ぼくが生まれたのは1983年、あのファミコンが発売されたのと同じ年である。

 

それからファミコンは家庭用ゲームとして定着し、ぼくが小学校に入ってもファミコンの勢いは止まらなかった。

友達がマリオブラザーズだ、ドラゴンクエストだと大盛り上がりしている頃、1人で大ハマリしていたゲームがある。それが「ジーザス 恐怖のバイオモンスター」だった。

 

 

ジーザス

ジーザス

 

 

ぼくと同じ世代で知っている人は、かなり少ないゲームだと思う。

もともとPC88用のゲームだったのを移植したもので(これを知ったのはつい最近。PC88版はファミコン版よりいろいろちょっと大人向けらしい)、キングレコードから発売されていた。だが、制作しているのはあのエニックスで、音楽にはドラクエでもお馴染みのすぎやまこういち氏が手がけている。

 

 

このゲーム、コマンド選択型のアドベンチャーゲームなんだけど、まるでSFホラー映画を見ているかのような気持ちになったことを覚えている。

 

 

内容はこう。

2061年、地球にハレー彗星が接近。どうやらその彗星には地球の生命のルーツの手がかりがあるかもしれないらしく、「コメット」「ころな」という宇宙船2機に分かれて調査を開始したのだが、ほどなくして「コメット」からの連絡が途絶える。

「ころな」のパイロットで主人公・武麻速雄は、単身「コメット」への調査に向かうが、そこには原因不明の死をとげた乗組員たちの姿が……。

 

 

このゲーム、いわゆるエイリアン的な地球外生物が「コメット」に侵入して乗組員たちを殺害していくんだけど、グロい描写ってないんです。あるのは首元にある小さな刺し傷だけで、何かに襲われたような体の損傷はありません。

だけど怖い。日本的な怖さと言ってもいい。ロッカーを調べたら中に入っていた友達の死体、死体の目元に落ちた深い影、不安を煽る静かで単調な音楽……。全部が怖かったのを覚えてる。映画「エイリアン」っぽい設定ではあるんだけど、決定的に違うのはこういった怖さの違いだったな、と今になって思います。

 

 

結局、小学生のぼくは1人でクリアすることはできず、幼馴染の前田と一緒に遊んだときにプレイしたり、どうしてももう1度やりたい時は「大技林」に載っていた裏技パスワードでクリア直前からプレイしたりしていた。

 

 

後で知ったんだけど、このゲーム、どんな選択肢を選んでも死ぬことはないから、絶対にゲームオーバーにはなりません。まさにストーリーを見せるためのゲームで、開発陣もストーリーに自信があったんでしょうね。

 

 

ぼくはどんなゲームにしてもストーリー性を求めるんだけど、そうなった原因は間違いなくこの「ジーザス 恐怖のバイオモンスター」。ファミコンでは一番思い出深いゲームです。

 

 

みなさんの思い出のゲームは何ですか??