はじめまして、ライターの川合です。
ブロスの場をお借りして細々とマイナーそうな映画をご紹介していこうと思います。
今回取り上げるのはこちら。
『バスルーム 裸の二日間』です。1987年のスペイン映画。
検索してみるとwikpediaがないというマイナーぶり。にも関わらず映画見ぃの間では「U-Nextで見た」「WOWOWでずっとやってる」と微妙に根強い知名度を誇る作品。
僕もたまたまケーブルで見つけて鑑賞。
お風呂に大学の先生と女子大生が閉じ込められて、さあどうする?というようなあらすじとのこと。
『リミット』という密室ワンシーンもののスペイン映画がそれなりに面白かったので、それと同様にスペイン産の密室モノということで期待度が高まります。
ひょんなことからバスルームに閉じ込められてしまう二人。しかし二人は先生と教師の関係。まちがってもヤラシイ関係になってはいけない。
それでも長い時間を共有するうちに……いやでもダメだ!それは許されない!
みたいな内容がもはや手に取るように想像できます。絶対面白い。これは絶対面白い。
しかもケーブル。衛星放送されるくらいにはそこそこメジャーとはいえ、みんなもそんなには知らないはずだ……!
S字フックとかを活用して脱出を試みるも、失敗――とかそんな感じなのかな。
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さて、観終わった感想ですが全然違う。思ってたのと全然違う。
いやまああらすじ読んだり予告見た程度でオチまで内容が想像できてしまうくらいよりかはよっぽど良いんですけど、それにしても全然違う。違い過ぎる。
まず始まってラジオの音声。キャスターがなにやら政情を事細かにレポートしています。
そして登場するのは老齢の男性。女子大生も登場しあれよあれよと役者が登場するうちに、僕が油断しているとこの老齢の男性が女子大生にひたすらセックスしようと口説きはじめました。
大学の先生を務める傍らで、ほとんど毎日欠かさず新聞にコラムを寄稿しているジジイ。商売道具のレトリックを振り回し、言葉巧みにあの手この手でセックスを持ちかけます。なんだこの映画。
そしてなんやかんやでバスルームに二人が閉じ込められます。
さすがに極限状態に追い込まれたら変な気にはならないでしょ。
と思ったら、全裸のジャーナリストのジジイが全裸女子大生にひたすらセックスしようと口説く口説く!
『ミツバチのささやき』的な感じでスペインの内政みたいなものにどうやら触れているみたいなので、そこが分かればもっとこの作品を楽しめるかもしれません。
残念ながらそこがわからないと本当に意味がわかりません。全然わかりません。比喩的なセックスの誘いと抽象的で高度な内容の対話が続きます。
ジジイの言葉は流石文筆家という感じで美しいです。日本語字幕でこの美しさ。原語で鑑賞してみたいものですね。
女子大生もまた美しくてずっと見ていられます。裸にならなくとも十分美しい女性なのですが、惜しみもなく脱いでくれています。
結局ジジイはセックスできたのか? さすがにそれは無理なのか? というところは読者の皆様も気になっていることかと存じますが、そちらについては是非本編を鑑賞して確かめていただきたいところです。