ブロス編集部です。
編集部メンバーがここ最近読んで面白かった漫画を紹介するコーナーのお時間です。題して「今月の読良漫(よよまん)」です。
それでは早速2020年6月に編集部メンバーの「読良漫(よよまん)」をご紹介しましょう。
■未解決事件を追え!「クロコーチ」
クロコーチ(リチャード・ウー / コウノコウジ)
【オススメ人:山口】
キャリア組のド正義刑事と、あらゆるお偉いさんの弱みを握っている汚職警官が、未解決事件や警察暗部に切り込んでいくクライム・サスペンス漫画。主人公は汚職警官のほうね。実は2013年に長瀬智也主演でドラマにもなってます。宙舟、いい歌ですよね(このドラマの主題歌ではない)。
小生、脳の構造がゴリラと一緒なのものでして難しいことはよくわかりません。3億円事件……警察庁長官銃撃事件……その裏で暗躍する怪しい組織……正直理解できない部分もあるんですが、おもっっっっっしれ。グイグイ読んじゃう。おもしろいのよ……なんでこんなおもしろいのかなと思ったら、原作者のリチャード・ウーってあの有名な「MASTERキートン」の原作に別名義で関わってた人なんですね。知らんかった。
LINE漫画で公開されてるので、CMの動画も見れば1日にMAX2話ぶん読めます。ぜひ毎日読んでください。ぼくは待てなくなって電子書籍を買いました。
試し読みはLINE漫画でけっこう読めます。
■改めて読んでも面白い!「闇金ウシジマ君」
闇金ウシジマくん(真鍋昌平)
【オススメ人:松岡】
10日5割(トゴ)の超暴利闇金融『カウカウファイナンス』の経営者である丑嶋馨と、その従業員の日常とカウカウファイナンスに訪れる客およびその関係者の様々な人間模様と社会の闇を描いた漫画。過去には山田孝之が主演でドラマや映画にもなっています。
この漫画にはお金を散財しまくる様々なタイプの人間が出てきます。夢や欲を追いかけて借金をする人や、環境が原因でお金が必要な人など多種多様。借金を抱えている人たちの特徴も共通していて、自分の失敗やミスを常に人のせいにしたり、他人や環境が悪いと思いこみながら生きている人が多いんですよね。永久に「ザ・ノンフィクション」の救われない回を見ている気分になり、読んでいる当人にも心当たりがありすぎてマジで辛くなる…。
お金がすべてとは言わないけど、社会的な信用であったり、やりたいことに必要な信用ではあるので、あらためてお金って大事なんだなと思います。就職をして社会人となり、貯金を一切せずに豪遊するタイプの人(数年前のぼくです)は必修の漫画。
映画が3作公開されている人気作。あえて今あらためて読んでみるのもいいですね。第1話は「小学館eコミックストア」で試し読み可能!
■読むなら今!「ジョジョリオン」
ジョジョリオン(荒木飛呂彦)
【オススメ人:加藤】
以前、ジモコロで記事にされてましたが、ジョジョリオンおもしろいのに「ほかのジョジョほど人気なくない?」と思いません?
要因としてあるのは、ジョジョリオンって7部「スティール・ボール・ラン」の続きであること、そして下敷きとなっている4部を知っていないと十分に楽しめないこと。
だけど4部はみんな見てない!? あとスティール・ボール・ランも完結してるしおもしろいから読めない!?というわけで、あえて今連載しているジョジョリオンをおススメしたいのです。
とにかくストーリーの進みが遅いのですが、やっとこさこの23巻で物語の終盤が見えてきました。謎の果実「ロカカカの実」をめぐって、杜王町という狭い範囲内でバトルが繰り広げられます。これまでジョジョは「ジョースター家」という大きな家系の話でしたが、ジョジョリオンは出生がはっきりしない主人公が自分が何者かを探す話。ですが、この23巻でジョジョリオンも「小さな家族の話」として収束していきます。
ジョジョリオンに追いつくなら今だし、なんなら一気に読みすぎるとスタンド能力がまったくわからないままになってしまうので(どんどん難解になってる)、この時期に読み進めてみてはいかがでしょうか。
クワガタ相撲対決のエピソードで「何じゃそりゃ」と思ってしまいましたが、読むなら今かも!第1話は「となりのヤングジャンプ」にて!
■日系女子高生の青春物語!「GIRL」
GIRL(ジュリアン タマキ / マリコ タマキ)
【オススメ人:ヤスミノ】
「GIRL」はMariko Tamaki (ストーリー)と Jillian Tamaki(作画)の日系カナダ人従姉妹による漫画です。
主人公のスキムは日系で、顔はあきらかに平安美人を模して描かれています。日本だと「GIRL」というタイトルがついていますが原題は「Skim」。「Skim」とは「低脂肪」という意味で、これは主人公のあだ名です。つまり彼女が太めの体形であることを皮肉って「低脂肪」と呼ばれているわけです。
彼女はゴシック趣味があって、呪術やタロットや霊的なものに傾倒。友達は一人だけで、いつもクラスメイトや先生を見下しています。スクールカーストの中ではこぼれ落ちた存在です。
同級生の元カレの自殺、それに伴う同級生の自殺未遂、風変りな先生との交流、親友との仲違い、それらが同時に絡み合いながら、しかし大きな着地や結論めいたものはないまま進行していきます。
高校生の時に読んだのですが、はじめて海外のコミックだったということもあり、かなり面食らいました。正直言って分かりにくいし、文字が多し、よくわからない固有名詞もでてくるし。でも、なぜかしみじみと感じ入るものがありました。大人になって読み返すと「あまりに感傷的すぎるかも」と何かのバランスと取るような冷めた気持ちがでてくるのは否めないのですが、それでも普遍的な悩みをすくい取った漫画だと思います。これ以降「憂鬱なティーンエイジャー」作品がめちゃくちゃ好きになってしまいました。
「私の学校はまるで金魚鉢。嘘くさい同情と生理的嫌悪感。そして事件に少しでも関わっていたい野次馬根性で満たされています」
こういう独白がいっぱいあって、20代後半なのにいまだに「分かるぜ」って思ってしまいます。
しゃれてまんなぁ〜〜〜。試し読みは無いかもしれません。
■また来月
また来月、「読良漫(よよまん)」をご紹介させていただきます。
それではさようなら。