僕は「誕生日」が好きです。生まれてきたことを祝ったり祝われたりするのが好きなのではなく、誕生日という概念そのものが。この世の全員が、自分で選んだわけでもないランダムな日を「誕生日」として受け入れている事実がなんかツボなんですよね。だから中学生の頃は同学年の生徒全員(約200人)の誕生日を記憶していましたし、今もオモコロライターの誕生日はあらかた把握しています。

そして誕生日について考える時に避けては通れないのが、「一番かっこいい誕生日は何月何日か」という問い。みなさんも考えたことはありませんか? この日はなんかかっこいいなとか、もし誕生日を好きに選べるならこの日にしたいとか。僕もこの問題には一度腰を据えて向き合わねばと思いつつ、日々の雑務に忙殺されて先延ばしにし続けてきました。しかし、ついに答えを出す時が来たのです。2024年・初夏。今年の夏は暑くなりそうです。

 

前置き

一番かっこいい誕生日を決める前に、「そもそもかっこいい誕生日とは何か?」というところから話を始めましょう。

大前提として、僕が思う「誕生日のかっこよさ」とは「誕生日それ自体のかっこよさ」であり、「その誕生日に生まれた人のかっこよさ」は関係ありません。例えば1月1日生まれにかっこいい人が多いとしても、「1月1日=かっこいい誕生日」とはならないということです。あくまで「1月1日」というフレーズそのものに魅力を感じた場合のみ、「かっこいい誕生日」として認定するものとします。そういう意味で、かっこいい誕生日を決めるのは占いや統計とは異なる行為です。

こう言うと「それはかっこいい誕生日というより、『かっこいい日』を決めているだけではないか?」と思われるかもしれません。よい指摘です。確かに誕生日は、突き詰めればただの「日」でしかないでしょう。しかし僕が思うに、日とは単なる時間の区切りに過ぎず、そこにかっこいいもかっこ悪いもありません。なぜ「誕生日」でなければならないのかというと、そうやって人間的な価値観にあてはめることでただの日に神性のようなものが宿り、初めてかっこいいかどうかという評価を下せるようになるからです。「誕生日は『日』の擬人化である」と考えていただければわかりやすいかもしれません。

 

誕生日のフリー画像

そうして366日分の誕生日を頭に思い浮かべた時、とりわけ僕の琴線に触れる日があります。この日はなんとなくいかしてるとか、情緒があるとか、ただならぬ気配がするとか。この記事では、そういう「何か気になる日」を総称して「かっこいい誕生日」と呼ぶことにします。

ではどうやって「かっこいい誕生日」を導き出すかというと、これはもう完全に感覚です。数字の並びや時節柄などその日にまつわるイメージを頼りに、かっこいいのかそうでないのか、かっこいいとしたらどれくらいかっこいいのかを手探りで判断していくほかありません。かっこいい誕生日に絶対的な正解などありませんし、自分の主観やエゴと向き合ってそれを模索する過程にこそ意味があると考えます。

 

というわけで単語カードに366日分の誕生日を書き出しました。これらをピンとくる/こないに大別し、ピンときたグループ内で徹底的にかっこよさを比較して序列をつけていきます。その結果、一番を決めるどころか、かっこいい誕生日ランキングベスト100が完成する運びになりました。こうなると1位だけ発表して終わりというのも味気ないので、今回はランキングを100位からカウントダウン形式でご紹介したいと思います。

かっこいい誕生日を発表するからには、「その誕生日がかっこいい理由」も説明する必要があるでしょう。しかしかっこよさとは結局のところ個人的な感覚でしかないので、筋道立てて説明しようにも埒があきません。

そこで今回は、その誕生日が「なぜ」かっこいいかではなく、「どのように」かっこいいかを表現したいと思います。かっこいい誕生日からは固有の情景が浮かんでくるものです。そのイメージを言語化すれば、僕が感じているかっこよさのニュアンスが伝わるかもしれません。いわば誕生日のソムリエですね。誕生日のソムリエ。では早速次のページからランキングを発表! 一番かっこいい誕生日は何月何日だ!?

 

>>次のページへ<<