こんにちは。

 

 もし、今の暮らしに息苦しさを感じているなら自分を責める必要はありません。こんな画像を貼ってしまった僕に、すべて責任があるのです。ちなみに、これは僕の頭です。大きいのです。自慢ではないですが、縦にも大きいですよ……。(お見せできないのが残念だ)

 

 僕と同じく市販の帽子がかぶれないほど頭が大きい方なら、その遠心力をフルに活用して大きく頷いていただけるでしょうが、巨頭を持つ者の宿命として脳が常に物事を考えすぎてしまい、疲れてしまうことが多々あるのです。

 

 通勤・通学・便通時、あるいは自分の存在意義が薄い会議に参加している時(ASEANなど)。そうした指先の動きを伴わない作業中は、手持ち無沙汰になった意識が思考の焦点を失い、つい余計なことをあれこれ考えすぎてしまいます。

 

数年単位でクリーニング屋にスーツを預けっぱなしではないか?

 

玄武ってイメージに反して割と創作で優遇されてないか?

 

飴はすぐに噛み砕いてしまうのに酢昆布に限っては噛まずに舐め続けてしまうのは何故か?

 

 そんなことばかりに気を回していると、次第に脳の一部、特にエネルゲンの味を思い出そうとするときに活性化する箇所がカーッと熱くなってきます。つまりエネルギーを浪費しているわけで、一日の終わりにはヘトヘトになってしまうのです。

 

 そんないじらしいほど燃費が悪い方々のために、脳のリソース配分をうまく調整してくれるフィジェットとしてのパズルをいろいろ試してみました。こちらで紹介させていただきますので、少しでもお役に立てれば幸いです。

 

ルービックキューブ

 まずはこちら、ルービックキューブ。

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 全6色のパネルが各面に9マスずつ並べられた立方体をスライドして全ての面の色を揃える、言わずと知れた有名なパズル玩具です。

 皆さんも幼少のみぎりに一度ならず触れたことがあるでしょう。そして40年ほど遅れて、私もついに手に取ることとなりましたので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

 

 

 流石キューブというだけあって四角く、角もたくさんあり、言うなれば角のデパートとでも言うべき代物ですが、かといって過度に恐れる必要はありません。手順さえ覚えれば、誰でも簡単に六面を揃えることができるのです。解法についてはネット上にいくらでも情報が転がっていますので、一度調べてみてください。僕はちゃんとお伝えしましたからね。3行待ちます。

 

 

 

 いかがでしたか?「ルービックキューブ 解き方 なんj」で検索し、出てきたページを愚直に確認していただけたことと思います。手順は多く見えるかもしれませんが、実際には同じ動かし方を少し向きを変えながら繰り返すだけなので、印象ほど複雑ではありません。何度か試しているうちにパターンを指が覚え、不器用な方でも慣れれば3分以内で揃えられるようになるでしょう。ちなみに僕も調子が良ければ0秒で揃えることができます(買った直後など)

 

  ルービックキューブをフィジェットとして活用するために肝心なのは、まずこの手順を頭に叩き込むことです。何も見ずに6面を揃えられるようにするのです。その上で、脳の領域の半分、縦でも横でも構いませんが、とにかくその半分をキューブを解くことに使います。記憶に沿って手順をたどり、キューブの現在の状態を横目で確認しつつ、豆腐の天元をほじくりつつ、ひたすら手を動かす。他の思考と並行してこの作業を続ければ、脳も余計なことを考えて遊ぶ余裕がなくなっていくのです。

 

 さらに研鑽を積めば、やがて実際のキューブがなくても楽しめるようになります。どういうことかと言うと、脳内でぐちゃぐちゃにかき混ぜたキューブを思い浮かべ、手順に従って揃えることで、まるで実際にキューブを操作しているかのような感覚を得られるようになるのです。

 

 足を楽にして聞いて下さい。

 半年ほど前、飛行機に乗っているときに突然、猛烈な不安に襲われました。墜落が怖かったのではなく、人間にへーこらする態度に虫唾が走ったからです。1時間半のフライト中、ずっとこの感情と向き合うのはしんどいため、気を紛らそうと脳内で何度もルービックキューブを揃えることにしました。揃えては崩し、また揃えて――余計な思考を排除し、無心で数十回繰り返しているうちに飛行機は目的地に着き、不安もいつの間にか消えていました。その代わり、着いたころには信じられないほどお腹が空いていて、空港のフードコートで注文したチキン南蛮定食を口に運ぶ寸前まで、体の小刻みな震えが収まりませんでした。

 

 

 また、今では早解き競技用のキューブも存在します。例えばこの「ネクスキューブ」は玩具売り場などで手軽に入手可能です。僕もイオンの玩具売場で購入しましたが、皆さんは他の場所で購入しても構いません。本家との大きな違いとして、スピードキューブは回転がより滑らかになっています。コンマ1秒を争う競技の世界では、いかに素早くパネルを動かせるかが重要なので、滑らかさは不可欠です。しかし、フィジェットとして使うにはあまりお勧めできません。

 

 抵抗感がほとんどないため、綺麗な立方体の状態を保てず、少し触れただけでクニャリと動いてしまいます。まるで柔軟剤を触っているかのような奇妙な感覚です(触ったことはないけれど「柔軟」というくらいだからそんな感じだと思う)。パズルを解く喜びというより、早く解くことに焦点を当てた仕様ですね。この先、キューブの早解きで食べていくつもりなら別ですが、本当の恋がしたいなら本家を購入して、その確かな手応えを存分に味わうことをお勧めします。

 

ルービックスネークコネクター

 ルービックスネークコネクター。

 これは、先述のルービックキューブの姉妹品です。

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 今から20年以上前にも「マジックスネーク」という商品名で販売されており、その名前に馴染みのある方も多いかと思います。僕と同世代の30代であれば、テレビCMで3人の子供が「♪できた♪できた♪なにができた」と歌いながらブルドーザーで民家を次々と薙ぎ倒していく、強烈な映像が脳裏に刻まれていることでしょう。もしもその記憶があるなら少々怖いので近づかないでください、そんなCM実在しません。

 

 

 マジックスネークもといルービックスネークは、ルービックキューブ同様に手を動かして楽しむパズルですが、大きな特徴は三角形のパーツがピンで接続されている点にあります。これにより、まるでヘビのように形状を自由に変えることができます。ルービックキューブが「6面を揃える」という明確な正解に向かって収束していくのに対し、ルービックスネークには決まった正解がありません。自身の想像力の赴くままに、さまざまな形を作り出していくことをコンセプトとしています。この違いは、クイズと大喜利の関係にも似ていると言えるでしょう。

 

公式の作例には以下のようなものがあります。

 

 こちらが滑り台です。

 単純なようでいて、頂上の部分は意外と複雑な構成になっているため、結構頭を悩ませます。

 

 そしてこちらはメガネです。

 実際にメガネとして利用するには、上の画像の通り小さいので無理があります。視界がワドルドゥになります。

 

 

 さらにこの「ルービックスネークコネクター」には、なんとルービックスネーク本体が2つも付属しています。一つの箱に2つ入っている様子は、まるで雪見だいふくを思わせます。もちろんもっと下品なものに例えることもできますが、そうしてしまうと次回以降も同じことを頼まれそうで面倒なので、ここでは控えておきます。安い男ではないので。

 さて以前の「マジックスネーク」はルービックキューブと同程度のサイズでしたが、今回のモデルは一つが卓球の睾丸程度の小ぶりなサイズです。2つ合わせても手の中に収まってしまうくらい、ちょうど良い大きさです。

 

 そして名前に「コネクター」とある通り、この2つのルービックスネークは端同士を連結することができます。連結できるということは……つまり、つまり、つまり……?

 

 めっちゃ長くなります。

 

 これにより、一つだけでは作れなかった複雑な形にも挑戦できるほか、単に2つをつなげて超長い棒を作ることも可能です。遊び方はまさに自由自在です。

 

 例えば、先ほどの滑り台も超ロングスライダーにすることが出来ますし……。

 

 メガネだってこの通り。

 超ロンググラスになります。

 

 比べれば違いは一目瞭然。どちらを着用するべきか、もはや聞くまでもありませんね?

 

 

 

 僕もオリジナルの作品を作ってみました。何かわかりますか?

 

 

 フィジェットとして使う場合は、何も考えずにひたすら捻ってさまざまな形に変形させるのがおすすめです。とにかく無軌道に指先を動かしているうちに、きっと無我の境地に至るでしょう。もし至らなかったらすみません、どうか泣かないでください。ルービックキューブとは異なり、カチカチというクリック感が指に伝わるのがとにかく心地良いです。

 

はずる「スライダー」

 はずる「スライダー」。

 

 今回紹介するアイテムの中で、僕が自信を持ってお勧めするのがこちら。

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 「はずる」、かつては「キャストパズル」という名称で販売されていた金属製のパズルシリーズのひとつです。要するに、知恵の輪ですね。

 

 「はずせますか?元に戻せますか?」という挑戦的なキャッチコピーを掲げ、さまざまな種類が発売されていましたが、このコピーの通り外すだけではなく元の形に戻せて初めて攻略完了となります。いくらあなたが「は?はずせるが?そして、元に戻せるが?」と額に青筋うかべて豪語したところで、そう簡単にはいかないのが人生というもの。外すだけなら偶然でもできてしまうこともあるのです。

 

 実際、デパートや家電量販店の玩具売り場で試供品が散らばり、無残な鉄塊の成れの果てとなっている様子を目にしたことがある方も多いでしょう。貴様の5分後の姿だ。

難易度は★3で、中程度といったところですかね。そこそこ歯応えがあります。噛み応えもあると思います。金属なので。

 

 ネタバレを避けるためあまり詳細には触れませんが、このパズルは金属の薄い板を組み合わせたような形状になっています。「スライダー」という名前の通り、板を上下にスライドさせることができ、基本的にはこの動きを駆使して接続された板をバラバラに分解するのが目的です。

 

 パズルとしての爽快感もさることながら、まず触り心地がとても素晴らしいのです。

 バタフライナイフや工具をいじっているかのような、硬質な金属がわずかな抵抗を伴いながらスーッと擦れ合う感覚は、なんとも言えない心地よさがあります。解くつもりがなくても、ついカチャカチャと何度もスライドさせてしまうでしょう。また、サイズ感も絶妙です。ああ、アイツ(※)にも触ってほしかったなあ……。

 

 先ほどのルービックスネークも小さめでしたが、こちらはビスコより僅かに大きい程度で携帯性にも優れています。手持ち無沙汰な時にポケットに忍ばせておけば、いくらか気が紛れること請け合いです。ただし、ブックオフの青年誌コーナーでこれをいじっていると妙な誤解を受けかねないのでお勧めはしません。

※木戸孝允

 

 

今回紹介した3点のアイテムを存分に活用し、是非1位を目指してください。