第042回「俺、参上!」
OP/気付いたこと ED/町子のテーマ
唄/森の子町子
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シネ間違い探し
ククク…さて…”シネ間違い探し”の時間だ…
俺が投稿した12の映画感想の中で、ひとつだけ全く映画を観ずに書いたものがある…それがどれだか、わかるか…?
なに、問題自体は難しいものじゃない。少し頭を使えばすぐわかるはずだ…
俺からのお年玉だ…せいぜい楽しむがいい…ククク…
1.バック・トゥ・ザ・フューチャー
映画ならではのケレン味が最高なんだよね。
特にデロリアンまわりの設定…プルトニウムで走る、デジタル文字盤のありそうっぽさ、タイムスリップした後タイヤの跡に火柱が立つ、車があの車体のまま飛ぶ、ゴミで動かせる、レールの上を走る、そして毎回わかりやすいミニチュアで説明してくれる…とか。そういう「ない」装置の作り込みが、迫力だと思うわけですよ。
タイムスリップものなんかいくらでもあるけど、1で言えば冒頭の時計の部屋とか、時計台に雷が落ちる件とか、2だと自分の演奏を上から見てたり、そういうタイムスリップものならではの見せ場がたくさんあるし、エンタメとしてとてもいいですね。
2.ゴーン・ガール
フィンチャーの十八番である「え?これって現実?それともハメられてる?あるいは俺の被害妄想?」感が、それはもう発揮されていて、どこ行くかわからないジェットコースターに乗っているようだった…と記憶している…。
で、そういうフィンチャー化物バトル的なところに、ゴーンガールでは「なぜそうなったのか」というドラマ部分で二人の関係性の移り変わりが足されていて、ああこれはフィンチャー新境地だなとか思っていたら、ネットフリックスでドラマばっかり作るようになっちゃったんだよね。2時間尺じゃできないことが10エピソードだとできるんだとさ。長えよ。ドラマは。…そういうフィンチャーの気持の変化があったという点でもちょっと異色だと思っている。
肝心のストーリーも、誰もがうまいこといくわけでもない…完璧な超天才みたいな人がいるわけでもなく、かといってすげー間抜けがかき回すわけでもなく、人間の心が推進力となって話が進んでいて、すごいんですよ。これは。だいたいのお話って「平和な生活に突如常識の通じない闖入者が!」か、「主人公がたどり着いたのは常識の通じない世界!」かどっちかじゃないですか。
いやまあ、あの妻もヤバイのを隠してたっていうところはあるけど、でも突如大変身したわけじゃなくて、徐々に蝕まれていって、限界のところで「あ、コイツ社会的に殺そ」ってなった時点で物語がスタートするし、そういう話が好きなんだよね、俺は。
3.ノーカントリー
う〜ん。う〜んなんですよね。
コーエン兄弟はね、もう週末だけ映画に行くような人が気軽に面白かったねって言えるもの撮る気がないんじゃないかな。
コーエン兄弟のコメディの話を一旦します。コーエン兄弟は数年前にヘイルシーザーって映画を撮ったのね。これが全然面白くなかった。
というのは、ハリウッド、しかも1990年当時にハリウッドで仕事をしていた人だけがウケるような感じらしくて、俺は何の前知識もなく見て、何が起きているかすらよくわからなかった。
一方ビッグ・リボウスキなんかは戦争とかをモチーフにしてるのに、しょうもないギャグとか、話運びとか、キャラのチャームとかが、やっぱり笑えるのよ。映画のファーゴとかもそう。ということはコーエン兄弟は昔はみんなにウケたかったけど、今は業界人とか同業者とかそういう人をうならせることがしたいんじゃないかなと思うわけです。話戻します。
ノーカントリー、確かにおかっぱのアイツとか、ポップだったりするけど、それ以外は正直憶えてないのよ。地味で淡々としてるからね。デジタルネイティブは情報の速度が遅すぎるのに耐えられないのよ。だからあの映画は俺とかに向けて作られたんじゃないんだろうな、と思いました。
4.ジャージー・ボーイズ
「仲良くやってたはずなのになんでこうなっちゃったんだろうね」作品の中でも、かなりいいエンディングで、そりゃ歌うよなという感じでした。
ウルフオブウォールストリートとかだと、知ったこっちゃねえ系マイウェイ主人公が筋通して終わりみたいな映画だから、カタルシスだけはあるけど実際にこんなやつがいたらぶん殴られろと思うし、あるいはストレイト・アウタ・コンプトンみたいに途中で主要人物が死んじゃう話とか、やっぱ寂しいじゃん。
そこにイーストウッド節の「今では死んでしまったけど確実に人々に根を張っているなにか」を、かなり美化よりに発揮して、ああいう感じになっているんじゃないかと、そう思います。
みくのしんってラストで最初に戻るフェチなの?
ステージのシーンとか、ラジオで成り上がっていく感じとか、昔の曲とかしらんしダセーって感じではあったけど、『君の瞳に恋してる』はさすがによく知ってる曲で、あ、ここにつながるんだ、結局連続しているんだもんな、と思ったら遡って肯定したくなりました。あともう一つ知ってる曲あったわ。タモリ倶楽部。
5.マルホランド・ドライブ
いや〜スケベですね〜。いろいろあったけどスケベが強く残ってるね〜。
俺も同性の恋人を無慈悲なまでに寝取られて、っていうかそもそも器が全然合わない人にポイ捨てされた後にめちゃくちゃオナニーして〜。
なんか、水曜日のダウンタウンっぽかったね。
正直リンチはイレイザーとブルーベルベット見てなにがいいんだかさっぱりわかんなくて、もうええわと思ってたんだけど、マルホランド・ドライブは超良かった。最高。多分ここでリンチ感つかんだかもしれない。
そういうことあんじゃん? なんだこりゃってジャンルとか作者とか急にいけるようになる瞬間。あれが訪れたね。
良かったところ
1.劇場からのレズセックス
2.オーディションメンタルセックス
3.アバズレ食事会
4.バカ殺し屋ショー
6.ボヘミアン・ラプソディ
いやはやよかったね〜!
最後のコンサートも、今までのストーリーとつながることで最後で意味が通って泣いちゃうよね〜。いやなにより肯定パワーが強くてよかったよね〜。
こういう長期間のグループの話ってフィクショナルな話じゃないと「いや、そんな簡単に元さやには戻らんでしょ」みたいに思っちゃいがちで、これは自分の性格の問題なんだけどさ。テレビの再現ドキュメント感動落とし込み手法に完全に白けちゃうみたいな。「苦難を乗り越えた、二人だけの愛の印だったのです…」てバカ! 都合よく解釈しすぎ! 結果それって保身だったわけじゃん! 改変してんじゃないよ! 犬猫にセリフ当てるのとはわけが違うぞ! などということがうっかりテレビを見ているとよく起きるわけですよ。
で、そういうシラケを突破してくれるのって、結局画面の力、話の力、演技の力、音楽の力、とかいろいろあるんだけど、ボヘミアンはどれも強くて、落ち目のフレディからクイーン再結成してエイドコンサートまでの流れも全く違和感なく見れていたことに後から気づいて、うわーすごいな、とか思ったり。
みくのしんさんって最初と最後がつながるのがフェチなんですか?
いや良かった。公開してすぐ行きたかったね。例えば俺はバーフバリとか見れてないんだけど、そういう話題作のリアルタイムを見逃しちゃったときの後悔って大きくて、今回のボヘミアンは本当に行けてよかったわ。教えてくれてありがとうという気持ちでいっぱいです。カラオケ行こ。
7.バグダッド・カフェ
結局こういう珍奇な場所で珍奇な人が巻き起こすなんでもない騒動みたいなのが一番いい。
特に正月のぼんやりした時間にサスペンスだ、人死にだ、セックスだ、はぐれ者の一発逆転だ、みたいなカロリーの高くておもしろ数値が高いものが続くと、だんだんしんどくなってくる。だからこそ七草粥的な、消化の良い話がしんみり染み渡るところがあると思う。
結局主人公のアイツの自分勝手じゃね? 感は正直否めない。否めないけど、それがいい。成長して立派になるために生まれてきたんじゃないんですよ、我々は。己の道を突き進んで、社会的名声とか金みたいなものを全部蹴っ飛ばしていく姿、そういうのがいいじゃないですか。寅さんとかそうでしょ?
別に主人公がイケメン美女であったり大成功をおさめたり仲間の絆を取り戻したりなんかしなくても、周りが突き動かされていくわけで、それがアクションでありダイナミズムを生むんじゃないんですかね。
8.ニューシネマパラダイス
まあラストの感動のところは一旦置いとこう。とにかく長え! で、感動・落涙ってほぼ最後の数分じゃないですか。泣ける映画○選みたいなので、ニューシネマあることおおいけど、どうなんでしょうね。感動のコスパが悪いというか。今私は最悪なこと言ってますよ。
どちらかというとそこまでの積み上げである、ジジイとガキのチャーミングなやりとりというか、そっちのほうが面白くて魅力的だったと思う。ガキ、かなりやらかすし嘘もつきまくるのが子供なりのリアルさがあって刺さったとか、イタリアの街からリアルな息遣いを感じられるとか、そういう感じなのではないでしょうか。
逆に一部から嫌われてる理由もよくわかんないんだよね。俺は。超好きな人がいる一方で超嫌われてる作品って、どうであれ人の心を強烈に揺さぶるという意味で名作だと思うけど、ニューシネマは俺にはそれなかったよね。感性が未熟なんですね。出直してきます。
9.ファイトクラブ
観てないやつなんているのか?
10.ハードコア
もーーーーーーーー最高じゃん! マジで! なんで映画館行かなかったの俺! バカ! せめてあの様々な暴力オープニング見ときゃなあ!
「全編FPS視点ねえ…実験映画にしてもゲーマー映画にしても微妙だろうなあ」とか思って今となっては憶えてもいない映画見たんだよなあ確か。マジで俺はバカ。
こういう実験映画って結局ワンアイデアでどこまで見せられるかをとことん追求して、ストーリーから演出から画面構成から全部組み立てていくから結局面白くなるのかなと思うね。サーチとかもそう。結局出オチだけじゃなくてそのアイデアありきのいいシーンをいくつもぶっこんでくるんだよな。よくわかんない話運びとかも結局そうじゃん。俺は主人公であり一体何が起こっているかわからないけどハードコア世界に放り込まれてやるしかないのよな!
クライマックスのあたりとかもうだめじゃんとかクソどもぶち殺すとか中2のナルシストが思い上がってんじゃねえとかあの変態車椅子のカタキじゃボケとか感情の量が多かったのはやっぱそれまでFPSでじっくり主人公の追体験を見せられてきたからだと思うんだよね。
普通の映画ならこうはいかないよ。というか感情の量は多ければいいというわけじゃなくてむしろ2つ3つに絞ったものがそもそもの映画なわけじゃん?だからこれみてほぼ人間の視野と同じ画角の映像を90分見せられて、銃撃したり爆発したり飛び降りたりしたらそりゃあいろいろと感じちゃうでしょうよ。
これはVRでもう一回みたいね。VRやったことないけど。
みくのしんが言ってなかったら多分見てなかったわ。「だいたいこんなもんでしょ」って舐めてる映画って一生見なくない?マジでありがとな。
今回のおもしろかったで賞は間違いなくハードコア。変な扉が開いたで賞はマルホランド・ドライブ。
11.素晴らしき哉、人生
昔の映画ってすげえな。今の映画でやってること、すでに結構やってるじゃん。
最初に星がキラキラ喋りだしたときは「まーたかまどが『どう?俺、こんな映画も知ってるのよ?ライターって古くてつまんない映画でも原典をチェックするためにみてんのよ?すげえっしょ?』をやってるのか」と思ったけどマジですごかったわ。ごめん。これはクリスマスに毎年みるわ。さすがだよなアメリカ人。かまど、普段のアイテムやセリフがラストでそれまでの意味合いと違ってくるフェチか?
もうこの主人公がとにかくえらい! えらいよお前は! いろいろ苦労してチャンスもつぶされてそれでも意志を継いで人のためになることをして、俺ができていないことを全部出来てるんだよね。割とネットばっか見てるとさ、「古い慣習は断ち切って東京でおまえの好きに生きようぜ!」みたいな風潮強いじゃん?
でも年末とかに実家帰ったりすると地元でほそぼそと、さっさと結婚とかして、ユニクロ着て軽自動車乗ってイオンに行ってみたいなかなりステレオタイプな連中と再会するわけよ。でもそういうやつらが何も考えていない木偶の坊かって言うと違うわけじゃん。話とかすると夢を諦めてたりするわけじゃん。俺はそういうときに一番情けなくなるよね。ちょっといい大学出て、聞きかじりの講釈垂れて偉そうにしてるくせに結局何も成せていない、俺こそがバカだよね。
とか思ってるとあのクライマックスでしょ。なんだよ。すべての人に救いの手を差し伸べるのかよ。天晴だな、ったく。明日からちょっと頑張ろっかな。うん。
12.善き人のためのソナタ
演技。これは演技の映画でしょ。アイツの。うん。よかった。話もいいし。なんか、これ駄目じゃんってとこも別にない。
けどさ。なんつーの。もっとジャンクなもんほしいじゃん。
結局さ。マクドナルドじゃん、うまいのって。なんだかんださ。「老けたねー」とかいいながらまだ食えんじゃん、マック。逆に何? 有機野菜の無農薬サラダとか急に食いだしたらさ、どしたってなるじゃん? いやそいつが昔からそういうのばっか食ってたとか、そういうご家庭育ってたならわかるよ。そういうのはわかる。しょうがないよ。育ってきた環境が違うからね。
でもだぜ、例えば俺がさ、果てしなく不純物が取り除かれたシャキシャキの野菜食ってさ、うまいって言っちゃったらこれはもう嘘じゃん。やっぱアホみたいなバーガーをうめえうめえってソースだらけにしながら食うんじゃん。それが俺だろ?
そういう意味ではこの映画、湯葉とか、豆腐とか、まあサラダとか、そういうの、味がついてねー食いもんみたいな感じに俺は感じられたよね。多分もっと年食ったら「こういうやさしい味のものならいくらでも行けるよねーマックとか油っこくて一口で充分だわー」とかいうハメになるんだろ? でもなんだかんだまだ脂っこいのガンガンいけっからさ、俺。
いやいや、もちろんいい映画よ。感動もしたし。ラストとか、言ってたじゃん、かまど。一言の重みが半端ないって。そのとおりだと思うよ。よかったよね、アイツ。まさにアイツのための映画だよ。ただね、これは俺のための映画ではないと、俺はそう感じたね。悪いね。俺は嘘つけなくってさ。
この中で、ちょくのしんが見ずに書いた大ウソの映画感想はどれだ!
くそヒマなやつはやってみてもいいかもね!