皆さんご苦労様です。JETです。

先日、滋賀県:長浜を訪れました。

目的は明確に、名物の『鯖そうめん』『ビワマス』を食らう、というその2点においてです。

 

北は福井県、東は岐阜県、南西は琵琶湖に接しています

滋賀県は海なし県ですので水産物のイメージがあまりないかもしれませんが、面積の6分の1を占める琵琶湖は世界でも有数の淡水資源を有しており、四季折々の魚食文化が育まれてきました。海なし県唯一の漁業組合も存在します。

個人的にその辺のアピールが「薄い」のではないか?もっとガンガン売り出しても良いのでは?との余計なお節介をしたくなってしまい、記事を執筆するに至りました。というわけで早速、友人のオモコロライター:宮本牛乳氏を誘い、大阪から1時間半ほどかけて滋賀県:JR長浜駅に向かいました。

 

まずはランチの目的である『鯖そうめん』です。福井県(若狭)で獲れた鯖を京都に運ぶ、通称「鯖街道」が抜ける長浜では、古くから鯖を食べる風習があります。甘辛く炊いた鯖をそうめんに乗せていただく、それが「鯖そうめん」です。我々はJR長浜駅に着くと、早速『翼果楼(よかろう)』さんを目指しました。

 

翼果楼さん看板、行列の隙間から

城下町の入り口にある翼果楼さんは、週末の観光地ということもあり行列ができていました。30分ほど待ち、店内へ。古民家を回収した店内は趣があり、私が「あーっ。趣があっていいすね。鯖そうめん、絶対うまいっすよね。だって調べた時から、俺が好きそうなビジュアル丸出しですもん。あーっ。お腹すいた。暑かった。助けてくれ」などと宮本氏に喚いているとあっという間に鯖そうめんが提供されました。

 

こちらです。せっかくなので「鯖棒ずし」とのセットにしました。

 

見てください。ギュッと煮締めたそうめんの上に乗せられたほろほろの鯖。大阪から1時間半かけて訪れた元手がもう回収できる佇まいじゃないですか。すでに満足です。まずはそうめんをひと啜り。冷たく氷水で締められたものをイメージしていたのですが、人肌程度の優しい温もりでした。そうめん単体に味が染みているので、鯖と一緒に食べると甘辛い醤油の味わいが口の中に広がります。鯖棒ずしもおいしい!新幹線で食べたくなる味がしました。伝わりますか。

 

キャプテン・ファルコン氏もこれには大満足

大満足で店を後に。晩に予約しているビワマスのお店が開くまで、長浜を観光して回ります。私が長浜を訪れるのはこれが2回目なのですが、町の規模が1日で回るのにちょうどよく、ぐるっと一周してご飯を食べて帰る(ないしは一泊)するのに適度なアミューズメント感なのです。ガラス工芸館を観たり、オルゴール館を観たり、甘味処で一服したり、と「日本の城下町観光」のすべてが詰まっています。そんな中で我々は「海洋堂ミュージアム」を目指しました。天下のフィギュア制作会社である海洋堂さんの制作物が思う存分に鑑賞できます。

 

海洋堂ミュージアム入り口

 

でかユリア

 

でかハルヒ

 

でかよつば

 

長浜タワー

粋な街並み

さてさて、長浜の街を満喫し、ついに本日のメインディッシュであるビワマスを堪能する時がやって参りました。お店は『ビワマス料理 山本屋長濱』さん。ランチ営業もされていますが、夜の来訪の際は予約をするほうが間違いないでしょう。

 

『山本屋長濱』様

そもそも『ビワマス』とはどのような魚なのか。体長は50〜60センチほど、琵琶湖にしか生息しない固有種です。そう、琵琶湖にしか棲んでおらず、しかも傷みやすいので、食べるためには冷凍物を通販で取り寄せるか、滋賀近辺に訪れるしかないのです。これほど貴重な水産資源を、もっとPRしていくべきだと思いませんか。これからは、滋賀県民のみなさま、京都府民に水道止めるだなんだと脅しをかけるのもいいですが、自分のところの資源を宣伝をバンバンしていってください。

 

席に着くと、まずお通しに「ビワマスの南蛮漬け」が提供されました。が、せっかく来たのだし一口目は「生」を行ってみようじゃないかと一旦お通しに手をつけるのをステイしました。ひょっとして機嫌が悪いのではないかと訝られたかもしれませんがそうではなくて期待値の裏返しです。

 

ついに「ビワマスのお造り」とご対面です。美しい桜色!青春がやってきたのかと思いました。シャープな背側の身と、ボリューミーな腹側の身に別れています。私と宮牛さんは、分厚いお造りを醤油に軽くひたし、感慨深く食しました。

う、うまい。この世で最もしっとりしている物質。軽くないのにしっかりした不思議な脂の味がします。パワーがあって、サーモン臭さ(特に皮目に感じるような)は微塵もありません。分厚いのにくどくなく、今回は2人で頂きましたがボリュームも十分。一緒に食べた宮牛さんも「なんじゃこりゃ……。」と呟いたが最後、言葉を失っていました。

 

 

ここからは、冒頭でステイしていた南蛮漬け、バターソテー、カマ焼、と次々楽しみました。南蛮漬けはお通しのクオリティとは思えないほどレベルが高く、リピートもありなほどにうまい。ビールに合います。バターソテー。薄切りの身がささっとバターで炒められていて、これがお弁当に入っていたらお母さんに一週間ぐらい敬語で接すると思います。

カマ焼もうまかった!魚の頭付近の肉はほどよく締まっていて脂も乗っていて美味しいですが、ビワマスも然り。よく物事の大事な箇所を「トロの部分」と慣用表現するのを目にしますが、個人的には「カマの部分」にしてほしいと考えています。

この辺りで改めてメニューを眺めていると、ランチメニューに「ビワマスの親子丼」を発見。成人男性2名で来ており、腹具合的にも少し余裕がある。イクラ食べたい。ランチメニューだけど、ばかのフリして頼んでみようか。ばかのフリして。と店員さんに尋ねてみると、快く注文を受けていただきました。ばかのフリはしてみるものです。

 

黄金の精神

そして「ビワマスの親子丼」が運ばれてきました。メニューの写真と同様、丼の中央に、黄金色に輝くビワマスのイクラが、ホカホカのご飯の上にこんもりと盛られています。宮牛さんと半々ずつシェアし、醤油を軽く回しがけて頂きました。う、うまい。通常のいくらより粒が小さく、少しあっさりしているように感じられましたが、ビワマスの刺身と一緒に食べるとすべての要素が渾然一体となり口の中で「命」が生まれました。

 

滋賀の地酒「金龜」すっきりさっぱりで美味い!

夢中で頬張り、大満足で私と宮牛さんは席を後にしました。ランチもおすすめですが『山本屋長濱』さんは夜予約し、一品メニューやコースを楽しむのがおすすめです。滋賀の地酒も楽しめますのでお酒好きの方はなおのこと是非。もっとビワマスのことをみなさんに知っていただきたいのです。新潟生まれ大阪在住の滋賀に縁もゆかりもない筆者が願ってやまないのですからよっぽどだと思ってください。それではまたお会いしましょう。

 

〜お店情報〜

【翼果楼】

住所:滋賀県長浜市元浜町7-8

営業時間:AM10時半〜売り切れ次第終了

定休日:毎週月曜日、最終週火曜日(祝日の場合は営業、翌日休み)

 

【ビワマス料理 山本屋長濱】

住所:滋賀県長浜市元浜町7-2

営業時間:月~金 11:00~16:00 18:00~21:00(LO20:00)

     土、日、祝日 11:00~17:00 18:00~21:00(LO20:00)

定休日:不定休(最新情報はSNSにて更新)

 

 

おまけ:長浜のシンボル『お花きつね』

ワーッ!