大爆裂インド映画「バーフバリ 王の凱旋」絶叫上映に行ってきました

 

驚異のロングラン上映を記録し、監督や出演者の来日で今もなお盛り上がっているインド映画『バーフバリ』。

あまりにも面白いので私は5回観ました。

 

 

バーフバリ2 王の凱旋(字幕版)

 

この作品を手がけたS・S・ラージャマウリ監督が2012年に撮った映画はもう観ましたか。

 

 

 

マッキー (字幕版)

 

それが『マッキー』です。

バーフバリと違い現代が舞台ですが、こちらも相当面白いのでご紹介します。

 

 

異色の復讐ファンタジー

 

この映画のあらすじはいたって単純。

 

脳天気な青年・ジャニが、片思いしていた女の子・ビンドゥを、悪い金持ち・スディープに奪われてしまったので、命をかけて復讐する!

 

というもの。超王道です。

 

しかしこの主人公ジャニ、序盤であっさりと殺されてしまいます。普通の物語ならここでおしまいなのですが、ここはインド。

 

 

ジャニは生まれ変わって「ハエ」に転生するのです。

ちなみにマッキーとはヒンディー語でハエを指します。

 

ハエになってなおビンドゥへの思いを失っていなかったジャニは、ビンドゥに近づく悪徳実業家のスディープへ復讐を誓う……というお話。弱い立場にあるハエが工夫を凝らして悪党を罠にはめる展開は『ホーム・アローン』や『マウスハント』のような90年代コメディ映画を彷彿とさせて非常に痛快です。

 

 

特に私が観てて「サイコ~」と思い『バーフバリ』に通じる部分もあるなと思ったポイントを3つ紹介します。

 

悪いやつが本当に悪い

 

当作の敵役である実業家のスディープは、同情の余地がないコテコテの悪党。「悪には悪の事情があって~」とか言わせない勧善懲悪ぶりが気持ちいい。自動車を横転させたり火事を起こしたりとあまりに執拗な責めっぷりには変な笑いが漏れてくるレベルです。

 

この映画の主人公はハエ(=CG)のため、実質的な主役はこのスディープでもあります。ヒゲをたくわえスーツを着こなす彼にはセクシーな魅力があり、バラーラデーヴァのファンなら気になるはず。

 

展開がスピーディ

 

ごちゃごちゃ思い悩んでいるシーンはまったくありません。俺を殺し彼女を狙うアイツをぶち殺すという軸が一切ブレず、最後まで復讐街道を突っ走ってくれます。

 

ハエとしてヒロイン・ビンドゥの前に現れたときも「ボクだよ、生まれ変わったんだよ!」と机の上に文字を書いたら秒で信じてくれるのでサイコーです。こういうところでウダウダやっていてもしょうがないからね!

 

歌って踊る

 

もちろん歌って踊ります。復讐譚ということもあって怒りが身を震わせるような情熱的な楽曲が多く、それに合わせてハエがダンスしたりする映像が流れるのでめちゃくちゃおもしろいです。

 

特に復讐を決意してからの流れる楽曲が本当にすばらしい。

 

僕はジャニ お前に命乞いさせてやる

自由自在に飛び回り お前の血で物語を書く

僕はハエ 甘く見るな お前を殺しにやってきた

 

今からやることを1から10まで教えよう

 

1つ お前を殺す 2つ お前を殺す

3つ お前を殺す 4つ お前を殺す

5つ お前を殺す 6つ お前を殺す

7つ お前を殺す 8つ お前を殺す

9つ お前を殺す 10 お前を泣かせ

八つ裂きにして叩き殺す

 

こんな歌詞のノリノリの音楽に合わせて、吸いガラを運ぶハエがボヤ騒ぎを起こす嫌がらせの様子が流れるんだから最高と言わざるをえません。

 

 

ラージャマウリ監督の特色が詰め込まれた現代の寓話

 

 

映画の冒頭でも示されていますが、これは現代を舞台にした「おとぎ話」です。

 

 

執念深い復讐の描き方や、実直でポジティブな主人公、芯の強いヒロイン、そして魅力的な悪役など、バーフバリに通ずるエッセンスが多分に含まれた『マッキー』、何も考えずに観られる最高のエンターテイメントなのでぜひ観てみてほしいです! ハエが画面いっぱいに飛び交いますが……。

 

 

動画配信サイトだと、Netflixで手軽に観られますよ。(2018年7月20日現在)