さみすぎ……

 

牝鹿も凍える寒さに外へ出るのが億劫な今日この頃。こんな季節にこたつでまったり遊びたいゲームといえば、そう、デッキ構築ローグライクですよね。

まあ、春だろうが夏だろうが秋だろうが穀雨だろうが芒種だろうが一年二十四節季「ズバズバにデッキ圧縮して無限ループで気持ち良くなりてえなぁ!」と考えないシーズンなんて存在しないわけですが、とりわけ冬におすすめしたい作品があるので紹介させてください。

それがこちら。聖なる温泉の力で永遠の冬に立ち向かうゲームワイルドフロスト』です。(画像はSwitch版ストアページより)

デッキ構築×ユニット配置×カード強化=おもろすぎ

そもそも「デッキ構築ローグライクって何よ?」という方に対しては、本当にごめんなさいだけど「こんな記事読んでないで『Slay the Spire』を遊んでください」と懇願するほかないので説明を割愛します。大丈夫。ゲームが好きなお友達はみんな遊んでるよ。Switchを買ってもらえない子もパパやママのスマホで遊べるんだ。怖くないからね。大丈夫。大丈夫。

と、いろいろぶん投げたところで『ワイルドフロスト』の説明をしていきます。

ゲームの目的は、分かれ道の存在するマップを左から右に進行し、戦闘とデッキ強化を繰り返しながら、最奥に待つラスボスを倒すこと。何度見たか分からないデッキ構築ゲームのテンプレートですね。

じゃあ『ワイルドフロスト』は既存のデッキ構築ゲームと何が違うのかというと、横3×縦2マスのフィールドに味方や設備を配置する「ユニット配置」の要素があるんです!

 

例えばこれは味方ユニットのカード。左上の赤いハートが体力、右上の青い剣が攻撃力、そしてカード下の黄色い数字がクールタイムを表しています。

つまりこのカードは、配置したターンから数えて4ターン経過するたびに4点のダメージで攻撃してくれるわけです。さらに説明文を読むと、全ての味方の攻撃力を強化するバッファーであることがわかります。愛おしいですね。

敵は雪だるまだ! ド頭(たま)を潰せ!

というわけで本作ならではのちょっと変わったゲームシステムを紹介していきたいのですが、その前にビジュアルがめちゃくちゃ良いことにも触れておかなきゃいけない。

さっきから「自分、硬派なゲーマーっス! 押忍!」みたいな顔してるけど、俺はこの青髪メカクレ魔女のデザインを見て本作をカートに入れました。それは、言っとかないと嘘になるから。

登場するユニットは得意な戦法の違う様々な部族に分かれていて、それぞれ衣装や髪型に統一感があって、カートゥーンネットワークみたいでかわいいのよ。

これは攻撃力アップが得意なスパイス族。

 

 

防御が硬いドングリ族。

 

こういうわけわからんやつもいっぱいいる。

直感的には同じ部族のユニットを集めて一芸特化した方が強くなりそうに見えるけど、『ワイルドフロスト』はむしろ混合デッキが意外なシナジーを発揮するように作られていて、デッキがパターン化しにくいのも楽しいです。

ユニット以外にも、味方の攻撃力をアップする薬、敵を直接ぶん殴れる武器、フィールドに置くことで効果を発揮する建築物などなど、いろんなカードでデッキを強化しながらラスボス目指して進んでいくぜ。

ちなみに、このゲームに「コスト」の概念は存在しません。1ターンに1枚だけユニットを配置するか、カードを使用するか、あるいは手札をリセットして引き直すか選ぶことになります。だからこのゲームにループデッキは存在しないんだ。騙してごめんね。

普通のデッキ構築ゲームと違ってカード同士のコンボが成立しない代わりに、ユニットとカードの組み合わせでシナジーを生み出してね、というシステムになってるわけです。

 

で、この「ユニット×カード」の組み合わせをさらに広げてくれるのが「お守り」のシステム。「敵を倒すと体力が回復」とか「攻撃力が0になる代わりに状態異常を付与」とか「所持金に応じて攻撃力アップ」みたいな全51種類のお守りが登場し、これをユニットに装備させることで、その冒険中は永続的に能力が強化されます。

例えばこいつは「3回攻撃」ができるけど、攻撃力も体力も貧弱なユニット。正直、このままでは使い物になりません。

 

だけど道中で手に入れたお守りで「攻撃力」と「クールタイム」を強化して……

 

さらに戦闘中も「攻撃力バフ」や「攻撃回数増加」のカードでサポートすれば……

 

「超威力の5回攻撃を爆速でぶっ放す最強キャラ」に開眼しました。糸目キャラのお手本みたいな性能ですね。あーあ、本気のボクに勝てると思ってた?

よし! 今だ! 攻撃しろ!

……あれ???

 

全然かわいくない難易度に凍えろ!

このゲーム、正直かなり難しいです。「あれ?これ詰んでない?」って死に方じゃなくて、うっかりで突然死することがめちゃくちゃ多い。ちなみにさっきのgifでは、反撃持ちの敵に突っ込んでエースアタッカーが爆散しました。

なんでかっつうと、ターン終了時に大量の敵味方が同時に動くので、その結果どうなるかを常に予測しながらカードを使う必要があるんですよね。しかも味方の中に一人混ざってる主人公ユニットが死んだら問答無用でゲームオーバー。

調子良くデッキを強化できている時ほど敵の王手を見落としがちで、負けるたびに歯茎から血が出そうになります。でも楽しくて何回もやっちゃう。良くも悪くも一手のミスで大爆死することが多いので「今のは完全に俺のせい!はい次いこう!」と気持ちを切り替えやすいのかもしれません。

あと、このゲームの地味な長所として「最低4周すれば最高難易度の隠しボスまで倒せる」のもうれしい。ローグライクゲームあるあるな「長く遊ばせようとしてめちゃくちゃ刻んでくる難易度選択」が食傷気味な人にもおすすめです。

以上、『ワイルドフロスト』の紹介でした。遊ぼう。そんでラスボス戦のギミックに「マジかお前……」と絶望しよう。