5体目の巨人:野田せいぞ

 

「島田紳助が深イイ話で進撃の巨人を勧めてた頃からファンです。足の先まで集中して走りたいと思います」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやあああ! 弾むようなステップの巨人よ!!」

「お、おい……見てみろよ、ヤツの足……」

 

 

「つま先までピンとしてやがる……!」

「どうして巨人がそんなキレイなフォームで走れるというの!?」

 

 

「うそだろ……無表情じゃねえか……」

「きっと本能なんだわ、この動きも表情も……!」

 

 

「だめ、このスピードじゃ逃げ切れない……!!!」

 

 

 

 

6体目の巨人:マンスーン

 

「進撃の巨人はマンガもアニメも見たことがないんですけど、イメージは練り上げてきたので任せてください。関節を全部外すイメージでいきたいと思います」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれは……巨人なのか……!?」

「手足に巻き上げられた瓦礫が落ちてくるわ……!!!」

 

 

 

「この世界は――」

 

 

「残酷だ――」

 

 

そして……とても美しい――」

 

 

 

「――いい人生だった」

 

 

 

 

7体目の巨人:神田

 

「進撃の巨人はまだ読み途中なんでそこまで詳しくないんですが、精いっぱいやらせていただきます!」

 

 

 

「待て待て待て! あそこの巨人もしかして……」

「クラウチングスタートだわ!!」

「ぼさっとしてないで逃げるのよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「突っ込んできやがった!!!」

 

 

「信じられない! アスリートみたいなフォームで!」

「コイツ! 巨人の体をまとった人間か!?」

 

 

「巨人に蹂躙されるーー!!!」

 

 

 

 

8体目の巨人:りきすい

 

「小学生の時に弟から化け物の夢の話を聞かされたのですが、最近進撃の巨人のアニメを見たら、夢の化け物とイメージが重なったので、それを再現しようと思います」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひぎゃああ!! びえええ!!!」

「なんなの、スピードはないのにとてつもなく恐怖心を煽るわ!!」

 

 

「なんか一瞬ハイキング中みたいで楽しそう!!」

 

 

「かなりしっかり笑っているーー!!!」

「そんな……私たちが何をしたっていうのよ……!」

 

 

「踏みつぶされるぞー!!!」

 

 

 

 

9体目の巨人:ヨッピー

 

「進撃の巨人で走ってくるのって【巨人】じゃないんですよ、【絶望】が走ってくるんですよ。だから【絶望】を表現したいと思います。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっだめ 絶望だ」

 

 

「……なんで僕は忘れていたんだ、巨人って基本裸じゃないか……!」

「自然の緑に肌色が際立っていて見ていられないわ!!」

 

 

「体型まで変化してるのはどういう仕組みなんだ!?」

「おい! そんなこと考えてる場合じゃないだろ!」

 

 

「ヤツらはその気になれば……人類なんかいつでも滅ぼすことができるんだ!」

「いやああああ!!」

「おしまいだあああ!!!」

 

 

 

 

 

 

前方より

 巨 人

多数襲来!

 

 

 

 

その日、人類は思い出した。

 

 

 

奴らに支配されていた恐怖を。

 

 

 

鳥カゴの中に囚われていた、屈辱を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうだ、この世は残酷なんだ――