街中にあふれる「言葉」。
一見すると何の違和感もありません…。しかし、その「言葉」をじっと観察していると、どこか奇妙な印象が浮かび上がってきませんか?例えばこれ…
「肉刺」
なんだか…
まるで「怪談のタイトル」のように思えてきませんか…?
というわけで、今回は街で見かけた言葉から「オリジナル怪談」を考えていきます!
こんなお天気の日に、嫌な話を考えることに抵抗感がない嫌なメンバーはこちら。
<街で見かけた言葉から「オリジナル怪談」を考える会 メンバー>
怪談系の番組などはあまり見ない(なぜなら怪談は怖いから)。
ビビりで心霊などはとにかく苦手。どうしても観たいホラーは外が明るい昼に観る。
チンパンジーが怖い(握力が200キロを超えるから)。
怖い話は大好き。2ちゃんねるの「洒落怖(しゃれこわ)」は無職時代に全部読んだ。
心霊は全く信じていない。静電気が1番怖い。
街で見かけた言葉から「オリジナル怪談」を考える会
では「オリジナル怪談」を考えるべく、街をうろつき回りましょう。
普段、何気なく歩いている街。この中に怪談のタネが転がっています。
早速だけど、これ怖くない?
「おひとり様大歓迎」が投獄されている…
こういうことじゃないでしょ
ARuFaのオリジナル怪談
あ。僕、もう思いつきました!
早いっ!
「熱~いサウナ」。これでいきます
「~」が入ってる時点であんまり怪談のタイトルっぽくないな…
5,778℃。
(おわり)
5,778℃もあるのは怖い
おい
逃げるな
太陽の温度に合わせようとしたのでしょうが、太陽の温度は5,778 K(ケルビン)なので単位が摂氏じゃないです
嘘。嘘だから。ちょっとふざけただけ
花壇です ゴミや泥を入れないで下さい
本当はこれ!これでいかせて
ちゃんとやってくださいよ
閑静な住宅街。
道路に面した庭付き一軒家に、家庭菜園が趣味のK子がいた。
季節は夏。特に猛暑で連日晴れの続いた今年の夏は、きっといいトマトができることだろう……K子は収穫の日を楽しみにしながら、毎日トマトに水やりを欠かさない。
そんなある日、K子が庭へ出ると、大事なトマトを植えた花壇に、“茶色い泥”のようなものが撒かれているのを発見した。
実は「茶色い泥」ではなく「めちゃくちゃ美味しいカレー」だったのです…
邪魔しないで
「誰がこんなひどいイタズラを…」
そう思いながら土の上に撒かれた泥を片付けたK子だったが、そのイタズラは次の日も、その次の日も続いた。
……さいわい、泥のせいでトマトが枯れることはなかったが、泥を撒かれて良い気持ちはしない。そこでK子は、花壇に注意書きを設置することにした。
「花壇です。ゴミや泥を入れないでください」
数日後、K子の家のインターフォンが鳴った。ドアを開けるとお隣のY美が立っていた。
Y美は一年前にK子に家庭菜園を薦めた張本人であり、交流の多い隣人だ。彼女の家も家庭菜園をしており、K子にトマトの苗を分け与えたのも彼女だった。
K子が笑顔で挨拶をすると、Y美は手に持った袋をK子に見せる。中には『あの泥』がたんまりと入っていた。
「!! Y美さん、その泥どうしたんですか? 実は数日前からそれと同じ泥が私のトマト畑に撒かれるイタズラが発生してまして…」
「やあねえイタズラだなんて! それ私よ!」
「えっ…?」
「K子さん、トマト育てるの初めてでしょ? この泥は私が使ってる特製の肥料で、これをトマト畑に撒いておけば、大きくて立派な実がなるのよ~!でも確かに急に撒いたのは悪かったわね…ごめんなさい」
……話を聞くと、あの泥はY美が巻いた肥料だったらしい。確かにY美は昔から説明が足りない節はあったが、何かとこちらを気にかけてくれていた。今回の泥の件は彼女なりの親切心だったのだろう。
胸をなでおろし、袋を受け取ったK子は早速Y美から譲り受けた泥を毎日少しずつ畑に撒くことにした。
そして数週間後、Y美にもらったあの泥のおかげもあったのか、K子の花壇には真っ赤ででっぷりと太ったトマトがたくさん生った。こんな立派なトマトは見たことがない。
収穫するやいなや思い切りかぶりついてみると、少し酸っぱいがそれが逆にクセになりそうだ。
「Y美さんにお礼しなきゃね。おすそ分けおすそ分け…」
トマトを収穫したK子が、Y美へのお礼にとトマトを箱に詰めていると、居間で流れていたニュース番組に、見慣れた人間が映った。
「Y美さん…?」
そこにはY美が映っていた。ニュースキャスターが深刻な表情で原稿を読み進める。
「本日未明、連続殺人の容疑で、Y美容疑者が逮捕されました。Y美容疑者は殺害した被害者を自宅にある微生物処理機で分解し、畑に撒いて証拠を隠蔽しており……」
キャスターが険しい顔で放つ言葉。その意味がK子の脳にゆっくりと染みわたっていく。
画面には見慣れたY美の自宅が映されており、そこには真っ赤ででっぷりと太った立派なトマトが映っていた。
人間の悪意が怖いパターンだ!
思ったよりちゃんと怪談してた。まあ、でもね…
なんですか?
怖い話で「食べ物」が出てくると、わりとその時点で警戒しちゃう
そういうオチになるんだろうなとは思った
加藤のオリジナル怪談
あっ
僕、思いつきました
ガハ
ゴミ収集ボックスから
「ガハ」?
海賊の控えめな笑い方?
シャンプー中の背後、ベッドルームの窓の外など、誰もいないはずなのに誰かの視線を感じたことってあると思います。
その視線は、ガハというものの視線だそうです。
彼?(彼女?)は、あなたのことをジッと見つめていて名前を呼ばれるのを待っているそうです。
なので、そういう視線を感じても絶対に「ガハ」という言葉を考えたり思い出さないでください。
結局、何?
考えるとどうなるのよ
……
ガハ……
……
マジでなんなんだ
でもこういう「正体が分からない」怖さってありますよね。論理的な怪談より、唐突で意味不明なほうが嫌かも
好意的にとらえればそうかも。ちょっと「紫鏡」に通じるところもあるし
それと…
石に何かしらの薬がくくりつけられてるのも発見しました
石を治療しようとしてる
かなりの荒療治、怖
関係ないし、見つけたものを無理して怖がろうとしなくていいから
しかし…
まだ夏前だってのに暑いねえ…
ダ・ヴィンチ・恐山のオリジナル怪談
私はこれでいきます
「ディンプルウェーブ」?
合カギ
いえ、「合カギ」のほうです
ディンプルウェーブ!!!!!!!!
なに?狂った?
でかい声で言うと格ゲーの技っぽいと思って。「ディンプルウェーブ」
『街で見かけた言葉から「オリジナル格ゲー技」を考える会』、やりたい
すみません、はじめていいですか?
知り合いからの又聞きなんですけど。
Aさんという女性がいて、2年付き合って半同棲状態だった彼氏がいたものの、別れてしまった。勝手に携帯を見たり、男性と仕事上の付き合いで話しても怒ったり、あまりに執着が過剰だったため。
もう限界だから別れましょう、とAさん。彼氏は相当ごねたらしいんだけど、なんとか同意してくれた。
ただ、Aさんの部屋の合鍵は、「失くした」と言って返してくれなかった。
別れてから2週間くらい経って、Aさんがベッドでひとり寝ていると、なにか、気配を感じて目が醒めた。
そういえば寝てるとき、「カチャッ」という、玄関ドアが開く音を聞いた気がする……
時刻は午前3時。夢なのか現実なのかはわからない。まさか元彼が来たんじゃ、と思って、Aさんは恐る恐る玄関に行く。
ドアの鍵が開いていた。
血の気が引いて、家じゅうの電気を点けたが、部屋に誰かがいる様子はない。
ただ、玄関を開けると、ドア外側の鍵穴に、汚れた合鍵が挿さったまま、キーホルダーが揺れていた。
Aさんは警察に通報した。しかし、警察が言うには、元彼の家はもぬけの殻で、バイト先もずっと休んでいるという。
数日経って、元彼が見つかったという連絡がAさんに入った。東京から百キロ以上離れたXX県の山中で、枯れ木に巻いたロープで首を吊っていた。
死亡推定日時は、Aさんの家に来たと思われる日に一致するという。最後にAさんの寝顔を見てから命を絶ったのかもしれないーー
ショックを隠せないAさんに、警察が告げた。
「それと……ドアに挿さっていた合い鍵ですが。わずかに付着していた土が、発見場所の山のものと一致しました」
こいつマジじゃん
こ~~~~わっ!
最後の一言で落ちる怪談、いいよね
あと関係ないんですけど、これ怖くないですか?
忠告の言葉が必要以上にねちっこい上司みたいで怖い
そういう怖さ?
原宿のオリジナル怪談
見つけた!
格ゲーの技あった?
趣旨がブレるんでやめましょうって
たまる
これで怪談、できました
「たまる」って必殺技ゲージの話?
高校の頃の友人でK君という人がいたのだが、彼はいわゆる霊感と言うのか「第六感」が冴えているようなところがあって、彼いわく嫌な感じやネガティブな空気は「たまる」のだという。
それは普通に生きていれば見逃してしまうぐらいの些細な違いらしいのだが、「何か変だ」と思ったとき、空気が重くわずかに冷たいように感じられる場所があって、そこにはマイナス方向の力が「たまって」いるように感じるのだという。
「普段は流れてるのが“淀む”って言うのかね? なんていうか、周りより空気がちょっとまとわりつく感じ」
あくまで彼の解釈だし、僕には何がたまっているのかいくら説明されても判然としなかったのだが、一度こんなことがあった。
K君と学校からの帰り道がたまたま一緒になった時だ。川沿いの見晴らしのいい土手を2人で歩いていた時、急にK君が「ん?」という顔で立ち止まった。周りには何もない、本当にごくありふれた道の真ん中だったと思う。
「たまってるな」
K君は首をかしげながら、手で肩口のところを抑えて辺りを見回した。
「ああ、まとわりつくっていうやつ?」
僕は何の気なしにそんなことを聞いたと思う。K君から「たまる」話は前に聞いたことがあったが、こうして実際にその現場に出くわすのは初めてだった。
「うん、まぁなんでもないんだけど…」
そうK君が言い終わるか言い終わらないかの内に、後ろからすごいスピードで走ってきた自転車が彼の肩口をかすめ、側道の溝に突っ込んでいった。僕たちに怪我は無かったが、自転車を漕いでいた40代ぐらいのおじさんはかなりのスピードで転倒し、かけていた細いメガネがひしゃげていた。
「大丈夫ですか?」
おじさんを助け起こし、介抱しながら僕たちは尋ねた。
「ああ、ごめんね君たち、なんだか急に頭がくらっときて」
おじさんも額を擦りむいたぐらいで済んだようでホッとしたのだったが、僕が気になったのは次の言葉だった。
「この場所で転ぶの、三回目なんだよね」
ただそれだけの出来事なのだが、K君の言う「たまる」ということもあるのかもと思えて、ずっと覚えている。
地味~~~
でもこの地味さ、妙な生々しさがありますね
大きい出来事が起こってない分、本当っぽさがある
単純に転んでばっかの迂闊なオッサンである可能性もある
そして…
これは…
パワーステップ!!!!!!!!!!
格ゲーの技はやらなくていいです
それにしても…
今日は熱いねえ…
永田のオリジナル怪談
おっ、あれ
わざわざあそこで洗濯もの干します?
「焼肉○○命」がすごいモヤモヤする。何命なんだ
そうじゃなくて
命肉
洗濯物が功を奏した。「命肉」。これで
タイトルの時点でそれっぽい
ストーリーテラーとしての本領…発揮させてもらいます
俺が中学生の頃の話。両親が海外に長期出張行くとかで、夏休みの間ジイちゃん家に預けられることになった。
ウチに来てくれたことは何度もあったけど、ジイちゃん家に行くのは初めてだった。とにかくすっごい田舎らしい。
長旅を終えて(と言っても俺は車中でゲームしてただけだけど)、ジイちゃん家に着いた。ジイちゃんは笑顔で出迎えてくれたんだけど、何かがおかしい。
家の至るところに、生肉が置いてある。
ジイちゃんに聞いてみると、「ああ、それは命肉や」とそっけない返事。「何それ?」と聞いても「子どもは知らんでええ」の一点張りだった。
気味が悪いので、今度はバアちゃんに聞いてみた。初めはジイちゃんと同じ反応だったけど、俺があまりにしつこいので観念したように教えてくれた。
「食われんようにお供えするんや」
何に? 熊とか?
「人や」
バアちゃんが言うには、なんでもこの地域には昔、食人の文化がある一族がいたということだった。
とは言っても村人を襲うとかそういうことをする人達ではなかったらしいけど、畏敬の念を込めて「命肉」をお供えする風習らしかった。
俺は聞いたことを後悔した。これなら知らない状態の不気味さの方がマシだ。ジイちゃんバアちゃんの見てはいけない一面を見てしまったような気がして、今までの優しい2人もなんだか嘘のように思えてきてしまった。
空き部屋を俺用に用意してくれていたんだけど、そこにも命肉は備えてあった。気持ち悪くなって、俺はそれをこっそり隣の部屋に移した。
その夜、気味が悪くてなかなか寝付けずにいると、隣の部屋から変な音が聞こえてきた。
「ジイちゃんかバアちゃんが何かしてるのかな」とも思ったが、時計を見ると夜2時。起きてるわけないし、何よりもふすま越しに聞こえてくる音がそれを否定していた。
ずるるるるぅ… ずちゃずっちゃぁ…
何かを啜るような音。咀嚼音。どんどん音が大きくなってくる。咀嚼音だけでこんなに大きい音が出せるとは思えない。
俺は恐る恐るふすまを開けた。すると……
なんかオバケがいっっっっっっっっっっっっぱいいました!!!!!!!!!!!
俺「マンマミ~~~ア!!!!!!!!!!!」
(終わり)
やったな
先輩ですけど今日から呼び捨てにしてもいいですか
どうしちゃったんだ
正体とか特にないな、と思って
どういうモチベーションで街歩いてたんだ
最後は完全なる悪ふざけでしたが、これにて「街で見かけた言葉から「オリジナル怪談」を考える会」は終了!
歩き慣れた町並みも視点を変えてみると、また違った表情を見せるもの。皆さんも是非試してみてはいかがでしょうか(一人でやっていたらやばい人なのでやらないでください)
ところで原宿さん、永田さん。途中、何か使ってましたよね
ん?
なにが?
いや、使ってたじゃないですか
……
……
え…?
もしかして…
ギャツビーの商品を使ってたってこと…?
そういうこと~~~~~~~~!!!!!
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