はじめまして、主婦A子でございます。容疑者みたいな名前ですみません。
運営するレシピサイトの料理写真がやたらにキレイだねとお褒めの言葉をいただき、今回は今流行りのインスタ映えする料理写真の撮り方を書かせていただくことになりました。
機材はもちろん、腕も経験も無い平々凡々たる主婦にだって、これぐらいは撮れるようになるんだぜっ、という感じで行きたいと思います。
逆光線の向こうに
普段制作しているレシピページの画像を引っ張ろうかとも考えましたが、「だって料理が違うじゃん」とか言われたくないので、誰が作っても同じ見た目、同じ味といった、不平不満の出ようがないボンカレーを使わせていただきました。
カメラは一万円するかしないかのデジカメ、もちろんスマホも同じ撮り方で問題なし。
使用したボンカレーはゴールドよりも若干お高いボンカレーNEO。味がどうのこうのというよりも、こちらのほうが具が多く、よりインスタ映えな写真に。
見た目重視とはいえゴールドとの差、数十円。家計を守る主婦は何となく損した気分になりますが、映えにはお金がかかるということで、きっちりと「映え料」としてお支払いさせていただきます。
兎にも角にもいちばん大切なのは光源、これを確保するのはもろに窓際。
天気は晴れ、南向き、関東春~初夏なら午前9~12時の間と、面倒くさい事を言えば切りがありませんが、いちばん大切なのはとにかく光ッ!なのです。
ということで、家の中で一番日当たりの良い窓際を死守。夕刻迫る西日だけは、妙に赤みを帯びた写真になるので避けていただければ。
明る過ぎるという事はなく、部屋の中までギラッギラに照り付けるような陽光が◎。これをレースのカーテン、または白い布などを使って遮り、やわらかくやさしい光に。和室の障子なんてのも格子の影が、なかなかいい雰囲気を出してくれるのでおすすめです。
料理を一番美味しく見せる明かりは太陽の光。多少部屋が暗くても照明は消し、窓から差し込む自然光だけで撮影するのがベストです。
光の向きは逆光。人物や風景写真などでは基本的にNGとなる逆光でございますが、料理の写真だけは別です。
前面に影が出来ることで、より美味しそうな写真に。また手前から鏡を使った簡易レフ板で影をぼかすと全体に明るくなるので、よりインスタ映えってやつになります。
画像をアップする際、基本インスタは正方形に切り抜くことになるので、余白を多めに引いて撮るとさらに良し。こんな感じで片側に寄せたりすると雰囲気も出るかと思います。
皿は地味なものを
上記、自然光を使った撮影さえ出来れば、もうほとんど満点! …ではありますが、まだ終わりません。
ここからさらなる高みの料理写真を目指すのなら、土台となる食器の選択。ブランド物などのお高い食器を選べというのではなく、柄の無いシンプルな食器を使いましょう。
画像の食器は実際サイトで使用している百均、ニトリのお安い食器。すべて白なのはサイトのデザインに統一感を出すためで、柄物で無ければ色はお好みで良いかと思います。
料理そのものを撮りたいのであれば、柄が入った食器を使ってわざわざ目移りさせることは無いというのが持論です。
「素敵な食器やカトラリーを見せたい」といった気持ちがあるのなら別ですが、「料理だけを見て欲しい」というのであれば、そのままガチッと一本勝負!
ポイントは丸皿。スクエアやオーバルのお皿だと何となくカフェ風な雰囲気も出るのでおしゃれに見えますが、写真となると非常にハードルが高いというか何というか…。
特にスクエアは撮影後のトリミング、レイアウト等、はなから構図を決めねばならず非常に面倒、ということで丸皿一択。
そんな丸皿を使ってDJみたいにくるくるとお皿を回しながら数枚撮影し、一番ばちっとキマった写真を選べばOK。
パセリや白ごま、小ねぎでキメる
はてさて、ここまで来たら最後にもうひと工夫で、さらにキメッキメな料理写真に。
今回使ったボンカレーにはパセリのみじん切りをちらしておりますが、これがあるのと無いのとでは雲泥の差。
カレーのパセリに限らず、料理の中心に白ごまや小ねぎ、なんだったら粗挽き胡椒だけでもちらすと料理の目線に高さが出るため、うめえぞコンチクショウな訴求力がアップ。
例を上げていけばミートソースに同じくパセリ、これにパルメザンチーズをふりかけるとさらに◎。
和風パスタなら小ねぎ、プラス小口切りにした鷹の爪が入ると赤色が加わり、ぐんと色味の良い一皿に。
にんにくの量に怯むかとは思いますが「もっと入れろもっと入れろ」と、わが家を居酒屋と勘違いする旦那とその仲間たちにそそのかされて出来上がった、野郎のためのにんにくがっつりパスタでございます。
そんな野郎どもに同じく大人気な牛もつ煮込み。
こんないぶし銀な煮込みでも、中心に小ねぎをちらせばあら不思議。茶色茶色の中に緑が加わり、どこかふんわりとやさしく、荒れた野郎どもの心を癒やす一品に仕上がります。
何気ないこんな小鉢も白ごまをちらすだけで、ずいぶんと違うものに。
料理を美味しそうに盛り付けるコツは「中心を高く盛る」というのが基本となりますが、特に普段の和食だと少し難しいことも。そんな時はこの白ごまや小ねぎがおすすめ。前述の目線に高さが出るとはこういった事なのであります。
また、粗挽き胡椒だけでも…というのならこんな感じも。
とにかく白ごまや小ねぎ、鷹の爪などなど、薬味やスパイス、ハーブ類をちらすとまさにインスタ映え。色味が増えるとデジカメやスマホがしっかりと色を拾うので、より実物に近い色味になります。
セルフタイマーを使う
光源とお皿、薬味などを使った小技と来たら、後はシャッターを押すだけ。
ただし、このシャッターを押すといった行動がブレる原因…。明るさを保っていてもやっぱり家の中、お外よりはシャッタースピードも落ちるので、セルフタイマーを使ってシャープな写真にしましょう。
スマホでも同様、三脚を使おうが手持ちで撮ろうが、静止した料理を撮影するのならこのセルフタイマーはかなり有効。カスタム設定でタイマーを1秒にセットしておけば、それほどまだるっこしいこともなく撮影を進めることができます。
他、「どうしても写真が青みががってしまう」「温かみに欠ける」といった時は、ホワイトバランスを曇天(くもり)に設定してみてください。やわらかい赤みが出るので料理写真には最適な色に。
ただし多少なりとも色調補正をするのなら晴れ、または太陽光といった設定がおすすめ。曇天設定で撮った写真は補正するとわざとらしい色味になりがちなので、何かしら後から手を加えるといった時は、晴れ設定が簡単かと思います。
冷めたボンカレーをリメイク
偉そうに写真の撮り方なんて講釈を垂れちまいましたが、最後の最後で冷めたボンカレーをリメイク。そう、私は写真の人ではなくレシピの人…
リメイクと言ってもバターを溶かしたフライパンに先ほどのボンカレーをごっつりと入れ、かき混ぜながらざっと炒めるだけ。
とはいえレシピ本なんてものを出版し、TPOに応じては自称料理家なんて謳っちまっている事もあるので、これにちょろっとひと手間を加えてしっかりと旨味のある一品に仕上げます。
炒めつつ混ぜつつ和風だしの素で旨味マシマシ、さらに味をぱきっと引き締めるためにウスターソース、お好みで鷹の爪、最後にカレー粉でよりスパイシーに。
これで、なんとなくあのレトルト特有の味と香りが消滅、最後に卵を盛り付ければ自由軒風カレーの出来上がり。
この艶やかな卵のつや、お手本通りの逆光、まさにインスタ映え!
最後の最後に、主婦は家事の合間を縫ってグルメ番組風に画像をカスタム。
ボンカレーも本気で挑めばこうなるよっという感じで、みなさまよいインスタライフを!