ブロス編集部です。
2025年、あっという間の6月…。そして上半期が終わろうとしています。というわけで今回はバーグハンバーグバーグの皆さんに「上半期に読んで良かった漫画」を聞いてみました。雨の日でどこにも行けない時に読んでみてくださいね。
かまどの読んでよかった漫画
This コミュニケーション
【オススメ人:かまど】
めっっっっっっちゃ面白かった。すでに完結済みなので、みなさんもぜひ最後まで読んでみてください。元軍人で、徹底した合理主義者である主人公が、不死身のスーパーパワーを持つ少女たちを率いて、地球を滅ぼそうとする謎の生物と戦う話です。
サイコパスとか冷徹な合理主義者ってマンガにもよく出てくるとは思うんですが、そんななか、この主人公は魅力的すぎる。ぜひ、一度見てほしいです。
不死身の少女たちは、致命的なダメージを受けても、身体を1時間前の状態に巻き戻して復活できるという設定です。その際、「記憶」も同様に1時間前に巻き戻るので、合理性を突き詰める主人公は、なにか不都合なことが起きたり、少女とのコミュニケーション上でエラーが生じると、速攻で少女をぶち殺します。
そうやって都合の悪い記憶をリセットして、少女たちにそれがバレないようにしながら、共同生活を送る……という異常なストーリーになっています。「こいつさえ死ねばうまくいくのに」を本当にやっちゃうような主人公なんです。普通に殺人鬼です。
この「不死身のチカラ」という設定と、「倫理観ゼロの合理主義者」というキャラクターのかけ算が、もうめちゃくちゃに面白いです。「必要とあれば殺人もいとわないサイコパス軍人」が「不死身の部下」を従えたらどうなると思います? マジで見たことのない駆け引きや戦闘描写が繰り広げられて、めっっっっちゃ楽しいんですよ。
「えぇ……そんな非道なマンガ読みたくないよ……」と思われるかもしれません。でも、実際に読んでみてください。予想を越えてポップな読み味で、かつ、予想をはるかに越えて最低で面白いです。
あと、そんな悪魔のような物語を経てたどり着く最終回も圧巻でした。あんな形で幕を閉じて、その作品の名が「This コミュニケーション」と言われたら、なんか……すごく……嬉しいよなあ!!!
できるだけ多くの人たちに同じ景色を見てほしいので、もし気になったら読んでみてください。
雨穴の読んで良かった漫画
生存〜Life〜
【オススメ人:雨穴】
原作:福本伸行 作画:かわぐちかいじ というビッグネームのコラボ作品があったことにまず驚き、にもかかわらずそこまで知られていないことにも驚きました(いや、私が知らなかっただけで実はみんな普通に知ってるのか…?当時は話題になったのか…?漫画の有名or有名じゃないの判断って難しい)かわぐちかいじの描画力はもちろんのこと、福本伸行の台詞構成の上手さに感嘆しました。いわゆる「福本節」は出てこないのですが、短く簡潔な言葉を積み重ねてロジックの壁を築き、複雑な情報も悪人の自己弁護も読者の頭にすんなりインプットしてしまう氏独自の手腕がミステリーのフォーマットにこれ以上なくはまっています。
推理漫画をはじめて読む人には、コナンや金田一よりも先にこれを勧めたいと思いました。同コラボによる「告白~コンフェッション~」も面白かったです。
マンスーンの読んで良かった漫画
生活保護特区を出よ。
【オススメ人:マンスーン】
読んでる時が一番楽しくて、次の日にはサラッと忘れてしまうような漫画と、読み終わった後にオクラを入れて粘り気を帯びた味噌汁のように頭にこびり付く漫画があると思っていて、この漫画『生活保護特区を出よ。』は後者です。大きな戦争によって分断された日本。安全と安心な生活が送れる「新都トーキョー」と、自立困難な者たちに国が衣食住を提供し保護をする「生活保護特区」という隔離された島。
主人公である中流階級の家庭に生まれた女子高生フーカは、新都トーキョーで平凡な日常を過ごしていたが、そんなある日、彼女に特区への移住が言い渡される。
特区での新たな生活を始める主人公は、貧困と格差の渦巻く島で様々な問題や生き辛さを抱えた人たちと出会っていく。自分を傷つける者。家庭環境によって心に闇を抱えた者。生きる気力のない者。そんな人たちと、時には助け合い、時には距離を置きながら、目覚めて、仕事をして、飯を食い、酒を飲み、また寝る。
僕はこの漫画の主人公の、どこか生きることに上の空なのだけれど、それでも優しさを忘れない姿勢がとても好きです。それでも生きる。生きない事も正解としながら。生きる。肯定することは時に残酷だ。全員他人だけど全員人間なのだ。そんなことを思いながら、この物語がいったいどこに向かうのかをずっと気にしています。
私たちは完成された漫画を読んで想像することしかできない。書き加えることはできない。でもこの漫画を読んで想像することができるなら。きっと何かが変わる気がします。
ストーム叉焼の読んで良かった漫画
ケツバトラー
【オススメ人:ストーム叉焼】
ケツにJoy-Con刺してチャンバラをするSwitch用ゲーム「ケツバトラー」のコミカライズです。お察しの通りコロコロの漫画です(週コロ)。ケツで刀を振るう以外はかなり王道かつシリアスな展開もあり、視界に入って3秒以内は滅茶苦茶かっこいいカットも結構あるのですが全員ケツに刃物を挟んで斬り合ってる上にしょうもないケツもじりが挟まるので最悪。
7話で「倒すべき敵が父親と判明する」シーンをバトル漫画史上最も終わってる見開きでぶつけてくるので一旦読んでみて下さい(週間コロコロコミックのサイトで話に一旦のケリがつく8話まで無料で読めます)
柳田の読んで良かった漫画
アドルフに告ぐ
【オススメ人:柳田】
今年のゴールデンウィークはずっと手塚作品を読んでました。元々、「火の鳥」とか「ブラック・ジャック」とかは好きで読んでたんですけど、「アドルフに告ぐ」はちょっと大人向けのイメージがあって敬遠してました。ただ、読んでみたらめちゃくちゃスケールが大きくて面白かったです。「アドルフ・ヒトラーにはユダヤの血が流れてる」という秘密文書をめぐる、三人のアドルフの人生にまつわる話なんですけど、第二次世界大戦から現代まで続く話で、登場人物も多いんですが、全てが最後に繋がっててかなり読み応えがあります。荻野目洋子さんが「マンガじゃなくて大河小説」と言ってましたが、本当にそれくらい話がデカいです。それ以外にも「アポロの歌」「奇子」も面白かったです。短編だと「バイパスの夜」が好きです。YouTubeで公式配信しててサクッと見れるのでぜひ!!
ギャラクシーの読んで良かった漫画
おりたたぶ
【オススメ人:ギャラクシー】
おりたたみ自転車を愛する少女たちのゆるい日常を描いたマンガ。自転車のマンガというとどうしても競技方向とか日本一周とかに行きがちで、いやもちろんそれも大好きなのですが、一方で「自分には関係ないすごい人たちの物語」って認識になるじゃないですか。だって僕はレースとか出ないし旅もしないんだもの……このマンガで主人公たちが乗るのは、スピードが出るロードバイクではなく、小さくてかわいい「折りたたみ自転車」なんですよ。だから死ぬ思いでヒルクライムとか、延々と練習したりということはなくて、最初から最後まで徹頭徹尾ゆるポタ。誰もが今日からマネできるくらいの(小川駅~多摩湖まで15kmとか)、日常レベルのサイクリングが描かれてて楽しいです。
ブロンプトンやダホンなど有名な折りたたみ自転車がたくさん登場して、どれもおしゃれでかわいい~~!! どこを曲げてどうやって収納するのかといったギミックも良いし、折りたたみならではの気軽な輪行(電車に自転車を乗せること)も楽しそう!
ハンバーガー食べに行ったり観光地を歩いたり……女の子たちが「自転車のある日常」を楽しそうに過ごしてて、自分も乗りたくなります。っていうか乗っちゃいましたよね、マンガで描かれてる場所まで。自転車って楽しいよね~!
鬼谷の読んで良かった漫画
アイドルマスター シャイニーカラーズ 事務的光空記録
【オススメ人:鬼谷】
アイドルマスターシャイニーカラーズ(シャニマス)というゲームシリーズのコミカライズです。しかしその主人公はアイドルにあらず、アイドルたちが所属する芸能事務所の事務員・七草はづきの視点で描かれる作品になっています。通称「ジムシャニ」。1巻でははづきさんの有能さが存分に描写され、その仕事っぷりを見ているだけで恍惚です。ステージで輝くアイドルたちがその裏側で尊敬し頼っている影のヒーローの活躍を覗き見るような興奮もありつつ、様々な「光の当たらない人」にフォーカスする生々しさに息を呑みます。
絵がきれいでかわいくてかっこよくて、漫画としての見せ方も面白くて、何度も見返しています。本作はサンデーうぇぶりというサイトで隔週連載されており、最新話を読むたびに「ひゃ〜ははは……こりゃ参った……(天を仰ぎ、笑いながら涙を流す)」となっています。
知らないコンテンツのコミカライズというと身構えてしまうかもしれませんが、むしろ入口としてすごく丁寧に、クリティカルにアイドルたちの個性が描かれているので、「シャニマスに興味はあるけど一歩目に悩んでいるんだよな〜」という人にもおすすめです。シャニマスが持つ特有の磁場もしっかり表現されているので、この重力に引っ張られる感覚があればきっとシャニマスにハマるポテンシャルをお持ちだと思います。ゲートウェイコミックとしてぜひ気軽に手を出してみてください。
みくのしんの読んで良かった漫画
NARUTO
【オススメ人:みくのしん】
悪目立ちしようなんてこれっぽっちも思っていません。純粋な気持ちでNARUTOを見返しています。NARUTOは子どもの頃にアニメで見てたり見てなかったりしていて、ジャンプを買いだしたら毎週見ていたけど、ジャンプを買わなくなると読まなくなるし。など、NARUTOくんのこと好きなのに(ヒナタ?)1話から全然追えてなかったな。と思って今見ています。今でUFOキャッチャーなどで見るとその人気も伺えます。海外の人気もめちゃくちゃすごい。
NARUTOの面白い所って今更僕が言っても仕方ないとは思ってるんですが、とにかく「波の国編」まで見てください。再不斬(ざぶざ)、白(はく)との話はかなり度肝抜かれました。これが2000年に出てきた漫画で、尚且つ4巻までってのがちょっと驚いてる。一旦4巻まで。一旦。すごいよ。忍者って本当に大変。流石世界的な漫画だけあって面白いです。超嬉しい。
キャラクターもバシバシ出てくるし、個性すげー豊か!それとこれはちょっと関係ないけど、ナルトの周り、ナルトみたいなやつ多すぎる。すっごいナルトだらけ。ナルトSP。みんな辛い過去ありすぎ。でも、みんな頑張りすぎ。寝てほしい!長期休暇与えてあげて!
アマプラではアニメでも見れるので、是非。
以上!
下半期も素敵な漫画に出会えるといいですね。良かったら読んでみてください!それではまた。