メインディッシュ「おやつ」
さて、3時のおやつの時間が近づいてきたので、おやつを食べるのに適した場所へ向かいます。
その場所とは…
河原です。
美空ひばりで育った世代であれば、川に向かうのは自然なこと。
散歩中に雨が降ったことで少々荒れています。
そんな川を眺めて食べるおやつといえば
クッキー…ではなくぽたぽた焼きです。
ぽたぽた焼きといえば裏に書かれている知恵袋!
「花を長持ちさせるには雑菌の繁殖を防ぐため、塩素系の漂白剤をいれる」。
まぁそうなんだろうけど、何となく趣を感じません。知恵袋はいつからこんな理にかないまくった知識を載せるようになったのでしょうか。
ぽたぽた焼きからも、正しさだけを声高に追及する現代人の闇を感じた瞬間でした。
ちなみに私のおばあちゃんのリアル知恵袋は「ものもらいになったら人から物を貰うと治る」ですが、これは完全にウソです。
このぽたぽた焼き、昔っからとっんでもない量入ってるなーって思ってたんですけど、こんなに食べたら飽きません??
ちゃんと数えてみたら12袋入ってました。人間、戦争を体験すると「少しでも量が多いものを買え」という嗜好になってしまうのでしょうか。
飽食の時代に生まれた私は、1枚でだいぶ満足しちゃいます。
この味もおいしいんですけど、いい加減違う味も食べてみたいと思うのは私だけではないはず!
なので、味変を試みてみました。
ズバリ、
「風味のするぽたぽた焼き」です。
今回はおばあちゃんの香りでおなじみ、線香を使います。
幸せの青い雲。
でもそれじゃあただの抹香臭いぽたぽた焼きじゃねぇか、と思う方。
大丈夫!
最近の線香にフレーバーがあるのはご存知でしょうか?故人の好きな香りで弔う、という方法が最近のBBA界では流行りのようです。
香り付き線香に流行りがあるところ、アロマが流行ったのと何か通じるものを感じました。
今回はコーヒーの香りがあったのでコーヒー風味のぽたぽた焼きを作ります!
ちょうど河原まできていたので、
まずは石を集めます。
BBAスタイルは、突然の河原作業も対応している優れものなので安心して河原にダイブしてください。
さて、気づいた方はいらっしゃいましたでしょうか。
神社でお祈りしてる時はあった時計が……
ない!!!!
私の腕に時計がありません。
何故ならこの時、時計が水没して死んだからです。
思わず「喪った物はもう、戻らない…」とつぶやいたのは言うまでもありません。
今思えば、時計をしていた時点でババカツをやりきれていない私の不始末だったと感じます。ババカツの際は徹底したババカツを行いましょう。
時計を河原に流した後は、香り付きのコーヒー線香に火をつけます。
集めた石で作った簡易の窯に全部つっこみ……
ぽたぽた焼きをセット!
蓋をしたら少し待ちます
線香がすべてなくなったらコーヒー風味のぽたぽた焼きの完成です!
それでは食べてみましょう!
うん…ぽたぽた焼きだ
残念なことに線香風味、コーヒー風味は微塵も感じませんでした。
窯作りが適当すぎたせいか…?とよくよく線香を確認すると
最近のお線香は煙がひかえめのようです。そりゃ無理だ!
この時以上に「控えるなよ」と思ったことはありません。
ぽたぽた焼の良い味変を知ってる方、いらっしゃいましたら次回のババカツに是非参加してください。
さて味変には失敗しましたが、ぽたぽた焼きにはもうひとつネックな点があるんです。
それは、
固い所です。
この硬さでは、総入れ歯になった時、とてもじゃないけれど噛み砕けません。
そういえばうちのおばあちゃんも、食べる前に手で砕いてた気がします。
ここは河原なのでやっぱり石を拾い……
ビービーエーって言ってる若者…
全員砕け散れ!
この状態にするのに30㎝の距離から8回くらい投げました。
2回目で当たらなかった時点でイライラしたから、ひょっとするともう更年期障害にさしかかってるのかもしれません。
固くて食べられないぽたぽた焼きもこのように細かくぶち割ることもできるので、散歩をする時は何かを喪ってでもぜひ河原中心に歩いてみましょう!
ババカツって、楽しい!
さて、ババカツがいかに楽しいか、伝わったのではないでしょうか!
私も思いのほか楽しんでしまい、なんだか社会のストレスから解放されたような気分になりました。
服装はオフィスカジュアルを着るよりもはるかに楽だし、時間はゆるやかだし……
ババカツって普通に楽しい!
良い趣味見つけたかも!
あっそうだ、生態調査のためにこの本も買ったんでした。
もっとババカツを徹底するために、読んでおきましょうか。
どれどれ…
「私もうBBAだから」なんて20歳そこそこで言ってるあなた、BBAとは私たちの数十年後の未来なのです。
今抱えている闇は、年を取っても解決しない事がたくさんあります。
ストレスを抱えているのは、自分たちの世代だけではないことを忘れないでください。
この本は、絶対に自分のおじいちゃんとおばあちゃんを想像しながら読んではいけません。
今後のババカツに影響を及ぼしかねなさそうだったので私は見て見ぬふりを決め込むことにします。
(おしまい)