無性にもふもふの毛を触りたくてしょうがない日がある。ぬいぐるみではダメだ。生命の温もりをこの手の平におさめたい。
ああ、とにかく動物を愛でたいよ……
そんな私たちの衝動をすべて受け止めてくれる施設がある。
その名も「サユリワールド」である。
簡単に言ってしまうと動物園だ。といっても、ただの動物園ではない。
千葉県民なら「市原ぞうの国」というとお分かりになる人もいるかもしれない。
市原ぞうの国とサユリワールドは姉妹園で隣接しているのだが、どうしても市原ぞうの国のほうに注目がいきがちで、意外とサユリワールドには入ったことがない人が多い気がする。
私も市原ぞうの国は何度も行ったことがあるが、サユリワールドは未体験だった。
というわけで、先日サユリワールドへ行ってみた。結論から言うと最高だった。
冒頭でも言った通り、サユリワールドはただの動物園ではない。私たちの動物を愛でたいという衝動を全て受け止めてくれる夢のような場所だ。
なぜなら、サユリワールドでは全ての動物が放し飼いだからだ。※大型動物などは柵あり
入口ゲートでの光景がこれだ。よく見てほしい。私が敷地内に足を踏み入れたと同時に、動物たちがかけ寄ってきているのだ。
アルマゲドンの帰還のシーンみたいな感じで歩み寄ってくる。しかもこの歩み寄りはクライマックスではなく、序章にすぎない。
彼らのお目当てはおいしいおやつだ。バナナやニンジンが入ったバケツが500円で買える。500円でアルマゲドンを見れるのなら安いものである。(上の写真はすでに動物にあげてしまって量が少ないが、買った時点ではもっと入っている)
おやつを手に入れた後は、もうふれあい天国だ。無限に動物をお触りして愛でつづけられる。
ということで、今回はみなさんにサユリワールドの動物たちとのふれあいを紹介したいのだが、特に心を打たれた動物をベスト5でお届けしてみたいと思う。
ランキングは「珍しさ」「さわり心地」「おさわりへの寛容さ」などを総合して決めた。
とはいっても、この時の私の興奮具合で決めたものなので、順位は参考程度に見ていただけるとありがたい。
それではどうぞ!
5位:カンガルー
珍しさ★★★★☆
おさわりへの寛容さ★★★★★
基本的にごろごろしている彼らだが、おやつを差し出すと興味を示してくれる。背中をさわっても全然気にしない。毛の感触は柴犬に似ている。
おやつのバケツから一瞬たりとも目を離さんぞ、という情熱を持っているのもいい。
おやつのバケツをカメラの方向に向けてみたら、いい感じのツーショットが撮れた。アンニュイな表情がかわいいね~
4位:キリン
珍しさ★★★★☆
豪快さ★★★★★
動物園でよく見かけるキリンだが、ここまで近いとその迫力に圧倒されてしまう。隣にいたお子さん連れのお父さんが「恐竜か……?」と言っていた。お父さん、分かります。
キリンのいるスペースには建物があり、2階に上ると……
首を長くしたキリンが待っている。自分と同じ目線に突然キリンの顔が現れると、頭が混乱しておもしろい。
顔が大きくて少し怖さもあるが、勇気を出しておやつをあげてみよう。
ベロベ~ロ★★★★★
長くて黒い舌で指ごとベロベ~ロされる。あったかいコンニャクみたいな感触。
動物とのふれあいは、フワフワモフモフばかりじゃない。ベロベ~ロコンニャクの時もあるのだと思い知った。
3位:シカ
おやつへの執念★★★★☆
おさわりへの寛容さ★★★★☆
おやつに夢中だ。まるで私自身が求められているような錯覚に陥ってしまう。うれしい。
シカがニンジンを口にくわえると、私のおなかにニンジンを押しつけながら器用に食べ始めた。へそに挿したエサをシカにやっている、そういう感覚だ。
さわり心地★★★★★
しゃがんでみたらシカとの距離が一気に近くなった。アゴの下を撫でると気持ち良さそうに目を細めてかわいい。
あーー顔が近くて鼻息なんかもすごいねーー
自分からしゃがんどいて何だけど、顔圧がすごくて震えた。
園内は奥まったところにスペースがあるのでちょっとした探検気分だ。歩いていたら奥に竹林があり、シカが数頭いるのを見かけた。
シカの楽屋だ……気まずい。いや、人間も入っていいスペースのはずだが、なんかシカたちの張り詰めた空気に恐縮してしまう。
楽屋のシカ「は? あなた関係者じゃないですよね?」
本番前のピリつき★★★★★
行ってしまわれた。
シカは性格に個体差があるようで、広場で人懐っこくおやつをねだるシカもいれば、人知れず楽屋で過ごすシカもいるようだ。
2位:ワオキツネザル
珍しさ★★★★★
おさわりへの寛容さ★★★★★
ワオキツネザルは人慣れしていて、おさわりされても「ふーん」という態度である。そのテンションがいい。こちらも身構えずに気兼ねなくふれあいができる。
人間の慌て度★★★★★
人間の肩に乗ってきたりもする。肩に乗られた人間は「お、おほ……!」とか言いながら嬉しそうに挙動不審になる。私はそうなった。
人間は逆に動物のほうから触れられると慌ててしまうのだ。私たちよりワオキツネザルのほうがよっぽど肝が据わっているのかもしれない。
1位:カピバラ
おさわりへの寛容さ★★★★★
サユリワールドの中で一番心を動かされたのがカピバラだ。序盤のアルマゲドンのシーンから心をつかんで離さなかった。
カピバラは食いしん坊なので、常におやつを求めて近寄ってきてくれる。おさわりもし放題で嬉しい。
おやつへの執着★★★★★
あなたそんなに伸びるんですか?! 中の人が立ち上がったのかと思うほどに縦に伸びた。おやつのためならカピバラらしさも捨て去っていく、彼らにはそういうたくましさがある。かっこいい。
容器の中の水★☆☆☆☆
「ザッパーーン」という音が聞こえて来てみたらこうなっていた。水が全部……あふれ出ている……! それでいて全員が気にしてないみたいな顔をしてるのがすごい。
私が浴槽に浸かってお湯が大量にあふれ出た時は、ショックでこんな顔をしていられない。洗面器にちょっとでもお湯を避難させておけばよかったと後悔してしまうだろう。私もカピバラのようにひょうひょうとした態度で過ごしたい。
ということで、予想外の動きをたくさん見せてくれたカピバラが見事1位に輝いた。
みなさんもベスト5の中に気になる動物はいただろうか。
サユリワールドは非日常空間だった
動物たちが自由に歩きまわる広場は夢のようだった。もしも天国があるならこんな感じかもしれない。
手の平で色々な毛の感触を確かめ、時に指をベロベ~ロされ、ビー玉みたいな瞳に見つめられながら、彼らの鼻息をダイレクトに顔面に浴びる。
サユリワールドという非日常空間によって、すべてが癒された。あと未だに興奮もしている。
みなさんも癒しと興奮を求めてサユリワールドへ行ってみてはいかがだろうか。
おまけ:ラマ
ラマは穏やかな性格だが、体が大きくて目線も人間と同じぐらいなので、目の前にくるとなかなか迫力がある。
顔がなんていうか劇画タッチだ。
そんなラマに一度おやつをあげると……
ずっと後ろをついてきて大変だ。嬉しいけど。本当に地の果てまでついてくるぞ、いう感じで追いかけてくる。
そんなラマには攻略法がある。おやつのバケツを背中に隠すと、ラマは目標(おやつ)を見失ってキョロキョロしながら去っていくのだ。劇画タッチの顔とかいって申し訳ないほどに見失い方がかわいい。
もしラマに地の果てまで追いかけられたら是非お試しください。
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服や靴は汚れても大丈夫なもので行こう!