とにかくなんかブッ刺さりかけた話。

 

 何年の時かは忘れたけどとにかく小学生の頃、ド田舎で祖父母の家の敷地がとにかく広かったので倉庫の裏とかに勝手にござとか敷いたりビール瓶ケースとか置いたりして秘密基地を建国していた。
 友達は居るには居たけど帰る方向が全くの正反対だったので1人で帰り、秘密基地でとび森を黙々とやっていた。

 ある日いつもの様に秘密基地に入り浸りくつろいでいたら突然同じクラスの面識のほぼ無い女子(ちょっと強気)がおもむろに秘密基地に入り込んで来て、「結構わかりやすいとこにあるんだね」と一言。

 女子と一体一で話をした事がほぼ無くその時は驚きと焦りでタメ口で接してしまった、そして少しとび森をして解散。

 しかし今思うとここを見つける為に帰り道にバレずに付いてきたと思うとときめいている。

 ちなみにその後すぐ秘密基地は場所を移した。

肝臓表現

 良いシチュエーションすぎる。恋まではいかないというか、まだ当時恋の選択肢自体がなかったという感じがするな。

 

 中学生の頃、席替えは班長を選出した後に、クラスのあらゆるバランスを考えて班長会議を行い班編成と席順を決める、という方式でした。
 ただある程度班長の希望もきくので、下手な奴と一緒になりたくなかった私は班長を進んでやっていたのですが、中3の時、1人ずっと同じ班の男子がいました。
 もちろん私も積極的にソイツを取りに行っていたわけではなく、たまたま他の班編成や席順、担任の指示、などの兼ね合いでした。
 ただ下手な男子を引くよりある程度気心も知れていたので、いいとは思っていたことは確かです。

 学年の中盤あたり、同じ班どころかそいつは私の隣の席になりました。
 同じ班が長く続いた上に隣に来た私に「またお前かよ」と言われたことを覚えていますが、なんやかんや仲良くやっていました。

 しばらくして再び席替えをすることになりました。それが中学最後の席替えでした。
 最後だからと、今までの班長会議を無くして、各々好きな席に決めようということに。先に男子が席を決めて、その後に女子が決める。全員決まった後に席移動をして初めて隣のヤツがわかる、という方法でした。(漫画のあずきちゃんでやっていた方法) 私もさすがにソイツには自由になってほしさもあり、あまり大きく移動するよりほとんど移動しない方が被らないのではないかと、仲のいい友だちと同じ班になることも話しながら元々の席からひとつだけ後ろに決めました。

 クラス全員が揃い「ずいぶん世話になったな!!」「私の呪縛から逃れ旅立つがいい!!」そう言い残し、私は移動が少ないのでしばらく動向を見守っていたのですが、どういうわけか、ソイツもなかなか動きだしそうにもなく、少しづつ教室が落ち着き始めたころに、お互いに「マジか!?」と顔を見合わせました。
 私の隣はまたソイツでした。 それまでは自分以外にも誰かの意思が働いていて仕方なく編成されていたのが、お互いに自分の意思でお互いのウラをかこうと選んだ結果、同じことを考えていたことに少しだけ運命を感じました。

 私はなんやかんや長く一緒にいた分離れてしまうことに寂しくもあったので、実はちょっとだけ嬉しかったですが中学生なので「もっと遠くへ行けよ!」と言い合ったことを覚えています。ソイツの隣はとても楽でよかったです。窓際だったし。

 今思うと、小学校から同じクラスで、家も近く地区活動でも一緒だったくらいの腐れ縁で、もしかしたらあの時私は彼のことを好きだったのかもしれない。
 漫画ならなんかありそうな展開だけど現実なので普通に卒業後一切会ってないです。

ちゃわ

 めっっちゃめちゃ中学生で最高。中学生ってこういうので好きになりかけてスーッとフェードアウトする。

 

 小学校の卒業式の日 通っていた小学校では卒業式に中学校の制服を着て出席するのが決まりだった。

 その日の朝、幼馴染と家の前でばったり出会いお互いの制服姿を見てフッって鼻で笑った。

 今でも思い出してはフフフッってなる。

モンゴリアンダンシン

 良すぎる。ずっと思い返すのにちょうど良いサイズの出来事だ。

 

 高校の時に、一度も話したことなんてないし席も遠いクラスメイトがいた。彼は目立つ方ではなくて、ぶっちゃけ声すら聞いたことがなかった。

 国語の時間に彼が当てられ、教科書の一文を読むように先生が言う。
 彼が立ち上がって最初の一文字を音にした途端、「あ、」と思った。
「やばい」とか「好き」とかじゃなく、ただ「あ、」という気持ちがぶわっとふくらんだ。声音とか、抑揚とか、普段はろくに喋りもしないのによく通る声が頭の中を撫でて、「もっと読んでて、まだ終わらないで」と必死に願った。

 中学の時から好きな同級生(現在でも10年以上の友達)がいなかったら割と本気でやばかった気がする。

 なおその後、そのクラスメイトとは特に何もなく一度も話さないまま卒業したし、名前も忘れてしまったし、正直めちゃくちゃ刺さったあの声すら朧になって、あの瞬間の「あ、」だけが心に残っている。

 あの「あ、」から新しい恋は見つからないけど、どうしても後悔ができない。

こち

 ため息が出るほど良いエピソードだ。良すぎる一点がずーっと引っかかり続けるけど、一点は一点なので恋までは至らない感。

 

「ね、タイタニックごっこしよ」

 突然そう言われ、言われるがままにやらされました。こっちが抱える側で。
「やば、思ってるより面白くないwww」と、めちゃくちゃ面白そうに言ってました。
 なんでか分からないけどギュンってなりました。踏みとどまりましたけど。
 めっちゃいい匂いしたぜ。なんだかんだでまだその子とは仲良しです。どっちも女子です。

あきだぬき

 なんて楽しそうなんだ。「面白くない」って面白そうに言ってる人になんかきてしまうのわかるな……。

 

 入社してすぐの頃、高齢者の方の対応をする部署にいて、ご挨拶に来られた際にちくわの詰め合わせ(要冷蔵)を頂いてしまいました。

 有難いのですが量も多いし、持って帰れないし、ちくわって…と思いながら、残業で残ってる方々に配って回りました。
 みんな一応貰ってくれるものの若干迷惑そうな感じの中、一人の男性社員が「めっちゃお腹減ってたんすよ」といってちくわを2本両手持ちして即バクバク食べてくれたのがかなりときめきました。

 こちらに気を使ってというわけではなく、本当にお腹空いてて、突然のちくわの差し入れを純粋に喜んでくれたのが嬉しかったです。

無記名

 ちくわ両手に持ってムシャムシャ食べてる状態が人をときめかせた稀有な例だ。

 

 新入社員の歓迎飲み会での事。
 好きな音楽の話になり、オタクなのでゲーム音楽とか好き~とかのたまってたのにちゃんと聞いてくれた子がいた。

 その子はクリープハイプが好きで、「このMVが好きなんだよね、こんどCD貸してあげる」と言われた。
 酔っていたので社交辞令だったろうけどうれしかったな~なんて思ってたらほんとに貸してくれて、ウキウキで「あの子かわいいっすよね~」と職場の先輩に話してたら、「あ~あの子〇〇さん(違う課の長瀬似のダンディな上司)のセフレだよ」と言われすげえ顔になってしまった。

 どうやって借りたCDを返したかも覚えていないが、「やっぱりな~」という妙に納得したような気持ちになったのを覚えている。

 クリープハイプを聞くたびにあの初夏を思い出す。

クリープハイプ今でも好き

 でもセフレってことは付き合ってるわけではないのだからチャンスがあったんじゃないかとも思えるな。こっちが冷めてしまったのならもう仕方ないけど。

 

 中学の時に通ってた塾で、柄シャツをよく着ている大学生スタッフのお姉さんに、今日で最後なのでLINEを教えて欲しいとお願いしました。

 そのスタッフさんは目の前でLINEを開いてニュースを見ながら「え〜LINEやってないから無理かな」とニヤニヤしながら言ってきて、普段はすごく丁寧に質問に答えてくれるのに素はちょっとイジワルなんだと思ってキュンとしました。

 同性じゃなかったら好きになってたかも……。
 その後は、普通に連絡先を交換していないのでどうしてるのか全く分かりません。

何かが狂った

 みんなのちょっとした意地悪が簡単に人を狂わすんだぞ。

 

 喫茶店でバイトをしていた頃の話。
 閉店作業中、僕が家庭用の小さなフライヤーからオイルポットの中に油を注ごうとした時に、傾けが足りなかったのか、フライヤーの角を伝って油が溢れてしまった。

 それをたまたま見ていた異性の先輩がすかさず、 「大丈夫ですか!?火傷してませんか!?」 と駆け寄ってくれた。
 油をこぼしてしまった事を叱るでもなく、火傷の心配をしてくれたのがとても嬉しかった。

 まだフライヤーに7割程油が残っていたので、、 「残りは私がやりますね!これ、コツが有るんですよ!」 言いながら先輩が得意げにフライヤーをぐっと傾けると、勢い余って油を全てぶちまけてしまった。

 先程の得意げな様子は見る影もなく、 「もうダメだ〜…」 と小さく呟きながら油を拭き取る先輩の姿を見なごら、(こいつーッ!!可愛すぎる〜!!)となった。
 もう一押し何かあれば、恋に落ちていたと思う。

グリーンバンバン

 たしかに可愛すぎる。一緒に油拭きたい。

 

 中学生の時に授業で、針金で作品を作ることになり、モノづくりが得意だった自分は仲の良い女友達の手伝いをすることになりました。

 椅子を持ってきてその子の隣に座ると、突然その子が太ももを自分の足にくっつけてきました。
 最初は無視していましたが流石に気になって聞いたところ「こうしてると落ち着くから」と言われしっかり動揺してしまいました。

 その子が友達の元カノでなければ初恋はその子になってました。

聖杯の騎士

 友達の元カノだからってよく耐えられたな……中学生の頃にそんなことされたら狂うと思う。

 

 私がまだ男子高校生だったころ、 文化祭の準備中、普段は話さないようなややギャルみのあるクラスメイトから、「君の友達がどっかでサボってるから連れてきて」との指令を受けた。

 それに対し私が何か確認をしたところ、彼女は「ゆん」と答えた。「うん」と言おうとして甘噛みしたらしい。

 ゆんという音の響きの意外性と愛らしさに私は「今ゆんって言ったよね?」とつい確認してしまった。
 彼女は噛んだことに照れたのか、顔を赤くしながら笑い「早く探してきてよ」みたいなことを言っていた。

 女性とあまり話さない学生時代だったので、「これはなんだか親しい仲の人同士の何気無い会話のようだ」と感じる瞬間だった。

 それ以来彼女のことがうっすら気になっていたが私は根暗だったのでギャルとは交友圏が全く重ならず、その後も別にどうともならなかった。

机最前列

 最高。「これはなんだか親しい仲の人同士の何気無い会話のようだ」名文だ。実際はそうではないこともわかっている切なさがいい。

 

小2の頃、よくケンカしていたヤンチャな男友達に「今日から俺が犬でお前が飼い主ね」と四つん這いで言われたとき

あれからS

 顔痛くなるほど笑ってしまった。

 

 男の人と仕事の話をするために食事に行った時、先に食べ終わり手持ち無沙汰だったらしい相手が、万年筆のインク(カートリッジ式)を胸ポケットから取り出してシャカシャカ振っていたとき。

マウンテン園

 全然ピンとこない枠で素晴らしいです。

 

 アプリで出会ったワンナイトの相手の部屋で東京事変の群青日和の話になり、ワンフレーズだけ一緒に歌った。 人生ってこれで全部なんだな、と思ったのを覚えている。

舞茸

 恋ではない別の何かが極まっている状態ではある気がする。

 

 小学生の頃、放課後に友人数人で教室に残って雑談をしていたときのこと。
 私は机に手をついた状態で立っていたのですが、急に私の手の上に誰かの手が重なり、びっくりして見たらそれは男友達の手でした。

 その男友達はまるで気付いていないかのように普通に友人の話を聞き続けていたので、この状況は一体何なのか、どういうつもりなのか、本当に気付いていないのか、など短い時間でものすごく思考を巡らせまくり、とりあえず悪い気はしなかったのでそのままにしておきました。

 結局それから何もなく普通に帰って、その後の学校生活も何も変わらずそのまま卒業して会わなくなったので真意は分からないままです。

ののし

 本当にただ「なんか手が乗ってただけ」なんだけど一生「あの時手乗せられたな」って覚えていられそうなエピソードで良いな。

 

 バイト先の社員で声と顔がとてもタイプな人が、壁に止まった蚊を叩いて殺してるのを見て、自分でもよくわかんないけどものすごくドキドキしました。

 その後3日間くらいそのシーンを思い出して脳内再生するくらい刺さりました。9個年上じゃなければ好きになってました。

 あーなんか良いなあと思いながら読んでたけど、最後の「9個年上じゃなければ好きになってました」で思ったよりも強烈に刺さっているとわかり姿勢を正した。

 

 中学生の理科の授業中、同じ班の女の子2人と「理科室の黒い机に手の跡が付いちゃう」って話をしてたら、女の子から「○○君は乾燥してるから付かないんや」みたいなこと言われて、左右の手を女の子からそれぞれ握られたときはその温かさと湿り気で恋しそうになりましたが、2人に同時に恋をするのはよくないので止めました。

ちゅるりら

 偉い。

 

 バイの女の子の友達に恋愛相談してた時、「○○は女の子はいかんと〜?」と聞かれ「女の子は違うかな〜」とやんわり否定した。すると、突然その子に顔を近づけられ「でも、やってみないとわからんやん」と言われ、始まる!!と思いました。

無記名

 結果「違うかな」となるかもしれないけど、やってみないとわからんというのは言えてる。

 

 物静かめな体育会系の男子と授業かなんかのきっかけでじゃんけんをすることになったけどあいこを繰り返してなかなか終わらなかった

 私は人見知りのコミュ障オタクだったのでちゃんと話したことはほとんどなかったけど、その時はちょっとだけ目を合わせて笑ってまたあいこを何回かした

 以降、その男子を見るとあのじゃんけんなんかよかったなと思い返すようになり、私の高校生活の中で彼は妙に存在感がある人になってしまった

赤色三号

 詩だ。

 

 今年の春入社の新卒です。

 同期に優等生タイプの女性がいるのですが、たまたま彼女のデスクの横を通り過ぎた時にデスクチェアの上で胡座をかいてた時に、自分の中の何かが震える感覚がありました。

 チームが違うのでぜんぜん話したことがなく、それ以上何も無いです。

砂塵

 超いい。恋とかではないけど、何かが震える感覚はある。読んでるだけでも震えてくる。

 

 皆から教えていただいた「あっぶねえ〜! もうちょっとで恋するところだったぜ!」みたいな話今回はここまで。

 あらためて、送ってくれた皆さんありがとうございました。本当にいっぱいきている。読んでいてずっと楽しい。好きだけど紹介できなかったやつとか紹介できる機会を設けたいぜ。ずっと言ってるなこれ。

 第6回もやりたいので応募フォームを貼り付けておきますね。ギリ恋しなかった出来事があったらここから教えてね。今回送ってくれた人もまた送れるぞ。注意書きはよく読んでね。

 

 

(DPZの江ノ島茂道さんが熊本に来たので抗恋して矢を折る男をやってもらいました。ありがとう江ノ島さん!)