この世にはTRPGという遊びがある。

 テーブルトークロールプレイングゲームの略で、会話を通じて遊ぶゲームアナログゲームの一種だ。
 D&Dとかクトゥルフ神話TRPGとか聞いたことがある方も多いかもしれない。

 この記事を書いているナ月は手解きを受けながら2,3回遊んだことがある。TRPGはめっちゃ楽しい。めっちゃ楽しいが、めっちゃ大変でもある。

 下準備が大変。人数集めやスケジュール調整が大変。ルールの把握が大変などなど。きっと愛好家の方は「いや、大変だけどそこも楽しいじゃん」と思っていることだろうと思う。

 でもそれはそれとして、もっと手軽なやつがあればいいのに〜と思ったことはないだろうか。あるに決まっている。

 

 ある。

 

 もっと手軽なやつ、ある。

 

 それがこの今野隼史さんが手がける「のびのびTRPG」シリーズだ。

下準備必要なし!!

ルールめちゃめちゃ簡単!!

というすごいやつで、これさえあればあと1~5人の人間がいればすぐにTRPGが遊べるようになっている。
 これは「ザ・ホラー」とついているようにホラーをテーマにしたやつだが、他にもファンタジー的なのとかスチームパンク的なのも出ている。

 推奨は3~5人プレイだが、2人とか1人とかでも遊ぶことができるのが嬉しい。一周も30分~60分程度とTRPGとしてはかなりライト。とにかく気軽にTRPG味を接種することができる。

 今回はこの「のびのびTRPGザ・ホラー」を一人でやってみようと思う。他のライターとやれば? とか思った人もいるかもしれない。地方民はそうはいかないんだ。助けてくれよ。

遊ぶぜ一人で

 内容物はこんな感じ。ダイスが黒くてかっこいいぜ。

「のびのびTRPG」の一人プレイは一人でゲームマスターとプレイヤーを兼ねながら、展開に沿って物語を作っていくような遊びになる。

 まずPC(プレイヤーキャラクター)カードを選ぶ。

 どうしよ。なりたいで言えば、俺もまあ、人並みに女子高校生になってみたいとは思う。ホラーの女子高校生って楽しそうだから。でも女子高校生のロールプレイやるの大変そうだな。

 この中で自分に一番近いのと言えば記者だろうか。一応はライターだからな。ちょうどライターとして一度くらいは怪奇現象に巻き込まれてオカルト記事を書いてみたいと思っていた。

 というわけで記者にしよう。スキル【情報通】を使うと「聞いたことがある」と言って判定に+2できる。地味に便利そうだ。

・イントロダクション

 続いてイントロダクションカードを一枚めくる。ここから物語が始まる。

 えい

『村の異変』
(PCのうち1人)が引っ越してきた平和な村。穏やかな暮らしがしばらく続いたが、この夜を堺に、異様な出来事が起こり始める。

村の伝承と禁じられた存在に、鍵があるかもしれない。

この地で得た知人と助け合い、怪異に挑むんだ。

 

俺の名はナ月、ライターだ。最近この平和な村、熊本に引っ越してきた。いきなり団子をパクパク食べたり他人のエピソードを集めた記事を書いたりして平和に過ごしていたが、最近妙なことが起こるようになってきたぜ……。村の秘密を暴いてオモコロ特集にしてやるぜ!!

↑今後ロールプレイ部分はこんな感じで書くぜ。

・場面

 次にこの「場面カード」を引く。

 場面カードにはホラーっぽい場面が色々書かれていて、プレイヤーは判定もしくはロールプレイを要求される。

『侵食』
そんなわけで闇に飲まれてしまった君は、体に異様な文様が浮かび、目は赤く輝き、セリフの半分がカタカナになってしまう。
このまま闇に侵食されたら、君は人ならざるモノになってしまう。

負けるな、仲間の声を聞いて。帰ってくるんだ!

 いきなりなんだよ!! と思われるかもしれないが、場面カードはランダムにホラーっぽいシチュエーションを投げかけてくるので話の繋がりとかは自分で考えて遊ぶのがこののびのびTRPGだ。

 

俺の名はナ月。最近ムラの様子ガ変だと思ってイタケド変さがメッチャ体に侵食シテキテル気ガスルぜ。村のいきなり団子食っテタカラな。村ホラーあるアルだ。イントロダクションでヨケイなこと言うんじゃなかったナ〜!

 

 判定:技が14以上で成功とカードに書いてある。説明書によると、一人プレイの場合は目標値を-4すると良いらしい。今回の目標値は技:10となる。
 場面の判定は基本的には2D(ダイス2つ)を投げて出た数の合計に、PCカードの能力値を足す。

 よっしゃダイスロールするぞ!

 ダイス目の合計は6、PCカード「記者」の技の能力値は3なので合計「9」

 失敗した場合は「闇カード」を引く。成功していたら「光カード」というのが引けた。(記事にまとめながら気がついたけどここでスキル使えばよかったのか)

 闇カードにはなんか闇っぽいことが書かれているが、必ずしもマイナスな内容とは限らない。

『ワイルド』
髪型も服装も言動もだいぶ野性味あふれている君は、生命力の塊のようだ。ジャングルから来たのかい? その力の前では、どんな困難もひれ伏すしかない。

 判定を強引に「力」判定に変更することができるらしい。ワイルドだ……。

 

メチャメチャ侵食されちゃッタけド俺ってワイルドだかラ元々こんナダった気がシテキタな〜。

 

 これで一区切り。以降は「場面カードを引いて判定orロールプレイをして、結果に応じて光カードか闇カードを引く」を繰り返していく。一人プレイの場合はこれを5回繰り返しながら物語を作っていく。

 

・次の場面カード

『結界を張れ!』
絶体絶命かと思われたその時、謎の少女が駆け込んできて、「結界を張るんです! 四隅の守護像を立て直して!」と叫んだ。

結界で君たちの身を守るには、散らかりきった四隅から守護像を見つけ出し、正しく並べる必要がある。急ぐんだ!

 

もう侵食されチャッテルけど今から結界デなんとかナリマスか?

 

 6D(ダイス6つ)振って連続した目が4つ以上含まれていれば成功で、4回までチャレンジできるらしい。

 おりゃ。2,3,4,5,6……

 一発で成功してしまった。

 

守護像一個多くない? 大丈夫? 返してきたほうがいいですか?

 

 成功したので「光カード」を引くぜ。

『カレー好き』
君はカレーが好きすぎて他のことがおろそかになりがちだ。
しかしあの魅惑のスパイスを前にしたとき、覚醒した君の力はすべてを超越する。

 なんだこれはと思ったけどカレーにありつけそうなら判定を2D(ダイス2つの合計)ではなく5D(ダイス5つの合計)に変更できる凄まじいカードだ。こじつけることができれば超強い。カレーにありつけそうなホラー展開ってなんだよ。

 

守護像のおかげで完全に事後対応だったけど侵食から逃れられたぜ。ありがとう謎の少女。二度といきなり団子なんか食べないよ、カレーが食べたいぜ。

 

・次の場面カード

『炎に巻かれた!』
小さな炎はたちまち膨れあがり、君たちの周囲を完全に包囲してしまった!
このままでは蒸し焼きになってしまう!

その時「こっち、こっちだ!」と、聞き覚えのある声がした。
まさか、あの人が?

 

せっかく侵食から逃れたのに普通に物理的に殺そうとしてきやがったぜ! なんて陰湿な村だ! やっぱり村の秘密をオモコロ特集にしようとしているから村ぐるみで俺を消そうとしているに違いないぜ! 呼びかけてるのは誰だろう。幻聴かも。

 

判定、技:12以上で成功。一人なので-4して技:8以上か。

 合計6。PCの能力値の3を足して9なので

 成功! 光カードを引く。

『勇気100倍』
一般人に比べると君の勇気は無限大だ。恐怖しないのではない、恐れを知ってなお先に進む力、それが勇気というものだ。

 勇気で判定を+2できる。勇気でどうにかなるのってたしかに数字+2くらいかも。

 

オリャ〜!! 俺は勇気がめちゃめちゃあるから炎に巻かれても脱出できるぜ!! 待ってろ村の秘密!!

 

・次の場面カード

『コンビニにて』
いついかなるとき、どんな場所でも、コンビニエンスストアは明かりを灯し、さまよえる人々を迎え入れてくれる。
「いらっしゃいませー」
聞き慣れた接客と揚げ物の香り、馴染みのレイアウトが君を誘う。
さて、何を買おうか? もしかしたら、ここで売っているものが、鍵になるかもしれない。

 ロールプレイカードが出た。複数人で遊ぶ時はロールプレイ内容をゲームマスターが判断して成功失敗を決めるが、一人プレイの時はいい感じにやろう。

 

よかった、ヤバい村だけどコンビニはまともだぜ。すごいな〜大企業の教育って。

 

ロールプレイ:場面PCは「最近コンビニで買ったもの(重要なアイテムとなる)」を発表する。場の支持を得られたら「光」カードを、さもなくば「闇」カードを得る。

 まあ一人プレイだからどうとでもなるけど……なんかランダム性があるやつがいいな。

 大吉なら成功としようかな。

 中吉。

 闇カードを引く。

『犯罪者』
君は過去に何らかの犯罪をおかしている。今回の出来事は、もしかしたら、贖罪のチャンスかもしれないし……あるいは、君は許しなど求めていないかもしれない。

 

ONICHA美味しいなあ、昔懐かしい麦茶だぜ。そういえば子供の頃によく外患誘致したっけなあ。
(書くまでもないことですがTRPG内のプレイヤーキャラクターとしての発言であり実際にはしてないですからね)

 

・次の場面カード

『あの闇の彼方に』
恐るべき体験を乗り越え、君たちは高台に辿り着いた。
闇が渦巻くその先に、ぼんやりと見えるものがある。
「あれは……?」仲間が呟く。
君にはわかる、あれこそ、自分たちが向かわなければならない場所だ。
すべてはあそこで明らかになる。

ところで、あれってなんなんだろう?

 最後の場面カードにして都合よく物語的にいい展開のカードがきたな……

 

あそこに行けば村の秘密がわかるに違いねえ〜!!

 

判定:技:8以上(-4して技:4以上)

 おりゃ

 

よっしゃ待ってろ村の秘密!! 外患誘致で捕まりかけた俺を匿ってくれたことには感謝してるけど普通に殺そうとしてくるのは許せねえ〜!!

 

 光カードを引く。

『芸能人』
君はロケでここにやってきた。君の持つ芸能界オーラは周囲を感化させ、華やかなTVショーさながらの雰囲気で満たす。

 

芸能人!? だっけ……芸能人だった気がしてきた!! そう、俺は芸能人だったけど過去に外患誘致しかけたのがバレて田舎の村に逃れて顔を隠してコソコソWebライターをやっているのだったぜ。ロケでやってきたというテキストは無視しようかな! そんなことより村の秘密だ!

・クライマックス

 一人プレイの場合は5回場面をプレイしたのちクライマックスとなる。

 このクライマックスカードを1枚引いてクライマックスシーンを決めるぜ。

『UFOエンド』
突然閃光があたりを覆い尽くし、これまで遭遇した怪異の後ろから、未知の乗り物に乗った宇宙的知性体が降り立ってくる。
——お前の仕業だったのか!
このまま処理されるわけにはいかない。奴の弱点を突き、地球の力を見せよ!

 サイレントヒルかよ

 

ウォー!! 不思議と「村がおかしくなったのは宇宙人の仕業でした」って言われるとしっくりくるぜ!! よくも宇宙いきなり団子を食わせて俺を侵食しようとしたり放火しようとしたりしてくれたな!! たしかに俺は外患誘致はしたが宇宙人の侵略はお断りだぜ!! 許せねえ宇宙人ども!!

 

 説明書によると一人プレイの場合はクライマックスの判定はしないで好きにお話を考えていいっぽいけど、あえて判定をやろうかな。やりたいし。

判定:みんなで合計5Dを振り、【25】以上で成功する。場にある「闇」カードの中から1枚を選び、「そのカードに書かれた数字ひとつ✕5」をボーナスに加える。

 5D結果、21

 闇カードの中の数字×5を追加。ここではワイルドの「+1」を使うぜ。1×5で5をボーナスにして、26

 

こうして俺はワイルドパワーで宇宙人を倒したぜ。村には平和が戻り俺はカレーを食べた。外患誘致の時効までこの村で顔を隠してウェブライターをやるつもりだ。その後はエイリアンバスターとして芸能人に返り咲いてやるぜ。プレデターの主演をやらせてくれ。

終わり

 

楽しい!!!!

 一人で楽しめるかちょっと不安だったけど、めちゃめちゃ楽しいな。強引な展開に合わせて強引に物語を作っていくのがこんなに楽しいとは。「のびのびTRPG」のタイトルどおり、細かいことを気にしないおおらかさは必要なゲームかも。
 説明書でも推奨されていたけど、一人プレイの時は物語を執筆しながらやるのが楽しいと思う。

 人と遊んだらもっと楽しいんだろうな。メチャクチャな展開を友達と笑いながら遊べたら最高だと思う。高校生とかになって放課後の部室とかでやりたい……考えていたら悲しくなってきた。

 ぜひ買って遊んでみてほしい。ホラー以外のやつも楽しそう。

ゲーム名:のびのびTRPG
ゲームデザイン:今野隼史
発売元:株式会社アークライト
© 2021 FRONTIERPUB / Arclight, inc.

 

記事は一旦ここまでなんですけど、もう一回やっていいですか。