呟いてみる”といった程度で、サラッとしているのがセンス良い。基本は色んな女性たちの会社や日常の生活を描く作品であり、少しだけエッチなスリルや冒険をスパイス的に入れている感じ。
登場する女性キャラが全員魅力的だし、絵もすごくおしゃれなので、女子におすすめしたい。
トーチでけっこう読めますが、本棚に並べておきたい面白さです
瀧ヶ崎のオススメ短編集「と、ある日のすごくふしぎ」
【オススメ人:瀧ヶ崎】
宮崎夏次系さんのSF短編集。SFと言ってもかなりゆるめの、そしてかなり短いお話が32本入ってます。
どのお話も意外性に満ちていて面白く、絵とユーモアに独特の浮遊感があってリラックスしながら読めます。
夏次系さんの漫画は日差しが気持ちよく描かれていて、読んでいるとなんだかセロトニンが出る気がします。
インドア続きで気が滅入っている方にもおすすめの一冊です。
試し読みがBOOK WALKERにてできます。ここで試し読み終了!?ってなってしまいました。
かまどのオススメ短編集『水上悟志短編集「放浪世界」』
【オススメ人:かまど】
『惑星のさみだれ』『スピリットサークル』『プラネット・ウィズ』などで知られるSFファンタジーの名人水上悟志先生の短編集です。
5作の短編が収録されていてどれも面白いんですが、特に最後の「虚無をゆく」はTHE・水上SFって感じで最高!
あー最近まで無料で読めたのに! 惜しいね! こりゃみんなも買うしかないね!
読み始めは「ふむふむ」って感じなんですけど、7ページ目で「うおっ!」ってなって、そっから先も「うわ!」「わわわ!」「わぁ〜〜〜〜〜!!!」ってなります。この作品だけでも、ぜひ一度読んでみて欲しいです。
SF漫画は設定や世界観の説明が多くて読むためにカロリーを使いがちですが、水上先生のSFはポップでライトに飲み込めるので万人にオススメできます。
それでいて硬派なSFと比べても遜色ないくらい設定力があり、世界に奥行きも感じられて一作ごとの満足度が桁外れに高い! 漫画の中でも群を抜いてコスパがいいと思います。
まだ水上先生をご存知ない人がいたらこの短編集だけでも読んでみてください。全員が「自分だけが知る名作」だと思っている『スピリットサークル(全6巻)』や、今年1巻が出たばかりの連載漫画『最果てのソルテ』など、その後に追いかけたくなる作品も豊富でハマりがいのある漫画家だと思います。
■また来月
また来月も、皆さんの「読良漫(よよまん)」をご紹介させていただきます。
それではさようなら。