平均年齢17歳のオモコロ読者の皆さんこんにちは、小野ほりでいです。

突然ですが、「寄せ書き」を3Dにしたいと思ったことはありませんか?

 

 

 

 

 

 

 

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ご存知だと思いますが、寄せ書きというのは卒業や転勤といった節目に色紙やアルバムにみんなでメッセージを書くアレのことです。

それを3Dにできたら貰った人は「うわ、飛び出す!」ともっと感動すると思いませんか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3d

 

 

 

 

 

 

そこで今回はこの「3Dペン」を使うことにしました。

スイッチを押すと低温で溶けるプラスチックがニョロニョロ出てきて、冷えると固まるので立体的な落書きができるという単純なものです。

色々種類があってよくわからなかったので、とりあえず子供用のものを注文しました。

年を食っても社会のルールになじめず、精神的に幼稚なままの自分には子供用がお似合いだと思ったからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず使ってみる

 

 

 

まず試したかったのは、「風船にみんなで寄せ書きし、割るとなんと風船形の寄せ書きができる」というアイデアです。

さっそくオモコロ編集部に出向き、風船に寄せ書きを書いてもらいます。

ただ書けと言われても難しいと思うので、今回は今年からオモコロを裏切って卒業した柿次郎さんに宛てて書いてもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

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うおっ難しい!

 

 

 

 

まずはファンキーなルックスで佇んでいたまきのさんにお願いします。

一体どんなファンキーなことを書くつもりなのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

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書いてることは普通でした。

「難しい」としきりに連呼しており、素人が思い通りに扱えるものではなさそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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難しい!

 

 

 

オモコロでは古株で、何かと自分のムダ毛を燃やそうとしたりゲロを吐くまでジュースを飲んだりと自己破壊欲求がすさまじいライターのかんちさん。

そんな彼も家に帰るといいパパです。時間は過ぎ去る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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難しい!

 

 

 

「金がなくなったら警備員もあるよ」と実体験に基づいたアドバイスを書くギャラクシーさん。

その他、オフィスに居合わせたオモコロスタッフそれぞれに寄せ書きをしてもらいましたが、だいたいは「難しい」という感想でした。

そんな難しいものが子供に使えるんでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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もっと荒れるかと思っていたのですが、「元気でね」「忘れない」「上ってなンボ」などポジティブなワードで埋められて帰ってきました。

会社を裏切ったものの人としては好かれていたのかもしれませんね。

それでは、さっそく割ってみたいと思います。

怖いので僕が風船を持って、カメラ役の編集長・原宿さんに針を刺してもらいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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それではよろ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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んじっ・・・

 

 

 

 

 

 

 

予定では風船が割れ、手元に寄せ書きの塊が残るはずだったのですが、針を刺した瞬間に急に何もなくなっていました。

100,70,50,20,0…みたいな感じではなく、100,100,100,0という感じで急に消滅しました。

肉眼で見ていて何が起きたのか全く分からなかったので、カメラに収めた動画を確認してみます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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動画で見ても急に消滅していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 寄せ書きナンバー1. 風船の寄せ書き 

 

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慌てて破片を拾い集めたのですが、「ゴミ」と言うよりほかに何もなさそうな物体がそこには残されていました。

みんなで書いた寄せ書きが・・・みんなの想いが・・・・

 

 

 

 

 

ここで編集長と話し合った結果、「ちゃんと字を繋げないとバラバラになる」というもっと先に出てないとおかしいはずの結論が出ました。

ただ、「みんなの寄せ書きはゴミになったよ」とは言えないので、ここからは自分一人で作ることにしました。

 

 

 

 

顕れるイデア編に続く

 

 

 

 

 

 

 

顕れるイデア編 工程を考え直す

 

 

 さきほどの失敗から「文字は繋げないと、爆発する」ということを学んだので次はちゃんと文字を繋げて寄せ書きにしてみたいと思います。

ただ、風船はもうまっぴらなので構造から考え直すことにしました。

イメージとしては、何か土台を用意して、そこに放射状に寄せ書きの文字をくっつけるという感じです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 まず100均で買った針金を曲げて土台の部分を作ります。

このとき針金で目を突かないように気をつけてください。

痛いから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今回はちゃんと文字を下書きします。

文字は太めのサインペンでわかりやすく書きましょう。

細かく書いてもそれをなぞるのは至難の技です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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書けたら紙を裏返して、つまり鏡文字になるように3Dペンでなぞります。

鏡文字で書くと、接着剤代わりの3Dペンを文字の上からそのまま塗れるので便利です。

写真で気付いたのですが、トレース台があるのに光らせずになぞっているので頭が悪そうですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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慣れないうちはこの工程で狂ったベビースターラーメンみたいなのを量産してしまうと思います。

「そこまでして3Dにする必要なくね?」と頭の中でギャルがささやいてきます。

難しいですが、強いてコツを言うならば「卒業しても3Bのこと忘れないでね」と書くときは「卒業しても3Bのこと忘れないでね」という気持ちになって書くことです。

「別に忘れてもいいけど・・・」という気持ちでやると失敗します。本当です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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文字が書けたら上から字のパーツが離れ離れにならないよう、違う色のフィラメントでなぞります。

なぜかこの工程ではトレース台を光らせていますね。頭が悪いのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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フィラメントが固まったら、このように机のヘリを使って紙を反らせると文字が浮くように剥がれてきます。

伝わるといいのですが、ここが一番楽しい工程です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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あとは、文字の軸に接着剤代わりのフィラメントをぐるぐる巻きにし・・・

 

 

 

 

 

 

 

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 土台の針金にくっつけます。

 

 

 

粘土みたいなイメージで考えてもらって大丈夫ですが、秒単位で固まっていくので焦って針金で目を突かないように気をつけてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 できた

 

 

 

 

 そこはかとなく寂しい雰囲気が漂っていますが、手順としてはこれで行けるはずです。

さっそく作ってみたいと思うので、10分くらい待ってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ともだちに寄せ書きをあげよう!

 

 

待ってくれてありがとうございました。

さて、寄せ書きをするうえで重要なのは「誰に寄せるのか」ということですね。

僕が常日頃、「寄せ書きをあげたいなあ」と思っているのは最近㈱バーグハンバーグバーグに入社したマンスーンさんです。

 

 

 

 

 

 

 

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マンスーンさん

 

 

 

 

生まれてこのかた働いたことがなかったというマンスーンさん、入社してから日に日に生気がなくなり、この日に至っては目を閉じたまま微動だにしていませんでした。

確かに「マンスーン」って、動物園にいる全く動かない動物みたいな名前ですね。

マンスーンを元気づけてあげたい。マンスーンが再び動くところを見たい・・・。

そんなわけで、彼が喜ぶポジティブなワードを散りばめた寄せ書きを作ってみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寄せ書きナンバー2. 精神論の寄せ書き

 

 

 

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出来上がったのがこちら、「負けるな」「努力あるのみ」「逃げるな」などポジティブな言葉だけで構成された寄せ書きです。

上部には「努力あるのみ」と書いたのですが、なぜか完成直後から全体がしんなりしてしまい、見えなくなってしまいました。

ヤバい、失敗した。けど作り直すのもな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

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と思ったんですが、上から見てみたら見事に地面に「努力あるのみ」という影ができていました。

そうか、つまり「努力は陰でするもの」ということだったのか・・・

この偶然の奇跡に涙しつつ、これはきっと喜んでもらえるとマンスーンさんのもとへ急ぎます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「これ、受け取ってください」

「・・・。」

 

 

 

 

 

 

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「・・・。」

 

 

 

 

受け取ってはくれたものの、寄せ書きを見つめて全く動かなくなってしまったマンスーンさん。

まるで「花が枯れたことをいつまでも嘆いている人」のようだ、と思いました。

喜んでくれていないのかな?と思って原宿さんに確認すると、「あいつが動くなんて・・・」と涙目で立ち尽くしていました。

「本気で応援すれば、やっぱり伝わるものなんだな」と自分までもらい泣きしてしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どんどん作ります

 

 

続いて寄せ書きを渡すのは、菓子盆評論家ことダ・ヴィンチ・恐山さん。

いつも仮面をつけていて感情がよくわからない彼なので、心がウキウキするような、楽しくなるような寄せ書きを渡してあげたいと思います。

 

 

 

 

 

 

寄せ書きナンバー3. 体育会系の寄せ書き

 

 

 

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そしてできたのが、こちらの「体育会系の寄せ書き」です。

「ウェーイ」「チス!」「イェ~イ」など、体育会系の集団から発せられる掛け声だけで構成しており、見るだけで楽しい気分になってきませんか?

さっそく渡して、反応を窺ってみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「これ、受け取ってください。」

 「・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

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あれ、喜んでない・・・?

 

 

 

 

 

絶対に喜んでくれると思ったのですが、仮面を通してすら悲哀が伝わってくるような表情です。
一生懸命作ったのにどうして・・・?と落ち込みそうになったのですが、そこでひとつの考えがよぎりました。

 

――もしかして彼は、青春時代にあまりクラスに馴染めなかったのでは?

だとしたら、ウェイウェイ系の寄せ書きなど好きなはずがありません。
僕は寄せ書きを取り戻すと、その場で待っていてくれるようお願いし、彼が本当に望んでいる”寄せ書き”を作り直すことにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寄せ書きナンバー4. クラスにあまり馴染めなかった人の寄せ書き

 

 

 

 

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そして、大急ぎで完成させたのがこちらです。

全体的に文字を小さくして控えめな設計にしました。

それによって、Web上で文字が読めなくなるというマイナス面もありますが、喜ばせたいのはダ・ヴィンチ・恐山さんその人だけなので問題ありません。

 

 

 

 

 

 

 

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「バイバイ」「じゃあね」のような素っ気ない書き込みや、「あまり話せなかったけど楽しかったよ」「個性的だと思う」「誰?」など、クラスにあまり馴染めなかった人が書かれそうなワードで構成してみました。

これなら彼も喜んでくれるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「あの、これ・・・。」

「・・・。」

 

 

 

 

 

 

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・・・。

 

 

 

 

笑った・・・!

こんな嬉しそうな彼を見るのは初めてで、仮面はつけたままですが、心の仮面が剥がれていく音をはっきりと聞いたような瞬間でした。

誰かを喜ばせようとすると、逆に傷つけてしまうこともある。

でも、相手の気持ちを考えて、心を込めて作った寄せ書きは、思っている以上に喜んでもらえるものだと実感しました。

皆さんが寄せ書きを作るときは、誰に宛てるのか、そして、その人がどうしたら喜ぶのか…よく考えて作ることをお勧めします。

 そうして貰った寄せ書きは一生ものの宝ですし、邪魔だから捨てようなんてことには絶対ならないと思います。

 

 

 

 

というわけで、笑いあり感動ありで流れ的には終わっていい感じなのですが、他にも色々作ってみたので見ていってください。

 

 

 

 

 遷ろうメタファー編に続く

 

 

 

 遷ろうメタファー編  寄せ書きナンバー5. 寄せ一筆書き

 

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文字を書いてそれをくっつけるという工程があまりに難しかったので、簡単にできないかと思って考えたのがこれです。

固まったフィラメントの安定性は格段に増すのですが、そもそも一筆書きした文字のデザインが難しく、オモコロの本来の読者層である女子高生には不向きだと思われたので軽く触れるのにとどめておきます。

クラスに何でも一発で成功させるタモリ的な人がいるならチャレンジしてみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寄せ書きナンバー6. 寄せ植え

 

 

 

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固定に台座を使わず、観葉植物の鉢に直接植えたのがこちらです。

目に刺さりやすい針金を使う必要がなく、またインテリアとしてもいける感じに仕上がるのでオシャレ系の友達に贈るならこれが良いかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寄せ書きナンバー7. 寄せ名前のみ

 

 

 

 

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あえてメッセージ性を排除し、名前だけで構成したのがこちらです。

原田がいた、室岡がいた、佐藤がいた・・・という事実が迫真をもって伝わってきて、かえって強烈な印象になるかもしれません。

ただ、普通に貰ったときの反応は「何?」だと思うので気をつけてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 寄せ書きナンバー8. 寄せビル街

 

 

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寄せ書きを作っていて飽きたので、「なんか寄せ書きとかよりビル街がいいな。ビル街」と思って作りました。

出来上がって見てみると、寄せ書きよりもなんだかしっくりくるので、もしかしたらこの手法はビル街を作るほうが向いてるのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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そして、3Dの寄せ書き全般に言えることですが影がかっこいい。

これは立体で作った場合にのみ味わえる醍醐味であり、茂木健一郎に確認しないと分かりませんがたぶん脳にいいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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というわけで、合計8つの寄せ書きが揃いました。

ギネスブックに3Dの寄せ書きを作った数という項目があったら一番になれると思います。

1、2、3、4、・・・あれ?7つしかない?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あ、8つ目あれか、風船のやつか・・・

すみません、ここに一緒に並べて写真を撮っておくべきだったのですが、あまりにゴミっぽかったので捨てられてしまい、ゴミ出しのタイミングに被ってしまったのもあってもう撮り直せないんです。すみません・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 これでいいですか?

それではさようなら。

 遠くに行っても、忘れないで・・・。

 

 

(おわり)