皆さんこんにちは、田中三友です。
突然ですが、皆さんの実家に足踏みミシンはありますか?
僕にはあります。
しかもただの足踏みミシンではありません。
「 MADEIN OCCUPIED JAPAN
(占領された日本製) 」
戦後の1947〜1952年の間に生産されたものに限り書かれているものだそうです。
国産初の足踏みミシンの製造が約100年前らしいので、70年前はやや古参と言えます。
そのせいか「AZIA」という謎のメーカー(製品名かもしれない)はインターネットでもほぼヒットしません。
そんなロマンの塊がただのインテリアとして置かれている現状。
この田中三友が黙っているわけにはいきません。
ということで本日はこちらのヴィンテージミシンを蘇らせたいと思います!!!!
修理の第一歩
といっても直し方を調べても当然出てこないので勘で取り組みます。
有識者の方がいたら優しくしてください。
まぁまずは掃除でしょう。年季がすごいんだから。
わお、すっごい汚れ。
穴という穴にホコリが詰まりきっている……
裏側も開けると……
汚ね〜〜〜〜!!!!
とこんな調子で、ありとあらゆる箇所をピカピカにしました。
修理の二歩目
続いて油を刺します
それっぽいお店に行ったらミシンオイルという物が売っていたので、わからないなりに油を差さないといけないことだけはわかりました。
先ほどホコリを取り除いた穴から油を差していきます。
掃除のとき(なんでわざわざホコリが溜まるように上に穴が空いてるんだ……)と思いましたが、多分このメンテナンス用だと思います。
機械って合理的に作られてるはずなので。
さらに足踏み部分の動きそうなところにもガンガン塗っていきます
ちょっと揺れるたびにギコギコいってうるさかったし間違ってたとしても知らーーーーん!!!!
ということで少しでも音が鳴った部品全てに油を差してみました。
動作確認
では現時点で一旦動かしてみましょう。
せっかく掃除をして、油を差したと言っても壊れていたら元も子もないので。
まずは足踏み部分から
スルーーーーーーーーーーーーッ
うおおおおおおお!!!!!!
これぞ文明の利器!!!!!!
音もなくスムーズに回りました
続いてミシン部分。
ミシン内部の修理は全く行っていないので正常に動くのか……?
シャシャッ
きたあああああああ
ハンドスピナーかと思うほどツルツルです
修理は目前!
脳内に懐かしの勝利確定BGMが流れてきました。
残す問題はあと1つ!!!!
それは……
ベルト!!!!
足踏みの動力をミシンに伝えるために間に掛けるベルトが必要なのです。
元々ついていたものは数十年間の湿気を吸いまくり朽ちていたので交換が必要です。
触っただけで手に汚れがつく。なんだこれ。
そして用意周到な僕はなんとAmazonで注文しておきました
じゃじゃーーーん!!!
ミシンオイルが売ってたお店では「ミシンに合った長さで注文する形になるので当日はちょっと……」って言われたけど
Amazonなら買えちゃう!!!!神!!!!!!!!!
ということでこれを掛ければ……
掛ければ……………
…………………
長さが足りない!!?!!?
ふんっっ
おらあああああ
はぁあああ!!
足りない!!!!!!
あれ………話が違くね………?
ミシン屋さんの言ってたことって、もしかして正しい……?
・
・
・
修理は目前!ではなかった
おはようございます。翌日です。
昨日はお見苦しいところを見せてしまいました。
相変わらず当日ではミシンベルトは購入できなかったので、ベルトの代わりになりそうなものを買ってきました。
今日こそミシンを直すんだ……
これでどうだ!!!!
量り売りの紐
ホームセンターで量り売りされていた紐です。
ちょうどパーカーの紐のような質感です。
ホームセンターのお兄さんに「この中で摩擦が大きい素材ってどれですかね……」と謎のオーダーして3m分入手しました。
3mだぞオメェ。
早速セッティングが完了しました。まず長さ問題はクリア。
えーっと、素材の布がないな……
これでいいか。
それでは使ってみましょう。
ズッ
あれえ……
紐自体はちゃんと回転していますが、ミシン部分がツルツル滑って実用には程遠い様子が確認できます。
せっかく布を用意しても、
手で回して縫うしかないじゃねーか!!!!
修理への道のりは遠そうです。
………ッスーーーーー
まあまだ想定内……です…………
なわとび
次はDIASOで購入したなわとびです。
伸縮性に加え、表面はゴムのように滑らない素材であることからポテンシャルは十分。
しかも念には念をと思い、大縄跳び用の長いものを買ってきました。
これは大穴なのではないでしょうか。
ピンクでかわいいな。
先ほどの紐に比べるとミシン→足踏みの動力は伝わっています。
行けるぞ!!!
この際、この服もしゃーない!!!!
チョキチョキ
スーーーー
しかし、足踏み→ミシンが紐と同じく伝わりません。
んだこれ!!!!裁断損じゃねーか!!!!
指でミシンを回す能力が上達してきました。
……ま、まあ100円で代用できたら??正規品がある必要がないわけで????
続いては最後の購入品。もう後がありません。
これは使いたくなかったがもう手加減しないぞ……
ミシンモーターセット
満を持して登場したのはミシンモーターセットです。
足踏みミシンに取り付けて電動に改造できるという一世を風靡した逸品だそうです。
世の中いろんな需要があるんですね。
何がなんでも、絶対に動かす………
早速取り付けましょう。
説明書によると、この位置にネジで固定するのか……
あれ………?
なんとネジ穴でもなんでもないただの穴しかありませんでした
嘘でしょ。
…………ホムセン行くぞ!!!!!
こういうときの人間の行動力はピカイチ。ホームセンターへひとっ走りして良い感じの部品を購入してきました。
ハァ…ハア……ただでは転ばないぞ……
古すぎて対応していないのか、メーカー的に対応していないのかわかりませんが、なんとか設置しました。
よし!あとはこれを踏むだけ!!!!
それでは電動に早変わりした足踏みミシンをご覧あれ!
ウィーーーーーーーーーン
おおおおぉぉぉおおおお!?!?
さすが電動。馬力が申し分ありません!
よっしゃ行くぞ!!!!!
チョキチョキ
ウィーーーーーーーーーーーン
こちらは本体をガッチリ抑え片手で生地を送ることができれば、問題なく縫い進めることができます!!!
ミシンとして初めて機能しました。
これにて修理完了!!!
戦後のミシンが現代に復活しました!!!
よし!!!!これで足踏みミシンの修理ができたぞ!!!!
足踏みミシン…………..?
………………….
……これ、「足踏みミシン」ではなくなったよね……?
これは修理成功と言っていいのか………?
……………………
あ、そうだ……….!!!!!!!
・
・
・
革ベルト
滑り込みでエントリーしてきたのは腰に巻く革のベルト!!!!
正規品のベルトも本革が使用されており素材としても申し分ない上、どこでも安価に入手できるという点が素晴らしいです。
細く切ってつなげることで長さと細さを実現しています。
こんな近くにこんな最適なものがあったじゃないか!!!!
ちなみにこちらが副産物のバックルです。
その性能は………?
ゴウンゴウンゴウンゴウン
全く滑らず、綺麗に動力を伝えています!!
行くぞ!!!!!
チョキチョキ
ゴウンゴウンゴウン……
分厚い生地をもろともせず縫い進んで行きます!
よっしゃあ!!!!!
ゴウンゴウンゴウンゴウンゴウン……
やっぱり足踏みミシンはこうでないといけないですね
こちらが文句なしの第1位!
改めて、これにてミシン修理完了!!!!!
修理完了!!!!
これが戦後のミシンの復活した姿です!!
やはり、革が使われているものには革を使うのが一番いいということですね。
いかがだったでしょうか。
紆余曲折ありましたが、なんとか修理することができました!
70年以上前のものでも意外と動くものですね……!!!
「AZIA」の情報がなさすぎて、中が少しでも壊れていたら修理はできなかったと思います。
保存環境が相当良かったのかな。すごい。
……あ、この姿ですか?
そりゃもちろん、このミシンで作ったマスクと上下の服ですよ。
このおしゃれっぽい上着から作った、
布マスクと、
赤いパーカー、水色のジーパン、紺色のスウェット、チェックのズボンから作った、
新星スウェット
そして新星ズボンです!!!
これらが完成しなかったら危うく家に帰る服がなくなるところでした。
といっても寸法は細かく決めずに継ぎはぎしかやってません。
なのでリメイクというより手術、なんならキメラを作っているような不思議な感覚でした。
ということで70年前の足踏みミシンを修理して、見事に服をリメイクすることができました!!
裁縫って面白い!!!
ベルトを巻いているそこのあなた!ぜひお試しあれ!!!!!