はじめまして、タケです。
突然ですがみなさん、絵本読んでますか?
僕は成人男性にして現役の2歳児と同じくらい絵本を読むというプライベートでは他言できない日々を送ってるのですが、この歳になって絵本を読むからこそあることに気づいたんです。
絵本ってクレイジーだなと。
幼児向けだからこそ許された、彼らだけが楽しめる世界の不安定さ、ストーリー展開の豪快さ、言葉の自由さが、脳が育ちきってしまった大人からすると「ヤバいな」という感想に変わります。
そこで今回は「この絵本が凄い!ヤバい!」と題して、僕が今まで読んできた絵本の中からこれはヤバい!けど普通に絵本としておすすめ!というものをランキング形式で5つ発表していきます。
第5位 100ぴきのいぬ 100のなまえ(作・絵:チンルン・リー 訳:きたやまようこ 出版社:フレーベル館)
第5位はこちらです。100ぴきのいぬ 100のなまえ (ほんやく絵本)
良いんですよこの絵本。
内容はあらすじもなにもなく、犬を100匹飼っている女性が、100匹分の名前を紹介していくというものです。内容はほぼそれだけです。
冷静に見るとなかなか挑戦的なコンセプトですよね。
では内容を少し引用して見ていきます
こうして紹介される記念すべき1匹目の名前なんですが
もわもわ
いや、ぎりぎり犬の名前の範疇ではあるとは思うんですよ?
ただ冷静に考えてみてほしいんですけど、100匹いる中の1匹目に何を持ってくるかとなった時に「もわもわ」を選ぶってかなりヤバくないですか?
普通だったら1匹目は「タロウ」だとか「ポチ」だとかベタな名前にしてから、だんだんと遊んでいく感じにすると思うんですよ。
そうなると残りの99匹の名前はどうなんだって話じゃないですか。
ネタバレになるので、あんまり載せるわけにはいかず一部ですが
ちゃんと
いつも
1発目に「もわもわ」とか変化球持ってくるから!
「ちゃんと」と「いつも」って!
もはや犬の名前としてどうなんだというラインナップです。
そして圧巻なのは後半のこのシーンです。
もちろん100匹の名前は読んでのお楽しみなので隠しますが
そこそこ離れた家に向かって100匹の犬の名前を全て叫ぶシーンがあるんです、こんな細身の女性なのに喉が異常に強いです。
実際に声出して読んでみたのですが、100匹全て呼び終わるまで1分12秒かかりました。
しかも「私はいつもこうしてるの」ってな感じなんですよ。
実際に読んでいると、張られてもいない伏線が回収されるように100匹全ての名前が見開き1ページに解き放たれていて絵面としても新鮮でヤバいです。
100匹全員来ますしね。
紹介した以外にも結構おかしな名前の犬が登場するので、是非読んでみてください。
ちなみにこの絵本の著者の方は犬を6匹飼っているそうです。名前が気になりますね。
第4位 にげだした ひげ(作・絵:シビル・ウェッタシンハ 訳:のぐちただし 出版社:木城えほんの郷)
第4位はこちら。にげだしたひげ
体の一部が伸びたり大きくなったりってのは絵本では結構見られるのですが、これはその部分が突き抜けていて絵面がずっと凄いんですよ。
お話の舞台はスリランカのとある村なんですけど、この村の老人は全員ひげを伸ばしてるんです。
ひげを伸ばしてる理由なんですが、髭剃りもハサミもなかったからと書いてあります。
素直に笑ってしまいました、しかも生活に支障がでるくらいの長さになったら包丁はあるからそれで切るらしいです。
ストーリーとしては色々あって1人の老人のひげが逃げ出してしまいます。
そのひげが逃げてる様子なんですけど
スゴくないですか?
迫力がヤバいんですよ、ネコも巻き込まれてますし。
怒涛のひげの逃げが見られます。
自由度が高い絵本の中でも、ここまで振り切った絵は中々見られません。
是非実際に読んでもらいたい1冊です。
第3位 もけら もけら(文:山下洋輔 絵:元永定正 構成:中辻悦子 出版社:福音館書店)
第3位はもけら もけらです。
これはもうこの世で最も説明が難しい絵本です、まともな日本語がほぼ出てこないんですよ。
なので見てもらうしかないです、もちろん絵本のほんの一部ですよ。
ぺたら
しゃばた ぱたさ
えぺぺ てぺぺ
ごあら
?
へ?
絵も文章も全く意味が分からず、未開の地の原住民の祭りに巻き込まれた気分になりました。
絵本らしいといえば絵本らしい自由さなのですが、大人が見ると意味を掴もうとしてしまい失敗するんだと思います。
幼児って言葉が不完全なので、未完成の言葉を発するじゃないですか、なんというか感情をそのままダイレクトに音として、リズムとして伝えてくる感じがあると思うんですよ、幼児のそのあたりと親和性がある絵本なのかなと思います。
しかし最初読んだときは、純粋にこれを作った作者、これを販売しようと思った出版社は攻めすぎなんじゃないか?と思いました。
白い不格好な丸3つの下に「ごあら」ってなに?
ねぇ、ごあらってなに?
たぶん答えは幼児しか持っていないか、この世にないかだと思います。
第2位 ねこガム(作・絵:きむらよしお 出版社:福音館書店)
第2位はねこガムです。
これはとても短い絵本なのであまり詳しく紹介できないのですが、かなりヤバいです。
今まで読んだ絵本の中で一番笑いました、しかもオチでめちゃくちゃ笑います。
本当に面白いのは物語の後半からなのですが、そこに至るまでも凄いです。
まず男の子がガムを噛んでいます。
チューインガムを膨らませます。
ねこガムというタイトル通り(?)ガムが猫になりました。
この時点で少しおかしいですよね。
でも問題はこの次です。
!?
ええ!?!?!?
食うの!?!!?
こんな展開あります?
この世にこんな展開のものって他にあります?
怖すぎませんか?
怖すぎませんか?
どうにか手に入れて続きを確認して欲しいです。
第1位 大地の主のものがたり~みみずのすべて~(作:ジャネット&アラン・アルバーグ 訳:佐野洋子 出版社:文化出版局)
堂々の第1位はこちら、大地の主のものがたり―みみずのすべて。
みみずが主役のこの絵本、かわいい絵柄とあたかも常識人が書いたような文体でずっと頭がおかしな事を言い続けています。
まずこれを見てください、普通絵本でこんな文章はありえないんですよ。
ありえないんですよ。
「みみずの知能指数は低い」なんて子供向けの絵本に書くことじゃないじゃないですか、しかもめっちゃ漢字で。
この時点で凄い絵本に出会ったぞという感じだったんですが、ここからも凄いんです。
どんなミミズ?
もう思い込んでるどころじゃありません。
ほぼフランスパンになっちゃってる。
この絵本はこういうことを当たり前のようにやってくるので一切油断できません。
確かに
確かにおもしろみには欠けるけど、しっぽだけのみみずってなに?
珍しい?
まずミミズを耳の聞こえる聞こえないで分けてますからね、ミミズの聴覚に注目してるの凄いです。
まぁミミズに聴覚はないんですけどね。
まだまだあります。
ちょっと待ってくれ
絶対飲み込む途中で「あれ、これ違うな」って思えただろ。
あと余談なんで読み飛ばしちゃって構わないんですが、これ絵本としての知育の役割もちゃんと果たしてて凄いんですよ。
ちょっともう1回絵をマジマジと見てもらっていいですか。
この絵を見た瞬間、「体が鍵の形に変形してる」という事から「鍵を飲み込んだという過程」があったことを想像できた思うんですよ、というか脳が勝手にそう処理したと思うんです。
結果から原因を導き出す作業って物事の仕組みを感じ取る訓練になると思うんですけど、それが絵本を楽しみながら自然とできるという神仕様です。
なんかツボだったところです。
万里の長城の建設を一部始終って、ミミズの寿命持ちます?
ほぉ~~。
ヤバくないですか?
頭おかしいようで結構まともに面白いんですよね。
大人が読んで普通に面白いのに、子供もめっちゃ楽しめるようになってて1冊通して読むと絵本として超良いんですよ。
ずっとこの感じで30ぺージありますからね、作者凄すぎ、1938年生まれの夫と1944年生まれの妻のイギリスの夫婦による共著ですよ?
どんな夫婦なんですか、愛し合った2人が結果この絵本生み出すってどういうこと?
僕の中ではぶっちぎりの1位でした、是非読んでみてください。
最後に
いかがだったでしょうか、絵本の世界結構ヤバくないですか?
小さなお子さんがいる方は、こういうちょっと変わった絵本を読んであげてみてください。
意外と心に残りますし、変なものを見るって脳が気持ちいいので、何の科学的な根拠も持ち合わせてないですがプラスも結構あるんじゃないかなとか思ってます。
紹介した5冊は本当オススメなのでぜひ読んでみてください!
ふぅ・・・やっぱり絵本っていいなぁ・・・
もう僕も23歳、将来の事何も考えてなかったけど、好きな事を思いっきりやってみるか!
よし!絵本作家目指そう!描くぞ~~~~!!
諦めよ。(描いた絵は子供とキリンとツバメです)
(おわり)