確定的でないことに希望を見出し、努力するのは過酷である―― アラサーになって、そう思うようになりました。働き始めた頃の「勉強を頑張ったら、キャリアアップできるんじゃないか」「一生懸命仕事すれば、僕でも上に行けるんじゃないか」なんて期待は、ティーンエイジャーの青い残り香だったんだな、と思うようになりました。

そういうわけで、私が夢中になれることといえば、日課のおちんぽシュッシュくらいなもの。もう新鮮味はありませんが、この世界はしゃぶればしゃぶるほど味の出るものでしてね。

青山ひかる先生、和地つかさ先生らが取り入れている現代グラビアの手法に「ノーブラおっぱいプルンプルンのポロリかと思いきや、乳首が服に貼り付いてるからギリギリ見えない」というものがあります。

私が10代でしたら「でも、ポロリの可能性はゼロではないよね! よく見たら、ちょっと出てるかもしれないじゃん!!」と、いわゆるギンギラ(ちんこギンギン、目ギラギラ)の心持ちでイメージビデオを拝見していたことでしょう。

しかし、オナニー界の中堅に差し掛かった今、そんな淡い希望が抱けるほどの気力はありません。むしろ、より確実な事柄に思いを馳せて、胸をときめかせるようになりました。

 

「両面シールのニプレスを貼ってるんだろうけど、撮影終わったら、どうにかしてはがしてるんだよな」。

 

あれだけ御乳を揺らしても、ビクともしない粘着力。それをグラドルの諸先生方は、何かしらの方法ではがしておられる。言ってみれば、「絶対にはがれないニプレス VS 絶対にはがすグラドル」という矛盾の戦いを、なんかいい感じに乗り越えていらっしゃるのです。

撮影終了後、1人で控室に戻るグラドル。カバンから知る者ぞ知る「グラドル御用達ニプレスはがし」を取り出し、よく分からないけど奇跡みたいなやり方で使って、ニプレスを取る。この瞬間、乳首は見えている。

そして、慣れた手付きでニプレスをゴミ箱に投げ入れる刹那、ぷるん。乳首丸出しのおっぱいが揺れている。

これが私が抱く希望。グラドルが誰にも見えないところで、名状しがたい謎のやり方で、ニプレスをはがしているという確信なのです。

……え、何ですか?

「ここまでくると、具体的にどうやってニプレスをはがしているのか気になる」って?

いえいえ。肝心なところは、見えないまま残しておいた方がいいでしょう。それこそグラドルの諸先生方が、我々にご教授されていることではありませんか。

 

なのに、ガッツいちゃってさ。まだまだ若いんだね、君は。

 

 

 

 

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