「脳」がTwitchで配信していたPS4向けゲーム『巨影都市』をクリアしました。
『巨影都市』は、理不尽に降りかかる災害を生き残るアドベンチャーゲーム『絶体絶命都市』シリーズの派生作品。
ウルトラマンシリーズのヒーローや怪獣、ゴジラ、ガメラ、キングギドラ、さらにはエヴァやパトレイバーなどの巨大生物/マシンが次から次に登場する夢のコラボレーションが見ものです。
主人公は男女から選べ、外見も手に入れた衣装やアイテムなどを装着してそこそこ自由にカスタマイズできます。
今回の主人公はハイテンションな「佐藤ケンいち」にしました。
謎の多いヒロインは香野ユキ。選択次第では恋愛ルートに進めるらしいです(主人公が女性でも)。
特筆すべきはその取りうる選択肢の多さ!
ときには10を超える選択から自由に行動を選ぶことができます。ネタ的なものも多く、ついふざけてしまいたくなる。
1周のプレイ時間は10~15時間程度。クリア後はアイテム購入に使えるコインを引き継いでやり直せます。
『巨影都市』感想
おもしろかったです!
クリア後にいろいろとネット上の感想を読んでみたら、そんなに評価は高くないようですね。確かに、減点法で見ていくとどんどん赤点に近づいていくようなゲームではありました。ロードには時間がかかるし、移動がなんだかもっさりしているし、でっかい怪獣が出てくると処理落ちがすごいことになる。ストーリー面も、悪く言えば軸がまったく定まっていなくて、あっちへフラフラこっちへフラフラと場当たり的な展開が繰り返され、結局この主人公は災害が起こってるのに何がしたいんだよ、と思えなくもない。
でも、それは減点法での話だと思うのです。
ウルトラマンとゴジラとエヴァが一堂に会するゲームを減点法で楽しむなんて、ビュッフェレストランで食べ物の栄養価を気にするようなものです。私は特撮にまったく詳しくなく、エヴァくらいしかちゃんと観ていた作品がなかったのですが、それでもゴジラやガメラがビルの影からヌッと現れるのを下から見上げるシーンでは「うおお」となりました。いろいろと細部にアラはありますが、すたみな太郎でオリジナル丼を作る気分で全部楽しんだら気になりません(すたみな太郎は行ったことがないのですがそういうことができるらしいですね? いつか行きたいと思っています。みんなはどうですか?)。
それと、笑いの要素のせいでわかりにくくなっていますが、このゲームは災害というもののシビアな現実、容赦のない仕打ちをかなりダイレクトに描いている作品でもあります。
主人公は手がピンク色に光るという特殊能力以外、取りたてて秀でたところのない凡人で、巨大生物を前にしても逃げ回ることしかできません。出会った人々もほとんどが災害に巻き込まれて命を落としているようです。ウルトラマンと、ザラブ星人が変身しているにせウルトラマンが対決するシーンでも、一般人視点ではまったく区別がつきません。というか、どちらが本物でもどうでもいいくらい両者とも壊滅的な被害を与える脅威でしかない。主人公を死に至らしめるものはほとんどの場合「怪獣」ではなく、それらが引き起こした火災や地震や建造物倒壊であり、降り注ぐガラス片や瓦礫や火炎なのです。
ヤクザみたいな男に理不尽に追いかけ回されたり、人助けしたらゆで卵を大量にもらったり、どうでもいい理由で6000万円もらえたりと、要所要所に仕掛けられたイベントに触れているだけでも楽しい『巨影都市』。万人にオススメできるわけではないですが、予想のつかない展開に翻弄されたいアドベンチャーゲーム好きには刺さる一作です。
気になったところ
つり革 デカい