こんにちは、ブロス編集部です。

時間は遡って2017年11月。株式会社クボタのテレビCMの撮影が行われました。

 

 

 

クボタというとトラクターなどが有名なあの会社ですね。実は売上の約7割が海外というグローバル企業で、クボタの製品は世界のいろんなところで役に立っているんだよ!というメッセージを伝えるべく、世界各地を巡ってCMを撮影しているそうです。

 

 

 

今回の撮影はロサンゼルス。クボタが開発した「ユーティリティビークル」という働く車を題材にしたCMです。そのCM撮影現場を取材すべく、我々ブロス編集部も同行する予定でしたが……。

 

 

 

どの空弁を買うか悩んでいる間に、飛行機が出発してしまいました。そのためレポートに行けず、手元にあるのは現地で撮影スタッフが撮ってきてくれた数百枚の写真のみ。

 

「できませんでした」では会社としての信用を失ってしまいます。そのため、我々は写真を元に想像だけで現場のレポートを書くことにいたしました。

 

 

 

妄想で書いた、クボタのテレビCM撮影現場レポート

 

 

クボタのテレビCMの撮影は、アメリカのロサンゼルスにある荒野で行われました。見てください!日本では見られない雄大な大地を!素晴らしい場所です。

 

 

撮影現場には「LOVE」と書かれたゴミ箱のようなものが。

「ここに愛は捨てて、撮影に挑め」ということでしょうか。非常に厳しい撮影現場になる予感がしてきました。

 

 

 

中身を見てみると「藁」や「土」が入っていました。どゆこと??

 

 

 

現地について2時間が経過。しかし、いつまでたっても撮影が始まりません。「発注ミスで違う車が届いてしまったんだ」とのことだそうですが……。

 

 

 

そこにはどっかのメーカーのイカついトレーラーが鎮座していました。日本で言う「軽トラ」にあたるユーティリティビークルとは真逆の存在。波乱の幕開けです。

 

 

 

仕方がないので、地面に空いた穴を見つめて時間を過ごします。

 

 

 

よく見ると、他の場所にもポツポツと穴が。

 

 

 

「おい、いっぱい穴があるぞ!」

 

「ブラボー!ここにも穴だ!」

 

地面に穴が空いていることに興奮する、撮影クルーの面々。

この瞬間から”一番たくさん穴を見つけた人が優勝”という「穴見っけゲーム(英名:Finding Holes Game)」が始まりました。

 

 

 

穴見っけゲームがスタートしてから5時間後……

 

 

 

 

?!

 

あのヘッドランプの群れは……?

 

 

 

次の瞬間、誰かが「盗賊団だ!」と叫び、現場は大パニックに。
みんな貴重品だけ持って逃げ出します。

 

 

しかし後でわかった事なのですが、これこそがもともと発注していたクボタの「ユーティリティビークル」だったのです。

 

 

 

みんな逃げ出してしまい、静まり返る撮影現場。

こうなっては仕方がないので、撮影は翌日に持ち越されることになりました。

 

 

 

・・・・

 

 

 

 

翌日。無事現場にユーティリティビークルも届けられ、改めて撮影がスタートしました!

 

 

 

ユーティリティビークルの座席には「Kubota」のロゴが輝きます。

 

 

 

こちらは、クボタトラクターコーポレーションのユーティリティビークル開発担当の中岡さんです。今回、自分が開発したものがどのようなTVCMになるか自分の目で見てみたい、という事で現場に駆けつけました。

 

 

 

さらに中岡さんは「二天一流」の免許皆伝を持っているそうで、その場で20人以上のスタッフをただの木の棒2本で気絶させてしまいました。

 

 

 

スタッフが目を覚ましたのは、なんと8時間後。

すっかり日も落ちてしまい、撮影はまた翌日に持ち越すことになりました。

 

 

 

・・・・・

 

 

 

 

撮影3日目。

今日こそは!と撮影スタッフ全員に気合が入ります。

 

 

 

昨日の一件についてさすがに反省したのか、「今日は誰も気絶させないように…右肩、外してきました!」とのこと。並々ならぬ覚悟が伝わってきます。

 

 

そんな時……。

 

 

 

ブーーーーーン……

 

ん…?あれは……?

 

 

 

あーっ!!!長澤まさみだ!!!!

 

これは完全に偶然なのですが、撮影現場をたまたま長澤まさみさんが通り過ぎました。チラっと横顔が見えたくらいでしたが、こんな場所で女優さんを見かけるなんて、ラッキーですね!

 

 

 

 

……さて、気を取り直してCMの撮影に戻ります。

メインで登場するのは、こちらのおじいさんです。

 

 

 

ファサ……

 

 

 

 

 

 

 

 

ファサ……

 

 

 

 

今回のCMは、この動きが15秒間ずっと繰り返され、そこに「ユーティリティビークル」の写真と「クボタ」のロゴが浮き上がってくる……という斬新な構成になっています。

 

 

 

こういったCMが撮りたいがために、20人以上のスタッフが、ここロサンゼルスの地に集結したのです。

 

 

 

それでは、撮影スタート!と思ったその時……

 

 

 

 

もわもわもわ……

 

近くの小屋から、突然煙が!!!一体何が起こったのでしょうか?

 

 

 

 

「オーマイガ!『Motivation Fire』だ!」

 

「モチ……何ですって?」

 

「『モチベーション・ファイア』さ!日本語にすると『やる気火(やるきび)』だね。高い撮影技術を持ったクリエイター達が一箇所に集まり、かつ、全員のやる気がピークに達した時に起こると言われる現象さ……まさか生きているうちにお目にかかれるとはね!」

 

 

なんという事でしょう。我々はいま、とんでもない”奇跡”に直面しているのです!!

 

 

 

とはいえ、どんな奇跡であっても火は火。そのままにしておくと危ないので、消防車が出動し、火は消し止められました。

 

その場にいた全員が「ミラクルだ」「これ以上ない幸福だ」と騒いでいると……。

 

 

 

「ヘイみんな!なんかもう、よくないかい?!」

 

監督が声を上げました。

モチベーション・ファイアは、言ってみればクリエイターにとってはこれ以上ない称号。最高のチームが集まり、チーム全員が1つになったという証拠なのですから。
この現象が起こった時点で、もう撮影は「完成」したのではないでしょうか?

 

つまりこれ以上の撮影は、作品にとって”贅肉”にしかなりえないのです。その事を撮影チームは感覚として理解していました。

 

しかし、クボタとしてそれは良いのでしょうか……?

 

 

 

「『未完成』こそが、このCMの『完成』……この大自然が、そう教えてくれているのだと思います」

 

なんと、中岡さんもこの状況に大満足の様子。
1つになったのは撮影チームだけじゃない。クライアントであるクボタも1つになっていたのです。

 

クリエイティブには様々な形がある……そう痛感させられた3日間でした。

こうしてクボタのCMは、何も撮影されることなく「完成」と相成ったのです!

 

 

 

 

 

……という原稿を想像で作成して、クボタさんに提出したところ、

 

 

 

 

結構マジなトーンで怒られてしまいました。

 

もう一度関係者からお話を聞き直してみたところ、CM撮影はちゃんと撮れたし、主演は通り過ぎただけだと思っていた長澤まさみさんだそうです。

 

 

※通り過ぎたわけではなく、ガッツリ撮影中の写真だったようです

 

 

クボタの製品は世界各地で活躍しており、それをみんなに知ってもらうため、海外でTVCMを撮影しているのだそう。そのTVCMは以下のリンクから見ることができるので、是非見てみてください、とのことでした。

 

 

クボタのキャンペーンサイトを見る

 

長澤まさみさんが出演する、クボタのテレビCMを見る

 

 

こちらからは以上です。