時局月報社 自由國民第二十三號 P2より引用

【注意】本記事は性に関することがいっぱい書いてあるので、そういうのが好きな人だけ読んでください。チンポとかいっぱい書いてあります。

【注意2】本記事の内容はあまり真に受けないでください。豆知識として人に話すのもあまりおすすめしません。

 よし、注意したぞ! たしかに注意したからな!

 

 先日、古書店でこういう本を買った。

『特集雑誌 自由國民 家庭版 23 幼児から老年まで 私たち生涯の性の百科事典 特に性心理と性技術について*(←ナ月注:実際はなんか花みたいなマーク)現代の家庭と若き男女のために』という本だ。この表紙のどこまでが書名なのか自信がない。背表紙には『私たちの性の百科事典』と書いてある。
 俺(この記事を書いているナ月という者です)はエッチなことに興味津々な年頃だから買わずにはいられなかった。

 見ての通り大変古い本だ。奥付けページを見てみよう。


時局月報社 自由國民第二十三號 P231より引用

 昭和二十四年十月二十日発行と書いてある。西暦だと1949年。終戦からだいたい4年後でまだ日本はGHQの統治下だ。WikipediaにはMr.マリックの生まれた年だと書いてあった。そうなんだ。

 ひとまずこれを見てほしい。目次の上にあった素晴らしいコンテンツを。


時局月報社 自由國民第二十三號 P1より引用


時局月報社 自由國民第二十三號 P2より引用


時局月報社 自由國民第二十三號 P3より引用


時局月報社 自由國民第二十三號 P4より引用

 最高だ。さすがは性の百科事典。本を開くなり全裸人間フォントが出迎えてくれる。これは人體アルファベットと説明してあった。16世紀のフレトナーという画家の作品らしい。

 Qはちょっとズルじゃないかと思う。

 さて早速本の内容について紹介していきたいが、本文のほとんどがエロすぎてとてもじゃないがオモコロブロスでは紹介できない内容だった。

 今回紹介したいのは本文の合間のミニコラム『秘めたる性畫100葉』というコーナーだ。古今東西あらゆるものの由来が実は性に関係しているという内容のミニコラムで、「……そうなの?」「まあそう言われてみればそうかも」というものから「絶対言いがかりだろ頭ピンクピンク野郎が」と言いたくなるようなものまで様々だった。厳選したいくつかを紹介させてほしい。

般若アヘ顔説


時局月報社 自由國民第二十三號 P9より引用

 お馴染み能面の般若。現代では女の怨霊を表す面として知られている。だがこの本に言わせればこうだ。

観音菩薩が性交中に強烈な快美感のため美しい眉毛にしわをよせ、顔をゆがめて歯をむき出し、恍惚となっている相貌を表現したものだ。頭上に角を生やしているのは、心中すでに獣慾にひたむきになっていることを現している。

と、書いてある。言わばあれはアヘ顔だという説だ。すごい、そんなの考えたこともなかった。まあでも言われてみれば……いや、言われても厳しい気がする……まあでも昔の人ってそうだったのかもしれないし……

大黒様チンポ説


時局月報社 自由國民第二十三號 P103より引用

 七福神の大黒様はどうだろうか。

全身=陰茎、頭巾=亀頭、打出ノ小槌=精子、俵=陰嚢という姿をまざまざ表している

 すごい。等号を四つも使って大黒様はチンポだと説明している。本当にこの通りで、神様の姿をデザインするときに「それとなくチンポっぽくするか」という発想があったのか、あるいはたまたまチンポに似てしまったのかが気になるところだ。

世界を支える亀、チンポ説

 古代インドの世界観では世界は巨大な亀の上に乗った象の上にあるとされている。この亀は一体なんなのか。


時局月報社 自由國民第二十三號 P27より引用

特に古代には神はすなわち「亀」であるとした。それは亀の頭と頸とがペニスに類似していたからである。

 文の前後が階段を五段飛ばしで駆け上がっていてスピード感がある。

蓮、チンポ説

 仏教でよくシンボルとして登場する蓮。「蓮は蓮だろ」と思うがこの本に言わせればこうだ。


時局月報社 自由國民第二十三號 P33より引用

蓮花の開いたのは男根の表章で芽や蕾も同じく陰莖を意味する。それはやはり性慾、生殖力の神秘が生殖器の崇拝となり、形態の類似物を、求めたにほかならない。

「ブッダの周りに本当はチンポを描きたいけどチンポを描くわけにはいかないから代わりに蓮を描いとこうかな〜」みたいなことで合っていますか……?

卍、五性器合体説

 お寺とかの「卍」のマーク、まあ言われてみれば、あれって何なんだろう。


時局月報社 自由國民第二十三號 P31より引用

四つの男性生殖器が一つの女性生殖器に奉仕している有様で

 説明もすごいけど、図がすごい。あのカギの部分は金玉だってことかよ。だとしても何なんだよ、どういう状態なんだよこれ。

鳥居女性器説

 もう何が何の比喩と言われても驚かないぞ。


時局月報社 自由國民第二十三號 P35より引用

フレデリック・スタール博士(米・土俗学者)「生殖に関係あること疑いなし」と断定されている。

 アメリカの権威を出してくるとは卑怯だぞ。生殖には何か関係あっても女性器とは限らないんじゃないかと思うんですけど、でも門だしな……そうなのかな……いや……。

松竹梅なんかとにかく性説

 縁起物植物の松竹梅、あれってなんで松竹梅なのか。


時局月報社 自由國民第二十三號 P76より引用

松は常に変わらぬ緑とたくましい木ぶりとが男性の雄々しさを表徴している。梅はその品の良い香気と可憐な美しさに貞淑な女性の姿を表現するもので、竹はしなやかではあるが激しい風にも折れ曲がらないその性質を、優雅の中にも操を曲げぬ男女のモラルの在り方として、

 だいぶ苦しくなってきている気がする。百歩譲って松と梅は見逃してもいいが、竹が「優雅の中にも操を曲げぬ男女のモラルの在り方として」はかなり苦しい気がする。まだチンポに例える方が納得する。

神話に出てくる矢、チンポ説

 この本は矢はだいたいチンポだと言っている。(棒状のものを大体チンポだと言っている気もする)


 時局月報社 自由國民第二十三號 P111より引用

古事記や日本書紀を見ると、矢は疑いもなく男性器の象徴である。

 言い切りがすごい。ここまで言い切られると気持ちがいいし、例を読むとまあこれはたしかにチンポかもしれんという気もする。

鯉チンポ説

 鯉。あの池でパクパクしてるやつ。


時局月報社 自由國民第二十三號 P168より引用

人間の無意識空想を分析してみると魚(特に鯉のような元気のいい魚)はペニスの象徴なのである。

 だいぶ決めつけがすごくなってきたぞ。人間の無意識空想の分析とやらが何なのか全然説明がないのが清々しい。

猫エッチ説

 みんな大好き猫ちゃんもこの本に言わせればこうだ。


時局月報社 自由國民第二十三號 P139より引用

フランスなどでは猫と云えば除籍の俗語とされている。尤も「貴郎の黒猫」などと云うと男性器を意味する事もあるし、魔除けのマスコットにさえなるほどである。

 フランスではそうなの? 本当か? それにしてもイラストがオッサンと猫の中間の生き物みたいで可愛い。

数字の10全部とにかくセックス説

 これが読んだ中で一番すごかった。


時局月報社 自由國民第二十三號 P105より引用

男性三角形と女性三角形の結合はローマ数字のXであり、男性を表す縦棒(1)と女性を表す0との結合が等用数字10で、漢字の「十」は「まんじ」と同じく男女の結合を表している。

 すごすぎる。もう、この人全部がエロに見えてる。さすがに言いがかりだよ。

だよ。

 

 以上、万物エロにこじつけコラムを紹介してきた。素晴らしかったな。この視点があればどこでもなんでも楽しいだろう。

 みんなはどれを「まあ、そうかも」と思ってしまったかな。全部言いがかりに見えるけど、意外と本当のことを書いているのも結構あるのかもしれない。どれも「そういう説もなくはない」くらいなら通りそうな気もする。いや、無理か……? これ以上調べると記事を超えて研究になってしまって大変なので今回はやらないけど。

 そういえば学生の頃ALTの先生が「クリスマスツリーとリースは性器でね」とか言ってたな。あれもこういうことなんだろうな。

 

 紹介した物事に詳しい人で「いやナ月くん、これはマジでそうなんだよ。これはマジでチンポが由来でね」など、そういうのがあればぜひ教えてくださいね。