作業の能率を上げたいなら童謡を聴きながら行うのがオススメです。

僕も先日、スマホで「アルプス一万尺」を聴きつつ仕事に励んでいました。

 

弾むメロディに合わせて手を動かしていると、歌詞のある一節に妙な引っ掛かりを覚えました。

 

アルペン踊りを 踊りましょう ヘイ

 

 

「踊りましょう ヘイ?」

 

 

 

「さあ 踊りましょう」じゃなかったっけ?

 

僕はこの箇所を「さあ 踊りましょう」で記憶していました。何気なく口ずさむ際も「さあ 踊りましょう」が自然に出てきます。

とはいえ「踊りましょう ヘイ」に対する違和感もさほどありません。それも間違いではない気がします。

 

もう一点気になることがあります。

先ほどのバージョンのアルプス一万尺では、1番の最後で「ラララララ」の後に「ヘイ」がありませんでした。

こちらもイメージとは反します。「ヘイ」は「踊りましょう」の後ではなく「ラララララ」の直後に来るのが妥当ではないでしょうか。

 

 

「さあ 踊りましょう」なのか。

 

「踊りましょう ヘイ」なのか。

 

「ラララララ」の後に「ヘイ」はあるべきか。

 

 

 

果たして何が正しいのでしょうか?

 

無性に気になってしまい、その日のオペは縫合まで辿り着きませんでした。

 


 

https://www.uta-net.com/song/13926/

歌詞検索サービスの最大手「うたまっぷ」では「さあ 踊りましょう」で記載されています。歌詞のどこにも「ヘイ」はありません。

その他の歌詞検索サービスも一様に同じです。

 

では「さあ 踊りましょう」が正式なのでしょうか。

先ほど僕が聴いたのは本物のアルプス一万尺ではなく、遊歩道のざらついたアスファルトに押し付けられたベビーカーの車輪が削れていく音に過ぎないのでしょうか?

 

実はそう言い切れない理由があります。

僕ではなく、曲の由来の方に。

 

アルプス一万尺は替え歌です。

アメリカ民謡の「ヤンキー・ドゥードゥル」を原曲に据えた替え歌が登山家たちの手で自然発生的に生みだされ、歌い継がれてきた経緯があります。

名のある作詞家がギャラのために原稿用紙の升目ひとつひとつに書き込み作詞したわけではありません。

難読漢字みたいな風貌のモサモサな山男たちがその場のノリで追加や改変を行ったおかげで、歌詞が29番まで存在します。むしろよく2桁で収められたものだと感心すら覚えます。

 

したがって日本語詞の作詞者は不詳です。

「さあ 踊りましょう」も「踊りましょう ヘイ」も、正解であり不正解とも言えます。

 

しかし僕を含めて多くの人たちが、「さあ 踊りましょう」で認識している。

 

知られざる謎に気付けたかもしれないと、内心ほくそ笑みましたが。

 

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤンキードゥードゥル

作詞者が不明であるため、歌詞は一定していない。確認されている最初の1956年の楽譜では「アルプス一万尺 小槍の上で~」「お花畑で昼寝をすれば~」「一万尺にテントを張れば~」の3節になっており[6]、NHK「みんなのうた」も同様で、音楽教科書などでも採用されている。

1番の歌詞の「踊りましょ」の部分を「さあ踊りましょ」とする歌い方が広く行われており、歌詞情報サイトなどでも「さあ」が入っているものが多数ある。上述の1956年の初出では「ヘイ」などの掛け声が入っていない[6]。

原曲のwikipedia記事で既に言及されていました。

僕だけの「踊りましょう ヘイ」と信じていただけに、酷く裏切られた気分です。

 

このままだと悔しいので、力技で実際の状況を調べてみます。

 

オモコロライターへのアンケート

 

オモコロライターに対し、アルプス一万尺の一番の歌詞をうろ覚えのまま書くようにアンケートを募集したところ39名の方にご回答いただきました。

お足元の悪い中ありがとうございました。

 

結果は以下の通りです。

 

内容 さあ 踊りましょう / 踊りましょう ヘイ ラララララ ヘイ 
アルプス一万尺 小槍の上で アルペン踊りを さぁ踊りましょう らんららんらんらんランランラン らんららんらんらんらんらん らんららんらんらんらんらんらん らんらんらんらんヘイ さあ 踊りましょう
アルプス一万尺、仔山羊の上で、アルプス踊りをさあ踊りましょう、ライラライラライライラィライ ライラライラライライ ライラライラライライライライ ライライライライライ♪ さあ 踊りましょう ×
アルプス一万尺 小槍のうえで アルペン踊りをさあ踊りましょう ランラランランランランランラン… さあ 踊りましょう ×
アルプス一万尺 こやりの上で アルペン踊りを さあ踊りましょう ランラ ランラン ランラン ランラン ランラ ランラン ランラン ラン ランラ ランラン ランラン ランラン ランラン ランラン ランラン さあ 踊りましょう ×
アルペン一万尺こやりの上でアルペン踊りをさあ踊りましょ♪ラーンラランラランランランラ♪ ラーンラランラランランラ♪ラーンラランラランランランラン♪ランランランランラ〜♪ さあ 踊りましょう ×
アルプス一万尺 こやりのうえで アルペン踊りを さあ踊りましょ ラーンラランラ ララララ ラーンラランラ ラララ ラーンラランラ ララララ ラララララーラ さあ 踊りましょう ×
隣のじっちゃんばっちゃんイモ食って屁して大事なパンツに穴開けた ジジイは殺されババアは自殺そしてパンツは穴の中 ???

 –

アルプス一万尺 小やりの上で アルペン踊りをさあ踊りましょ ランラランラン ランランランラン ランラランラン ランランラン ランラランラン ランランランラン ランランランランラン さあ 踊りましょう ×
あるぷすいちまんじゃく こやりのうえで あるぺんおどりを さあおどりましょ らんららんらんらんらんらんらん らんららんらんらんらんらん らんららんらんらんらんらんらん らんらんらんらんらん へい さあ 踊りましょう
アルプス一万尺こやりのうえでアルペン踊りをさあ踊りましょう らんららんららんららんららんららんららんらんら らんららんららんららんららんららんらら ヘイ さあ 踊りましょう
アルプス一万尺小槍の上でアルペン踊りをさあ踊りましょーランランラランランラン さあ 踊りましょう ×
アルプス一万尺 こやりの上でアルペン踊りをさあ、踊りましょ らんららんらんらんらんらんらん らんららんらんらんらんらん らんららんらんらんらんらんらん らんらんらんらんらん さあ 踊りましょう ×
アルプス一万尺 こやりの上で アルペン踊りを さあ踊りましょ ラーンラランラン ランランランラン ラーンラランラン ランランラン ラーンラランラン ランランランラン ランランランランラン さあ 踊りましょう ×
アルプス一万尺 小槍の上で アルペン踊りをさあ踊りましょう hey らんららんら らららら らんららんら ららら らんららら らららら ららららら さあ 踊りましょう ヘイ ×
アルプス一万尺小槍の上でアルペン踊りをさあ踊りましょ らーんららんらんらんらんらんらんらーんららんらんらんらんらん らーんららんらんらんらんらんらんらんらんらんらんらーん さあ 踊りましょう ×
アルプス一万尺 こやりの上で アルペン踊りを さあ踊りましょ らんららんらん らんらんらんらん らんららんらん らんらんらん らんららんらん らんらんらんらん らんらんらんらんらん へい! さあ 踊りましょう
アルプス一万尺こやりの上でアルペン踊りをさぁ踊りましょララランランランランランランララランランランランランララランランランランランランランランランランラン ヘイ さあ 踊りましょう
アルプス一万尺 こやりの上で アルペン踊りを さあ踊りましょ らーん ららー らー らーらーらーらー らーん ららー らーらーらーら らーん ららー らー らーらーらーらー らーらーらーらーらー さあ 踊りましょう ×
アルプス一万尺(じゃ~く) 小槍(こやり)のう~えで アルペン踊りを さーぁ踊りましょっ ラ~ンララン、ラ ラ・ラ・ラ・ラ ラ~ンララン、ラ ラ・ラ・ラ・ラ ラ~ンララン、ラ ラ・ラ・ラ・ラ 踊りましょ~よ へイ! さあ 踊りましょう
アルプス一万尺 小槍の上で アルペン踊りを さあ踊りましょう ランラランラ ランラランラ ランラランラ ラララ ランラランラ ランラランラ ラララララ さあ 踊りましょう ×
こちんこちんのピーナッツ 黄色のドカきちついてる軍手で皮肌ぞりりましょう でんろろろろろろろろろ びぃ ???  –
アルプス一万弱 お山のう〜えで アルプス踊りを踊りましょ らーららーららーららーららららーらーららーららーらーらーらーらーらーらーらーらーらーらーらーらーらーらーらー 踊りましょう ×
アルプス一万尺 小槍の上で アルプス踊りをさあ踊りましょ らんららら らららら らんららら ららら ららららら さあ 踊りましょう ×
アルプス一万尺 小槍の上で アルペン踊りをさあ踊りましょ ララララララララ ラララララララ ララララララララ ララララララ さあ 踊りましょう ×
アルプス一万尺 こよりの上で アルペン踊りを さぁ 踊りましょ ラー→ラララ ララララ ラー→ラララ ラララ。 ラー→ララ ララララ ラ→ラ↑ ラ→ラ↑ ラ さあ 踊りましょう ×
アルプス一万尺 こやりの上で アルペン踊りをさあ踊りましょ(ヘイ) ラーラランラン ランランランラン ラーラランラン ランランラン ラーラランラン ランランランラン ラーラランラン ランランラン(ヘイ) さあ 踊りましょう ヘイ
アルプス一万尺小槍の上でアルペン踊りをさあ踊りましょうランラランランランランランランランラランランランランランランラランランランランランランランランランランランヘイ さあ 踊りましょう
アルプス一万尺 こやりの上で アルペン踊りをさあ踊りましょう ランラランラン ランランランラン ランラランラン ランランラン ランラランラン ランランランラン ランランランランラン さあ 踊りましょう ×
アルプス一万尺 小槍の上でアルペン踊りを さあ踊りましょう ランラランランランランランラン ランラランランランランランラン ランラランランランランランラン ランランランランラン ヘイ さあ 踊りましょう
アルプス一万尺 小槍の上で アルペン踊りをさあ踊りましょ ランラランランランランランラン ランラランランランランラン ランラランランランランランラン ランランランランラン ヘイ! さあ 踊りましょう
アルプス一万尺、小槍の上でアルペン踊りをさあ踊りましょ。ランラランラ ララララ ランラランラ ラララ〜 さあ 踊りましょう ×
アルプス一万尺 小槍の上で アルペン踊りをさあ踊りましょ ヘイ! ランラランラ ランランランラン ランラランラ ランランラン ランラランラ ランランランラン ランランランランラン ヘイ! さあ 踊りましょう ヘイ
アルプス一万尺 こやりの上で アルペン踊りを さぁ踊りましょ ランラランランランランランラン ランラランランランランランラン ランラランランランランランラン ランランランランラン さあ 踊りましょう ×
アルプス一万尺 こやりの上で アルペン踊りを さあ踊りましょう ララララララララ ラララララララ ララララララララ ラララララ ヘイ ヘイの前って「ラララララ」でしたっけ。何この違和感。怖。 さあ 踊りましょう
アルプス一万尺 小ヤギの上で アルペン踊りを さあ踊りましょう ランラランランランランランラン ランラランランランランラン ランラランランランランランラン ラララララ さあ 踊りましょう ×
アルプス一万尺こやりの上でアルペン踊りをさぁ踊りましょ ラーンラランランランランランラン ラーンラランランランランラン ラーンラランランランランランラン ランランランランラーラン HEY! さあ 踊りましょう
アルプス一万尺 小槍の上で アルペン踊りをさぁ踊りましょう さあ 踊りましょう ×
アルプス一万尺 仔山羊の上で アルペン踊りを さあ踊りましょう ランラランランランランランランランラランランランランランランラランランランランランランランランランランラン さあ 踊りましょう ×
アルプスいちばんじゃく こやりのうーえで アルペン踊りをさあ踊りましょ ヘイ! ラーンラランラン ランランラン ラーンラランラン ランランラン ラーンラランラン ランランランランラン さあ 踊りましょう ヘイ ×

 

各々の記憶に刻まれるアルプス一万尺をあるがまま披露していただきました。

しかし、以下の二名には質問の意図が伝わらなかったみたいです。

 

隣のじっちゃんばっちゃんイモ食って屁して大事なパンツに穴開けた ジジイは殺されババアは自殺そしてパンツは穴の中

オモコロってまだ「ジジイは殺されババアは自殺」とか書いていいメディアでしたっけ。

読者の中に本当にそういう家庭で育った方がいて、庭を掘り返したら土の中から朽ちて紐になったビキニが出てくる可能性も否定できません。無論、じっちゃんの趣味によっては最初から紐なことも考えられます。ちなみに僕の地域だと「残ったパンツは博物館」でした。

 

こちんこちんのピーナッツ 黄色のドカきちついてる軍手で皮肌ぞりりましょう でんろろろろろろろろろ びぃ

この回答においては替え歌としても全然うまく歌えず、しばらく寝汗の夜が続きました。何回か練習して、ようやく「こちんこちんのピーナッツ」「アルプス一万尺」に対応すると分かり、うまくメロディに乗せられました。だとしてなんなんだ。

 

さてこのお友達を除いたほぼ全ての回答で、当該箇所のパターンが一致していました。

 

「さあ 踊りましょう」。こちらが圧倒的に優勢です。

 

「さあ 踊りましょう ヘイ」というような複合パターンも4件見受けられます。

 

「ラララララ」の後の「ヘイ」についてはまちまちの結果でした。

若干「ヘイ」なしの方が上回っているようです。

しかし1番の最後まで書くように指示しなかったせいで回答に振れ幅が出たため、判断材料としてはあまり信用できません。

 

 

ともかく、オモコロライター達の間では「踊りましょう」の前に「さあ」を置くイメージが広く共有されていることは確かです。

とはいえ母集団が母集団なだけに、これだけで調査を終えるには偏りが無視できません。

 

サブスクで配信されているアルプス一万尺

 

続いては商業ベースで発表されている楽曲を調べていきます。

今回は僕以外使ってるところをマジで見ない音楽配信サービス「AWA」で配信中の「アルプス一万尺」を調査対象とします。

ちなみに読者でAWA派の方がいましたら是非お声掛けください。尊敬の念を込めてエスと呼ばせていただきます。

そして僕と一緒に「公開プレイリストの曲少なすぎ」とか「時々サーバに全然繋がらなくなるアレなに?」とかの話題で大いに盛り上がりましょう。なんで僕このサービス使い続けてるんだろう。

 

話を戻しますが、以下で調べた楽曲の一部を抜粋して紹介します。

 

「ドラえもんのうた」で有名な山野さと子さん歌唱による版では「さあ 踊りましょう」でした。

山野さんバージョンの曲は数多くの子供向けソングのアルバムに収録されています。サブスクで「アルプス一万尺」と検索した際もこの曲がトップに登場します。

つまり今の子供達は「さあ 踊りましょう」のバージョンを耳にする確率がかなり高いわけです。

 

一方こちらは、NHKの「みんなのうた」内で発表されたバージョンです。

おそらく「アルプス一万尺」が一般に広く知られるきっかけになった曲でしょう。山野さんバージョンとは反対に「踊りましょう ヘイ」でした。

みんなのうたで放映された年は1962年で、60年以上も前です。今の60代以上の大半は「踊りましょう ヘイ」のバージョンを最初に聞いた可能性が高いと推測できます。

 

 

アレンジ違いにも範囲を広げて調査を行っています。こちらはヘヴィメタルバージョン。

エレキギターを激しく掻き鳴らしたりドスの効いた潰れ声で歌唱したりと、ジャンルの特色を織り込んだアレンジがされていますが、淡々と聴いているうちに「フフ……一所懸命頑張ってヘビメタっぽくしてる……こっちは「さあ」や「ヘイ」があるか調べてるだけなのに……」という良くない感情が沸き起こりました。音楽はちゃんと心で向き合って楽しむべきですね。

 


 

というわけで片っ端から楽曲を聴き漁った結果が以下の表です。

 

アーティスト さあ 踊りましょう / 踊りましょう ヘイ ラララララ ヘイ 
山野さと子 さあ 踊りましょう ×
世界のこどもうた 踊りましょう ヘイ ×
キッズソングドリーム さあ 踊りましょう ×
NHK東京児童合唱団 踊りましょう ヘイ ×
速水 けんたろう 踊りましょう ヘイ ×
うたスタ さあ 踊りましょう ×
制服向上委員会 さあ 踊りましょう
いっちー&なる(ボンボンアカデミー) さあ 踊りましょう ×
指揮:北村 協一/ビクター少年合唱隊 踊りましょう ヘイ ×
ROCO さあ 踊りましょう ×
ゆめある&キッズソング ドリーム さあ 踊りましょう
ダークダックス さあ 踊りましょう ×
きんか うぃず あ よーん 踊りましょう ヘイ ×
東京少年少女合唱団 踊りましょう ヘイ ×
キッズプランナー さあ 踊りましょう
レインブック さあ 踊りましょう ×
立川 清登/二期会合唱団 踊りましょう ヘイ
新田杏樹/伊藤ちゆり/すがも児童合唱団 さあ 踊りましょう ×
日本合唱協会 さあ 踊りましょう ×
ニキビを潰して髭を剃る さあ 踊りましょう ×
タンポポ児童合唱団/ザ・ブレッスン・フォー 踊りましょう ヘイ ×
SideWinDer さあ 踊りましょう ×
小島よしお さあ 踊りましょう ×
童謡キッズチャンネル さあ 踊りましょう ×
ワクワクギルル~倭国乙女~ さあ 踊りましょう ×
璃杏 踊りましょう ヘイ ×
Marimo さあ 踊りましょう ×

 

全27曲のうち「さあ 踊りましょう」は18曲。

2/3を占めるという結果になりました。商業ベースにおいても「さあ 踊りましょう」が圧倒的に優勢であることが窺えます。

また「ラララララ ヘイ」についてはたったの4曲しか見つかりませんでした。

 

 

更に、結果を見て興味深い点に気づきました。

 

合唱団による歌唱が6曲ある中で、そのうち5曲が「踊りましょう ヘイ」となっています。

合唱団というとストイックでお堅いイメージを浮かべがちですが、その実、案外ノリが良いこともあるみたいです。

 

 

一方、童謡歌手によって歌われている楽曲は「さあ 踊りましょう」率が高いです。これに関しては後述する内容が関係してそうです。

 

サブスクでの調査は以上です。

まだ実績として不十分なため、更に調査範囲を広げてみます。

 

YouTubeに投稿されているアルプス一万尺

 

最後にYouTubeに存在する「アルプス一万尺」の動画も調べてみました。

 

方法は単純。

YouTubeで「アルプス一万尺」とか「アルプス一万尺 発表会」とか「アルプス一万尺 娘」とか「アルプス一万尺 息子」とかで検索し、ヒットする動画を視聴するだけです。

この方法はアルプス一万尺以外にも広く応用できますが、諸般の理由から割愛させていただきます。

 


 

というわけでアルプス一万尺が歌われている動画を片っ端から視聴しました。

流石YouTubeなだけあって投稿内容もバラエティも豊かです。

 

 

こちらはボイスロイドたちに29番まで合唱させている動画です。ラブリー。

1番の「さあ 踊りましょう」を確かめた後で2番以降も聴き続けましたが、アルプス一万尺ってつくづく良い歌ですね。

19番の「槍や穂高はかくれて見えぬ 見えぬあたりが槍穂高」が、北アルプスの雄大さをトートロジーを用いながら簡潔に表現していて痺れました。あやかりたいものです。

 

次にガチャピンがアルプス一万尺を歌うこの動画。

「さあ 踊りましょう」であるのは一旦置いとくとして、再生時間が長いので2番3番まで歌ってくれるのかと期待していました。

ところが合間にトークを挟みつつ同じ1番を繰り返し歌うという三木道山のディナーショーみたいな真似をした挙句、何故か最後はジャカジャカジャンケンで幕を閉じるやりたい放題っぷり。

大体お前の持ちネタじゃないだろそれ。

 

中野区の公式チャンネルで公開されているアルプス一万尺。

こちらも「さあ 踊りましょう」のバージョンです。

二人の保育士さんが向かい合い、スト2のデモ画面と同じ画角で手遊びを繰り広げています。

微笑ましい映像ですが、現在約6400回しか再生されていません。

これでは中野区の過疎化が気掛かりです。皆さん上京する際はなるべく中野区に居を構えましょう。

 

 

男子高校生が目にも留まらぬ速さで手遊びに興じています。

12年前に投稿されているせいか背景から漂うノスタルジーが凄まじい。見てるだけでリプトンレモンティーの味が口いっぱいに広がりそうです。

動画の子たちも現在はアラサー。どんな大人に成長しているでしょうか。

きっと今は休み時間になってもアルプス一万尺で遊ばず、ミリオンアーサーに夢中だと思うと胸に穴が開いたように寂しいです。

 

 

ポケモン公式からもアルプス一万尺が投稿されていました。

こちらは珍しく「踊りましょう ヘイ」となっています。京都の企業らしく伝統と格式を重んじているのでしょうか。

しかも10番まで存在し、歌詞に合わせてポケモン達による寸劇が賑やかに展開される手の込みよう。流石は巨大IPのなせる業といえます。

「我ポケモンぞ?単純な手遊びなんかでお茶を濁さぬぞ?」という自信が伝わってきます。

 


 

探し続ければ際限がないので上記も含めて30本ほどの動画を調べたところ、驚くべき結果が表れました。

 

「踊りましょう ヘイ」のバージョンは、たった2本しかありません。

30本中2本です。

 

ほぼ全てが「さあ 踊りましょう」。

 

一般の方も投稿する媒体で、まさかこれほど偏りが生じるとは思いませんでした。

 


 

 

YouTubeに存在する「アルプス一万尺」は、その多くが「せっせっせーのよいよいよい」で始まる手遊びとして歌われています。

そして手遊びでは確実と言っていいほど、「さあ 踊りましょう」が採用されています。

 

したがってYouTubeにおいてパターンが「さあ 踊りましょう」に集中するわけです。

 


(△「手」と「遊び」の参考画像)

 

なぜ手遊びだと「さあ 踊りましょう」に限定されるのか?

 

無い知恵を絞って考え抜き、一つの結論にたどり着きました。

 

つまり。

 

手遊びにおいて「踊りましょう ヘイ」はあまり気持ち良くないということです。

 

 

順序立てて説明いたします。

「さあ」の場合はリズムが途切れずに「踊りましょう」へと繋がります。

 

一方「踊りましょう ヘイ」の場合は「ヘイ」の前後で一旦リズムが断絶されてしまいます。

「お・ど・り・ま・しょ。ヘイ!」のように「ヘイ」を唱える際に力が入りすぎてしまうのです。

 

最後を「ヘイ!」で締めるのは達成感があり爽快ですが、中盤で「ヘイ」が挟まりリズムが崩れると落ち着かない印象を受けます。

 

それを避けるために自然と「さあ 踊りましょう」が選ばれて今に至るのではないかと推測します。

 

完全な憶測で根拠はありませんが、まあそんな感じかと。

 

ただし言葉だけでは実感が伴いません。

 

上記の仮説を証明すべく、実際に「踊りましょう ヘイ」の方を歌いながら手を動かす動画を撮影いたしました。

YouTubeに投稿された「踊りましょう ヘイ」の手遊び動画としては唯一ではないでしょうか。

 

こりゃするしかないかもな、刮目。

 

果たして本当に「踊りましょう ヘイ」は手遊びと相性が悪いのか?

答えは以下の動画で確かめてください。

 

 

 

どうでしょう?

 

おそらく読者の皆様と僕とで同じ感情を共有できたはずです。

 

やっぱり「踊りましょう ヘイ」だと全く気持ち良くない!!!

 

むしろ不快感が増した気がして、苛立ちが吐き気となって食道を駆け上がり一目散にビニール袋を目指します。

動画をご覧になってない方は「言い過ぎじゃないか」と訝しむでしょうが、ぜひ視聴をお願いします。僕の言葉に納得いただけると思います。

 

 

やはり手遊びでは「さあ 踊りましょう」に軍配が上がりますね。

試して正解でした。

 


 

 

いかがだったでしょうか。

結局「アルプス一万尺」はどの媒体においても「さあ 踊りましょう」が圧倒的多数であることが分かりました。

あんまり調べる意味なかったっスね。兄貴。

 

でも調査の過程で「アルプス一万尺」の手遊びを完全マスターしたので、これから近所の児童館で小学生相手に無双してきます。

次はアルプス一万尺の痛い香具師晒しスレの>>5-7辺りでお会いしましょう。