ブロス編集部
恐ろしいことに、2023年が半分すぎ去ろうとしております（木に登ったねこちゃんも過ぎ去る2023年の速さにおびえているみたいです）。
ということで、今月はバーグハンバーグバーグ社内の人々に「上半期に買って、読んで、見て、食べて、良かったモノ」を聞いてみたいと思います。
今週は、「読んでよかった漫画」！
ハイパーインフレーション
ハイパーインフレーション
【おすすめ人：かまど】
贋札（偽札）をテーマにしためちゃくちゃ面白い漫画。贋札を巡る物語とだけ聞くと「なんだか難しそう…」と思うかもしれませんが、これが本当にぶっちぎりで面白いです。騙されたと思って読んでみてほしい！
作者はもともと実際にあった贋札の歴史が「圧倒的に面白い」とゾッコンだったそうで、そこから着想を得たショートショートを何本も書いていたらしいです。そんな短編を一つの漫画にまとめたのがこの「ハイパーインフレーション」なんだとか。そのせいか、贋札をめぐる攻防の圧倒的なリアリティと、難しそうなテーマなのにスルスル読めるテンポ感や展開力が両立していて、相当読み応えがあります。
また、ストーリーもそうですが、ギャグやキャラ描写も並外れていて、作者のセンスごと楽しめる漫画でもあります。（漫画家を他の漫画家で例えるのは失礼だと思うのですが）例えるなら、「ジョジョ」の荒木飛呂彦先生や「脳噛ネウロ」の松井優征先生を初めて見たときに感じたような「この人、ただ者じゃないぞ…！」感が溢れてます。とにかくすごい漫画です。 完結済み全６巻で初めての人にもオススメしやすい作品です。本当はもっと続いてほしかった…。
富江
富江
【おすすめ人：ダ・ヴィンチ・恐山】
ホラー漫画の巨匠・伊藤潤二がデビュー作から描き続けている人外の怪異「富江」のエピソードをまとめた作品。絶世の美貌であらゆる男を惹きつけるが、最後には必ず殺されてしまう女「富江」。死体の断片は再生して新たな「富江」となり増殖します。
富江自体は非力なのに、周囲の人間の狂気を引きずり出すだけ引きずり出し、最後はあざ笑うように殺され、死んでいく様が皮肉で素晴らしい。個人的には富江の意地の悪さが鮮やかに発揮されて終わる「小指」が大好きです。
ブレイクブレイド
ブレイクブレイド
【おすすめ人：山口】
国同士の戦争を描いたロボット漫画です。この世界では魔力を持っているのが当たり前で、ロボットも魔力で動かします。生まれつき魔力がない主人公は全然役立たずかと思いきや……発掘された、出力激ヤバの古代兵器はなんと「魔力を持たない人間だけが操縦できる」という仕様だったのだ！！！！！！！！！！！人殺しなんかしたくない主人公だけど、なんやかんや色々な事情に揉まれて、この古代兵器に乗ることになり、国同士の争いに巻き込まれていくという人間ドラマが面白いです。しかも敵国に学生時代の親友とかいるんですよね。 とくに必見なのは、ボルキュスっていう将軍との戦い。こいつがすげーやべくてさあ！！！！！！！！！！
ガンニバル
ガンニバル
【おすすめ人：まきの】
ディズニー＋でドラマが配信され、そのあまりの面白さで興奮したもののシーズン1では原作の半分ぐらいしかなぞれておらず、シーズン2の制作も今のところ発表無し…。辛抱たまらなくなって原作を揃えて一気読みしました（全13巻、完結済み）。
人里離れた供花（くげ）村に赴任された警察官の阿川がそこで「この村の住民、人を食ってる？」という疑惑が持たれるようになり、村で一番の権力を持つ危険な後藤家に接触を図っていくが…というあらすじで、閉鎖的な村社会で巻き事件が立て続けに起こったり、阿川が村人から嫌過ぎるハブられ方をしたり、とにかく「後藤家もやばいけど村人も全員やべすぎる…」とクラクラさせておいて、ドラマ以降の7巻はもう血と死体がそこら中に撒き散らされる空前絶後・超絶怒涛の惨劇の幕開け！絶対にドラマもシーズン2やってくれよな！
まじめな会社員
まじめな会社員
【おすすめ人：電気バチ】
ちょっとネガティブがちで、長いものに巻かれ、他人の目を気にしすぎるタイプな「普通」の30代OL・あみ子が恋愛に職場での人間関係にといろいろ悩みながら生きていく姿がリアルに描かれている作品です。あみ子に感情移入してしまい、一気に読んでしまいました。（本当に一気に読むとズン…と来るものがあるので一話ずつ）
マッチングアプリで出会った人と食事をするも定型文をコピペするような会話に突然「帰りたい」と思ってしまう。でもそんなこと言えなくてやっぱり定型文トークに乗じる、そんな感情の機微や心理描写のタッチがとても細かくて、ストーリーも淡々と進んでいくさまが人生そのもの、という感じで生々しい。
あみ子なりに頑張ってアプローチして人間関係を構築していったのに、コロナ禍に入り希薄になっちゃったりして、どうして「まじめ」なのに報われないの！？「普通」って何なの！？そういうマンガです。
便利屋斎藤さん、異世界に行く
便利屋斎藤さん、異世界に行く
【おすすめ人：ギャラクシー】
異世界転生もののギャグマンガなんですが、主人公が属するパーティの話がメインと思いきや、突然別のパーティの話になったり、どこかの王宮の人々の話になったりと、「不思議な散らかり方」をしてるマンガ。
なんでこんな作りになってるんだろう？と思いながら読み進めていると、バラバラだった人や物語が意外な繋がりをみせたり、「あの時のあれが原因だったのか！」みたいな伏線が回収されたり、といった感じでストーリーが見事に収斂していく群像劇になってます。主人公は「鍵開け」くらいしか能力がないし、大魔道士は老人だから呪文を忘れちゃうしで、強大な敵に挑む時は「ちょうどハラハラする」のも楽しい。
以上
バーグハンバーグバーグ社員の読んでよかった漫画、色々ご紹介させていただきました。気になったものがあったら是非チェッキーしてみてくださいね。引き続き、よろしくどうぞ。
オモコロ編集部
