
元バイト先に堂々と行けるヤツはいるか? そんな戦士はいないだろう。だってサ……
気まずいじゃん……
別に嫌な思い出があるわけでもないのに、もう10年以上経っているのに、当時の店長も一緒にバイトしてた人も(多分)とっくにいないはずなのに、未だに気まずくて入れないんだよな〜、元バイト先って。
なんでだろう?
でも、俺も三十路を過ぎたし、人生に負荷をかけていかないと成長できないと思うんだよ。
あと、なんかこういう封印されし場所を訪れると錆びついた記憶の扉が開く気がするんだよね。ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドのウツシエの記憶みたいにサ……。
開けるか……記憶の扉を……。

行こう……元バイト先へ……
今頃、ブレスオブザワイルド(2017年発売)の話を例えに出した時点でお分かりかと思いまずが、最近ブレスオブザワイルドをプレイしてハマりました
某吉野家へ向かう

それでは、俺が一番最初にバイトをした店に向かおう。実家から2駅ほど離れた場所をバイト先に選んだのは「通いやすいけど、知り合いに会いたくないから」だったと思う。
みんなは最初のバイト先をどう選んだ?

ここが最初にバイトをした吉野家。高校1年生の時、半年くらいバイトした思い出の場所。それ以来行ってない。店の前を通るだけでも気まずい思いをしてたな。
あの時は「大人になってもこの口座を使う」なんてことを考えてなかったな
入店してみよう。この吉野家に入るのは16年ぶり!? 怖ッ!!

▲コロナ禍なのでカウンターに仕切りが
入って気付いたがテーブル席ができてる! 今では珍しくないが、当時の牛丼屋ってすき家以外ほぼ全席カウンターじゃなかったっけ?
漬物・サラダはカウンターにある冷蔵庫から自分で取る方式だったな〜。今はこの方式、あんまり見ない気がする
吉野家って食券制じゃなかったから、オーダーを覚えるのめちゃくちゃ面倒くさかったんだよね。いちいちお客さんに呼ばれるのがダルくて「松屋みたいに食券システム導入しろや!」って密かに思っていた。

吉野家、多メニュー化したなあ。多メニュー化のキッカケは多分BSE問題。あれ以降、牛丼だけで勝負できなくなり、豚丼やカレー丼が並ぶようになった。
なぜそのことを覚えているか? 俺がバイトに入ってすぐBSE問題が発生。その後、牛丼Xデーと呼ばれる吉野家から一時的に牛丼が消える日が、俺の勤務日と重なっていたからだ。
バイトを始めて1週間も経たずにその日を迎え、オペレーションが曖昧なまま、牛丼Xデー × 休日お昼という、吉野家史上最大のピークタイムが訪れた。
外にまで客が並ぶ始末。もちろん捌けず、ミス多発。(ここはラップ風に読んでほしい)
店長は「おおきちくん、後ろ下がって!!」と怒笑(どしょう)。洗い場を任されたのだが、その時の俺は洗い場に入ったことすらなかった。
恐る恐る食洗機を使っていたら「フツーこう置くでしょ!?」と更怒笑(さらどしょう)された。理不尽
BSE直後、吉野家のメニューは豚丼・カレー丼・鮭いくら丼の3種類になった。なぜ覚えているかというと、賄いメニューとして鮭いくらカレー豚ミックス丼を食べた記憶があるから。
本当に美味しいものはまかないから生まれるってよく聞くけど、これは美味しくなかった。特にいくらとカレーが絶望的に合わない。
まかない、特別感があってフツーに食べるより1.1倍くらい美味しくないですか? 多分、キッチン裏で食う特別感・背徳感からくるウマさだぜ
ふぅ……、元バイト先に来ただけで山のように記憶の扉が開くな……

豚丼を注文。当時、牛丼より好きだったんだよね。「豚丼のつゆだくは出来ない」と言われたんだけど、当時は出来たよな……。
当時の豚丼はちゃんと鍋で煮て作っていたからつゆだくが出来たんだけど、今、出来ないということは……。もしかして、今の豚丼はパウチを湯煎してるのか!?
うーん……

気まずい……。
あるワケないんだけど「あれ? 前、ここでバイトしてた人だよね?」って店員さんに言われそうな気がする。16年も経ってるから絶対そんなことないのに。
なんだかモゾモゾする……。
吉野家なんて別の店舗には何百回と足を運んでいるのに……。
やっぱ、元バイト先は居心地が悪いぞ……

キッチンをボーッと眺めながら「当時、どんなバイトの人がいたっけ?」と思い出してみる。
すぐ思い出せるのは昼帯にいた主婦二人だ。
読者の皆さん!! 今から知らんWEBライターの、知らんバイト先の、知らん同僚の話をしますよ!
俺が高校生だったからか、昼帯の主婦二人はとても優しく接してくれた
昼はこの二人。夜帯はどんな人がいたっけ?
あっ、あの人だッ!!
極厚メガネで小太りで天パでほがらかな人! 顔は覚えてるけど、名前は忘れた!(でも、思い出したとしてもなんの感動もないと思う)
この極厚さんのいいエピソードを思い出した。紹介してもいい?
いいよね?
知らなすぎて逆に興味あるでしょ?
極厚さんのいいエピソード
「おおきちくん、2Fの休憩所に僕が読んでるファッション雑誌があるから読んでいいよ」
「はーい、ありがとうございます!」
(極厚さん、そのメガネでファッションに興味あるのか!?)
当時、俺もファッションに興味を持ちたて。Boonを母親に買ってもらって読んでいたのを覚えている。
そんなファッション初心者の俺でさえ極厚さんがファッションに興味がある人だとは思えなかった。
更衣室のハンガーにジャージを掛け、ロッカーにニットキャップを置いていたことをスッと思い出した。多分、このバイト先に来なかったら出てこなかった記憶だ!
マジでこういうどうでもいい思い出が蘇るぞッ!! 元バイト先の引力だッ!
極厚さんの指示通り2Fの休憩所に上がり、雑誌を探す。机に置いてあった雑誌は……
KERAだった。
▲これは姉妹誌だけど、こんな雰囲気の雑誌がKERA
KERAとはゴスロリ、おでこ靴、猫耳のニットキャップ、ウサギ耳のパーカー、和服×パンクみたいなジャンルの女性向けファッション雑誌である。
卓矢ヱンジェル(卓“也“でもなく、”エ”ンジェルでもない)とかよく載ってたけど、皆さんご存知?
まあ、とにかく選ばれし者でないと着こなせないブランドがたくさん載っている雑誌だった。
「極厚さんがKERAっ子!? 嘘をつくなッ!! 女の子向けの、しかも特定の層向け雑誌だぞ!?」
と思ったんだけど、その日の極厚さん、バイト上がりの私服が完全にパンクスだったんだよね、チープ目の。
極厚さんの十字架のネックレスはデカ過ぎて、十字架というより食洗機のパーツの一部みたいだったのを急に思い出した。
私服が似合ってないだけで、ものすごくいい人だったな、極厚さん
皆さんいかがでしたか、知らんライターの知らん同僚の話は?
俺はインターネットにこういうをのどんどん増やしていきたい。最近のインターネットは役に立つものが幅を利かしすぎている。

豚丼が到着。伝票がついてきた。当時、こんな便利なものはなくて、メニューは食器で覚えることになっていたんだよね。
そのルールを悪用し、鮭いくら丼を頼んだのに「俺、豚丼だよ!!」と言う人、ゴボウサラダを頼んだのに「生野菜サラダだけど!」など、安いメニューを食べたと虚偽申告する人がたまにいたな。
コスいやり方で小銭を浮かそうとするオジサンをたまに見かけた。こういう大人になりたくないと思ったけど、俺は現在福しんの無料券はガンガン使っている

▲完食。最近箸で食べるのに疲れてスプーンで食べている。全然恥ずかしくないよ
「豚丼、昔はもっと脂身が多かったような……」と、昔の味を思い出していた。
刹那、女性店員さんが目の前を通った……

「アレ……、俺、この人知ってる!!」
この女性店員さんの声、そしてマスクをしているがパッチリの二重。この人、当時もいた昼帯の主婦二人組の内1人じゃん!!!
俺がバイトしてたの16年前だぞ! ずっとパートで働いてるってこと? それともブランク空けて、再度働いてるの??
一軒目でまさかの再会を果たしてしまった。が、多分あっちは俺のこと覚えてないだろうし、覚えてたとしても何も積もる話はない。

めちゃくちゃうつむきながら会計した。気まずさがつゆだくになったよ。
辞めた時の記憶も蘇った。シフトを書く紙に「欲しい物を全て手に入れてしまったので辞めます」って書いて、提出用の箱に入れたのを思い出した。めちゃくちゃバカ。でも、高1なんてこんなもんだろ!
なんか無駄に疲れた。普段なら大盛りペロリなのに、入店した瞬間にお腹が膨れてしまい、急遽小盛りに変更した。
元バイト先、めちゃくちゃ疲れる
元バイト先は潰れまくっていた!
そういえば、近所にも元バイト先がある。更なる記憶の扉を開きに行こう。疲れに行こう。
次に向かうのはとあるカフェ。店員が一回一回粉を挽き、ミルクをスチーマーで温めるタイプの本格的なカフェだった。
ビル内の通路みたいな変な所に入り口があったんだよな……。

あれ?

確かここだったよな? 俺の勘違い? 道を間違えた??

いや! この場所覚えてる! ここカフェのゴミ捨て場だったもん! 間違ってない!
あれか、潰れたのか!!

元バイト先のカフェは潰れていた。そりゃあ10年以上経ってれば潰れるよな。
このカフェではどんな思い出があったっけ? インドの神様のロンT事件があったな。
そのカフェには明らかに俺をバカにしている女子大学生がいたんですよ。
彼女と更衣室ですれ違った時、全身にシヴァ神がプリントされたロンTを着た俺を見て吹き出していた。
俺もこのロンTがダサいのは承知してる。でも、その日は寒かったし、他のロンTは全部洗濯に出してたから、海外で買った安いロンTを仕方なく着てただけなんだよ。
だからって「これを俺の普段のファッションだと思わないでください!」って言い訳するのも変でしょ?
っていうことで、彼女が笑ってるのを気付かないフリして着替えてた
なんかあんまいい思い出じゃないな……。さっさとこの場を去ろう……。
ヨドバシカメラ内の居酒屋も潰れてた

他にも、俺はこのヨドバシカメラの8Fの某居酒屋でバイトをしていたのだが……

働いていた居酒屋はすでになく……

タイ料理屋になっていた。ここにあった居酒屋の思い出か……、嫌な気分になる思い出しかないな。
韓国居酒屋だったからか、俺以外が全員韓国からの留学生だったんですよ。だから、みんな韓国語でコミュニケーションをとるわけ。
それのせいで、日本人の俺はヒジョーに馴染みづらかった。俺にだけまかないを作ってくれなかったりして「日本にいながら鎖国なの!?」って思ったりしたな。
ダメだ……、ここのバイト先は恨みとつらみと妬みしか出てこない。
俺はインターネットに愛とユニークを届けたいだけなのに!!
別のバイト先へ行こう!
某カフェへ
別日、フリーター時代に働いていたカフェへ向かった。

某所にあるチェーン店のカフェである。

めちゃくちゃ緊張する。吉野家は16年前のバイト先だったけど、ここは8年くらい前だから、知ってる人がまだいそうなんだよ。店長とかさ……。いないでくれよ……。
入店ッ!

うん、レジもキッチンも知らん人だ。ひとまず安心。

よく飲んでたアイスラテを注文した。ああ、このグラス懐かしいな。めちゃくちゃ飲んだな、このラテ。バイト中は飲み放題だったんだよな。

いや、めちゃくちゃ気まずいんだが!
レジもキッチンも知らない人が働いているのを確認したのだけど、今にも当時働いてた人が出てきそうな気がする。気が気じゃない。
このポロシャツ、当時も着てなかったっけ?
このリュック、当時も使ってなかったっけ?
マスクしてるけど、このメガネからバレたりしないよな?
身バレが怖くて色々なことが気になってきた。

▲早く店を出たいのに、カフェラテを飲むにはマスクを外さないといけない
はて、俺はここでどんな経験をしたっけ? 内装を見たり、更衣室までの道を思い出して、記憶の扉を開いてみる。
あ、出てきたぞ……。
パンを均等に切れない、俺の方が先輩なのに「この仕事知ってます?」と、とっくに知っている業務を俺に教えてこようとした不思議な女の子。
店長と話し合いの末クビになったのだけど、翌日フツーに客として来てた。
ねえ? 気まずくなかった?
8年ぶりの俺でさえ気まずいのに、よく出来たな!!
なんか俺の思い出、全体的にしょうもないのばっかりだな!!
他にもっと思い出ないのか!? 思い出せ!!
恋愛系とかなかったんか!?
あっ、あるじゃん!!
そのカフェはホテルに併設されており、海外のお客さんもたまに来ていた。
俺が倉庫に行く途中、トイレの前の椅子に座っていたのがIrina。俺が23歳、Irinaは28歳くらい?
目が合うと笑顔で返してくれたので、その日は何度も倉庫に行った
うわ〜、Irinaのこと忘れてた! これから話すこと全てマジですからね!
今からインターネットにラブコメみたいな話を投下しますよ!
たどたどしい英語だけど、俺は中学英語でもなんとか伝わるというのを知っていたため、話すことができた。観光目的とかだったかな?
なんというかIrinaも笑顔でノリノリって感じだったのよね。
なんか英語でのコミュニケーションで他人と仲良くなれたのが嬉しくて、勇気を出して「このあとご飯でもどう?」って誘ってしまった
返事はOK。
ホテルに併設されたカフェの店員だからか安心してくれたのだろうか? それとも、俺がもつ魅力(昇龍拳のコマンドを難なく出せる)を理解してくれたのだろうか?
「じゃ、仕事終わるのが◯時だから、ここで待ってて」って伝えた気がする。
当時の俺、相当勇気あるな。
日本に来たなら喜んでほしいじゃん? じゃあ、日本的なものがある所ってどこだろうって考えた時に「居酒屋って寿司も肉も全部あるじゃん!」って思ったんですよ!
居酒屋に行く道中は非常に緊張した。会話が持つのか、どんな話をすればいいのかシュミレーションしてた気がする。
格安居酒屋に入る。「日本には居酒屋という形態のお店があるけど、ロシアにはあるの?」みたいなことを聞いたの覚えている。「パブししかないよ」と答えていて、「ああ、じゃあこういう形式珍しいでしょ?」って。なんか異文化を伝えられたことがすごく嬉しかったな。
寿司を頼んだり、モツ煮込みを頼んだり、俺なりのJapanを伝えた気がする。1時間くらいいたかな?
居酒屋ではIrinaも楽しそうだったし、俺も楽しかった。会計は俺が支払った。
Irinaの日程的にもう会えないから、最後に「これぞJapanだ!」ってなプレゼントを最後に渡したくなったんですよ
「Irina、ちょっと待ってて!」
居酒屋を出たあと、俺はとあるお店に飛び込んだ。
Irinaにとって初めての日本、たぶん初めての居酒屋、たぶん初めての日本人との交流。
俺はIrinaに「日本めちゃくちゃ良かった。ご飯も美味しいし、人も親切だったし、サイコー!!」て思われたかったんだよ!
とある店での会計を済ませIrinaのもとへ向かう。俺が何を渡したか? それは……
ももクロの1stアルバム『バトルアンドロマンス』である
「Irina、日本にはアイドルっていう文化があってね……」
「彼女たちは人間的にも素晴らしいんだけど、楽曲も素晴らしいんだよ!」
何を隠そう、俺は当時ももクロにめちゃくちゃハマってて、誰かれ構わず布教してたんですよ!
Irinaは音楽も好きらしいので(アーチ・エネミーが好きと言っていた)、このバトルアンドロマンスの魅力も分かってもらえると思ったんです。
「Irina、これは日本という文化でなければ生まれてないアルバムだよ!」
「Irina, This Album is “Japan now”.」
読者の皆さん、話の流れ的になんか恋愛に繋がると思いました!? 全然繋がらなかった。
今の俺ならIrinaともう一軒お店に行くという選択肢があっただろうけど、当時の俺は
「ももクロはもっと世に認められるべき!」
「俺はこのアルバムのファンを一人でも増やさないといけない!」
「これがキッカケでロシアにももクロちゃんが伝わるかもしれない」
という使命感に燃えていてプレゼントしたんです!!!
うわ〜、Irinaのこと久しぶりに思い出した!!
元バイト先、めちゃくちゃ記憶の扉開くわ!!!!
あと、当時の俺、めちゃくちゃ痛いヤツじゃん!
まとめ

これは”確”。

これは今でもそう思う。

Irina〜〜〜〜!! あのアルバムどうだった!??? ミライボウルかっこいいでしょ??
みなさんも開ける必要のない記憶の扉を開けに行ってみてください!! そして、その情報を教えて下さい。
一緒にインターネットに必要のない情報、増やそうゼ!
さようなら

おおきち




























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